文法(256)
関係代名詞 所有格(whose)
「~の」を表すwhose
関係代名詞「whose」(所有格)の使い方
英語には、先行する名詞を後ろから詳しく説明したいときに使う 関係代名詞 という語があります。代表的な関係代名詞には who, which, whose などがあり、文の中で示す役割によって「主格」「所有格」「目的格」に分けられます。ここでは、その中でも 所有格 を示す whose について詳しく解説します。
1. 所有格 (whose) とは?
- whose は、「誰のもの」「何のもの」といった「~の」を表す 所有格 の関係代名詞です。
- 「my / your / his / her」などと同様に「~の」という意味を担い、関係代名詞として主に人や物の所有関係を示します。
2. 具体例
たとえば次の文を見てみましょう:
That is the girl whose father is a doctor.
(あれは、お父さんが医者の少女です。)
- whose が指す先行詞は the girl です。
- 「the girl’s father」という所有関係を「whose father」として表現しています。
- 直訳すると「(父親が医者である)少女」ですが、日本語では「お父さんが医者の少女」と自然に訳されます。
このように whose + 名詞 の形で、「~の名詞」という所有関係を示します。
3. 文の構造
「whose」を使った文の構造を整理すると、以下のようになります:
- 先行詞(説明したい名詞: the girl)
- 関係代名詞の所有格(whose)
- 所有される名詞(father)
- 説明(述語部分)(is a doctor)
文を分解すると「the girl (whose father is a doctor)」=「(父が医者である)少女」という形になります。
4. 人・物の両方に使える?
whose は主に人に関する所有関係を表すときに使われますが、物についても用いることがあります。
例: The house whose roof is red is my uncle's.
(屋根が赤色の家は私のおじの家です。)ただし、ものについて所有関係を表す場合には of which を用いることも多いです。どちらが適切かは文体やニュアンスによります。
5. 「whose」の代わりに使われる表現
先ほど触れたように、of which を使うことがあります。特に「もの」の所有関係を厳密に表したい場合は of which ~ の形で書き換えることも可能です。
例: The house of which the roof is red is my uncle's.ただし、日常会話やさまざまな文体で whose を使った方が自然で分かりやすい場合も多々あります。
6. まとめ
- whose は関係代名詞の所有格で、「~の」という意味を持ちます。
- 先行詞(説明したい名詞)が持っている何か(所有物や特徴)を説明するときに使われます。
- 「人」だけでなく、「物」について言及する際にも使われることがありますが、文脈によっては of which が適切になる場合もあります。
ポイント: 関係代名詞の文を組み立てるときは、主語・動詞の関係や、どの名詞を説明したいか(先行詞)をしっかり確認してみましょう。所有関係を示したいときは whose を使う、というイメージを持つと覚えやすいです。
get + 目的語 + 現在分詞
「~させる」と表現するget
以下の解説は、マークダウン形式で「get + 目的語 + 現在分詞」の用法について、より詳しく、わかりやすくしたものです。
「get + 目的語 + 現在分詞」の意味と用法
「get + 目的語 + 現在分詞」は英語で「目的語を~させる・~するようにする」という意味を表す表現です。
この構文では「get」が「(何かを)ある状態に持っていく、させる」というニュアンスを持ち、
続く「目的語」に対して「現在分詞 (~ing) の動作をさせる」「~ing の状態になるようにする」
という意味合いを示します。
例文
Can you get the music player working again?
「その音楽プレーヤーをまた動く状態にさせることができますか?」
→ つまり「音楽プレーヤーを直して(または再起動させて)動く状態にしてくれますか?」というニュアンス。I finally got my computer running smoothly.
「やっとパソコンを(問題なく)スムーズに動く状態にできた。」
→ パソコンの問題を解決して“running smoothly”という状態にするイメージ。She got me thinking about changing my job.
