文法(256)

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形式目的語 it + to不定詞

形式目的語itを使った第五文型(to不定詞)

彼女に会うのはむずかしいとわかるだろう。

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以下の解説は、「形式目的語 it + to 不定詞」の構文をより詳しく、わかりやすく説明したものです。ポイントを整理しながら解説していきます。


1. 形式目的語 it とは?

英語の文では、動詞の目的語(動詞の後ろにくる言葉)が長くなると、文が読みにくくなることがあります。そこで、先に「it」を置き、後から「to 不定詞」で本来の(“真の”)目的語を入れる構文があります。この「it」が“形式目的語”と呼ばれるものです。


2. なぜ「形式目的語 it」を使うのか?


  • 文章が長くなり、分かりにくくなるのを避けるため

  • 動詞と目的語の間がスッキリ見え、英文を読みやすく聞きやすくするため

例えば、以下の文を考えてみましょう。


I found to read the French book difficult.


このままでも意味は伝わりますが、目的語(to read the French book)が長く、文の構造が分かりにくくなります。そこで「形式目的語 it」を使います。


I found it difficult to read the French book.


このように書き換えると、文がすっきりして理解しやすくなります。


3. 構文パターン

「形式目的語 it + 形容詞 + to 不定詞」の形が典型的です。


  • I found it difficult to read the French book.


    • 「そのフランス語の本を読むことが難しいと分かった」


動詞としては、主に「find, think, consider, believe, make など、補語をとる動詞」でよく使われます。“何かを …と感じる・思う・考える”といった意味合いを持つ動詞です。


4. 文の要素を整理する

書き換え構文の前後で文の要素(S, V, O, C)は同じ働きを保っています。


  1. 主語(S): I

  2. 動詞(V): found

  3. 形式目的語(O): it

  4. 補語(C): difficult

  5. 真の目的語 → to 不定詞部分: (to read the French book)

このうち (3) の it が形式目的語で、(5) が実際の内容(真の目的語)を表しています。


5. 他の例文


  • I think it necessary to study English every day.


    • (毎日英語を勉強することが必要だと思う)


  • We made it clear to invite all members to the party.


    • (私たちは全メンバーをパーティーに招待することをはっきりと決めた)


  • They considered it rude to talk loudly in the library.


    • (彼らは図書館で大声で話すのは失礼だと考えた)


どの例文でも「it」はあとにくる「to 不定詞」を指しています。


6. まとめ


  • 「形式目的語 it」は、後ろに続く“長い目的語”を先に「it」として受け、その後に to 不定詞で“真の目的語”を表す便利な構文です。

  • 文をすっきりさせ、読みやすく、自然な英語にするためによく使われます。

以上のように、「形式目的語 it + to 不定詞」の構文は英語で文を組み立てる際、複雑になりがちな目的語部分を整理するために非常に有用です。ぜひ、いろいろな文章で使ってみてください。

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B1.1-B2.1

whatever/whoever/wherever/however

everの付く関係代名詞

彼の言うことは何でも正しい。

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以下では、whatever / whoever / wherever / however のはたらきや訳し方を、できるだけ詳しく、分かりやすく解説します。


1. 概要

whateverwhoever などの語は、しばしば「複合関係代名詞」や「複合代名詞」と呼ばれ、文の中で名詞節副詞節を導きます。


  • 名詞節を導くとき: 文の主語・目的語・補語などの役割を果たす。

  • 副詞節を導くとき: 主節の動詞を修飾し、「~しようとも」「たとえ~でも」といった意味を表す。


2. 主な「wh-ever」形の一覧























意味の例
whoever 名詞節: 「~する人は誰でも」 副詞節: 「誰が~しようとも」
whatever 名詞節: 「~するものは何でも」 副詞節: 「たとえ何を~しても」
wherever 名詞節: 「~する場所はどこでも」 副詞節: 「どこへ~しようとも/どこで~しようとも」
however 副詞節: 「どのように~しようとも」「どんな方法をとろうとも」

