文法(256)
関係節の前置詞残留
前置詞を残す位置は2か所のいずれか
関係節の前置詞残留とは
英語の関係節では、本来は前置詞 (for, with, in, at など) が関係代名詞 (whom, which など) の前に置かれることが多いのですが、実際には前置詞が文末に移動する形がよく使われます。これを前置詞の残留 (preposition stranding) と呼びます。
例:
- 前置詞が残留している形:
The candidate whom I cast a vote for was elected. - 前置詞が前にきている形:
The candidate for whom I cast a vote was elected.
意味はどちらも「私が投票した候補者は当選した」ということです。
例文の由来
この文は、次の2つの文を結びつけて作られています:
(1) The candidate was elected.
「その候補者は当選した。」(2) I cast a vote for the candidate.
「私はその候補者に投票した。」
これらを関係代名詞 (whom) を使って一つの文にまとめるとき、前置詞のforを置く場所が2通り考えられます。前置詞を関係代名詞の後ろに残すか、関係代名詞の前に持ってくるかで文の形が変わるのです。
前置詞の残留の例
前置詞が後ろに残っている例
The candidate whom I cast a vote for was elected.
※ 日常会話やカジュアルな文体ではこの形がよく使われ、自然に感じられます。前置詞を前に持ってきた例
The candidate for whom I cast a vote was elected.
※ 書き言葉としてややフォーマルな印象になりますが、文法的には正しい言い方です。
前置詞の残留時に注意するポイント
関係代名詞 (who / whom の使い分け)
- 口語やカジュアルな表現では “who” が使われることが多いですが、文法的に厳密には目的格なので “whom” が適切です。
- ただし現代英語では、実際には “whom” を省略して “The candidate I cast a vote for was elected.” とすることも多く、会話ではこれもよく耳にします。
- 口語やカジュアルな表現では “who” が使われることが多いですが、文法的に厳密には目的格なので “whom” が適切です。
構文のかたさ
- “For whom” のように前置詞を文頭(関係節の先頭)に持ってくる形は、フォーマルな文や公式な文章で好まれることがあります。
- 一方、前置詞を残留させる形は日常会話でより一般的です。場面や文体に応じて使い分けましょう。
- “For whom” のように前置詞を文頭(関係節の先頭)に持ってくる形は、フォーマルな文や公式な文章で好まれることがあります。
書き言葉 / 話し言葉の違い
- 書き言葉では、前置詞を関係代名詞の前に持ってくると文が整った印象になります。
- 話し言葉では、前置詞を文末に置いて “whom” さえ省略してしまうことも多いです。
- 書き言葉では、前置詞を関係代名詞の前に持ってくると文が整った印象になります。
まとめ
- 前置詞の残留 (preposition stranding) とは、関係代名詞の前につくはずの前置詞が文末に残る現象です。
- 英語では口語でよく使われるため、下記のように覚えておくと便利です。
- 口語 / カジュアル: 前置詞を文末に残し、場合によっては “whom” を省略
- フォーマル: 前置詞を関係代名詞の前に移動し、“whom” をしっかり使う
- 口語 / カジュアル: 前置詞を文末に残し、場合によっては “whom” を省略
- どちらも意味は同じですが、文体やニュアンスが少し変わるため、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
付加疑問(肯定文に続くもの)
相手への念押し
以下では、「付加疑問文(Tag Question)」のうち、肯定文に続くものを中心に、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. 付加疑問文とは?
付加疑問文(Tag Question)とは、主節(普通の文)のあとに短い疑問を付け加える文のことです。日本語でいう「~ですよね?」「~だよね?」などのニュアンスを表し、相手に確認を取ったり念押しをする際に使われます。
- 例:
- You’re a student, aren’t you?
(あなたは学生ですよね?) - She can swim, can’t she?
(彼女は泳げますよね?)
- You’re a student, aren’t you?
