文法(256)
動詞 + 目的語 not to不定詞
「~しないように…する」を表す動詞
以下では、「動詞 + 目的語 + not to不定詞」の形で表される「~しないように…する」の意味について、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. 「動詞 + 目的語 + not to不定詞」とは
「動詞 + 目的語 + not to不定詞」の形は、相手や第三者に「~しないように言う・頼む・指示する」といった意味を表すときに使います。英語では主に以下のような動詞がよく用いられます:
- tell(言う)
- ask(頼む、お願いする)
- advise(忠告する、助言する)
- warn(警告する)
発話者(S: 主語)が「相手(O: 目的語)に~しないように」と指示などをする場合に使われる構文です。
2. 第四文型(S + V + O + O)との関係
「第四文型(S + V + O + O)」とは、「主語 + 動詞 + 目的語1 + 目的語2」の語順を指します。例えば、I gave her a book.
のように、「私が(主語)、あげた(動詞)、彼女に(目的語1)、本を(目的語2)」という形です。
- この文型をとれる動詞は、「O(相手)に対して、別のO(物事)を与えたり教えたりする」意味を持つものが多いです。
- 今回の構文「動詞 + 目的語 + not to不定詞」は、目的語(相手)に「~しないようにする」という動作・内容を示す形です。そのため、自然と第四文型をとれる動詞、つまり「相手に何かを伝えたり、頼んだりする動詞」と相性が良くなっています。
3. 例文と意味の詳しい解説
3.1. tellを使った例
- 例文: I told her not to be late.
訳: 「遅れないように彼女に言った」
- 「tell + 目的語 + not to ~」で「(目的語)に~しないように言う」という意味になります。
- ここでは「be late(遅れる)」の前に
notがついているため、「遅れないように」となっています。
- 「tell + 目的語 + not to ~」で「(目的語)に~しないように言う」という意味になります。
3.2. askを使った例
- 例文: I asked him not to open the window.
訳: 「窓を開けないように彼に頼んだ」
- 「ask + 目的語 + not to ~」で「(目的語)に~しないように頼む」という意味になります。
- この例では「open the window(窓を開ける)」に
notをつけ、「開けないように」とお願いしている形です。
- 「ask + 目的語 + not to ~」で「(目的語)に~しないように頼む」という意味になります。
3.3. adviseを使った例
- 例文: The doctor advised me not to drink coffee at night.
訳: 「その医者は夜にコーヒーを飲まないように私に助言した」
- 「advise + 目的語 + not to ~」で「(目的語)に~しないように助言する」という意味になります。
- 「drink coffee at night(夜にコーヒーを飲む)」の前に
notをつけて、「飲まないように」と助言している形です。
3.4. warnを使った例
- 例文: They warned us not to go there alone.
訳: 「彼らは私たちにそこへ一人で行かないように警告した」
- 「warn + 目的語 + not to ~」で「(目的語)に~しないように警告する」という意味になります。
- 「go there alone(そこへ一人で行く)」を
not toに変えて、「行かないように」と警告しています。
4. 使い方のポイント
notの位置に注意する
- 「not to 不定詞」は「~しないように」という意味をはっきり示すため、必ずtoの前にnotを置きます。
- 例: (誤) I told her to not be late. → (正) I told her not to be late.
- 「not to 不定詞」は「~しないように」という意味をはっきり示すため、必ずtoの前にnotを置きます。
どの動詞が使えるか
- 「ask」「tell」「advise」「warn」など、相手に何らかの指示・要望・警告をする動詞が代表的です。
- 全ての動詞が「動詞 + 目的語 + not to不定詞」の形をとれるわけではありません。「discuss」「talk」などは他動詞(目的語を取り)でもこの形にはなりにくいので注意しましょう。
- 「ask」「tell」「advise」「warn」など、相手に何らかの指示・要望・警告をする動詞が代表的です。
主語が誰なのかをはっきりさせる
- この構文では「誰が(S)」「誰に(O)」「何をしないように(not to do)」と言った・頼んだ・指示したかが大切です。
- 意味の流れが複雑になりやすいので、目的語や不定詞の部分をはっきり区切って読み取りましょう。
- この構文では「誰が(S)」「誰に(O)」「何をしないように(not to do)」と言った・頼んだ・指示したかが大切です。
「to不定詞」と「that節」の違い
- 一部の動詞(tell, adviseなど)は「that節」を使って「~しないように」と表現することも可能です。
- しかし、日常会話では「tell + 目的語 + not to不定詞」のほうが直接的で、簡潔に「~しないように」と指示するニュアンスを伝えられます。
- 一部の動詞(tell, adviseなど)は「that節」を使って「~しないように」と表現することも可能です。
5. まとめ
- 「動詞 + 目的語 + not to不定詞」は、相手に「〜しないように…する」という意味を伝える形として非常に便利です。
- この形をとれるのは、相手に指示・要望・警告などを行う動詞で、一般的には S+V+O+O という第四文型が可能な動詞が多く該当します。
- notの位置や動詞の選択に気をつけることで、シンプルかつ的確に否定の指示を表現できます。
この構文をマスターすれば、英語でのコミュニケーションにおいて「しないようにお願いする・言う・忠告する」など、否定の指示をスムーズに伝えられるようになるでしょう。ぜひ実際の会話や書き言葉で使ってみてください。
not+ -ing (be going to は除く)
進行形の否定文
以下では、進行形で「not + -ing」の形を使う際のポイントを、より詳しく、わかりやすく解説します。なお、「be going to」のように未来を表す表現はここでは除いています。
1. 進行形の否定文の形
進行形の否定文は、
[ be動詞 + not + 動詞の -ing形 ]
という並びになります。たとえば、以下の例が挙げられます。
I am not writing a letter.