※名詞節だけでなく、副詞節を導く用法にもなる点に注意しましょう。however は基本的に「どのように~しても」の副詞節を作る形で使われます。


3. 名詞節としての使い方

3.1 名詞節の特徴


  • 名詞と同じ役割(主語・目的語・補語)を果たす。

  • 「~する〇〇は何でも」「~する人は誰でも」という意味になることが多い。

3.2 例文


  1. Whoever comes first will get a prize.

    →「最初に来た人は誰でも賞がもらえます。」


    • この文では「whoever comes first」が主語となっています。


  2. I will take whatever you recommend.

    →「あなたが勧めるものは何でもいただきます。」


    • 「whatever you recommend」が目的語になっています。


  3. I want to know wherever she goes.

    →「彼女がどこへ行くのか、どこでも知りたいのです。」


    • 「wherever she goes」が know の目的語=名詞節です。(※「どこへ行くのか」という疑問内容を表す感覚)



4. 副詞節としての使い方

4.1 副詞節の特徴


  • 主節の動詞などを修飾し、「たとえ~しても」「誰が~しようとも」「どこに~しようとも」などの意味を表す。

  • 主節と同時に条件や譲歩を示すため、「no matter + 疑問詞」(例: no matter who, no matter what...) の意味に相当することが多い。

4.2 例文


  1. Whoever calls, please say I’m not available.

    →「誰が電話してきても『席を外しています』と伝えてください。」


    • 「誰が電話してきても」と条件を示し、主節「please say...」 を修飾している。


  2. I will support you whatever you do.

    →「あなたが何をしようとも、私はあなたを応援します。」


    • 「たとえ何をしようとも」と条件・譲歩的に訳せます。


  3. Wherever you go, I will follow you.

    →「たとえどこへ行こうとも、ついていきます。」


    • 場所を問わず通用する条件を表しています。


  4. However you solve this problem, just make sure to check your answer.

    →「たとえどんな方法でこの問題を解こうとも、答えをちゃんと確認してください。」


    • 「どのように解決しようとも」という方法や手段を示しており、主節を修飾しています。



5. まとめ


  • whoever / whatever / wherever / however は、それぞれ名詞句や副詞句を作る複合関係代名詞・複合副詞的表現です。

  • 名詞節として使われるときは、主語・目的語・補語となり、「~する人は誰でも」「~するものは何でも」などの意味を表します。

  • 副詞節として使われるときは、「たとえ~でも」「~しようとも」など、条件や譲歩を表す文を作ります。

  • 特に「however」は主に副詞節を導き、「どのように~しようとも」という意味で使われます。

これらの用法が分かると、英文の意味理解だけでなく、条件や譲歩を自然に表す文章を自分で書けるようになります。ぜひ例文を参考に覚えてみてください。

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wish+仮定法過去

現在の事実の逆や願望を表す表現

彼らがけんかをやめてくれればいいのに。

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以下では「wish + 仮定法過去」という表現について、より詳しく、わかりやすく解説します。


1. 「wish + 仮定法過去」の基本的な意味

「wish + 仮定法過去」は、「現実とは異なる状況が今こうだったらいいのに」という願望を表す表現です。


  • 例えば、I wish I could fly.(飛ぶことができたらなあ)は、実際には飛ぶことができない(現実とは違う)けれど、「もし現実がそうだったらいいのに」と願っているわけです。


2. 文法の仕組み

■ “wish” の後に仮定法過去(過去形)を用いる


  • 「wish + 主語 + 過去形」の形で、現在の実際の状況とは異なる願望を表します。

  • 「could」や「were」を用いて、「(今)~できたらいいのに」「(今)~だったらいいのに」と言いたい場合に便利です。

たとえば:


  • I wish I could sing better.


    • (実際には歌があまり上手ではないけれど)「もっと上手に歌えたらなあ」という意味。


  • I wish I were taller.


