文法(256)
one another
「お互い」を表現する代名詞
以下に、元の解説文をより詳しく、わかりやすく修正したものを提示します。
「one another」についての解説
「one another」は英語の代名詞で、「お互いに」という意味を表します。しばしば副詞と混同されますが、実際には代名詞なので注意が必要です。代名詞であるため、文中で動詞の目的語として用いることができます。
例文
Let's help one another.
(お互いに助け合おう。)
ここでは、「help」の目的語として「one another」が使われています。
「each other」との比較
英語の「each other」も「お互いに」という意味を持ち、代名詞として使う点は「one another」と同じです。
よく言われる区別として、
- 「each other」:二人の間で「お互いに」
- 「one another」:三人以上の間で「お互いに」
という使い分けがあります。ただし、現代の英語ではこの区別は必ずしも厳密には守られていません。二人でも「one another」を使う場合がありますし、逆に三人以上でも「each other」を使うケースもあります。そのため、厳密なルールというよりは従来からの目安と捉えるとよいでしょう。
まとめ
- 「one another」は代名詞であり、副詞ではありません。
- 代名詞なので、動詞の目的語に置くことができます。
- 「each other」との使い分けは一般的に、
- 二人 → each other
- 三人以上 → one another
とされていますが、現代英語では明確に区別されないことも多いです。
- 二人 → each other
英語の文中で、相手同士がお互いに何らかの作用をするときは「each other」か「one another」のどちらかを使う形になります。目安として例文や状況に合わせて使い分けを覚えておくと良いですが、厳密にこだわりすぎなくても問題ありません。
the other/the others
theで特定したotherの表現
以下では、the other
と the others
の使い分け・意味を、より詳しくわかりやすく解説します。
■ the other
とは?
基本の意味
「other」は「他の(もの)」を表す言葉ですが、冠詞の “the” が付くと「特定された “もう1つのもの”」「残りの1つ」のニュアンスが加わります。具体的な使い方
- 2つあるもののうちのもう一方を指すとき
例)
- I have two pens. One is red and the other is blue.
(ペンを2本持っています。1本は赤で、もう1本は青です。)
- I have two pens. One is red and the other is blue.
- 2つあるもののうちのもう一方を指すとき
- 「残りの1つ」を強調するとき
例)
- One of the rooms is used for storage, and the other is my office.
(部屋が2つあって、1つは倉庫として使い、もう1つは私のオフィスです。)
- One of the rooms is used for storage, and the other is my office.
- このように、「2つあるものの、もう一方」を特定して指すときによく使われます。
■ the others
とは?
基本の意味
「the others」は、特定された複数の「残りすべて」を指します。具体的な使い方
- 3つ以上あるもののうち、最初のいくつかを除いた「残り全部」を指すとき
例)
- I have five dogs. One is small, and the others are quite large.
(5匹犬を飼っていて、1匹は小さく、残りの4匹はかなり大きいです。)
- I have five dogs. One is small, and the others are quite large.
- 3つ以上あるもののうち、最初のいくつかを除いた「残り全部」を指すとき
- 既に何らかの形でひとまとまりの複数のものを指しているとき、その残りを一括りに言うとき
例)
- Some of my friends went home early, but the others stayed until midnight.
(友達の何人かは早く帰りましたが、残りの友達は真夜中まで残っていました。)
- Some of my friends went home early, but the others stayed until midnight.