「彼女は私に、仕事を変えることを考えさせました。」
→ 会話やアドバイスを通して、“私が仕事を変えるか考え始める”きっかけを作ったイメージ。
文型のポイント
get + 目的語 + 現在分詞 (V-ing)
- 「get」が「させる、~の状態にする」を意味し、目的語が「現在分詞で表される動作」へ移行するイメージ。
- 目的語の後ろに「現在分詞」を使うことで、その動作・状態の継続や進行を強調する。
- 「get」が「させる、~の状態にする」を意味し、目的語が「現在分詞で表される動作」へ移行するイメージ。
「have + 目的語 + 動詞の原形」や「make + 目的語 + 動詞の原形」との違い
- 「make + 目的語 + 動詞の原形」
- 無理やり「~させる」という強制のニュアンスが強い。
- 例:She made me do my homework.(彼女は私に宿題を無理やりやらせた)
- 無理やり「~させる」という強制のニュアンスが強い。
- 「have + 目的語 + 動詞の原形」
- 比較的自然に「~させる」や「~してもらう」というニュアンス。
- 例:I had him fix my bike.(彼に自転車を直してもらった)
- 比較的自然に「~させる」や「~してもらう」というニュアンス。
- 「get + 目的語 + 現在分詞」
- 「(ある状態・動作に) なるように促す」というニュアンスが強く、動作を起こさせたり、進行中の状態へ持っていくイメージ。
- 例:I got him working on the project.(彼にプロジェクトに取り掛かってもらった)
- 「(ある状態・動作に) なるように促す」というニュアンスが強く、動作を起こさせたり、進行中の状態へ持っていくイメージ。
- 「make + 目的語 + 動詞の原形」
「get + 目的語 + to 不定詞 (to do)」との違い
- 「get + 目的語 + to 不定詞」の場合は「目的語に~させる」という点で同じですが、
こちらは「~という行動を始めさせる」ことにフォーカスします。 - 一方、「get + 目的語 + 現在分詞」はその動作の「進行中の状態を作り出す」といったニュアンスが強調されます。
- 例:
- Can you get him to clean his room?(彼に部屋を片づけるように言ってくれない?)
→ 動作に取り掛からせることに焦点がある。 - Can you get him cleaning his room?(彼が部屋を片づけ始めて、今まさに片づけている状態を作れる?)
→ 「彼が片づけている状態にして」という進行中のニュアンスが入る。
- Can you get him to clean his room?(彼に部屋を片づけるように言ってくれない?)
- 「get + 目的語 + to 不定詞」の場合は「目的語に~させる」という点で同じですが、
使い方のコツ
- 「get + 目的語 + 現在分詞」は、カジュアルな日常会話からビジネスシーンまで幅広く使えます。
- 目的語が「動き始めたり、状態が変化したりしている最中」を強調したいときに便利です。
- 意味をさらに明確にしたい場合は、文脈に合わせて「to 不定詞」と使い分けるとよいでしょう。
まとめ
- 「get + 目的語 + 現在分詞」は「~させる/~する状態に持っていく」という意味。
- 目的語が進行中の動作や変化の真っ最中であるイメージを与える。
- 「make」「have」「get + to不定詞」との違いを意識すると、英語表現の幅が広がる。
英語を使って「~させる」という表現はいくつか種類がありますが、「get + 目的語 + 現在分詞」は「動作を起こして進行中の状態にする」という独特のニュアンスをもつ便利な構文です。会話や文章の中でぜひ使い分けてみてください。
as if/as though + 仮定法過去
「まるで~かのように」を表す仮定法
以下では、as if/as though + 仮定法過去
を用いて「まるで〜かのように」という意味を表すときのルールや注意点を、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. 基本的な意味と役割
- as if / as though は、「まるで~であるかのように」「あたかも〜のように」といった意味を表す表現です。
- 「実際にはそうではないけれど、そう見える・そう感じる」というニュアンスを伝えるため、しばしば仮定法が用いられます。
2. 時制のパターン:主節と as if 節の対応
(1) 主節が現在形の場合 → as if 節は「仮定法過去」
- 主節が現在形の場合、as if 節の動詞は 過去形 にします。これは、いま目に見えている状況や感じていることが「実際とは異なる」ことを暗示させるためです。
例文
He talks as if he knew everything.