(私は手紙を書いているところではありません。)You are not studying English now.
(あなたは今、英語を勉強しているところではありません。)They are not watching TV.
(彼らはテレビを見ているところではありません。)
ここで使われるbe動詞には、主語の人称や数、時制に応じて「am, are, is」や過去形の「was, were」が用いられます。
2. なぜbe動詞が必要なのか
進行形では、主動詞に -ing をつけて「現在分詞(progressive participle)」という形に変えます。現在分詞自体は「動詞から派生した形」ですが、単独では「時制(現在・過去など)」や「主語との人称・数の一致」を表せません。そこで、時制を示すために「be動詞(am, are, is, was, wereなど)」を使い、主語との対応も同時に示すのです。
例として、
- write → writing
現在分詞のwriting
は、動作そのものを表す形ですが、「いつ」「誰が」行っているかは分かりません。 - 「am, are, is」などのbe動詞と組み合わせて、文の中で「~しているところだ」という進行形を表します。
3. 否定文にするときの位置
基本の形が「[be動詞] + [動詞-ing]」となっているため、否定文にする際はbe動詞の直後に「not」を入れます。
- 肯定文: I am writing a letter.(私は手紙を書いています。)
- 否定文: I am not writing a letter.(私は手紙を書いているところではありません。)
もし短縮形を使う場合は、以下のように書くこともできます。
- I’m not writing a letter.
- You aren’t studying English now.
- He isn’t playing the piano.
4. 「be going to」との違い
「be going to」は「~するつもりだ」「~しそうだ」といった未来を表す表現ですが、構造上は[be動詞 + going to + 動詞の原形]の形をとります。したがって、「be動詞 + not + -ing」の形とは異なり、 -ing形を用いる進行形ではありません。ここでは除外して考えてください。
5. まとめ
- 進行形の基本形は「be動詞 + 動詞の -ing形」。
- 否定文にするときは「be動詞の直後」に「not」を置く。
- 「-ing形」は時制や主語との一致を表せないため、常に「be動詞」とセットで使う。
- 「be going to」は未来表現のため、ここで扱う進行形の「not + -ing」とは別物。
「not + -ing」をマスターすれば、今まさに行っていない動作を明確に表せるようになります。動作に焦点を当てたいとき、ぜひ活用してみてください。
having + 過去分詞
「~したことを…する」
以下では、「having + 過去分詞」(完了形の動名詞)がどのように使われるのか、特に「regret」「acknowledge」の例に焦点を当てながら、より詳しく解説します。
1. 動詞がとる形の基本
英語の動詞は、後ろにとる形が大きく分けて次の2種類あります。
to不定詞
例: want to do, decide to do, hope to do など
「~することを望む」「~することを決める」「~することを望む」のように、to不定詞をとる動詞の例です。動名詞(~ing形)
例: enjoy doing, finish doing, avoid doing など
「~することを楽しむ」「~し終える」「~することを避ける」のように、動名詞(~ing形)をとる動詞の例です。
2. regret や acknowledge などの動名詞をとる動詞
「regret」「acknowledge」も後ろに動名詞(~ing形)をとる動詞の代表例です。それぞれ以下のような意味になります。
regret doing: 「~することを後悔する」
例: I regret telling her the truth.
(彼女に本当のことを言ったことを後悔している。)acknowledge doing: 「~することを認める」
例: He acknowledged breaking the vase.
(彼は花瓶を壊したことを認めた。)
3. 「having + 過去分詞」(完了形動名詞)とは?