付加疑問文にはおもに以下の2種類があります:
- 肯定文に続く付加疑問
- 否定文に続く付加疑問
ここでは1番の「肯定文に続く付加疑問」を中心に説明します。
2. 肯定文に続く付加疑問の形
基本の形
「肯定文 + , + [否定の短縮形] + 主語?」
- 肯定文を書いたあと、「,」(カンマ) を付ける。
- 否定の短縮形 + 代名詞(主節の主語を代名詞に置き換えたもの)を繋げる。
- 疑問文の形なので「?」で終わらせる。
例
- You like coffee, don’t you?
- They live in Tokyo, don’t they?
- She plays the piano, doesn’t she?
このように、もとの文が肯定文であれば付加疑問部分は否定の短縮形になります。
3. 肯定文に合わせた付加疑問の作り方
付加疑問では、主節に用いられている時制(現在形・過去形など)や助動詞(be動詞・can など)をしっかり確認し、それを疑問形にして付加します。主語も代名詞に置き換えて用います。
3-1. 一般動詞を使った肯定文の場合
主節が一般動詞を使った肯定文なら、付加疑問文は「do / does / did + not」の形を使います。
- (現在形) You play tennis, don’t you?
- 主節: You play tennis.
- 疑問部: don’t you?
- 主節: You play tennis.
- (3人称単数現在) He works there, doesn’t he?
- 主節: He works there.
- 疑問部: doesn’t he?
- 主節: He works there.
- (過去形) She left early, didn’t she?
- 主節: She left early.
- 疑問部: didn’t she?
- 主節: She left early.
3-2. be動詞を使った肯定文の場合
主節がbe動詞(am, are, is, was, were)なら、そのbe動詞をそのまま使い、否定の形にします。
- (現在形) You are hungry, aren’t you?
- (過去形) They were cousins, weren’t they?
3-3. 助動詞を使った肯定文の場合
主節にcan, will, should, mustなどの助動詞がある場合は、その助動詞を否定形にして付加疑問を作ります。
- She can speak Spanish, can’t she?
- He will come, won’t he?
- We should go now, shouldn’t we?
4. 意味と使い方
付加疑問文は主に確認や同意を求めるときに使われます。ニュアンスとしては、「~ですよね?」「~よね?」という日本語に近いです。
- You like sushi, don’t you?
→「お寿司が好きなんだよね?」(同意や確認を求める)
ただし、付加疑問文によっては話し手の気持ちやイントネーションで意味合いが変わる場合があります。強く念押ししたいときや、相手の答えを想定した上で「そうだよね?」と話すときなどに用いられます。
5. 注意点
- 付加疑問は主節と反対の形(肯定 ↔ 否定)で作る。
- 肯定文 → 否定の付加疑問
- 否定文 → 肯定の付加疑問
- 肯定文 → 否定の付加疑問
- 主語が「I」の場合、be動詞の「am」については「amn't」を使わないのが一般的です。代わりに「aren’t I?」を使います。
- I’m late, aren’t I? (× amn’t I?)
- 文脈によっては、付加疑問ではなく普通の疑問文を使った方が自然な場合もあります。特に、情報を純粋に質問したいときには付加疑問よりも通常の疑問文を使う方がはっきりします。
6. まとめ
- 付加疑問文は文末に短縮された疑問形(isn’t it?, don’t you? など)を付け加える文。
- 肯定文には否定形の付加疑問を使い、「~ですよね?」のように相手に同意や確認を求める。
- 主節の時制や助動詞を確認し、正しい形で付加疑問を作る。
- 話し手の意図により、確認・念押し・共感などのニュアンスを出せる。
肯定文に続く付加疑問文を習得すると、英語での会話において丁寧に相手の意見を聞いたり、自信をもって確認したりできるようになります。ぜひ、実際の会話や文章で活用してみてください。
付加疑問(否定文に続くもの)
否定文における相手への念押し
否定文に続く付加疑問文とは?