(彼はまるですべてを知っているかのように話す。)
→ 実際にはすべてを知っているわけではないと話し手は感じている。She looks as if she were sick.
(彼女はまるで病気であるかのように見える。)
→ 本当に病気かどうかは不明だが、病気のように見える。
なお、仮定法過去の時に “were” を使うのが文法的に正しい形とされますが、口語では “was” を使うことも多いです。
例: She looks as if she was sick.
(2) 主節が過去形の場合 → as if 節は「過去完了形」
- 主節が過去形の場合、as if 節の動詞は 過去完了形 (had + 過去分詞) にするのが一般的です。すでに起こったことを振り返り、「あの時、まるで〜だったかのように見えた・感じた」という表現になります。
例文
He looked as if he had known the answer.
(彼はその答えを知っていたかのように見えた。)
→ 実際に知っていたかは不明だが、過去の出来事について「知っていたように見えた」と述べる。She acted as if she had never met him.
(彼女はまるで彼に一度も会ったことがないかのように振る舞った。)
→ 過去の場面を述べていて、「実際には会ったことがあるかもしれないが、そうではないかのように振る舞った」というニュアンス。
3. as if / as though のバリエーション
- as if と as though は、意味や使い方がほぼ同じです。日常会話や文語どちらでも、好みや文の音の流れで使い分けられることが多いです。
- ただし、話し言葉では as if のほうが目にする・耳にする頻度が高い傾向があります。
4. 直説法を用いる場合
「本当にそうだ」と話し手が考えている場合や、事実の可能性が高いとみなしている場合、as if 節に仮定法ではなく直説法を用いることもあります。
例: He looks as if he is angry.(彼は本当に怒っているみたいに見えるね)
→ 仮定法を使わずに、かなり事実に近いと考えているケース。一方、仮定法を使う例: He looks as if he were angry.(彼は怒っているかのように見えるが、実際は違うかもしれない)
→ ”本当はそうではないかもしれない” というニュアンスを含む。
5. まとめ
- as if / as though は「まるで~かのように」という意味で用いられ、話し手が「事実とは異なる」「実際にはそうではない」と考えている状況を表現するときに、仮定法を使います。
- 主節が現在形の場合は as if 節を過去形に、主節が過去形の場合は as if 節を過去完了形に するのが基本的なルールです。
- 実際にその通りかもしれないと考える場合は、仮定法ではなく 直説法(普通の時制)を使うこともあります。
このルールを押さえておくと、英語で「実際にはそうではないが、そう感じる」「~のように見える」といった表現を自然に使いこなせるようになります。ぜひ例文をたくさん読んだり書いたりして、使い方を身につけてみてください。
do/does+動詞原形
強調のdo
以下では、英語で強調に使われる「do/does/did + 動詞の原形」について、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. 「do/does/did + 動詞の原形」の基本的な意味
通常、肯定文では「主語 + 動詞」という形をとりますが、「do/does/did」を動詞の前に置くことで、動詞の意味を強調できます。日本語にすると「本当に~する」「ぜひ~したい」「どうしても~する」といったニュアンスを加えることが可能です。
- 例:
- I do want to see that movie.
→「どうしてもその映画が見たいんです」 - He does look tired.
→「彼は本当に疲れているように見えます」 - I did tell you about the meeting yesterday.
→「昨日、本当にあなたにミーティングのことを言いましたよ(ちゃんと伝えたでしょう)」
- I do want to see that movie.
2. 主語との対応
「do/does/did」を用いるときは、主語と時制によって次のように使い分けます。
| 時制 | 主語 | 使う語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 現在形 | I, you, we, they など複数 | do | I do play the guitar every day. |
| 現在形 | he, she, it など単数 | does | She does want to join us. |
| 過去形 | (すべての主語) | did | They did finish their homework on time. |
3. 「do/does/did」を強調に使う場合のポイント
- 助動詞としての「do/does/did」は否定文や疑問文を作るときにも使いますが、強調したいときも同じ形を用います。ここでのニュアンスは「(わざわざ)~する」「(本当に)~する」「(間違いなく)~した」というように、話し手の気持ちを強く込められます。
- 話し手は「do/does/did」の部分を強く発音することが多いです。例えば、「I do like it.」という場合、doを強く読むと「私は本当にそれが好きだよ」という気持ちをはっきり伝えられます。
4. 否定文・疑問文と区別する方法
- 否定文・疑問文の場合も「do/does/did」を用いますが、強調と組み合わせれば「強調したい部分」と「否定・疑問文の形」が同時に表せます。
- 強調 + 否定文:I do not want to go there.(どうしても行きたくない)
- 強調 + 疑問文:Do you really think so?(あなたは本当にそう思ってるの?)