    • (実際には背が高くないけれど)「もっと背が高かったらなあ」という意味。


I wish I was taller. と言うこともありますが、文法的には「仮定」をよりはっきり示すために were を使うのが伝統的な用法です。


3. 具体例


  1. I wish I had a car.


    • (車がないが)「車があればなあ」


  2. I wish I could stay longer.


    • (実際には長く滞在できないが)「もっと長くいられたらいいのに」


  3. I wish it were sunny today.


    • (実際には雨 or 曇りだが)「今日晴れてたらいいのに」


これらはすべて、現在の実際の状況とは異なる「もしそうだったらいいのに...」という願望を表しています。


4. 「wish + 仮定法過去完了」との違い

参考として、「wish + 仮定法過去完了」は過去の事実とは違う状況を「こうだったらよかったのに」と後悔や残念な気持ちを表すときに使います。


  • 例: I wish I had studied harder.(もっと勉強しておけばよかったのに)

これと区別して「wish + 仮定法過去」はあくまで「現在の状況が違えばいいのに」という今に対する願望です。


5. まとめ


  • 「wish + 仮定法過去」は「現実とは違う今の願望」を表す。

  • I wish I could ...「~できたらいいのに」や、I wish I were ...「~であればいいのに」などの形をよく使う。

  • 過去形を使うことで「仮定であること」を明確に示し、実際とは異なる願望を伝える。

「wish + 仮定法過去」が使いこなせると、英語で想像上の願いや不満を表現できる幅が広がります。現実とは違う「こうならいいのに!」という気持ちを表すときに、ぜひ活用してみてください。

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現在完了進行形

「ずっと~している」を表す表現

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現在完了進行形(Present Perfect Continuous)の解説

現在完了進行形は「have/has + been + 動詞の-ing形」の形で表され、以下のような特徴があります。


  1. 過去から現在までの継続

    過去のある時点から動作が始まり、現在もその動作が続いていることを強調します。日本語では「ずっと~している」「今までずっと~し続けている」などと訳されることが多いです。


  2. 行為の連続・進行を強调

    単なる「経験」や「完了」ではなく、「続けている」というニュアンスを加えて表現できます。たとえば「発生した」という事実だけでなく、その活動・行為が今の時点まで途切れることなく続いてきたことを伝えたい場合に用います。


  3. 主な用法と例


    • 「for + 期間」や「since + 起点」を伴うことで、どれくらいの期間続けているのかを明確に示すことができます。

    • 「How long ~?」の疑問文を使えば、「どのくらいの期間~し続けているの?」という質問をすることもできます。


例文:


  • I have been studying English for three hours.

    (私は3時間、英語の勉強をし続けています)

  • She has been working for this company since last year.

    (彼女は昨年からずっとこの会社で働き続けています)

  • How long have you been playing the piano?

    (あなたはどのくらいピアノを弾き続けているのですか?)


  1. 現在完了形(have/has + 過去分詞)との違い


    • 現在完了形(have/has + 過去分詞)は、その動作が「完了・経験・結果・継続」を表せる一方、必ずしも「今もなお続いている動作」を強調するわけではありません。

    • 現在完了進行形は、動作が「今でも続いている・進行している」点を際立たせたいときに使われるため、「行為が続いている」ニュアンスがさらに強くなります。


  2. 使用上の注意


    • 短い動作や、現在形で習慣を表す場合には使われないことがあります。

    • 「知覚動詞(see, hear など)」や「状態動詞(know, belong, love など)」の中には、進行形にできない(あるいは意味が変わってしまう)ものもあるので注意が必要です。



このように、現在完了進行形は、過去から現在まで継続している動作に焦点を当て、時間の経過や動作の持続感を強調するのが大きな特徴です。例文をたくさん読み、実際に使うことで感覚をつかむとよいでしょう。

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in order to不定詞

「~するために」を表す表現

家族を起こさないように、彼は静かに入ってきた。

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以下では、「in order to 不定詞」の使い方について、より詳しくわかりやすく解説します。


英文法「in order to 不定詞」の解説

1. 基本的な意味と役割


  • 「in order to + 動詞の原形」 は、主に「〜するために」という目的・意図を表すための表現です。

  • この表現は、副詞的に文全体を修飾し、「なぜその動作を行うのか」という目的を明確に示します。

2. 「to 不定詞」との違い


  • 通常の to 不定詞 でも目的を表すことができますが、in order to の方が目的を強調したり、文章をより形式的・明確な印象にしたりする場合に使われます。

  • 例:


    • I went to the library to study.