- 「the others」は、文脈で指定されたグループが「全体でいくつあるか」がわかっている場合に使われる点がポイントです。
■ 注意点
「the other」と「the others」では、数に注目
- 「the other」は「(2つあるものの)もう1つ」と、単数を指すことが多い。
- 「the others」は「(特定のグループの中の)残り全部」というように複数を指す。
- 「the other」は「(2つあるものの)もう1つ」と、単数を指すことが多い。
「another」や「others」との比較
- 「another」は「(まだ特定されていない)もう1つ」を表すため、「a + other = another」のイメージ。
- 例) I need another cup of coffee. (コーヒーをもう1杯必要です)
これは「特定のコーヒー1杯」を指しているわけではなく、「どの1杯でもいいからもう1杯」というニュアンス。
- 例) I need another cup of coffee. (コーヒーをもう1杯必要です)
- 「others」は「(不特定の)他のもの・人たち」という意味で使われ、冠詞“the”を伴わない場合は、特定のグループや個々をはっきり示すわけではない。
- 「another」は「(まだ特定されていない)もう1つ」を表すため、「a + other = another」のイメージ。
文脈がとても大切
- 「the」がついているかどうかで、「それが特定された残りのものを指しているのか、そうでないのか」が変わります。周囲の文脈から「何と何の残りを言っているのか」を把握することが重要です。
まとめ
- the other は、特に「2つのうちの残り1つ」を指す表現。
- the others は、「特定のグループの残り全部」を指す複数形。
上記のポイントを意識して使い分けると、英文を書くときや読むときに混乱が減り、より正確に伝わります。
形容詞・副詞+enough
「十分な/に」という意味の形容詞/副詞
以下では、「形容詞・副詞+enough」の使い方をなるべく詳しく、わかりやすく解説します。
1. 「十分に」という副詞としての enough
1-1. 形容詞の後ろに置く
「~が十分に … である」と言いたいとき、enough は形容詞の後ろに置いて「(形容詞) + enough」という形をとります。ここでの enough は「十分に」という意味の副詞です。
- 例文
- Is it large enough?
→「これは十分大きいですか?」 - She’s old enough to drive.
→「彼女は運転するのに十分な年齢だ。」
- Is it large enough?
形容詞の直後に enough を置くことで、「その形容詞としては十分である」というニュアンスを示します。
1-2. 「副詞 + enough」の形
形容詞や名詞に限らず、ほかの副詞にも enough は同様に「(副詞) + enough」の形で使われ、「~が十分に…する」といった意味を表せます。
- 例文
- She didn’t run fast enough to catch the bus.
→「バスに追いつくほど十分速く走れなかった。」
- She didn’t run fast enough to catch the bus.
2. 「十分な」という形容詞としての enough
2-1. 名詞の前に置く場合
enough が「十分な~」という形容詞(限定詞)の役割をするときは、ふつう名詞の前に置いて「enough + 名詞」の形をとります。
- 例文
- We have enough time to finish our project.
→「私たちにはプロジェクトを終えるのに十分な時間があります。」 - I don’t have enough money to buy a new laptop.
→「新しいノートパソコンを買うのに十分なお金がありません。」
- We have enough time to finish our project.
2-2. 名詞の後ろに置く場合
一部の表現では、enough が名詞の後ろに置かれることもあります。口語や文語表現では「名詞 + enough」として使われる場合もあり、「(その名詞として)十分な」という意味を持ちます。ただし、名詞の前に置くほうが一般的で自然な印象です。
- 例文
- He didn’t have sense enough to keep quiet.
→「彼には黙っているだけの分別(=十分な分別)がなかった。」 - She gave him time enough to explain himself.
→「彼が自分の言い分を説明できるだけの十分な時間を与えた。」
- He didn’t have sense enough to keep quiet.