- 強調 + 否定文:I do not want to go there.(どうしても行きたくない)
- 肯定文の強調では「do/does/did」の後ろに 動詞の原形がそのまま 続きます。ここが主な見分け方のポイントです。
5. 使いすぎに注意
「do/does/did + 動詞の原形」は便利な強調表現ですが、日常会話ではあまりに多用すると大げさに聞こえることがあります。効果的に使うためには、「ここぞ」という場面で使うのがおすすめです。
以上が「do/does/did + 動詞の原形」を用いた強調表現の解説です。主語や時制に合わせた形を使い、強調したい部分をしっかりと伝えられる便利な表現なので、ぜひ活用してみてください。
did+動詞原形
強調のdid
以下では「did + 動詞の原形」の使い方について、なるべく詳しく解説します。
1. 「did + 動詞の原形」の基本的な役割
英語の過去形を表すとき、以下のルールで助動詞としての did を使うことがあります。
肯定文の強調
「I did study yesterday.」(昨日、ちゃんと勉強しましたよ)
上記のように did を用いると、単に「勉強した(I studied)」というだけでなく、「本当に勉強したんだ」という強調のニュアンスが加わります。否定文
「I did not (didn’t) study yesterday.」(昨日は勉強しませんでした)
過去の否定文を作るときは did not (didn’t) と動詞の原形を使います。疑問文
「Did you study yesterday?」(昨日勉強しましたか?)
過去形の疑問文では did を最初に置き、その後に 動詞の原形 を続けます。
このように、「過去形」かつ「助動詞としての did」が使われる場合は、動詞を原形に戻すという点がポイントです。
2. 過去形と現在形の助動詞の使い分け
「did + 動詞の原形」は過去形における助動詞表現ですが、現在形でも似た仕組みが存在します。
現在形(主語が I / you / we / they の場合)
「do + 動詞の原形」
例)I do study English every day.(私は毎日ちゃんと英語を勉強しています)
※強調したいとき「I do study...」と表現することがあり、「勉強してるってば!」というニュアンスです。現在形(主語が he / she / it の場合)
「does + 動詞の原形」
例)He does study English every day.(彼はちゃんと毎日英語を勉強しています)
このように、現在形の助動詞は主語によって do と does を使い分けます。一方、過去形では主語が何であっても did を使います。
3. 「did」の強調用法
単に 過去形の肯定文 であれば「I studied yesterday.」のように 動詞を過去形にすればOK です。しかし did を用いて「I did study yesterday.」とすると、「ほんとに勉強したんだよ!」と言いたいときのように、ニュアンスを強めます。
普通の過去形:
I studied yesterday.(昨日勉強した)強調を伴う過去形:
I did study yesterday.(昨日はちゃんと勉強したよ!)
この強調用法は、話し手が相手に「信じてもらいたい」「疑いを払拭したい」といったときに使われます。
4. 例文まとめ
強調(肯定文):
- I did finish my homework.(私は本当に宿題を終わらせたんですよ)
否定文:
- I did not finish my homework.(私は宿題を終わらせませんでした)
疑問文:
- Did you finish your homework?(宿題は終わらせましたか?)