「~ing形」の前に having を加えて「having + 過去分詞」の形にすると、完了の意味が加わります。これを「完了形動名詞(perfect gerund)」と呼びます。完了形動名詞を使うと、「(すでに)~したこと」という過去に完了した動作や状態を強調できます。
たとえば、以下のように使います。
- regret having done: 「(過去に)~したことを後悔する」
- acknowledge having done: 「(過去に)~したことを認める」
「done」は過去分詞の代表として例示しているだけで、実際には動詞を変えて使います。
例文
I regret having told her the truth.
(彼女に本当のことを言ってしまったことを後悔している。)
┗ 単に “regret telling her the truth” でも伝わりますが、「having told」を使うと「言った動作が過去に終わっている」ことを明確に示します。He acknowledged having broken the window.
(彼はすでに窓を壊したことを認めた。)
┗ “acknowledged breaking the window” でも意味は通じますが、「having broken」を使うことで、前もって起こった行為(壊してしまった)の完了を意識させます。
4. 「regret」や「acknowledge」の他の形との違い
regret to do の場合
- “regret to do” は「残念ながら~しなければならない」「~することを残念に思う」というように、まだ行われていない動作あるいはこれから行う動作に対する「残念な気持ち」を表します。
例: I regret to tell you this, but … (こうお伝えしなければならないのは残念ですが…)
acknowledge that節 の場合
- “acknowledge that+文” の形で、後ろに節(SV構造)を続けることもできます。
例: He acknowledged that he was responsible for the damage.
(彼はその損害に自分が責任があることを認めた。)
「動名詞をとるか」「to不定詞をとるか」「that節をとるか」は動詞によって決まることが多いので、辞書や英文法書などを確認しつつ覚えていくとよいです。
5. 「having + 過去分詞」全般のイメージ
「having + 過去分詞」は以下のように、「先に終わっている行為・状態」を示すために使われます。
- 動詞の目的語として (例: regret having done, acknowledge having done)
- 分詞構文として (例: Having finished my homework, I went to bed.)
いずれの場合も「~をすでに実行し終えている」というニュアンスが強調されると考えると理解しやすいです。
まとめ
- 英語の動詞の後ろには「to不定詞」と「動名詞(~ing形)」の2パターンがあり、動詞ごとに取れる形が異なる。
- 「regret」や「acknowledge」は動名詞(~ing形)をとる動詞で、それぞれ「~することを後悔する」「~することを認める」を意味する。
- さらに「完了形動名詞(having + 過去分詞)」を使うと、「(過去に)~したことを後悔する・認める」と、行為が過去に完了していることを強調できる。
- 「regret to do」のような形が存在する動詞もあり、意味の違いを正しく把握することが大事。
「having + 過去分詞」の形はやや上級文法として扱われますが、使い方をしっかり理解すると、自分が伝えたい「過去の行為」に対する思いや事柄を正確に表現できるようになります。ぜひ、例文とともに練習してみてください。
助動詞: dare (to)
「あえて~する」「~する勇気がある」
以下の解説は、助動詞・動詞の両方で使われる “dare” について、より詳しく、わかりやすくまとめたものです。
1. 助動詞 “dare” とは?
英語で “dare” は、「あえて~する」「思い切って~する」という意味を持ちます。
“dare” には助動詞の用法と、動詞(本動詞)の用法があります。
助動詞としての用法
- 「あえて~する、思い切って~する」という意味を表す。
- 主に否定文や疑問文で用いられることが多い。
- 助動詞として用いる場合、後ろにくる動詞は原形になる。
- 否定文では “dare not” の形をとることが多い。
- 例: “I dare not run.”(私はあえて走ろうとはしない)
動詞(本動詞)としての用法
- 動詞としては「~に挑む、~する勇気がある」という意味を表す。
- 動詞で用いる場合は、後ろに “to + 動詞の原形” が続くことが一般的。
- 例: “I don’t dare to run.”(走る勇気がない / あえて走ろうとはしない)
2. 助動詞 “dare” と動詞 “dare” の見分け方
直後に “to” があるかどうか
- 助動詞として使う場合 → 直後は動詞の原形のみ。
- 動詞として使う場合 → “to + 動詞の原形” で用いられることが多い。
- 助動詞として使う場合 → 直後は動詞の原形のみ。
否定・疑問の形をとるとき
- 助動詞として使う “dare” は “dare not” / “Dare + 主語 + 動詞?” の形が可能。
- 例: “Dare we go?”(思い切って行くべきだろうか?)