付加疑問文(tag question)とは、主に相手に確認を求めたり念を押したりするときに、肯定文・否定文・命令文などの最後に付け加える短い疑問表現です。ここでは「否定文のあとに続く付加疑問の特徴」について詳しく見ていきましょう。
1. 基本ルール
否定文 → 肯定の疑問形
否定文に続く付加疑問は、基本的に “[否定文], [肯定の疑問形]?” という形をとります。
たとえば、
- “You aren’t hungry, are you?”
(お腹空いてないよね?) - “He doesn’t live here, does he?”
(彼はここに住んでいないよね?)
これは、文が否定形の場合、付加疑問で“is he?” “does he?” “have you?”など、肯定(肯定形)にした疑問を使うというルールに基づいています。
文末にカンマを加える
英語の文章で書く場合、付加疑問文はメインの文のあとにコンマ “,” を置き、そのあとに短縮された疑問の形を続けます。上記例のように、
“文, 疑問形?”
と書き表します。
2. 付加疑問文の訳し方
日本語に訳す際は、肯定文の付加疑問と同様に「~ですね」「~ですよね」「~でしょう?」などと表現して、「相手に確認を取る」「念を押す」ニュアンスを伝えます。
- “He isn’t coming, is he?” → 「彼は来ないんですよね?」
- “We didn’t see that movie, did we?” → 「私たち、あの映画は観なかったですよね?」
相手がどう思っているのか、あるいは事実関係を再確認したいときに使われるのが付加疑問文の最大の特徴です。
3. よく使われるパターン
| 否定文 | 付加疑問(肯定形) | 用例の日本語訳 |
|---|---|---|
| He isn’t coming | is he? | 「彼は来ないよね?」 |
| They don’t live here | do they? | 「彼らはここに住んでないよね?」 |
| You can’t drive | can you? | 「運転できないんだよね?」 |
| We’ve never met before | have we? | 「今まで会ったことないよね?」 |
上の例でわかるように、メインの否定文の助動詞や時制に合わせて、それを肯定形にした疑問形を使うことがポイントです。
4. 付加疑問を使うメリット
- 相手に丁寧に確認をとることができる
- 会話の流れを自然につなげ、相手の反応を引き出せる
- 確信度がそこそこある話題について念押しするのに便利
付加疑問文を上手に使うと、会話相手との意思疎通がよりスムーズに進むようになります。
まとめ
- 否定文+肯定形の短い疑問が「否定文に続く付加疑問文」の基本形。
- 文末にコンマを置き、疑問形を短縮して付け加える。
- 日本語訳は「~ですよね?」「~でしょう?」などと、相手に確認をするときの表現を用いる。
ぜひ会話の中で積極的に活用してみてください。
Couldn't you ...?
Could you ~?よりさらに控えめな許可取り
以下に、より詳しく、わかりやすく修正した解説を示します。
「Couldn't you ...?」の使い方と意味
「Could you ...?」は “can” の過去形である “could” を用いた丁寧な依頼表現です。たとえば、
Could you open the door?
(ドアを開けていただけますか?)
のように、相手に何かをお願いするときに使います。ここに否定形 “not” を付けて “Couldn't you ...?” とすると、次のようなニュアンスになります。
さらに控えめなお願い
“Could you ...?” よりもさらに遠慮がちに、相手の負担を考えてお願いするような響きになります。日本語では「~していただけないでしょうか?」といった、相手に配慮した表現に相当します。Couldn't you explain it again?
(もう一度説明していただけないでしょうか?)慎重な依頼や許可の要請
“Couldn't you ...?” は「~していただけませんか?」という形で、より慎重に許可や同意を求めるニュアンスを含みます。丁寧さを強めたいときに有効です。答え方にも注意
この表現に対する肯定の返事をする際は、「Yes, I could.(はい、できます)」や「Sure.(もちろん)」など、きちんと肯定のニュアンスを表す言葉を使います。
ただし、英語圏では“不可能” や “No, I couldn't.” と直接断ってしまうと角が立つ場合があります。断らざるを得ない場合は「I'm afraid I can't.」など、表現を和らげる言い回しを使うと丁寧です。
上記のように、“Couldn't you ...?” は相手の立場や感情に一層配慮しながら、より丁寧に依頼や許可を求めるときに使うフレーズとなります。日常会話だけでなく、ビジネスシーンでも丁寧さを重視したい場面で活用できます。
Wouldn't you ...?
