倒置(neither/nor + be/have/do/助動詞 + 人称代名詞)
「私もそうじゃない」と同調するときの倒置表現
以下では、「倒置(neither/nor + be/have/do/助動詞 + 人称代名詞)」の用法を、できるだけ詳しくわかりやすく解説していきます。
■ 「Neither do I.」の基本的な成り立ち
「私もそうじゃない」「私も~しない」というときには、
Neither do I.
という表現がよく使われます。これはもともと「I do neither.」の形から、否定を強調する “neither” が文頭に来て倒置(語順の反転)が起こったものです。
● 倒置とは?
英語では通常「主語(S) + 動詞(V)」の順序ですが、強調などの理由で「neither」や「nor」で始めると、
[Neither] + [助動詞/Be動詞] + [主語]
のように、助動詞・Be動詞・haveなどが主語の前に出ます。これを「倒置」と呼びます。
■ 例文と使い分け
「私もそれをしません」
- A: I don’t do that.
- B: Neither do I.
- → 「私もやりません」の意味
- A: I don’t do that.
「私もそれが正しいとは思いませんでした」
- A: I didn’t think it was right.
- B: Neither did I.
- → 「私もそう思いませんでした」の意味
- A: I didn’t think it was right.
「私も行きません」(未来の話)
- A: I won’t go there.
- B: Neither will I.
- → 「私も行きません」の意味
- A: I won’t go there.
「私も終わっていません」(完了形)
- A: I haven’t finished my homework.
- B: Neither have I.
- → 「私も(宿題が)終わっていません」の意味
- A: I haven’t finished my homework.
以上のとおり、もとの文の時制や助動詞に合わせて、 “do” / “did” / “will” / “have” 等を使い分けるのがポイントです。
■ 「nor」を使う場合
「Neither A nor B」という形で「AもBも~ない」という文もありますが、ここで取り上げている「Neither do I.」のような返答表現では「nor」を使わない場合が多いです。
ただし、文全体を通して「Aも~ないし、Bも~ない」と二つの項目を並列的に否定するときには “nor” が使われます。例:
I neither dance nor sing.
(私は踊りもしないし、歌いもしない。)
■ よくある疑問点
「Me neither.」との違い
- 会話では「Me neither.」と簡略的に言うことも多いですが、文法的に正確な返答としては“This is correct.” のように、主語と助動詞をそろえて “Neither do I.” とした方がきちんとした英語になります。
「So do I.」との違い
- 「So do I.」は肯定文への同意:「私もそうします / 私もそう思います」
- 「Neither do I.」は否定文への同意:「私もそうしません / 私もそう思いません」
- 肯定と否定で、So と Neither の使い分けに注意してください。
- 「So do I.」は肯定文への同意:「私もそうします / 私もそう思います」
■ まとめ
- “Neither” や “Nor” は「~も…ない」という否定を表すときに使われ、文頭に置くことで倒置が生じ、助動詞や Be 動詞が主語より先に来ます。
- 返答として「私も~ない」と言いたい場合は、直前の否定文がとっている時制や助動詞に合わせて倒置形を使いましょう。
- 現在形 → Neither do I.
- 過去形 → Neither did I.
- 未来形 → Neither will I.
- 完了形 → Neither have I.
- 現在形 → Neither do I.
- 「Me neither.」と発音する場面も口語では多いですが、文法学習の段階では “Neither do I.” といった形で覚えておくとよいでしょう。
こうした倒置構文は、英語をより自然に、流暢に話すうえで重要です。ぜひ例文を参考に使い分けを身につけてください。
Grammatical item (English)(編集にあたっての捕捉情報)
INVERSION: neither/nor+BE/HAVE/DO/AUX+PERSONAL PRON