関係節の前置詞残留
前置詞を残す位置は2か所のいずれか
関係節の前置詞残留とは
英語の関係節では、本来は前置詞 (for, with, in, at など) が関係代名詞 (whom, which など) の前に置かれることが多いのですが、実際には前置詞が文末に移動する形がよく使われます。これを前置詞の残留 (preposition stranding) と呼びます。
例:
- 前置詞が残留している形:
The candidate whom I cast a vote for was elected. - 前置詞が前にきている形:
The candidate for whom I cast a vote was elected.
意味はどちらも「私が投票した候補者は当選した」ということです。
例文の由来
この文は、次の2つの文を結びつけて作られています:
(1) The candidate was elected.
「その候補者は当選した。」(2) I cast a vote for the candidate.
「私はその候補者に投票した。」
これらを関係代名詞 (whom) を使って一つの文にまとめるとき、前置詞のforを置く場所が2通り考えられます。前置詞を関係代名詞の後ろに残すか、関係代名詞の前に持ってくるかで文の形が変わるのです。
前置詞の残留の例
前置詞が後ろに残っている例
The candidate whom I cast a vote for was elected.
※ 日常会話やカジュアルな文体ではこの形がよく使われ、自然に感じられます。前置詞を前に持ってきた例
The candidate for whom I cast a vote was elected.
※ 書き言葉としてややフォーマルな印象になりますが、文法的には正しい言い方です。
前置詞の残留時に注意するポイント
関係代名詞 (who / whom の使い分け)
- 口語やカジュアルな表現では “who” が使われることが多いですが、文法的に厳密には目的格なので “whom” が適切です。
- ただし現代英語では、実際には “whom” を省略して “The candidate I cast a vote for was elected.” とすることも多く、会話ではこれもよく耳にします。
- 口語やカジュアルな表現では “who” が使われることが多いですが、文法的に厳密には目的格なので “whom” が適切です。
構文のかたさ
- “For whom” のように前置詞を文頭(関係節の先頭)に持ってくる形は、フォーマルな文や公式な文章で好まれることがあります。
- 一方、前置詞を残留させる形は日常会話でより一般的です。場面や文体に応じて使い分けましょう。
- “For whom” のように前置詞を文頭(関係節の先頭)に持ってくる形は、フォーマルな文や公式な文章で好まれることがあります。
書き言葉 / 話し言葉の違い
- 書き言葉では、前置詞を関係代名詞の前に持ってくると文が整った印象になります。
- 話し言葉では、前置詞を文末に置いて “whom” さえ省略してしまうことも多いです。
- 書き言葉では、前置詞を関係代名詞の前に持ってくると文が整った印象になります。
まとめ
- 前置詞の残留 (preposition stranding) とは、関係代名詞の前につくはずの前置詞が文末に残る現象です。
- 英語では口語でよく使われるため、下記のように覚えておくと便利です。
- 口語 / カジュアル: 前置詞を文末に残し、場合によっては “whom” を省略
- フォーマル: 前置詞を関係代名詞の前に移動し、“whom” をしっかり使う
- 口語 / カジュアル: 前置詞を文末に残し、場合によっては “whom” を省略
- どちらも意味は同じですが、文体やニュアンスが少し変わるため、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
Grammatical item (English)(編集にあたっての捕捉情報)
PREPOSITION STRANDING