- 例: “I dare not speak.”(あえて話さない)
- 例: “Dare we go?”(思い切って行くべきだろうか?)
- 動詞として使う “dare” は “do/does not dare to” / “Do/Does + 主語 + dare to + 動詞?” の形が一般的。
- 例: “I do not dare to speak.”
- 例: “Do you dare to jump?”(飛び降りる勇気はある?)
- 例: “I do not dare to speak.”
- 助動詞として使う “dare” は “dare not” / “Dare + 主語 + 動詞?” の形が可能。
3. “dare” の使い分けポイント
日常的には、動詞 (本動詞) としての “dare” を使うほうが一般的
- 例: “I don’t dare to say that.”(そんなこと言う勇気はない)
- 助動詞 “dare” は否定や疑問で使われる場合が多く、やや文語的・形式的な響きがある。
- 例: “I don’t dare to say that.”(そんなこと言う勇気はない)
“How dare you …?” の表現
- 相手の行為に対して「よくもそんなことができるね?」と非難するときの決まり文句。
- 例: “How dare you speak to me like that?”(よくもそんな口の利き方ができるね?)
- この表現では “dare” は助動詞扱いになり、後ろの動詞は原形。
- 相手の行為に対して「よくもそんなことができるね?」と非難するときの決まり文句。
三人称単数形のとき
- 助動詞として使う場合は、三人称単数(he, she, itなど)のときでも “dare” は変化しない。
- 例: “He dare not go there.”
- 例: “He dare not go there.”
- 動詞(本動詞)として使う場合は、三人称単数では “dares” になり、否定は “does not dare to” となる。
- 例: “He does not dare to go there.”
- 助動詞として使う場合は、三人称単数(he, she, itなど)のときでも “dare” は変化しない。
4. 例文まとめ
助動詞としての例
- 肯定文(まれ): “I dare say you’re right.”(恐らく君が正しいと思う / 君が正しいと言ってはばからない)
- 否定文: “I dare not tell her the truth.”(あえて彼女に本当のことは言えない)
- 疑問文: “Dare we ask the boss?”(思い切って上司に聞いてみる?)
- 肯定文(まれ): “I dare say you’re right.”(恐らく君が正しいと思う / 君が正しいと言ってはばからない)
動詞(本動詞)としての例
- 肯定文: “I dare to dream big.”(大きな夢を持つ勇気がある)
- 否定文: “I don’t dare to speak in front of so many people.”(こんな大勢の人の前では話す勇気がない)
- 疑問文: “Do you dare to ask him for a favor?”(彼にお願いする勇気はある?)
- 肯定文: “I dare to dream big.”(大きな夢を持つ勇気がある)
まとめ
- “dare” は助動詞としても動詞としても使われる。
- しばしば否定文や疑問文で使われ、「あえて~する・思い切って~する」といった意味を伝える。
- 助動詞 “dare” は古風・形式的なニュアンスを帯びることが多いが、日常会話で定型表現として残る形もある(“How dare you?” など)。
- 見分けるポイントは、直後の動詞に “to” があるかどうかと、否定・疑問文での形に注目すること。
以上を押さえておけば、助動詞としても動詞としても使われる “dare” を正しく使い分けられるようになります。
助動詞: might well
「おそらく~だろう」
以下では、助動詞「might well」の使い方と意味を、より詳しく、わかりやすく整理して解説します。
1. 助動詞「might well」とは?
英語の助動詞は、主に動詞の前につけて意味を補足したり、話し手の態度やニュアンスを表したりする働きをします。
その中でも「might well」は、ある状況や出来事が「十分にあり得る」「おそらくそうだろう」といった推量を表す表現です。
- 「might well + 動詞の原形」で “おそらく〜だろう” と訳されることが多い。
- 「might」と「well」が組み合わさり、「十分に~かもしれない」という強い可能性を示す。
例えば、次のような文が考えられます:
I might well run tomorrow morning.
(私は明日の朝、おそらく走るだろう。)
2. 「might well」の構造
2.1 助動詞のカタマリとして考える
「might well」は1つの助動詞のかたまりとして扱います。
文の構造は以下のとおりです:
- 主語 (Subject)
- 助動詞「might well」
- 動詞の原形 (run, eat, go など)
She might well win the contest.
(彼女はそのコンテストで十分勝つかもしれない。)
2.2 「might = かもしれない」「well = 十分に」
- 「might」: かもしれない
- 「well」: 十分に、じゅうぶんあり得る
これらが合わさることで、「十分に〜かもしれない」→「おそらく〜だろう」という意味合いをもつようになります。
3. 「might well」のニュアンス
「might」単体だけよりも、「well」が加わることで、
「十分あり得る」「かなりの可能性がある」 といったニュアンスが強まります。
ただし、確実性を断言しているわけではない点に注意してください。
あくまでも「十分に可能性がある」と推測している表現です。
You might well be right.