現在形の強調(do / does):
- I do like this movie.(私は本当にこの映画が好きなんです)
- He does like this movie.(彼は本当にこの映画が好きなんです)
- I do like this movie.(私は本当にこの映画が好きなんです)
上記の例文を見比べると、過去形はすべて主語にかかわらず did を使い、現在形は主語に合わせて do / does を使っているのがわかります。
5. まとめ
- did は過去形の助動詞として用いられ、動詞を 原形 に戻す。
- 過去形の強調をしたいときや、疑問文・否定文で過去の内容を表現するときに使う。
- 現在形の場合は、主語が (I / you / we / they) なら do、(he / she / it) なら does と動詞の原形を組み合わせて使う。
- 「did / do / does」の後に置かれる動詞は 必ず原形 になる。
「did + 動詞の原形」を正しく使うことで、過去の出来事を明確に表したり、相手に強調したりできるようになります。疑問文や否定文も作りやすくなるので、しっかり活用していきましょう。
過去完了形
had+過去分詞で表す
以下では、英語の過去完了形 (had + 過去分詞) について、もとの説明をより詳しく、わかりやすくまとめています。参考例もあわせて確認してみてください。
過去完了形 (had + 過去分詞) とは?
過去完了形は、「過去のある時点までにすでに完了していた動作や状態」や「その時点まで続いていた動作や状態」を表す時制です。日本語に訳すときには「〜していた」「〜してしまっていた」「〜(ずっと)〜していた」などとなることが多く、主に以下のような用法があります。
過去のある時点までの完了・結果
過去のある時点までに動作が完了していた、またはその結果が残っていたことを表します。
例:
・I had finished my homework before I went to bed.
(寝る前に宿題を終わらせていた。)
・By the time he arrived, I had already left.
(彼が着いたときには、私はすでに出発していた。)過去のある時点までの経験
過去の時点で、その動作や経験が「すでに何度か行われていた」「実際に経験していた」ことを示します。
例:
・I had visited Paris twice by the time I was 20.
(20歳になるまでにパリを2回訪れたことがあった。)過去のある時点までの継続
ある過去の時点まで動作や状態が継続していたことを表します。
例:
・It had been snowing for a week.
(一週間雪が降り続いていた。)
・They had been waiting there for over an hour when I arrived.
(私が到着したときには、彼らは1時間以上待ち続けていた。)
過去完了形を使うポイント
「過去のある時点」より前を示す
単純過去形 (did など) よりも、さらに前に起こったことを強調したいときに過去完了形を使います。たとえば、「過去形の出来事」の原因や背景をもう少し前の過去にさかのぼって説明するときに役立ちます。「by the time 〜」などの表現とよく一緒に使う
過去完了形は、過去のある時点や出来事が区切りとなっている文脈でよく使われます。
例:- By the time I arrived, they had already started dinner.
(私が到着したときには、彼らはすでに夕食を始めていた。)
- By the time I arrived, they had already started dinner.
注意:単純過去形との違い
- 単純過去形 : 過去に起きた事実や出来事を表す (例: I ate lunch at noon.)
- 過去完了形 : 「その過去の出来事より前に起きたこと」を表す (例: I had already eaten lunch by noon.)
- 単純過去形 : 過去に起きた事実や出来事を表す (例: I ate lunch at noon.)
まとめ
過去完了形 (had + 過去分詞) は、過去のある時点からさらに前にさかのぼる出来事を表す重要な時制です。完了・結果、経験、継続といったニュアンスを伝えられるので、ストーリーや出来事を時系列で整理して伝えたいときに、ぜひ使い分けを覚えてみてください。
受動態(助動詞+受動態)
助動詞+be doneの形
以下では、受動態(助動詞+受動態)について、もとの説明をさらに詳しく、わかりやすく修正しました。参考例やポイントを交えながら解説します。
受動態の基本形
受動態は以下の形で表されます。
be + 過去分詞
たとえば、
・動詞 “write(書く)” の過去分詞は “written” となるので、
- “is written” → 「書かれる」
- “was written” → 「書かれた」
などと表現できます。
助動詞 + 受動態
通常、be動詞は主語に合わせて以下のように変化します。
- 現在形: is / am / are
- 過去形: was / were
しかし、助動詞(can, will, must など)とともに用いるときは、助動詞のあとの動詞は常に原形となります。そのため、be動詞も変化せずに “be” のままになります。つまり、構成は次のようになります。
助動詞 + be + 過去分詞
例文
“The car can be repaired.”
