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B1.1-B2.2
仮定法過去(if節内動詞が過去)
現在の想像や仮定は、過去形で表す
説明
仮定法過去とは? ~「もしそうだったら…」という、事実ではない仮定を表す表現~
英文には大きく分けると直説法と仮定法の二種類があります。
- 直説法(Indicative Mood):実際に起こっている事実や、確かだと考えられている内容を表すときに使う
- 仮定法(Subjunctive Mood):現実とは異なる想像や、条件付きで「もし~だったら」と仮定するときに使う
直説法の特徴
- ふだん目にする英語文のほとんどは直説法で書かれています。
例)I am a student.(私は学生です) - 真実・事実・確信をもって述べる内容は、原則として直説法で表現します。
仮定法過去の特徴
仮定法にはいくつかの形がありますが、その中でも「仮定法過去 (Past Subjunctive)」は、現実にはそうではない状態を「もし~ならば」と想定して話をするときに用います。特に、以下の点が大切です。
If節(条件節)の動詞を過去形にする
- 現在の事実に反することを仮定するときでも、なぜか過去形を使うのが英語のルールです。
- 例)If I were you, I wouldn’t do it.
- 「もし私があなたなら、そんなことはしないだろう」
- 実際に自分が相手になることはできないので、現実では起こりえない仮定を表しています。
- 「もし私があなたなら、そんなことはしないだろう」
- 現在の事実に反することを仮定するときでも、なぜか過去形を使うのが英語のルールです。
主節(結果節)も過去形(助動詞の過去形)を使う
- 仮定法過去では、If節に続く文(主節)に
would / could / might
などの過去形助動詞を用います。 - 例)If I had more time, I would travel around the world.
- 「もし時間がもっとあったら、世界中を旅するのになあ」
- “had” と “would” はどちらも過去形の形をとっていますが、実際は“今”の仮定をしている表現です。
- 「もし時間がもっとあったら、世界中を旅するのになあ」
- 仮定法過去では、If節に続く文(主節)に
”If I were…” の形
- 仮定法過去では、be動詞は人称や単数・複数にかかわらず “were” が使われることが多いです。
- 例)If I were a bird, I would fly to you.(もし私が鳥なら、あなたのもとへ飛んで行くのに)
- 日常会話では “If I was…” という言い方をする人もいますが、文法的には “If I were…” の方がより正式です。
- 仮定法過去では、be動詞は人称や単数・複数にかかわらず “were” が使われることが多いです。
日本語との違い
- 日本語で「もし~なら…するだろう」と言うとき、私たちは現在のことなら現在形を、過去のことなら過去形をと、素直に使い分けます。ところが英語では、現在の仮定でも過去形を使うのが仮定法過去の特徴です。
- これは「過去形にすることで“現実から離れた状態”を表す」という、英語独特の発想と覚えておくとわかりやすいでしょう。
まとめ
- 仮定法過去は「今現在の事実とは異なる仮定」を表すとき、If節と主節の両方に過去形(または過去形の助動詞)を用いる文の形です。
- 「過去のことを話しているのではなく、現実にはそうではない想像の世界を扱っている」と心得ましょう。
- 代表的な例 “If I were you, I would…” を、一つのテンプレートとして覚えておくと使いやすいです。
以上を踏まえて、英語の仮定法を使うときは実際の時間軸に注意しつつ、「過去形表現=現実とは違う仮定を表す」という感覚をしっかり理解しておくことが大切です。
Grammatical item (English)(編集にあたっての捕捉情報)
CONDITIONAL: SECOND