(あなたはおそらく正しいでしょう / 十分正しいかもしれません。)
4. 類似表現との比較
「might well」と同じように可能性を示す表現として、以下のようなものもあります。
- 「may well」: “おそらく〜だろう”
- 「could well」: “十分に〜となり得る”
これらも主に “十分そう(起こり得る)” という意味で使われ、日常英会話やビジネス英語でもよく見られます。
5. 例文まとめ
- We might well see a price increase next year.
(来年、十分に価格の上昇があるかもしれない。) - He might well move to another city.
(彼は十分に他の都市へ引っ越すかもしれない。) - They might well finish the project ahead of schedule.
(彼らは十分に予定より早くプロジェクトを終えるだろう。)
6. まとめ
- 「might well」は「十分に〜だろう」「おそらく〜だろう」という強めの可能性・推量を表す助動詞表現。
- 「might well + 動詞の原形」で使い、「might」「well」の意味を合わせて「十分に〜があり得る」というニュアンスを伝える。
- 「may well」「could well」もほぼ同じ意味で使えることが多い。
このように、「might well」は「ただのかもしれない」よりは「十分にそうであり得る」という推量を表し、英語の推測表現に幅を持たせる上で覚えておきたい表現です。
疑似関係代名詞(as)
asやthanを関係代名詞のように使う用法
以下では「疑似関係代名詞(as)」について、もともとの解説をより詳しく、わかりやすく修正したものを示します。
疑似関係代名詞(as)とは
英語の文法において「関係代名詞」とは、先行する名詞を修飾し、文をつなぐはたらきを持つ語を指します。通常、関係代名詞には who, which, that などが含まれますが、これらの代わりに as や than が似た機能を果たす場合があります。これを「疑似関係代名詞」と呼びます。本来の関係代名詞とは使い方が異なる部分もありますが、先行詞を修飾するはたらきを果たす点でよく似ています。
疑似関係代名詞(as)の主な用法
疑似関係代名詞として使われる as が特に有名なのは、“such ... as” という相関構文です。これは「…のような」「…するような」といった意味を表すために用いられます。
- 例文:
We must read such books as will benefit us.
(訳)「自分のためになるような本を読まなければならない。」
上の例では “such books” が先行詞で、as が books を修飾する節(as will benefit us)を導いています。ここでの as は疑似関係代名詞として、先行詞に相当する “books” をもう一度受けているわけです。
疑似関係代名詞(as)の形をとる他の表現
“such ... as” 以外にも、状況によっては as が疑似関係代名詞のように使われる表現があります。たとえば、次のようなものが挙げられます。
same ... as
- 例文: This is the same bag as I bought yesterday.
(訳)「これは昨日私が買ったのと同じバッグです。」 - ここでは “the same bag” という先行詞を as が受けており、関係代名詞的な役割を果たしています。
- 例文: This is the same bag as I bought yesterday.
as is often the case with 〜 という慣用表現
- 例文: As is often the case with children, they quickly made friends.
(訳)「子どもにはありがちなことですが、彼らはすぐに友達になりました。」 - この場合は文頭の as が、後ろの “is often the case with children” を導き、全体をまとめています。形は少し特殊ですが、やはり as が前にある内容を受けている点で疑似関係代名詞的な働きをしています。
- 例文: As is often the case with children, they quickly made friends.
疑似関係代名詞(as)の注意点
通常の関係代名詞と混同しない
- as はそもそも接続詞など多機能な語であるため、「疑似関係代名詞」として使われているのか、別の役割で使われているのかを文脈に応じて判断する必要があります。
such と相関して使われる場合が多い
- “such ... as” の構文は、試験問題や英文法書でもよく扱われます。意味としては「…するような」「…と言えるような」というニュアンスを強く出すので、おさえておきましょう。
まとめ
- 疑似関係代名詞(as)とは、先行詞を修飾し、関係代名詞のようにはたらく as の用法を指します。
- とくに “such ... as” はよく使われる表現で、「〜するような○○」という意味を作ります。
- 他にも “the same ... as” や “as is often the case with 〜” など、疑似関係代名詞として使われる as のパターンがいくつかあります。
- ただし、通常の関係代名詞 (who, which, that) と異なる用法であるため、用い方をしっかり見極めることが大切です。
疑似関係代名詞はネイティブの表現に近づくうえで重要なポイントです。例文を多く目にして慣れていくと、文章をより自然に、そして押さえどころをしっかり踏まえた正確な英語が書けるようになります。
強調構文(前置詞句・副詞強調)
前置詞句が前にくる場合の強調
以下では、前置詞句や副詞を文頭に置いて強調する際に起こる倒置について、なるべく詳しく、わかりやすく説明します。
1. 前置詞句や副詞を文頭に置く理由と強調
通常、英語の平叙文は「主語 + 動詞 + …」という語順をとります。しかし、ある内容を際立たせたいときや、文全体に印象的・文学的な効果を与えたいときには、前置詞句や副詞を文頭に置く(フロントにする)ことがあります。このとき、強調したい部分が先に来ることで、読者や聞き手の注意を引く効果があります。
例:
- (通常の語順) The island lies in the middle of the lake.