- 「その車は修理されることができる。」
- 助動詞 “can” のあとに “be” が続き、動詞 “repair” の過去分詞 “repaired” を使っています。
- 「その車は修理されることができる。」
“This room should be cleaned.”
- 「この部屋は掃除されるべきだ。」
- 助動詞 “should” のあとに “be” が続き、過去分詞 “cleaned” を使っています。
- 「この部屋は掃除されるべきだ。」
“All documents must be signed by tomorrow.”
- 「すべての書類は明日までに署名されなければならない。」
- 助動詞 “must” のあとに “be” が続き、過去分詞 “signed” を使っています。
- 「すべての書類は明日までに署名されなければならない。」
受動態が使われる主なシチュエーション
- 行為者(誰が行うか)を明確にしたくない/する必要がない場合
- “A mistake was made.”
- (誰がミスをしたかは言及していない)
- “A mistake was made.”
- 重要なのは「行為をされた対象」であり、行為者ではない場合
- “The artwork was damaged during the move.”
- 助動詞を使い、義務・可能性・推量などを表しながら受動態にしたい場合
- “The task can be finished by tomorrow.”
- “The work must be completed on time.”
覚えておきたいポイント
- 能動態との違いに注意
- 能動態: “Someone broke the window.” (誰がしたかを主語に置く)
- 受動態: “The window was broken (by someone).” (行為を受けるものを主語に置く)
- 能動態: “Someone broke the window.” (誰がしたかを主語に置く)
- 助動詞のあとは常に動詞の原形
- be動詞の場合も “be” の形で固定される
- したがって「助動詞 + be + 過去分詞」の形となる
- be動詞の場合も “be” の形で固定される
- “be” の形を決めるのは、助動詞があるかどうか
- 助動詞を使わない場合は “is/am/are” などに変化する
- 助動詞を使う場合は “be” のまま
- 助動詞を使わない場合は “is/am/are” などに変化する
以上が 受動態(助動詞+受動態) の詳しい解説です。受動態には状況や文脈に応じた使い分けがあり、特に助動詞と組み合わせることで、「義務」「可能」「推量」「意図」 などを表しつつ受動態を表現できます。例文や練習問題を通じて、形と使い方に慣れておくと良いでしょう。
not to不定詞
「~しないこと」、「~しないように」
以下では、not to 不定詞(not + to + 動詞)の使い方や意味を、なるべく詳しく、わかりやすく解説します。
1. 「to 不定詞」の基本
まずは「to 不定詞」自体のおさらいです。「to + 動詞の原形」で構成される to 不定詞には、主に以下のような意味や働きがあります。
名詞的用法:
- 主語や目的語など、名詞の役割を果たす。
例)To study English is important.(英語を勉強することは大切だ)
- 主語や目的語など、名詞の役割を果たす。
副詞的用法:
- 「~するために」「~して」のように動詞を修飾する。
例)I went to the library to study.(勉強するために図書館へ行った)
- 「~するために」「~して」のように動詞を修飾する。
形容詞的用法:
- 名詞を後ろから修飾する。「~するための」「~すべき」など。
例)I have a lot of homework to do.(やるべき宿題がたくさんある)
- 名詞を後ろから修飾する。「~するための」「~すべき」など。
2. 「not to 不定詞」とは
「to 不定詞」の前に not を置くと、「~しないこと」「~しないために」のように、to 不定詞を否定した表現になります。
- 例)not to go → 「行かないこと・行かないために」
このように、not to + 動詞の原形 で「(その動詞の動作を)しない」という意味を表せます。
3. 具体的な用法・例文
名詞的用法を否定する場合
- 例)He decided not to go to the party.
→ 「彼はパーティーに行かないことを決めた」 - 「to go(行くこと)」の否定なので、「行かないこと」と訳せます。
- 例)He decided not to go to the party.
副詞的用法を否定する場合
- 例)I left the house quietly not to wake my family.
→ 「家族を起こさないために、静かに家を出た」 - 「to wake my family(家族を起こすために)」の否定なので、「家族を起こさないために」となります。
- 例)I left the house quietly not to wake my family.