否定疑問でより丁寧な依頼
以下では、Wouldn't you ...?
の使い方について、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. 否定疑問文の役割
通常の疑問文を「Would you ...?」から「Wouldn't you ...?」のように否定疑問文にすることで、話し手の希望や提案をより丁寧に伝えることができます。否定疑問文には「相手がきっと了承してくれるのでは?」というポジティブな期待が含まれており、遠回しに依頼や提案をする際に効果的です。
2. 使われる場面とニュアンス
丁寧な依頼
- 「~してもらえませんか?」とお願いをする場面で使われます。
- 相手のイエスを期待するような柔らかい言い方になります。
- 「~してもらえませんか?」とお願いをする場面で使われます。
提案・勧誘
- 「~してみませんか?」や「~しませんか?」と提案・勧誘をする時に使われます。
苦情・不満の表明
- 「~してくれないのですか?」と、やんわりと不満や苦情を伝える際に使われることがあります。
3. 例文で見る使い方
丁寧な依頼
Wouldn't you open the window for me?
→ 「窓を開けていただけませんか?」
相手に窓を開けてほしいが、断られないだろうというニュアンスを含む丁寧な言い方。
提案・勧誘
Wouldn't you join us for dinner tonight?
→ 「今晩一緒に夕食を食べませんか?」
一緒に食事に行くことを提案する、やや丁寧な誘い方。
苦情・不満の表現
Wouldn't you reply to my emails more promptly?
→ 「もっと早くメールに返信していただけませんか?」
ストレートに苦情を言うよりも、丁寧に要望を伝える表現。
4. ポイントまとめ
- “Wouldn't you ...?” は、相手に断られにくい形でお願いや提案をする際に用いられる、丁寧な表現です。
- 否定疑問文にすることで「あなたはそう思いませんか?」と相手の同意を期待して誘導するニュアンスが生まれます。
- 直接的な「~してください」ではなく、少し遠回しに依頼や提案をする際に便利です。
このように Wouldn't you ...?
を使うことで、相手に対して失礼のない形で自分の意見や希望を伝え、「~していただけませんか?」といった丁寧な依頼・提案などを表現できます。
May I ...?
「~してもいいですか」と許可を求める
以下では「May I …?」の用法について、より詳しくわかりやすく解説します。
1. 助動詞「may」の基本的な意味
may は英語の助動詞で、主に以下の2つの意味を持ちます:
- 「〜してもよい」
例:
- You may go home now. (もう帰宅してもかまいません)
- You may go home now. (もう帰宅してもかまいません)
- 「〜する可能性がある」
例:
- It may rain tomorrow. (明日は雨が降るかもしれません)
今回のトピックである「May I …?」の形では、上記1の「〜してもよい」をベースに「許可を求める」文になります。
2. 「May I …?」の用法と意味
「May I …?」は「(私が)〜してもいいですか?」という許可を求める丁寧な表現です。下記のような特徴があります:
- 丁寧度が高い
「Can I …?」よりもかしこまった印象があるため、初対面の相手や公的な場面などでよく使われます。 - 相手に対して配慮を示すニュアンス
相手の許可を得るための丁寧な言い方なので、相手への配慮や礼儀を示すことができます。
3. 例文
May I open the window?
(窓を開けてもよろしいですか?)May I borrow your pen?
(ペンをお借りしてもよろしいですか?)May I come in?
(入ってもよろしいですか?)May I ask you a question?