- (強調した語順) In the middle of the lake lies the island.
後者では「in the middle of the lake」を前に出すことで、「湖の真ん中にある」という状況を強調すると同時に、文の主語(the island)と動詞(lies)の語順が逆転(倒置)しています。
2. 倒置(Inversion)とは?
2.1 主語と動詞の位置が入れ替わる
倒置とは、主語と動詞(あるいは助動詞)の位置が通常の語順(主語が先)とは逆になる現象を指します。文頭に出てきた要素(前置詞句や副詞)を際立たせるために、主語と動詞があとに続く形となります。
たとえば:
- In the middle of the lake lies the island.
- 前置詞句 (In the middle of the lake) → 動詞 (lies) → 主語 (the island)
2.2 倒置が使われる場面
- 文語的・修辞的な効果(特に文学作品やスピーチで印象を強めたいとき)
- 特殊な副詞(例: Only、Never、Seldom など)や強い否定・制限を表す語句を強調するとき(「Never have I seen such a thing.」など)
- 前置詞句を文頭に出し、空間や方向を劇的に提示したいとき(「In the forest stood a tall oak tree.」など)
ここでは主に「前置詞句・副詞の強調」に焦点をあてていますが、否定の副詞句が文頭に来たときなど、さまざまなパターンで倒置が用いられます。
3. 強調構文との違いに注意
ここで説明している「前置詞句や副詞を文頭に置く倒置」は、しばしば「強調構文」と呼ばれることがありますが、文法書でいう「It is 〜 that …」などの形式とは区別される場合があります。
- 「It is 〜 that …」: 強調したい要素を it is と that の間にはさんで明示的に強調する構文。
- 文頭の前置詞句や副詞を用いた倒置: 「In the middle of the lake lies the island.」のように語順を変えて強調する方法。
どちらも強調の目的は似ていますが、構造は異なりますので混同しないようにしてください。
4. 倒置を使うときのポイント
文体や場面に注意
倒置はとくに文語的・文学的な雰囲気を出すときに効果的ですが、日常会話やカジュアルな文脈ではあまり使われません。場面に合った使い方を意識しましょう。主語が明確に分かるようにする
倒置で主語が後ろに回ると、文の要素が多い場合に読みにくくなることがあります。特に長い文では、どれが主語なのか見失われがちです。必要に応じて、短めの文やはっきりした主語を用いてわかりやすい倒置にするとよいでしょう。動詞の形に気をつける
倒置の場合でも、動詞の形(単数・複数、時制など)は変わりません。主語が単数であれば動詞も単数形、主語が複数であれば複数形をそのまま使います。
5. まとめ
- 前置詞句や副詞を文頭に置くことで強調が生まれる。
- この強調の効果を高めるため、主語と動詞が倒置される(主語と動詞の位置が入れ替わる)。
- 例文:
- 通常:
The island lies in the middle of the lake.
- 倒置:
In the middle of the lake lies the island.
- 通常:
このような倒置は文を印象的にしたり、特に強調したい場所や状況を目立たせたりするのに役立ちます。使う場面や文体に合わせて活用しましょう。
強調構文(whatを用いた疑似分裂文)
「こと」を表すwhatを使った強調構文
以下では、whatを使った強調構文(疑似分裂文)について、元の説明に加えてより詳しく解説します。なお、itを使った強調構文と比較しながら理解するとわかりやすいです。
1. whatを使った強調構文(疑似分裂文)とは?
whatを使った強調構文(疑似分裂文)は、「What S + V ~ is …」という形で、「S(主語)がVするものは…だ」のように表現し、文中のある部分を強調するために用いられます。
- 例文:
- What I want to say is this.
- 意味: 「私が言いたいことは、これです。」
- What I want to say is this.