「名詞 + enough」は少し堅め・古風なニュアンスを伴うことがあるため、通常は「enough + 名詞」がより使われやすい形です。
3. まとめ
「(形容詞) + enough」
- 「十分に~だ」という意味の副詞的な使い方。
- 例: large enough, fast enough, old enough
- 「十分に~だ」という意味の副詞的な使い方。
「enough + 名詞」
- 「十分な~」という形容詞(限定詞)としての使い方。
- 例: enough money, enough time
- 「十分な~」という形容詞(限定詞)としての使い方。
「名詞 + enough」
- 一部表現で用いられる形。「十分な~」と意味は同じだが、やや文語的・強調的なニュアンス。
- 例: time enough, sense enough
- 一部表現で用いられる形。「十分な~」と意味は同じだが、やや文語的・強調的なニュアンス。
「enough」は、置く位置によって「(形容詞) + enough(十分に~だ)」と「enough + 名詞(十分な~)」と使い分けます。副詞の働きが強い場合は形容詞の後ろ、名詞を修飾する場合は名詞の前に置くのが基本です。上記のポイントを押さえると、英作文やリスニングの際に「何が十分なのか」をより正確に理解・表現できます。
such (a/an) 形容詞+名詞
「そんな~」を表すsuch
以下では、英文法「such (a/an) 形容詞 + 名詞」について、より詳しくわかりやすく解説します。
1. 「such」の基本的な役割
- 「such」は主に「とても~な」「あんなに~な」「そんなに~な」というように、名詞(句)の性質や程度を強調するときに使われます。
- 一般的に「such + (a/an) + 形容詞 + 名詞」の形をとることで、「とても~な名詞」「そんな~な名詞」といったニュアンスを表します。
例:
- such a fine day
→「とても素晴らしい日」「そんな素晴らしい日」 - such an interesting book
→「とても面白い本」「あんなに面白い本」
2. 「(a/an)」を入れるかどうか
使用する名詞が可算名詞(数えられる名詞)の単数形の場合は「a/an」を入れます。
- 可算名詞〈単数〉: such a fine day, such an interesting book
- 可算名詞〈複数〉/不可算名詞の場合は「a/an」を入れずに使います。
- such big ideas (複数形)
- such important advice (不可算名詞)
3. 「such」と「so」のちがい
同じように「程度」や「強調」を表す言葉に「so」がありますが、以下のように使い分けます。
- 「so 形容詞」は形容詞単独を強調
- 例: so fine, so interesting, so big
- 例: so fine, so interesting, so big
- 「such 形容詞+名詞」は名詞句全体を強調
- 例: such a fine day, such an interesting book, such big ideas
- 例: such a fine day, such an interesting book, such big ideas
4. 「such ... that ...」構文
「such ... that ...」という形で、「それほど~なので…だ」と結果を続ける表現も多用されます。
- 例: It was such a fine day that we decided to have a picnic.
→「とても素晴らしい日だったので、私たちはピクニックをすることにした。」
5. さまざまな例文
- That was such an amazing concert that I couldn’t believe it was free!
→「あんなに素晴らしいコンサートが無料だなんて信じられなかった。」 - I’ve never tasted such delicious food before.
→「こんなにおいしい食べ物を今まで食べたことがない。」 - They have such big plans for the future.
→「彼らは将来に関してとても大きな計画を持っている。」 - This is such important advice that you shouldn’t ignore it.
→「これはとても重要なアドバイスだから、無視してはいけない。」
6. まとめ
- 「such (a/an) + 形容詞 + 名詞」は、名詞に付随する性質や程度を強調する表現です。
- 数えられる名詞の単数形では「a/an」を、複数形や不可算名詞にはつけないと覚えておくと使いやすいでしょう。
- 似た表現に「so 形容詞」がありますが、「such」の場合は名詞ごと強調する点がポイントです。
上記のポイントを意識すると、英語の表現に幅が出て、ニュアンスをしっかり伝えられるようになります。
助動詞: had better
強い警告を表す「~した方がよい」
以下では「had better」の用法やニュアンスについて、できるだけ詳しく、わかりやすく解説します。
助動詞「had better」とは?
「had better」は、“〜した方がよい”という強めのアドバイスや注意を示すときに用いられる助動詞の一種です。もともとの形は過去形の “had” ですが、実際には「現在もしくは未来に対して“〜しないと面倒なことになる”」という含みで使われ、過去の出来事を表すわけではありません。
形の作り方
基本形:
“had better + 動詞の原形”否定形:
“had better not + 動詞の原形”
(例)You had better not touch that.
(それには触らない方が身のためだよ)短縮形:
“You’d better” “We’d better” のように、“had” が “’d” に短縮されることが多いです。会話ではこちらの形がよく使われます。
使い方とニュアンス
「~した方がいい(そうしないと大変なことになる)」という強い忠告や警告
- 例:You had better run faster or you’ll miss the last train.
(もっと急いで走らないと、終電を逃すよ)
- 例:You had better run faster or you’ll miss the last train.