(質問してもよろしいですか?)
これらはすべて、「相手の許可を得るために丁寧に問いかける」フレーズです。答える側は、許可する場合には Yes, you may.
や Sure.
などと答えるのが自然です。
4. 「May I …?」以外の許可表現
「May I …?」以外にも、英語では許可を求める表現があります。それぞれ丁寧度やニュアンスが異なります:
- Can I …?
カジュアルで日常的によく使われる表現。友人や家族との会話でよく登場します。
例: Can I open the door? - Could I …?
「May I …?」に近い丁寧さを持ち、丁寧かつやわらかい印象。
例: Could I speak to you for a moment?
シチュエーションや相手との関係に応じて、上記のような表現を使い分けるとより自然な英語になります。
5. まとめ
- may は「〜してもよい」「〜する可能性がある」という意味を持つ助動詞。
- May I …? は「(私が)〜してもいいですか?」という許可を求める丁寧な表現。ビジネスシーンや礼儀を重んじる場面でよく使われる。
- 同じ許可を求める表現でも、場面によって Can I …? や Could I …? などを使い分けると、より自然なコミュニケーションがとれる。
以上が「May I …?」の詳しい解説です。英語で許可を求める際には、目上の人や初対面の相手に対しては「May I …?」を、親しい人やカジュアルな場面では「Can I …?」などを使うとよいでしょう。
less+形容詞・副詞
数量が「少ない」ことを意味する形容詞/副詞
以下では、“less + 形容詞”または“less + 副詞”の使い方について、なるべく詳しく解説します。
1. 「less」の意味と役割
“less”は「より少ない・より低い」という比較を表す語です。
- 「数量」や「程度」が基準より少ないことを示す場合に使います。
- 形容詞を修飾するときは、その形容詞が表す性質が「あまり強くない」「より控えめである」ことを表します。
- 副詞を修飾するときは、その副詞が表す動作や状態の程度が「より少ない」ことを表します。
2. 「less + 形容詞」の例と使い方
“less + 形容詞”は、形容詞が示す性質や状態が「基準より弱い・低い」ことを表します。たとえば:
- “less expensive”(より高くない →「安めの」)
- “less interesting”(そこまで面白くない →「あまり興味深くない」)
このように、「なんとなく物足りない」「程度が低い」というニュアンスを持たせたい場合に使います。
例文
- This watch is less expensive than that one.
(この時計はあの時計よりも高くない → 「あの時計ほど高くはない」) - The story is less complicated than I expected.
(その物語は思ったほど複雑ではない)
3. 「less + 副詞」の例と使い方
“less + 副詞”は、「動作や状態が基準よりも弱い・少ない」という意味を表します。たとえば:
- “less quickly”(より遅い速度 →「そんなに速くない」)
- “less frequently”(少ない頻度 →「そんなに頻繁ではない」)
動作や状態に関する程度を「基準より控えめ」に示す表現になります。
例文
- Please speak less quickly for the new learners.
(新しい学習者のために、そんなに速く話さないでください) - I go hiking less frequently than I used to.
(昔ほどよくハイキングに行かなくなった)
4. 注意点
- “less”は不可算名詞(量として数えるもの)に対して形容詞的に使われることもありますが、可算名詞(個数で数えられるもの)には基本的に “fewer” が使われる点に注意してください。
- 例: “less water” / “fewer people”
- 例: “less water” / “fewer people”
- 一方、“less + 形容詞”や“less + 副詞”の形は可算・不可算を問わず、「程度・量がもう少し抑えられている」というニュアンスを伝える際に活躍します。
5. まとめ
- “less”は「少ない・より控えめな」という比較の意味をもつ。
- “less + 形容詞”は「形容詞が示す性質を弱める/あまり強くない」ニュアンス。
- “less + 副詞”は「副詞が示す動作や状態の程度を少なくする/控えめにする」ニュアンス。
- 日常会話から正式な文書まで、多様な場面で「程度を弱めた比較」をしたいときに活用できます。
受動態(未来形)
「will be+過去分詞」で表す受動態の未来形
以下では、英語の「受動態(パッシブ)」と「未来形」が組み合わさった「未来の受動態」について、元の解説をより詳しく、わかりやすくまとめます。
受動態(パッシブ)とは?