ここで強調されているのは、文末にくる“this”の部分です。「私が言いたいのは“this”なんだ」と、聞き手に対して“this”を強く印象づける構造になっています。
ポイント
- whatは「…するもの・こと」という意味合いを持っています(「the thing(s) that…」)。
- 「What I want to say」は「私の言いたいこと」を意味し、最後の“this”を強調して伝えています。
2. itを使った強調構文との比較
itを使った強調構文(It is … that…)とwhatを使った強調構文(What S V … is …)は、どちらも文中のある語句を取り出して焦点を当てるために使われます。
2-1. itを使った強調構文の例
- 例文:
- It is the phrase that I want to say.
- 意味: 「私の言いたいのは、このフレーズです。」
- It is the phrase that I want to say.
この文では、“the phrase”の部分を強調しており、「このフレーズこそ、私が言いたいんだ」というニュアンスを与えます。
- “It is 〜 that…” の構造全体が強調構文としてはたらき、強調したい部分を “it is” と “that” で挟み込む形になります。
2-2. whatを使った強調構文の例
- 例文(先ほどの文をwhat構文にした場合):
- What I want to say is the phrase.
- 意味: 「私が言いたいことは、このフレーズです。」
- What I want to say is the phrase.
こちらも、文中の強調点は文末の“the phrase”で、「私が言いたい“こと”はこのフレーズだ」と示しています。
- この場合、“What I want to say” が主語になり、そこに「私の言いたいもの(=what)」という意味が含まれています。
3. 使い分けとニュアンス
ニュースやスピーチなどで、結論や要点(強調したい内容)を文末に置きたい場合
- “What S V … is …” の形だと、強調するものを文末に配置するので、話し言葉やライティングで「最後に大事なことをもってくる」印象を与えやすいです。
- “What S V … is …” の形だと、強調するものを文末に配置するので、話し言葉やライティングで「最後に大事なことをもってくる」印象を与えやすいです。
最初に強調したいもの(または人)を目立たせたい場合
- “It is … that …” の形だと、文の頭に強調したい言葉を持ってくることができます。特に人物名や特定の名詞を先に持ってきたほうが意味を汲み取りやすいケースでよく使います。
- “It is … that …” の形だと、文の頭に強調したい言葉を持ってくることができます。特に人物名や特定の名詞を先に持ってきたほうが意味を汲み取りやすいケースでよく使います。
文法構造の好みや文章全体のリズム
- 実用的には、どちらを使っても理解に大きな差はありませんが、ライティングの流れやスタイルで選ぶことがあります。
4. まとめ
what構文(疑似分裂文): 「What S + V ~ is …」
- 強調したい要素を文末に持ってきて焦点を当てる。
- “what”が「…するもの/こと」を意味し、その部分が名詞的に機能する。
- 強調したい要素を文末に持ってきて焦点を当てる。
it構文(強調構文): 「It is … that …」
- 強調したい要素を “it is” と “that” で挟み込む。
- 強調部分を文頭に出すため、聞き手や読み手がすぐに注目しやすい。
- 強調したい要素を “it is” と “that” で挟み込む。
どちらの構文も英文を書くうえで頻繁に登場し、話し手の意図をより際立たせられる便利な表現です。 シチュエーションや流れに合わせて、whatを使った疑似分裂文とitを使った強調構文を使い分けるようにしましょう。
see/hear/etc.+目的語+過去分詞
「目的語が~されるのを見る/聞く」
以下では、知覚動詞「see」「hear」「feel」などと「目的語+過去分詞」を組み合わせる文型について、できるだけ詳しく、わかりやすく解説をします。
1. 知覚動詞とは?
英語の文法において「知覚動詞 (verbs of perception)」とは、「見る」「聞く」「感じる」など、感覚によって何かを知覚する動作を表す動詞を指します。代表的なものには以下があります。
- see(見る)
- watch(見る)
- hear(聞く)
- listen to(聞く)
- feel(感じる)
- notice(気づく)
ここでは特に「see」「hear」「feel」を中心に解説します。
2. 基本形:see/hear/feel + 目的語 + 過去分詞
知覚動詞の後に「目的語 (object) + 過去分詞 (past participle)」を置くと、「目的語が〜されるのを(見る・聞く・感じる)」という受動的な意味を表します。
例文
- I saw the door opened.
→「そのドアが開けられるのを見た」 - I heard my name called.
→「自分の名前が呼ばれるのを聞いた」 - I felt my chair pushed.
