元となった辞書の項目
hold out
解説
1. 基本情報と概要
英単語(フレーズ): hold out
品詞: 句動詞 (phrasal verb)
CEFRレベル: B2(中上級)
B2は、「自然なスピードの会話を把握し、自分の意見をある程度複雑な内容でも伝えられるレベル」です。
意味(英語)
- to resist or endure without giving in
- to extend something forward (e.g., hold out one’s hand)
- to last or remain sufficient (e.g., supplies hold out)
- to offer or present
意味(日本語)
- 相手の要求や圧力に屈せずに耐えること
- 手などを差し出すこと
- 何か(食料や物資など)が続く・持ちこたえること
- 期待や希望などを差し出す・示すこと
「hold out」は、「がんばって耐える」「手を差し出す」「期待を提示する」など、文脈に応じていろいろな意味があります。状況に応じた柔軟な使い分けが必要です。
活用形
- 現在形: hold out
- 過去形: held out
- 過去分詞形: held out
- 進行形: holding out
別の品詞形
- 「hold」の名詞形: 「hold」(つかみ、グリップ、所有など) ※「hold out」の名詞形は基本的にありませんが、文脈によって「new holdout(粘り強く抵抗する人・場所)」のように名詞的に使われることもあります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- hold: 「つかむ」「保持する」を意味する動詞
- out: 「外へ」「外に向けて」を意味する副詞
「hold(つかむ)」と「out(外に)」が結びついて、「外側へ差し出す」「外的な圧力から持ちこたえる」といったイメージが生まれています。
詳細な意味とニュアンス
- 抵抗する・踏みとどまる: 他人や状況からの圧力に負けずに、その状態を続ける。
- 手や物を差し出す: 手や腕などを外に伸ばして差し出す。
- (在庫・物資などが)持ちこたえる: 使い切られずにまだ残っている、というニュアンス。
- (期待や望みを)示す・提供する: 「価値や提案を差し出す」イメージ。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- hold out hope(希望を抱き続ける)
- hold out against pressure(圧力に耐え続ける)
- hold out one’s hand(手を差し出す)
- supplies hold out(物資が続く、持ちこたえる)
- hold out for a better offer(もっとよい条件を求めて粘る)
- hold out until the end(最後まで持ちこたえる)
- hold out the possibility(可能性を示す)
- hold out an olive branch(和解の意を示す)
- hold out on someone(情報・お金などを相手に与えずに隠す)
- unable to hold out any longer(これ以上耐えられない)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「hold」は古英語の“healdan”に起源があり、「支える」「つかむ」という意味をもつ動詞です。
- 「out」はゲルマン語系で「外へ」を意味します。
- 合わさって「外側へ保つ」「外向きに持ちこたえる」という描写を表すようになりました。
使用時のニュアンス・注意点
- 「耐え抜く」ニュアンス: 「条件に妥協せずに粘る」「持ちこたえる」といった、やや強い意志力が感じられる。
- 提案・希望を示すニュアンス: 「望みを差し出す」「可能性をつなぎとめる」など、ポジティブな語感になり得る場合もある。
- 口語・文章の両方で広く使われるが、カジュアルめの表現としてもフォーマルな文章でも、どちらでも見られる。文脈判断が重要。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞 / 自動詞
- 「hold out」は基本的に自動詞的に用いられ、「耐える」「続く」の意味で目的語を必要としません。
- ただし「hold out one’s hand」のように、直接の目的語(one’s hand)を伴う形でも使われます。
- 「hold out」は基本的に自動詞的に用いられ、「耐える」「続く」の意味で目的語を必要としません。
イディオム・構文例
- “hold out on someone”:「(誰かに対して)情報やお金などを与えずに隠す」
- “hold out for something”:「(自分の望む条件のために)妥協せずに粘る」
- “hold out on someone”:「(誰かに対して)情報やお金などを与えずに隠す」
フォーマル/カジュアル
- カジュアル: 友人や家族との会話で「I can’t hold out any longer.」
- フォーマル: 書き言葉で「The negotiations continued as the union decided to hold out for better wages.」
- カジュアル: 友人や家族との会話で「I can’t hold out any longer.」
5. 実例と例文
A. 日常会話(カジュアル)
- “I don’t have any more snacks. Do you think we can hold out until dinner?”
- 「もうおやつがないんだ。夕食までなんとか持ちこたえられると思う?」
- 「もうおやつがないんだ。夕食までなんとか持ちこたえられると思う?」
- “She held out her hand to help me up.”