    • I went to the library in order to study.

      後者の方が「勉強する目的で行った」というニュアンスを強調します。


3. 否定形: in order not to


  • 否定形にする場合は in order not to + 動詞の原形 を使います。


    • 例: I shut the door quietly in order not to wake the baby.

      (赤ちゃんを起こさないために、静かにドアを閉めました。)


4. 文中での位置


  1. 文頭に置く:


    • In order to finish the project on time, we worked day and night.

      (プロジェクトを時間通りに終えるために、私たちは昼夜を問わず働きました。)


  2. 文中(または文末)に置く:


    • We worked day and night in order to finish the project on time.


どの位置に置いても文法的には問題ありませんが、文頭に置くと目的をより強調できます。

5. よくある間違いへの注意


  • in order to のすぐ後ろには 動詞の原形 を置くことを忘れないようにしてください。

  • 目的を表したいのに、to 不定詞以外を使ってしまうと、文の意味が変わる場合があります。しっかりと「目的を表すための不定詞」であることを意識しましょう。


上記を踏まえると、「in order to 不定詞」は文章中で目的をくっきり示したいときや、フォーマル寄りの文体で書きたいときに便利な表現です。ぜひ使い分けを覚えておきましょう。

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分詞構文(現在分詞・文頭)

接続詞や主語を省略できる分詞構文(現在分詞)

風邪を引いていたので、私は学校を休んだ。

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分詞構文(現在分詞・文頭)とは

分詞構文とは、動詞の分詞形(現在分詞や過去分詞)を使って、主節(メインの文)に付帯的な情報を簡潔に付け加える構文です。通常は「接続詞+主語+動詞」という形で書かれる従属節を、分詞構文に置き換えることで文章を短くまとめることができます。

このうち「現在分詞」を文頭に置く分詞構文では、文頭の“動詞+ing”の部分が従属節の内容を表し、主節と同じ主語を共有している点がポイントです。


分詞構文にするための条件


  1. 主節と従属節の主語が同じであること

    分詞構文では、主節と従属節の主語が同じ場合に、従属節の主語を省略できます。

  2. 動詞を現在分詞形に変える(-ing 形にする)

    主語を省略した後、動詞を “動詞の-ing 形” に変えます。

  3. 接続詞(while, when, because など) は状況によって省略可

    文脈から意味が分かる場合は、従属節の接続詞を省略することで、より簡潔に表現できます。


例文で見る分詞構文


  • Before(前置詞・接続詞)+節:

    “Before I left the house, I checked the weather.”

    → “Before leaving the house, I checked the weather.”

    (「家を出る前に天気をチェックした」)


  • While(接続詞)+節:

    “While I walked in the park, I found a baby bird.”

    → “Walking in the park, I found a baby bird.”

    (「公園を歩いている間に小鳥を見つけた」)


    • このとき、while は省略され、歩いている状況を “Walking in the park” で表しています。

    • 主節(“I found a baby bird”)と従属節(“While I walked in the park”)の主語がどちらも “I” なので、従属節の主語を省略することが可能です。



分詞構文のニュアンスと使い方


  1. 付帯状況を手短に表す

    「~しながら」「~して」などの状況を、主節とは別にサラッと表現できるのが分詞構文の利点です。


  2. 時制の一致に注意


    • 現在進行中の動作を同時に表したい場合に現在分詞(~ing 形)を使います。

    • 動作が主節より以前に完了している場合などは完了形の分詞構文(Having + 過去分詞 など)を使うことがあります。


  3. 主語が異なる場合は分詞構文を使えない

    主節と従属節の主語が違う場合は、分詞構文にしても意味のつながりがはっきりしなくなるため使えません。主語が異なる場合は、接続詞を使った通常の節にして書くほうが正確です。