→「自分のイスが押されるのを感じた」
これらの文では、目的語(the door, my name, my chair)は過去分詞(opened, called, pushed)によって「~される」という動作の受け手になっています。知覚動詞が受動的な動作を知覚したことを表している点がポイントです。
3. 「see/hear + 目的語 + 原形不定詞」との違い
知覚動詞を用いた文には、以下のように「目的語 + 原形不定詞」をとるパターンもあります。
- see/hear + 目的語 + 原形不定詞
例)I saw him open the door. / I heard someone call my name.
この形では「目的語がその動作を行う様子を知覚した」ことを表し、動作自体が能動的・直接的に行われるイメージがあります。一方、「目的語 + 過去分詞」の形は「目的語が動作を受ける側」であることを示し、受動的に「〜される様子を知覚した」意味になります。
4. よくある間違い
- 「see/hear + 目的語 + opened」のような形を「see/hear + 目的語 + open」にしてしまう。
- 過去分詞を使わずに原形不定詞を使うと、「開けられる様子」ではなく「目的語が開ける様子」を見た/聞いたという意味になってしまいます。
- 過去分詞を使わずに原形不定詞を使うと、「開けられる様子」ではなく「目的語が開ける様子」を見た/聞いたという意味になってしまいます。
- 「see/hear + 目的語 + opened」の代わりに、「目的語 + was + opened」のように書きかえてしまう。
- 実際に文を分けて表現(例:I saw that the door was opened.)にすることは可能ですが、知覚動詞を用いた簡潔な構文とは少しニュアンスが異なります。
5. まとめ
- 知覚動詞「see」「hear」「feel」+目的語+過去分詞は「目的語が〜されるのを(見る・聞く・感じる)」という受動的な意味を表す。
- 「目的語+原形不定詞」の形は、目的語が能動的に何かをする様子を知覚したことを表す。
- 過去分詞を使うことで「動作の受け手」を強調できる。
このように、知覚動詞に続く形が「原形不定詞」か「過去分詞」かで、能動的な動作の様子を表すか、受動的に動作を受ける様子を表すかが変わります。文の意味合いを正しく伝えるために、どちらの形を使うかを注意して選びましょう。
if節内のshould
「(仮に)SがVするとしたら」
以下では「If S should V(SがVするとしたら)」の使い方について、より詳しくわかりやすく解説します。
If節内の「should」の意味とニュアンス
英語の仮定法表現には「If S should V」という形があります。これは「(仮に)SがVするとしたら」という意味を表し、特に「実際には起こりにくいこと」を想定する場合に用いられます。たとえば “If it should rain tomorrow, …” (もし明日万が一雨が降るようなことがあったら…)のように使い、「起こりそうにないけれど、万が一という可能性も考えておく」というニュアンスを伝えます。
ポイント
- 実際に起きる可能性が非常に低いと思われる事柄で使う。
- 「万が一…ということがあったら」というような状況を想定する。
- 「万が一…ということがあったら」というような状況を想定する。
- 文体がフォーマルになることが多い。
- “If S should V” は、口語よりも文語や丁寧なやり取りでよく見られる。
例文
If you should see Mr. Brown at the conference, please tell him I said hello.
- 可能性は低いけれども、「万が一見かけたら挨拶を伝えてほしい」という意味合い。
- 可能性は低いけれども、「万が一見かけたら挨拶を伝えてほしい」という意味合い。
If it should rain tomorrow, we will have to cancel the picnic.
- 「おそらく雨は降らないだろうが、もし降るようなら」という前提。
- 「おそらく雨は降らないだろうが、もし降るようなら」という前提。
Should you have any questions, feel free to contact me.
- “If you should have any questions” をさらに短くした形。フォーマルな文書やビジネスメールなどでよく使われる。
「If節の中のshould」と普通のif節との違い
普通のif節(If S V…)
例: If it rains tomorrow, we will cancel the picnic.
→ “明日雨が降るかもしれないし、降らないかもしれない” という単純な条件。shouldを用いたif節(If S should V…)
例: If it should rain tomorrow, we will cancel the picnic.
→ “明日雨が降る可能性は低いけれども、万が一そうなったら” というより控えめ・丁寧なニュアンス。
まとめ
- 「If S should V」は「(仮に)SがVするようなことがあれば」という意味で、可能性が極めて低い状況を想定する表現。
- 「万が一」という含みがあり、フォーマルな文体でもよく用いられる。
- 普通の if 節との違いは、起こりうる度合いをより低く見積もっている点と、その分丁寧・控えめなトーンが加わる点にある。
もし英作文をするときに「万が一に備えて言っておきたい」というようなニュアンスを出したい場合は、「If S should V」を使ってみましょう。実際には起こりにくいと考えられる事柄を想定する際に、自然できちんとした印象を与える表現として役立ちます。