丁寧なアドバイスというより、相手に「今すぐやらないといけない」「やらないと困る」ニュアンスを伝える場合に使う
- 例:We’d better call him right away.
(今すぐ彼に電話した方がよい / しないと問題になるかもしれない)
- 例:We’d better call him right away.
「should」や「ought to」に比べて強いトーン
- 「should」:単なる助言・提案
- 「had better」:聞き手がやらないと好ましくない結果になる恐れが高い、より切迫した状況
- 「should」:単なる助言・提案
注意点
「had better」は強めの表現
- 使い方を誤ると、相手に命令口調・高圧的な印象を与えることがあるため、状況や相手との関係性を考えて使う必要があります。
過去の意味はない
- “had” と聞くと過去形を連想するかもしれませんが、「had better」はあくまで現在や近い未来に対するアドバイスを示します。
短縮形に注意
- 日常会話やカジュアルな場面では “You had better” よりも “You’d better” の方が自然に響きます。
例文
You’d better study harder if you want to pass the exam.
(試験に受かりたいなら、もっとしっかり勉強した方がいいよ)- 強めのアドバイス:努力しないと不合格になるかもしれないという警告のニュアンス。
I’d better leave now, or I’ll be late for the meeting.
(もう出発した方がいい、そうしないと会議に遅刻してしまう)- 自分自身へ向けた強い決意や警告を示す。
You had better not ignore his advice.
(彼の忠告を無視しない方がいいよ)- 否定形の例:無視してしまうと悪い結果になるしれないという警告。
まとめ
- “had better” は強いアドバイスや警告を示す助動詞。
- 形は “had better + 動詞の原形”(否定は “had better not + 動詞の原形”)。
- 「should」よりもニュアンスが強く、使い方に注意が必要。
- 短縮形 “You’d better” などもしばしば使われる。
「had better」は警告的で力強い表現ですので、相手の状況や関係性を踏まえた上で、必要に応じて使い分けましょう。
助動詞: might as well
「(どちらかといえば)~したほうがよい」
以下では、元の解説をより詳しく、わかりやすく修正したものを示します。
助動詞「might as well」とは?
「might as well」は、英語の助動詞句の1つで、「(どちらかといえば)~した方がよい」「(どうせなら)~した方がよい」といったアドバイスや提案のニュアンスを表す際に使われます。直訳すると「~した方がよさそうだ」「~しても構わないだろう」という感じになり、日本語にはっきり対応する表現がないため、その意味を状況に応じて理解することがポイントです。
形と使い方
形:might as well + 動詞の原形
例)might as well run(走った方がいいだろう)用法:
- 「~するのが無難」「~した方がまし」といった、“特に他に選択肢がないからこれをしておこう”という消極的な推奨を表す
- 「(どうせなら)~してもいいだろう」といった、軽いアドバイスや提案を表す
- 「~するのが無難」「~した方がまし」といった、“特に他に選択肢がないからこれをしておこう”という消極的な推奨を表す
具体的な例文
We might as well go home now.
→「もう帰った方がいいかもしれないね」
(特にやることもないし、帰るほうがいい状況を示唆)You might as well take an umbrella. It looks like it might rain.
→「傘を持っていった方がいいよ。雨が降りそうだし」
(雨が降る可能性があるため、持って行く方が無難だというアドバイス)If we have nothing else to do, we might as well start the project now.