形容詞的用法を否定する場合
- 例)This is a good place not to be disturbed by anyone.
→ 「ここは、誰にも邪魔されないのにちょうどいい場所だ」 - 「to be disturbed by anyone(誰かに邪魔される)」を否定し、「邪魔されない」場所という意味を表しています。
- 例)This is a good place not to be disturbed by anyone.
4. 注意点
「not」は to 不定詞の直前 に置くのが自然
- 「not to do」の形が基本です。
- 例)I asked him not to come.(彼に来ないように頼んだ)
- 「not to do」の形が基本です。
「in order not to...」という表現
- 副詞的用法(目的)をはっきり表すとき、より明確に「~しないために」という意味で “in order not to + 動詞” を使うことがあります。
- 例)I left early in order not to miss the train.(電車に乗り遅れないために早めに出発した)
- 副詞的用法(目的)をはっきり表すとき、より明確に「~しないために」という意味で “in order not to + 動詞” を使うことがあります。
他の否定表現との混同に注意
- 文中で二重否定になるのを避けるなど、文全体の否定構造を考えて使いましょう。
5. まとめ
- to 不定詞 は「~すること」「~するために」「~するための」などの意味を表す。
- not to 不定詞 は、それを否定して「~しないこと」「~しないために」の意味になる。
- 名詞的・副詞的・形容詞的いずれの用法でも「not to 不定詞」が用いられる。
- 副詞的用法では “in order not to…” とすると、より目的をはっきり表現できる。
これらを意識して使うと、より正確に「~しない」という意味を伝えることができます。ぜひ英文を読むとき、書くときに活用してみてください。
be to不定詞
be to doの5つの意味
以下では「be to 不定詞(be to do)」の用法について、なるべく詳しく、わかりやすく解説します。
be to 不定詞(be to do)とは?
「be to + 動詞の原形」で表される形は、比較的形式ばった文脈や特定の慣用表現で見られます。元々、to不定詞が「未来への方向性(まだ実現していない)を帯びている」というイメージがあり、ここから5種類の意味が派生しています。
1. 予定(〜することになっている)
「公的な予定」「公式に決まっている未来の出来事」などに使われます。
- 例文:
- The president is to arrive in Tokyo tomorrow.
(大統領は明日東京に到着することになっている) - The meeting is to start at 10 a.m.
(会議は午前10時に始まる予定だ)
- The president is to arrive in Tokyo tomorrow.
<!-- ポイント -->
- 「形式的/公式的に決まっている」ニュアンスが強い。
- 少し硬めの表現なので、日常会話というよりはニュースやアナウンスなどで目にすることが多い。
2. 義務・命令(〜すべき)
「~しなければならない」「~しなさい」という意味になります。法律やルール、権威ある立場の人からの強い命令・要請を表すときに使われやすいです。
- 例文:
- You are to finish your homework before dinner.
(夕食前に宿題を終わらせるべきです) - All visitors are to report to the front desk upon arrival.
(すべての訪問者は到着時に受付に報告しなければならない)
- You are to finish your homework before dinner.
<!-- ポイント -->
- 「must」「have to」と同様の意味だが、よりかしこまった場面や文章で使われることが多い。
- 政令や指示の文書などでもよく見られる。
3. 可能(〜できる)
文脈によっては「~できる」という意味を持つ場合があります。特殊・限定的な用例なので、あまり日常的には使われませんが、文語的表現や物語中によく出てきます。
- 例文:
- If we are to succeed, we must work together.
(もし成功することができるとすれば、皆で協力しなければならない) - The organization is to be found only in the strictest secrecy.
(その組織は極秘のうちにしか見つけることができない)
上の例は「条件」を伴っていますが、そこから「そうすることができる(そうなる見込みがある)」というニュアンスになります。
- If we are to succeed, we must work together.
<!-- ポイント -->
- 「be to」を「can」に言い換えできるほど単純ではなく、条件や前置きがあって初めて「〜できる」へと意味が移行するケースが多い。
4. 運命((否定文で)〜することはなかった)
否定文で使われると、「結局~しなかった」「~する運命にはなかった」という意味を表します。歴史の叙述や物語の中で、ある出来事が「実現しなかった運命」を強調するために使われることがあります。
- 例文:
- He was never to see his homeland again.