  4. 副詞句のような働き

    分詞構文は、時・原因・条件・譲歩などさまざまな意味を暗示することがあります。接続詞を省略した分詞構文では文脈から判断する必要がありますが、省略を戻して確認すると意味を整理しやすくなります。



まとめ


  • 分詞構文(現在分詞・文頭)は主語を省略した “動詞の-ing 形” で始まる形。

  • 主節と従属節の主語が同じであることが大前提。

  • 従属節を分詞構文に変えることで、文章を簡潔にし、流れをスムーズにできる。

分詞構文を使いこなすと、英文をより自然で読みやすい形にまとめることができます。慣れるまでは「しっかり接続詞付きの節で書いてみる → 分詞構文に変える」という手順で練習してみると効果的です。

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仮定法過去(if節内動詞が過去)

現在の想像や仮定は、過去形で表す

もし僕が君だったら、そんなことはしないよ。

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仮定法過去とは? ~「もしそうだったら…」という、事実ではない仮定を表す表現~

英文には大きく分けると直説法仮定法の二種類があります。


  • 直説法(Indicative Mood):実際に起こっている事実や、確かだと考えられている内容を表すときに使う

  • 仮定法(Subjunctive Mood):現実とは異なる想像や、条件付きで「もし~だったら」と仮定するときに使う


直説法の特徴


  • ふだん目にする英語文のほとんどは直説法で書かれています。

    例)I am a student.(私は学生です)

  • 真実・事実・確信をもって述べる内容は、原則として直説法で表現します。


仮定法過去の特徴

仮定法にはいくつかの形がありますが、その中でも「仮定法過去 (Past Subjunctive)」は、現実にはそうではない状態を「もし~ならば」と想定して話をするときに用います。特に、以下の点が大切です。


  1. If節(条件節)の動詞を過去形にする


    • 現在の事実に反することを仮定するときでも、なぜか過去形を使うのが英語のルールです。

    • 例)If I were you, I wouldn’t do it.


      • 「もし私があなたなら、そんなことはしないだろう」

      • 実際に自分が相手になることはできないので、現実では起こりえない仮定を表しています。



  2. 主節(結果節)も過去形(助動詞の過去形)を使う


    • 仮定法過去では、If節に続く文(主節)に would / could / might などの過去形助動詞を用います。

    • 例)If I had more time, I would travel around the world.


      • 「もし時間がもっとあったら、世界中を旅するのになあ」

      • “had” と “would” はどちらも過去形の形をとっていますが、実際は“今”の仮定をしている表現です。



  3. ”If I were…” の形


    • 仮定法過去では、be動詞は人称や単数・複数にかかわらず “were” が使われることが多いです。

    • 例)If I were a bird, I would fly to you.(もし私が鳥なら、あなたのもとへ飛んで行くのに)

    • 日常会話では “If I was…” という言い方をする人もいますが、文法的には “If I were…” の方がより正式です。



日本語との違い


  • 日本語で「もし~なら…するだろう」と言うとき、私たちは現在のことなら現在形を、過去のことなら過去形をと、素直に使い分けます。ところが英語では、現在の仮定でも過去形を使うのが仮定法過去の特徴です。

  • これは「過去形にすることで“現実から離れた状態”を表す」という、英語独特の発想と覚えておくとわかりやすいでしょう。


まとめ


  • 仮定法過去は「今現在の事実とは異なる仮定」を表すとき、If節と主節の両方に過去形(または過去形の助動詞)を用いる文の形です。

  • 「過去のことを話しているのではなく、現実にはそうではない想像の世界を扱っている」と心得ましょう。

  • 代表的な例 “If I were you, I would…” を、一つのテンプレートとして覚えておくと使いやすいです。

以上を踏まえて、英語の仮定法を使うときは実際の時間軸に注意しつつ、「過去形表現=現実とは違う仮定を表す」という感覚をしっかり理解しておくことが大切です。

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倒置(so + be/have/do/助動詞 +人称代名詞)