→「ほかにやることがないなら、今プロジェクトを始めちゃった方がいいでしょう」
(何もすることがないのなら、今始めるのが有効という提案)
「might as well」が表すニュアンス
「どうせならやってしまおう」という気軽さ
- 他に選択肢がない、あるいはやらない理由も特にないような場合に、行動を提案したいときに使われます。
「損はないから~しておく方がまし」という消極的な意味合い
- たとえば「このまま待つぐらいなら、やってしまった方がましだ」という状況で使用されます。
語気が強くないので、カジュアルな提案に向いている
- 「should」ほど強い命令・提案ではなく、親しい間柄でやわらかくおすすめする場面に適しています。
ポイントまとめ
- 「might as well」は、助動詞「might」に“as well”を組み合わせて、「~した方がよい(だろう)」という提案や勧めを軽いトーンで表す表現。
- 使い方は「might as well + 動詞の原形」の形。
- 提案・アドバイスや、「どうせなら~してもいい」というニュアンスを伝えたいときに使う。
- 「should」よりもソフトな提案なので、日常会話でよく使われる。
以上が「might as well」の詳しい解説です。強制力の高い「should」や、単に可能性を示す「may/might」とは少し異なり、“消極的だけれど、やってみてもいいかな”という気軽な提案をするときに非常に便利な表現です。ぜひ、会話や文章で使ってみてください。
助動詞: would rather
「むしろ~したい」
以下の解説は、「would rather」の使い方をより詳しく、わかりやすくまとめたものです。例文を挙げながら説明していくので、参考にしてください。
1. 助動詞とは?
まず、助動詞 (auxiliary verb) とは、動詞の前に置かれてその動詞の意味を補助したり、時制・態・話し手の気持ちなどを表したりする働きをもつ語です。
例:
- can (~できる)
- will (~するつもりだ)
- should (~すべき)
- must (~しなければならない)
これに対して、would rather
は「~するほうがいい」「むしろ~したい」という気持ちや好みを表すときによく使われる表現です。
2. 「would rather」の基本的な形
「would rather」は、以下のような形で使われることが多いです。
would rather + 動詞の原形
「動詞の原形」とは、たとえば “run” (走る), “eat” (食べる), “go” (行く) のように、辞書に載っている最も基本的な形です。
3. 「would rather」の意味と使い方
「would rather」は、話し手がある行為を好むこと、あるいはどちらかと言えば~したいという気持ちを表すときに使われます。日本語では「むしろ~したい」「~するほうがいい」「~したいくらいだ」といったニュアンスに近いです。
例文
I would rather run than walk.
(私は歩くよりも走るほうがいい。)would rather run
が「むしろ走りたい」というニュアンスを出しています。than walk
で、比較の対象が「歩く」ことだとわかります。
I’d rather eat at home tonight.
(今夜は家で食べたいな。)I would rather
を短縮してI’d rather
と書くこともよくあります。
Would you rather stay home or go out?
(家にいたいですか、それとも外出したいですか?)- 質問文でも同じ形を保ち、相手の好みを尋ねています。
4. 否定形の使い方
「would rather」で否定したいときは、「would rather not + 動詞の原形」 の形を使います。
例文
- I would rather not talk about it.
(そのことについてはむしろ話したくありません。) - She’d rather not stay up late.
(彼女はむしろ夜更かししたくないと思っている。)
5. 「than」と組み合わせるとき
「would rather A than B」の形にすると、「BするよりむしろAしたい」という意味をはっきり伝えられます。
例文
- I would rather go out than stay home.
(家にいるより外出したい。) - He would rather play video games than do his homework.
(彼は宿題をするよりビデオゲームをしたいと思っている。)
6. 会話でのニュアンス
「would rather」は比較的カジュアルな会話からフォーマルな文章まで幅広く使えますが、「むしろ~したい」 というニュアンスが強いです。丁寧に「したい」と述べるときには “would like to” を使うことも多いですが、好みや比較を強調したいときは「would rather」が非常に便利です。
7. まとめ
- 「would rather」は、好みや選択を示すときによく登場する表現。
- 形は「would rather + 動詞の原形」で、否定形は「would rather not + 動詞の原形」。
- 「AよりもむしろBしたい」のように比較したい場合は「would rather A than B」の形が使える。
「would rather」を使うと、自分の好みや気持ちを特に強調して伝えられるので、ぜひ覚えて使ってみてください。
whether節
「~かどうか」「~であろうと」を表す接続詞
修正後の解説
「whether」は「~かどうか」や「~であろうと…(であろうと)」を表す接続詞で、大きく分けて名詞節を導く場合と副詞節を導く場合に使われます。以下では、それぞれの用法と訳し方、重要なポイントを分かりやすく説明します。
1. 名詞節を導く「whether」(~かどうか)
用法
- 「whether+節」は「〜かどうか」という意味を表し、名詞節として文の一部を構成します。
- 「~かどうか」の部分が、主語や目的語など、名詞としての役割を果たすイメージです。
例文
I’m not sure whether he will come.