英語の文では、ある動作の“受け手”を主語として表すときに「受動態」を使います。
受動態の基本的な形は「be + 過去分詞」です。
- 例: “This book is written by Shakespeare.”
(この本はシェイクスピアによって書かれている)
受動態を作るステップ
- 能動態の文から始める
- 例: “Shakespeare wrote this book.” (シェイクスピアがこの本を書いた)
- “動作を受けている対象”を主語にする
- 主語を “this book” に変更
- 動詞を「be + 過去分詞」にする
- “was written” や “is written” など
- 元の主語(シェイクスピアなど)を “by + 主語” で表す(必要があれば付け加える)
これが受動態の基本ルールです。
未来形と受動態が結びつく場合
未来形の “will” を用いて受動態を作るときは、次のような形になります。
形
“will be + 過去分詞形”
意味
「~されるだろう」「~されるつもりだ」など、未来における受動的な出来事を表します。
例文で学ぶ「受動態(未来形)」
能動態(未来形)
“They will finish the project next week.”
(彼らは来週、そのプロジェクトを終えるだろう)受動態(未来形)
“The project will be finished (by them) next week.”
(そのプロジェクトは来週(彼らによって)終えられるだろう)
ここでは、動作の受け手である “the project” を主語にして、動詞を “will be finished” の形にしています。必要に応じて “by them” を付け加えることで、「誰によって」行われるかを示すことができます。
ポイントまとめ
- “will” で未来を表す場合、受動態の基本形「be + 過去分詞」のうち “be” の前に “will” を付ける
→ “will be + 過去分詞” - 「~されるだろう」「~されるはずだ」といった意味合いを自然に表せる
- “by + 行為者” を入れたい場合は、受動態の文の最後に付け足す(省略も可能)
よくある疑問・注意点
- “be” 動詞の時制が未来形になっているか
→ 未来形を作る場合は「will be」を必ず入れましょう。 - 行為者を強調する必要がなければ “by ~” を省略してOK
→ 誰が何をするかよりも「何がどのように扱われるか」を強調したいときに使います。
英語を読む・書くとき、それぞれの文脈で能動態と受動態を使い分けると、より伝わりやすい英文になります。「未来の受動態」は将来行われる動作を受け身の形で示すため、内容に合わせてスムーズに使いこなしましょう。
動詞 not to不定詞
「~しないこと、~しないように」
以下では「to不定詞」と「not to不定詞」について、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. to不定詞とは
to不定詞 は主に「~すること」「~するために」といった意味を表す表現で、文中で名詞・形容詞・副詞のはたらきをします。たとえば、
- 「I want to study more.」
→ 「私はもっと勉強したい(勉強することを望む)。」 - 「It is important to speak English.」
→ 「英語を話すことは大切です。」
このように、to不定詞は「~する」という動作や状態を、1つのまとまり(句)として表現できる便利な文法要素です。
2. not to不定詞とは
to不定詞 の前に「not」をつけると、「~しないこと」「~しないように」という意味になります。
- 例: not to 不定詞 = 「~しないために」「~しないこと」
例文
- 「He decided not to go out.」
→ 「彼は外出しないことに決めた。」 - 「My teacher told me not to be late.」
→ 「先生は私に遅刻しないようにと言った。」
これらの例のように、to不定詞に「not」をつけるだけで、動作をしないことを強調できるようになります。
3. 使い方のポイント
語順に注意する
「not」を「to」の前につけて not to 不定詞 の形で使います。
× (誤) to not go
○ (正) not to go動作の内容に焦点を当てる
not to不定詞は「~しないこと」という動作自体を否定する働きがあります。例えば “I decided not to go.” は「(行くという)動作をしないことを決めた」という意味をはっきり示します。時制や完了形の形も作れる
不定詞には完了形(to have + 過去分詞)や進行形(to be + 現在分詞)などがありますが、それらの形を否定したい場合にも、notを前につけることで簡単に否定できます。