「私も」と同調するときの倒置表現

彼女はジャズが好きだが、私もまたそうだ。

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倒置構文「So + be/have/do/助動詞 + 人称代名詞」について

「私も!」と相づちを打つときに、まず Me, too. が浮かぶ方は多いと思います。実はこれ以外にも、


  • So do I.

  • So am I.

  • So will I.

    など、「So + 助動詞(またはbe動詞)+ 主語(人称代名詞)」の形で「私も(そうだ)」と同調を表す方法があります。これを「倒置構文」と呼びます。以下では、その使い方と注意点を詳しく解説します。


1. 「so」が文頭に来るときの倒置


  • もともと英語には “I do so.”「私もそうだ」という表現があります。

  • この文で強調される “so” を文頭に持ってきた形が “So do I.” です。

  • 「so(強調したい部分)」が前に出ることで、主語と助動詞(あるいはbe動詞)の語順「助動詞 + 主語」 に逆転するのがポイントです。


  • So do I. → ※ “I do so.” がもとになっている

  • So am I. → be動詞(am)が主語(I)の前に出る

  • So can I. → 助動詞(can)が主語(I)の前に出る


2. 時制や助動詞に合わせて形を変える

同調したい相手の文が過去形なのか、未来形なのか、あるいは助動詞を使っているかなどによって、“do/did/will/can” のように適切な形に変える必要があります。


  1. 現在形に同調して「私も(そうする)」と言いたいとき


    • 相手:I play tennis every weekend.(私は毎週末テニスをします)

    • 自分:So do I.(私もします)


  2. 過去形に同調して「私も(そう思った)」と言いたいとき


    • 相手:I thought it was right.(それは正しいと思った)

    • 自分:So did I.(私もそう思った)


  3. 未来形に同調して「私も(そうするつもり)」と言いたいとき


    • 相手:I will go there tomorrow.(明日そこに行くつもりだ)

    • 自分:So will I.(私も行くつもりだ)


  4. 助動詞に同調するとき


    • 相手:I can speak French.(フランス語が話せる)

    • 自分:So can I.(私も話せます)



3. 「Me, too.」との違い


  • Me, too. はカジュアルな口語表現で、「私もそうだよ!」と伝えたいときに非常によく使われます。

  • 一方、“So do I.” などの倒置構文は、フォーマルな場面や文章でも使われるため、覚えておくと便利です。


4. その他のポイント


  • “Me, neither.” / “Neither do I.”

    「私も(そうではない)」と否定に同調したい場合は “neither” を使います。


    • 例:I don’t like spiders.(クモが嫌いです) → Me neither. / Neither do I.(私も嫌いです)


  • 品詞に応じて倒置の形が変わる


    • be動詞なら So am I. / So were we.

    • do/do not なら So do I. / Neither do I.

    • 助動詞 can, may, must などがあれば So can/may/must I.


  • 文脈や状況に合わせてカジュアルかフォーマルかを選ぶと自然な英語表現ができます。


まとめ

「私も!」という意味を表すとき、カジュアルには Me, too. がよく使われますが、少しフォーマルな場面や文書では So do I.So am I. などの倒置構文が便利です。


  • “so” を文頭に置くことで助動詞や be動詞と主語の語順が逆転する

  • 相手の時制や助動詞に合わせて “do/did/will/can” などを変化させる

このルールを押さえておけば、英語での「同調表現」がより正確かつ自然に行えるようになります。ぜひ意識して使ってみてください。

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B1.1-B2.2

倒置(neither/nor + be/have/do/助動詞 + 人称代名詞)

「私もそうじゃない」と同調するときの倒置表現

彼は牛肉が好きではありません。私もです。

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以下では、「倒置(neither/nor + be/have/do/助動詞 + 人称代名詞)」の用法を、できるだけ詳しくわかりやすく解説していきます。


■ 「Neither do I.」の基本的な成り立ち

「私もそうじゃない」「私も~しない」というときには、


Neither do I.