- 「彼女は私を助け起こすために手を差し出してくれた。」
- 「彼女は私を助け起こすために手を差し出してくれた。」
- “I’ll hold out a bit longer before deciding.”
- 「決める前にもう少し粘ってみるよ。」
B. ビジネス
- “The employees are holding out for a higher salary.”
- 「従業員たちはもっと高い給与を求めて粘っています。」
- 「従業員たちはもっと高い給与を求めて粘っています。」
- “The negotiations held out until late last night.”
- 「交渉は昨夜遅くまで持ちこたえました(続きました)。」
- 「交渉は昨夜遅くまで持ちこたえました(続きました)。」
- “We didn’t think our resources would hold out, but fortunately they did.”
- 「資源が持ちこたえないと思っていましたが、幸いにもなんとか持ちました。」
C. 学術的な文脈
- “The hypothesis held out under various experimental conditions.”
- 「その仮説はさまざまな実験条件下でも崩れませんでした(持ちこたえました)。」
- 「その仮説はさまざまな実験条件下でも崩れませんでした(持ちこたえました)。」
- “This study holds out new possibilities for cancer treatment.”
- 「この研究はがん治療に新たな可能性を示しています。」
- 「この研究はがん治療に新たな可能性を示しています。」
- “We need to determine how long the sample can hold out without degrading.”
- 「劣化せずに試料がどのくらい保てるのかを調べる必要があります。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- endure(耐える)
例: “I endured the pain.”(痛みに耐えた)
- 「endure」は逆境や苦痛に耐え続けるニュアンス。
- 「endure」は逆境や苦痛に耐え続けるニュアンス。
- withstand(よく耐える)
例: “This material can withstand high temperatures.”(この素材は高温に耐えられる)
- 「物が壊れずに耐える」など物理的なニュアンスでも使われやすい。
- 「物が壊れずに耐える」など物理的なニュアンスでも使われやすい。
- persist(粘り強く続ける)
例: “She persisted in her research.”(彼女は研究を粘り強く続けた)
- 「意志を持って粘り続ける」感じ。
反意語 (Antonyms)
- give in(屈する、譲歩する)
例: “He finally gave in to the demands.”(彼はついに要求に屈した) - surrender(降伏する)
例: “They decided to surrender due to lack of resources.”(彼らは物資不足のため降伏することを決めた)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /hoʊld aʊt/
- アメリカ英語: [ホウルド アウト](「hoʊld」の “o” は口をまるめて発音し、「out」の “ou” は二重母音)
- イギリス英語: [həʊld aʊt](「hold」の “əʊ” がやや短く、「out」の “aʊ”は口を大きめに開けて)
- アクセント: “hold”も“out”も、どちらかというと平坦に発音するが、“out”にやや強調を置くことが多い。
- よくある発音ミス: “hold”の “l” を発音し忘れたり、“out”を「アウト」と日本語読みしてしまう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “hold”と打つべきところを “holdt” や “holded” としてしまう場合がある。
- 意味の取り違え: “hold out” は「続く」という意味だけでなく「差し出す」「提案する」など複数の意味を持つので、文脈の見極めが必要。
- 前置詞の混同: “hold on”と間違えるケースも多い。“hold on”は「電話を切らずに待つ」「しっかり掴む」などの意味。
- TOEICや英検などの試験で: 句動詞の問題が頻出するので、「hold out for〜 / hold out against〜」など、前置詞が変わると意味が変化する点に注意。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “hold”は「つかむ」、「out」は「外へ」のイメージ。
- 「外に向けてしっかりつかんで離さない」→「持ちこたえる」「耐える」という連想をすると覚えやすい。
- 視覚イメージとして「誰かが手をぐっと前に出して、何かを拒否/あるいは差し出している」場面を思い浮かべると、「粘り強さ」「差し出す」両方のイメージが結びつきやすいでしょう。
以上が「hold out」の詳細な解説です。文脈により多様な意味を持つので、例文や表現とともに身につけてください。気持ち的には、「がんばって耐える」イメージが基本ですが、ときに「〜を差し示す」という柔らかい使い方にも注意してみましょう。
意味のイメージ
意味(1)
【句動】差し伸べる,差し出す
意味(2)
持ち堪える
意味(3)
手もとにとどめて置く, 《...に》期待している《much hope of for》