例:- not to have gone … 「行かなかったこと」
- not to be going … 「行かないこと(行く予定がないこと)」
- not to have gone … 「行かなかったこと」
4. まとめ
- to不定詞 は「~すること」「~するために」といった意味を表す。
- not to不定詞 はto不定詞の前に「not」を加え、「~しないこと」「~しないように」という意味を表す。
- 語順に注意しつつ、動作を否定したい時に使う便利な形である。
上記を踏まえると、to不定詞の肯定形と否定形を使い分けることで、英語で表現できる内容がぐっと広がります。ぜひさまざまな文脈で活用してみてください。
the fact(s) that節
「~という事実」
「the fact(s) that SV」の使い方
「~という事実」「~ということ」を英語で表す場合、the fact(s) that SV の形を用います。ここで注意したいポイントは以下のとおりです。
「the fact(s) that」+ 「that節」
- 「the fact(s) that」のあとの that は接続詞であり、後ろには必ず主語(S)と動詞(V)が入った名詞節(that節)が続きます。
- この名詞節は「何の事実であるか」を詳しく説明する働きを持ちます。
- 「the fact(s) that」のあとの that は接続詞であり、後ろには必ず主語(S)と動詞(V)が入った名詞節(that節)が続きます。
文中での役割
- 「the fact that SV」は、名詞として文の主語や目的語の位置に置かれ、文全体の一部として使われます。
- たとえば、以下の例文のように目的語として「~という事実」を表せます。
- I appreciate the fact that you helped me.
(あなたが手伝ってくれたという事実を感謝しています。)
- I appreciate the fact that you helped me.
- 「the fact that SV」は、名詞として文の主語や目的語の位置に置かれ、文全体の一部として使われます。
“the fact that”が強調したいとき
- 単に “that節” だけを使うよりも、“the fact that” を使うことで「~という事実」という意味合いを強調できます。
- I’m aware that you worked hard.
(あなたが一生懸命働いたことは知っています。) - I’m aware of the fact that you worked hard.
(あなたが一生懸命働いたという事実を、私はちゃんとわかっています。)
- I’m aware that you worked hard.
- 単に “that節” だけを使うよりも、“the fact that” を使うことで「~という事実」という意味合いを強調できます。
単数形と複数形
- “the fact that” は、事実がひとつの場合に使い、複数の事実を列挙する場合は “the facts that” を用います。
- The facts that the earth orbits the sun and that the moon orbits the earth are well known.
(地球が太陽の周りを公転している、そして月が地球の周りを公転しているという事実は広く知られています。)
- The facts that the earth orbits the sun and that the moon orbits the earth are well known.
- “the fact that” は、事実がひとつの場合に使い、複数の事実を列挙する場合は “the facts that” を用います。
日本語訳との対応
- 多くの場合、日本語の「~という事実」「~ということ」が the fact that~ に対応します。
- ただし文脈によっては「こと」というニュアンスだけを持たせたい場合、単に that節(例: I know that…)を使うほうが自然な場合もあります。
- 多くの場合、日本語の「~という事実」「~ということ」が the fact that~ に対応します。
まとめ
- the fact(s) that SV は「~という事実」を表すときに便利な表現です。
- that節は必ず主語 + 動詞の構成を取り、文中で名詞句として機能します。
- “the fact that” を使うことで、単なる “that節” よりも「事実である」という点を強く示すことができます。
- 一つの事実なら “the fact”、複数なら “the facts” を使い分けましょう。
この表現を上手に使いこなせば、英語で「~という事実」をより明確かつ印象的に伝えることができます。