という表現がよく使われます。これはもともと「I do neither.」の形から、否定を強調する “neither” が文頭に来て倒置(語順の反転)が起こったものです。

● 倒置とは?

英語では通常「主語(S) + 動詞(V)」の順序ですが、強調などの理由で「neither」や「nor」で始めると、


[Neither] + [助動詞/Be動詞] + [主語]


のように、助動詞・Be動詞・haveなどが主語の前に出ます。これを「倒置」と呼びます。


■ 例文と使い分け


  1. 「私もそれをしません」


    • A: I don’t do that.

    • B: Neither do I.

    • → 「私もやりません」の意味


  2. 「私もそれが正しいとは思いませんでした」


    • A: I didn’t think it was right.

    • B: Neither did I.

    • → 「私もそう思いませんでした」の意味


  3. 「私も行きません」(未来の話)


    • A: I won’t go there.

    • B: Neither will I.

    • → 「私も行きません」の意味


  4. 「私も終わっていません」(完了形)


    • A: I haven’t finished my homework.

    • B: Neither have I.

    • → 「私も(宿題が)終わっていません」の意味


以上のとおり、もとの文の時制や助動詞に合わせて、 “do” / “did” / “will” / “have” 等を使い分けるのがポイントです。


■ 「nor」を使う場合

「Neither A nor B」という形で「AもBも~ない」という文もありますが、ここで取り上げている「Neither do I.」のような返答表現では「nor」を使わない場合が多いです。

ただし、文全体を通して「Aも~ないし、Bも~ない」と二つの項目を並列的に否定するときには “nor” が使われます。例:


I neither dance nor sing.

(私は踊りもしないし、歌いもしない。)



■ よくある疑問点


  1. 「Me neither.」との違い


    • 会話では「Me neither.」と簡略的に言うことも多いですが、文法的に正確な返答としては“This is correct.” のように、主語と助動詞をそろえて “Neither do I.” とした方がきちんとした英語になります。


  2. 「So do I.」との違い


    • 「So do I.」は肯定文への同意:「私もそうします / 私もそう思います」

    • 「Neither do I.」は否定文への同意:「私もそうしません / 私もそう思いません」

    • 肯定と否定で、So と Neither の使い分けに注意してください。



■ まとめ


  • “Neither” や “Nor” は「~も…ない」という否定を表すときに使われ、文頭に置くことで倒置が生じ、助動詞や Be 動詞が主語より先に来ます。

  • 返答として「私も~ない」と言いたい場合は、直前の否定文がとっている時制や助動詞に合わせて倒置形を使いましょう。


    • 現在形 → Neither do I.

    • 過去形 → Neither did I.

    • 未来形 → Neither will I.

    • 完了形 → Neither have I.


  • 「Me neither.」と発音する場面も口語では多いですが、文法学習の段階では “Neither do I.” といった形で覚えておくとよいでしょう。

こうした倒置構文は、英語をより自然に、流暢に話すうえで重要です。ぜひ例文を参考に使い分けを身につけてください。

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B1.1-B2.2

倒置(Never/No sooner/Hardly/Little/Scarcely/Seldom ....)

準否定語による倒置

この会合がいかに重要かを彼は全然わかっていない。

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以下では、倒置構文の一種である「準否定語(Never / No sooner / Hardly / Little / Scarcely / Seldom など)」が文頭に来る場合について、より詳しく解説します。


準否定語とは?