(彼が来るかどうか、私は確信がありません。)- 「whether節」が“come(来る)かどうか”という情報を表す名詞節になっています。
Could you tell me whether you can attend the event?
(そのイベントに参加できるかどうか教えてもらえますか?)- 目的語部分(tell me what? → whether you can attend...)として「whether節」が機能しています。
ポイント
- “if”を代わりに使うことができる場合が多いですが、下記の場合は“whether”が好まれるか、または必須になることがあります:
- 前置詞の目的語として使う場合
- “or not”が直後ではなく、文末につく場合
- “whether”節ともう一つの選択肢「or…」をはっきり示す場合
- 前置詞の目的語として使う場合
- “if”よりも丁寧な印象を与えることがあります。
2. 副詞節を導く「whether」(~であろうと…)
用法
- 「whether+SV」は「~であろうと(…であろうと)」の形で、副詞節を導くことがあります。
- 「~であろうと~であろうと、…」のように、相反する二つの状態や条件を示して、「どちらであっても~」という意味合いになります。
例文
I’ll go hiking whether it rains or not.
(雨が降ろうと降るまいと、私はハイキングに行きます。)- 「whether it rains or not」が「雨が降るかどうか関係なく」という条件を示す副詞節になっています。
Whether you agree or not, we have to follow the rule.
(あなたが賛成しようとしまいと、私たちはその規則に従わなければなりません。)- 「whether~or not」は「どちらの場合でも~」という意味の副詞節で、主節の「we have to follow the rule」に条件を加えています。
ポイント
- こちらの用法では「or not」をあわせて使うことが多く、「どちらの場合でも~」という譲歩や条件を表すために使われます。
- 「if」では置き換えできず、「whether」のみが使用できます。
3. まとめ
名詞節として使う場合
- 「~かどうか」の内容が、主語や目的語などになり、文の意味上名詞の役割を果たす。
- “if”で代用できる場合も多いが、前置詞の目的語になるなど、特定の条件下で“whether”が必須となる。
- 「~かどうか」の内容が、主語や目的語などになり、文の意味上名詞の役割を果たす。
副詞節として使う場合
- 「~であろうと…であろうと」といった形で、相反する条件を示し、主節に対して譲歩や条件を表す。
- 「if」に置き換えはできない。
- 「~であろうと…であろうと」といった形で、相反する条件を示し、主節に対して譲歩や条件を表す。
「whether」は名詞節と副詞節で意味合いや役割が大きく変わります。まずは「このwhether節は文中で名詞として機能しているか、状況を示す副詞として機能しているか」を見極めると区別しやすいでしょう。
副詞節: by the time ...
「~までに」を表す接続詞
以下の解説は、元の説明をより詳しく、わかりやすく修正したものです。
副詞節「by the time ...」について
「by the time」は、ひとまとまりで「~のときまでに」という意味を表す表現です。接続詞として働くため、「by the time」のあとには「主語 + 動詞」の形をとり、副詞節を作ります。
用法と意味
「by the time」は、ある出来事や状態が「特定の時点までに起こる・完了する」ことを示すときに使われます。
例:- By the time I got home, it was already dark.
(私が家に着いたときには、すでに暗くなっていた。)
- By the time I got home, it was already dark.
「by the time」節が表す出来事は、主節で述べられている出来事よりも“前”または“同じ時点”に起こっているイメージです。
例:- By the time we finish this project, we will have gained a lot of experience.
(このプロジェクトを終えるころには、私たちは多くの経験を積んでいるだろう。)
- By the time we finish this project, we will have gained a lot of experience.
この場合、「プロジェクトを終える時点までに経験を積んでいる」ことを示しています。
時制のポイント
「by the time」節では、主節との時制の組み合わせに注意しましょう。
主節が「過去形」の場合
- 副詞節も「過去形」または「過去完了形」が使われることが多いです。
- 例えば「過去完了形(had + 過去分詞)」を用いると、「主節で述べる出来事より前の時点までに完了していた」ことを強調できます。
例: - By the time I arrived at the station, the train had already left.