(彼は二度と祖国を見ることはなかった) - They were not to meet again.
(彼らは再び会う運命ではなかった)
- He was never to see his homeland again.
<!-- ポイント -->
- 「be never to do」「be not to do」の形でよく見られ、なんらかのドラマ性や哀愁を帯びる表現。
- 運命として「実現しなかった」トーンを含んでいる。
5. 意図(〜したい)
やや特殊な用法ですが、「~しようとしている」「~したい」という意図を示す場合があります。主語本人が強く「~するつもりだ」というよりは、目的や意図を婉曲に示す表現です。
- 例文:
- I am to visit him in order to discuss the matter.
(私はその件について話し合うため、彼を訪問しようと思っている)
- I am to visit him in order to discuss the matter.
- ただしこの用法は1の「予定」ともニュアンスが重なりがちで、厳密に区別しにくいです。
まとめ
「be to 不定詞」は、「形式ばった文脈」や「特定の状況下」で使われる比較的かたい印象の表現です。基本イメージは「まだ実現していない(未来へ向かう)出来事」に焦点を当てており、そこから以下の5つの意味が派生します。
- 予定(〜することになっている)
- 義務・命令(〜すべき)
- 可能(〜できる)
- 運命((否定文で)〜することはなかった)
- 意図(〜したい)
それぞれ文脈や形(肯定・否定)によって微妙にニュアンスが変わるため、実際に英文で見かけたときは文の流れや書き手の意図をしっかり読み取りましょう。特に否定文では「運命」のニュアンスが強く表れる場合があることに注意してください。
being + 過去分詞
進行形の受動態
「being + 過去分詞」とは?
英語の受動態(passive voice)は基本的に「be動詞 + 過去分詞」で表されます。これに“進行形”の概念を組み合わせた形が、進行形の受動態です。具体的には「be動詞 + being + 過去分詞」という形で、「〜されている(最中だ)」という意味を表します。
形の作り方
- 進行形: be動詞 + 動詞の -ing 形
- 受動態: be動詞 + 過去分詞 (p.p.)
- 進行形の受動態: be動詞 + being + 過去分詞
たとえば、以下のように作ります。
現在進行形受動態(am/is/are being + 過去分詞)
- “The car is being repaired.”
- 直訳: 「その車は修理されているところだ」
- 意味: 修理作業が進行中だ(ちょうど修理の最中)。
- “The car is being repaired.”
過去進行形受動態(was/were being + 過去分詞)
- “The house was being built last year.”
- 直訳: 「その家は昨年建設されているところだった」
- 意味: 昨年のある時点で、家の建築作業が進行中だった。
- “The house was being built last year.”
ポイント
- 「being + 過去分詞」を使うと、「何かが“されている最中”だ」という進行中の受動態を表現できる。
- 現在形、過去形など、時制によってbe動詞の形(am/is/are/was/wereなど)を変えることで、いつ“されている”のかを示せる。
- 「being」は状態ではなく、進行を表している点が重要。たとえば“This car is fixed.”は「この車は修理されている(修理済みの状態)」を表すのに対し、“This car is being fixed.”は「この車は修理されている最中」という、進行しているイメージになる。
例文集
- “The bridge is being painted.”
- 橋が今まさに塗られているところ。
- 橋が今まさに塗られているところ。
- “She was being interviewed when I arrived.”
- 私が到着したとき、彼女はちょうどインタビューを受けている最中だった。
- 私が到着したとき、彼女はちょうどインタビューを受けている最中だった。
- “The road will be being repaired until next week.”(やや形式的)
- 来週まで道路は修理されている(作業中だ)だろう。
まとめ
- 「be動詞 + been + 過去分詞」は完了形の受動態。
- 「be動詞 + being + 過去分詞」は進行形の受動態。
それぞれ意味が異なるので、進行形の受動態は「『〜されている(作業が進行中)』を強調したいとき」に使う、と覚えておきましょう。