英語には、以下のような「ほとんど~ない」「めったに~ない」などの意味をもつ副詞があります。これらは見かけ上は否定語ではないものの、文全体に否定的な意味合いを含むため「準否定語」と呼ばれることがあります。


  • never(決して~ない)

  • seldom(めったに~ない)

  • rarely(めったに~ない)

  • hardly(ほとんど~ない)

  • scarcely(ほとんど~ない)

  • little(ほとんど~ない)

  • no sooner(~するとすぐに)

これらが文中にある場合、文自体は肯定文の形をとっていても、意味としては否定や否定に近いニュアンスをもつので、いわゆる「否定文」と同じ扱いになります。


倒置構文(Inversion)とは?

通常、英語の文は「主語(S)+ 動詞(V)+ …」の語順になりますが、特定の副詞や表現が文頭に出ると「助動詞(または be 動詞など)+ 主語(S)+ 動詞(V)」のように、主語と動詞がひっくり返る(=倒置)現象が起こります。

準否定語が文頭に来たときも、この倒置が起こるのが大きな特徴です。

例1)Seldom の場合


  • 通常の語順(準否定語が真ん中にある場合)

    He seldom visits that place.

    (彼はめったにその場所を訪れない。)


  • 倒置が起こった語順(準否定語が文頭にある場合)

    Seldom does he visit that place.

    (めったに彼はその場所を訪れない。)


文頭に “Seldom” を置くと、後に助動詞の “do” / “does” / “did” が入り、主語と動詞が続きます。

例2)Never の場合


  • 通常の語順

    He never dances in public.

    (彼は決して人前で踊らない。)


  • 倒置が起こった語順

    Never does he dance in public.

    (決して彼は人前で踊らない。)



倒置構文が必要になる理由

準否定語は意味的に否定を強調するような役割をもちます。その準否定語を文頭に置くことで、否定のニュアンスをより強く相手に伝える効果があります。一方、否定を表す副詞などが文頭にきた場合、英語では文法上、主語と助動詞を倒置させるルールがあります。これにより、倒置構文が生まれます。


倒置構文のつくり方


  1. 準否定語を文頭に置く。

  2. もともと助動詞がある場合は、それを主語の前に出す。


    • 例)He can rarely see it. → Rarely can he see it.


  3. もともと助動詞がない場合は “do / does / did” を文頭に挿入する。


    • 例)He seldom visits that place. → Seldom does he visit that place.


be動詞の場合

be動詞が使われている文では、be動詞自体が助動詞の役割をするため、do/did を使わずにそのまま倒置させます。


  • 例)He is never late. → Never is he late.


主な準否定語の意味と倒置形の例


  1. Never(決して~ない)


    • 通常:He never goes there.

    • 倒置:Never does he go there.


  2. Seldom(めったに~ない)


    • 通常:He seldom visits that place.

    • 倒置:Seldom does he visit that place.


  3. Hardly(ほとんど~ない)


    • 通常:I hardly saw him yesterday.

    • 倒置:Hardly did I see him yesterday.


  4. Scarcely(ほとんど~ない)


    • 通常:She scarcely ate dinner.

    • 倒置:Scarcely did she eat dinner.


  5. Little(ほとんど~ない)


    • 通常:He little knows the truth.

    • 倒置:Little does he know the truth.


  6. No sooner(~するとすぐに)


    • 通常:He no sooner arrived than he left again.

    • 倒置:No sooner had he arrived than he left again.

      (No sooner の場合は過去完了形とともに使われることが多いのもポイントです。)



まとめ


  • 準否定語(Never, Seldom, Hardly, Scarcely など)が文頭に置かれると、否定の強調を表すために倒置構文(助動詞+主語)の形を取ります。

  • 助動詞がない場合でも「does / do / did」などを補って倒置を成立させます。

  • もともと助動詞のある文や be 動詞の文では、それを主語の前に出して使います。

このように、準否定語が文頭に来るときには倒置が起こるというルールをしっかり押さえておきましょう。特にライティングやフォーマルな文章で否定を強調したいとき、あるいは試験などでよく狙われるポイントなので、ぜひ覚えておいてください。

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