(私が駅に着いたときには、電車はすでに出発していた。)
主節が「未来」を表す場合
- 「by the time」節には「現在形」か「現在完了形」を用いるのが一般的です(英語では副詞節の中で未来形を使わないのが原則です)。
例: - By the time we get there, the movie will have started.
(私たちがそこに着くころには、映画は始まっているだろう。) - By the time I have finished my homework, it will be midnight.
(宿題を終えるころには、真夜中になっているだろう。)
- 「by the time」節には「現在形」か「現在完了形」を用いるのが一般的です(英語では副詞節の中で未来形を使わないのが原則です)。
まとめ
- 「by the time + 主語 + 動詞」で、「~のときまでに」という意味を表す。
- 接続詞として副詞節を導くため、後ろには「主語 + 動詞」の形が続く。
- 主節との時制の組み合わせに気をつけよう(主節が過去の場合は過去形または過去完了形、副詞節が未来の内容を示す場合は現在形または現在完了形を使う)。
このように「by the time」を使った副詞節を理解しておくと、時制の使い分けを含め、より正確に英文を書くことができます。
形式目的語 it + that節
形式目的語itを使った第五文型(that節)
以下では、形式目的語 it + that節 について、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. 形式目的語 it の役割
英語では、「~だと(思う・感じる)」「~なのが(すごい・不思議だ)」といった表現をしたいとき、本来の目的語が長くなりそうだと文が読みにくくなります。そこで、先に it を置いて内容をコンパクトにし、あとから that 節で本来の内容(真の目的語)を説明する構文がよく使われます。これを形式目的語 it + that節と呼びます。
2. 基本の形
「(主語) + (動詞) + it + (形容詞) + that節」
- I find it encouraging that these kinds of books are sold well.
- 直訳: 「私は、その本来の目的語(“these kinds of books are sold well”)が励みになる[encouraging]と感じる」
- 意味: 「これらの種類の本がよく売れていることは、私にとって励みになる」
主な動詞の例
- find(~だと感じる・思う)
- think(~だと思う)
- consider(~だと考える)
- feel(~だと感じる)
- make(~にさせる)
など
3. なぜ形式目的語を使うのか
文章のバランスをとるため
that 節や長いフレーズが目的語になると、文の後半が極端に長く複雑になります。先に it という短い語を入れて、そのあとに that 節を置くことで、読み手の負担が減ります。自然な英語表現にするため
「I find that these kinds of books are sold well encouraging.」という形では、一文の中に情報が詰め込まれすぎてしまい、不自然な響きになります。形式目的語の it を使った「I find it encouraging that these kinds of books are sold well.」の方が、英語として自然で理解しやすい文章になります。
4. 使用例
I find it strange that he didn’t call me.
- 「彼が私に電話をしなかったのは、不思議だと感じる。」
They thought it surprising that the museum was closed on Sunday.
- 「その美術館が日曜日に閉まっていたのは、彼らにとって驚きだった。」
We consider it crucial that you attend the meeting.
- 「あなたがその会議に出席することは、私たちにとって極めて重要だと考えています。」
Many people make it a rule that they read for 30 minutes every night.
- 「多くの人は、毎晩30分読書することを習慣にしている。」
→ この例のように、形容詞の代わりに a rule などの名詞句を置き、そのあとに that 節を続ける表現もあります。
- 「多くの人は、毎晩30分読書することを習慣にしている。」
5. まとめ
- 形式目的語 it は、内容の長い目的語をあとに回すための便利な構文です。
- 「(主語) + (動詞) + it + (形容詞 / 名詞句) + that節」という形を覚えておくと、自然で読みやすい英語表現を身につけられます。
- 特に「find it ~ that…」「think it ~ that…」「consider it ~ that…」などは、英作文で頻繁に使われる定番パターンです。
このように、長くなる that 節を後置し、先に it を仮の目的語として置くことで、英文の流れがスムーズになる点がポイントです。ぜひ活用してみてください。