最終更新日 :2025/01/28

referent

IPA(発音記号)
名詞

指示するもの(語や記号など);指示物

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矢印は、目標を指し示す指示物です。

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解説

以下では、名詞「referent」について、できるだけ詳細に解説していきます。


1. 基本情報と概要

▷ 単語

referent (名詞)

▷ 意味(英語 / 日本語)


  • 英語: The entity that a word, phrase, or symbol refers to in the real world or in a given context.

  • 日本語: ある単語・句・記号などが示している対象や概念のこと。たとえば、文中の「it」や「this」が何を指しているのかを考えるときに、その「対象」としての役割を果たすのが「referent」です。

「referent」は主に言語学・意味論などで使用される学術的な名詞で、ある語の“指示対象”を表します。一般的に日常会話よりは、専門的な文脈で見かけることが多い単語です。

▷ 品詞


  • 名詞 (noun)

▷ 活用形

名詞のため、一般的な動詞のような「時制に伴う変化」はありません。


  • 単数形: referent

  • 複数形: referents

▷ 他の品詞形


  • 形容詞形: 特になし(言語学的にまれに「referential」という形容詞は存在します。意:「指示的な」「参照に関する」)

▷ CEFRレベルの目安


  • C1(上級): 学術的な文脈で使われるため、上級者向けの単語。


2. 語構成と詳細な意味

▷ 語構成


  • re-(接頭語): 「元へ」「再び」などの意味をもつことが多い接頭語。ただし、ここでは直接的に「再び」を示すわけではありません。

  • fer(語幹): ラテン語の「運ぶ(bring, carry)」という語根に由来(ferre

  • -ent(接尾語): 接尾語として「〜する人またはもの」を示す場合がありますが、単語全体では「指示対象」を表す名詞として定着しています。

▷ 詳細な意味


  • 「指示対象」。文中の「彼」「それ」「この」などが、現実世界や文章内で何を特定しているか(=その対象)を指します。

  • 言語学や意味論では、ある言葉が「何を指しているのか」という視点から大切になります。

▷ よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)


  1. clear referent(はっきりとした指示対象)

  2. ambiguous referent(あいまいな指示対象)

  3. pronoun referent(代名詞が示す対象)

  4. identify the referent(指示対象を特定する)

  5. intended referent(意図した指示対象)

  6. missing referent(欠落した指示対象)

  7. referent in context(文脈における指示対象)

  8. referent-tracking(指示対象の追跡)

  9. definite referent(明確な指示対象)

  10. linguistic referent(言語学的な指示対象)


3. 語源とニュアンス

▷ 語源


  • ラテン語の「referens(参照する・報告する)」を語源とし、さらに「reportする」「持ち帰る」を意味する「referre」から派生しています。

  • 時代を経て英語に入り、「何かが示す対象」という概念を表す学術用語として確立しました。

▷ ニュアンス


  • 主に言語学・哲学的文脈で使われるフォーマルな単語。

  • 日常会話ではほぼ使われませんが、学術論文やセミフォーマル以上のセミナーなどでは見られます。

  • 「ビジネス文書」で用いる場合は、議論を明確化するために「referent」が何かを特定するケースがあります。専門性が高い文脈で使われるイメージです。


4. 文法的な特徴と構文

▷ 文法的特徴


  • 可算名詞です。対象が複数あれば「referents」と複数形にします。

  • 「〜の対象」を意味するときは「the referent of 〇〇」として使うことが多いです。

▷ 使用例の構文


  • The referent of (something) という形で用い、「Xという言葉(または代名詞など)が指し示す対象」を表します。

  • 例: The referent of 'it' in this sentence is unclear.

▷ フォーマル/カジュアル


  • フォーマル寄り。カジュアルな会話ではあまり登場しません。

  • 学会発表や大学レポート、論文などでの使用が一般的です。


5. 実例と例文

それぞれ異なる場面での例文を3つずつ紹介します。

▷ 日常会話(あまり使われませんが、もし出てきたら…)


  1. I’m not entirely sure about the referent of ‘he’ in your text—who did you mean by that?

    「あなたの文章にある『彼』が誰を指しているのかよくわからないんだけど、誰のことを言ってるの?」


  2. Sometimes the referent is obvious, sometimes it’s not.

    「指示対象が明確なときもあれば、そうじゃないときもあるよ。」


  3. Could you clarify the referent here? I’m a bit lost.

    「ここの指示対象をはっきりさせてもらえる?ちょっと混乱してるんだ。」


▷ ビジネス


  1. We need to identify the referent of each pronoun in our marketing report to avoid misunderstanding.

    「誤解を避けるために、マーケティングレポートにある各代名詞の指示対象を明確にする必要があります。」


  2. Please specify the referent of ‘this recommendation’ so the board knows exactly what we’re improving.

    「『この提案』が何を指しているのか明確にしていただけますか。取締役会が具体的に何を改善するのか理解できるようにしたいのです。」


  3. If the referent is ambiguous, the client may misinterpret our instructions.

    「もし指示対象があいまいだと、顧客が我々の指示を誤解する恐れがあります。」


▷ 学術的な文脈


  1. The referent of a pronoun in a complex sentence is often influenced by syntactic structure.

    「複文中の代名詞が指す対象は、しばしば統語構造によって影響を受ける。」


  2. In semantic theory, identifying the correct referent is crucial for accurate interpretation of the text.

    「意味論の理論では、正しい指示対象を特定することが文章の正確な解釈において非常に重要です。」


  3. The concept of a referent is fundamental in discourse analysis and pragmatics.

    「指示対象という概念は、談話分析や語用論の基礎をなすものです。」



6. 類義語・反意語と比較

▷ 類義語


  1. denotation(デノテーション): 言葉が持つ直接的な意味・指示対象を示すもの。


    • 「referent」は現実世界における具体的な対象に焦点があるのに対し、「denotation」は語自体が持つ定義上の意味に着目する場合に使われる。


  2. reference(リファレンス): 「参照」「言及」などの意味。


    • 「reference」は「参照する行為」や「参考」、「情報源」を指す場合も多く、「referent」は「指示されている対象」に焦点がある。


  3. object(オブジェクト): 「対象」という広い意味。


    • 言語学的にも「文中の目的語」として使われる場合があるが、「referent」はより学術的に「指示される対象」というニュアンスを持つ。


▷ 反意語


  • 「referent」の明確な反意語はありませんが、言語学では「signifier(記号表現)」や「sign」(記号)と「referent」(示される対象)という関係があり、「言葉」そのものと「言葉が示す対象」という対比関係がよく紹介されます。


7. 発音とアクセントの特徴

▷ 発音記号 (IPA)


  • アメリカ英語: /ˈrɛfərənt/

  • イギリス英語: /ˈrɛf.ər.ənt/(ほぼ同じですが、細かい母音の差があります)

▷ アクセント


  • 第一音節「réf」にアクセントがあります(rÉF-er-ent)。

▷ よくある発音の間違い


  • 「reference(リファレンス)」と間違えて /ˈrɛfərəns/ のように発音してしまうことがあるので注意してください。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. 綴りの混同: 「reference」とのスペルを混同しやすい。

  2. 発音の間違い: /-rent/ か /-rens/ かを混乱しやすい。

  3. 使い方: 日常会話ではあまり登場しないため、誤ってカジュアルなシーンで使うと不自然に思われることがある。

  4. TOEICや英検などでの出題: 英検1級や大学院入試の英語問題、あるいは言語学分野の読解問題で出題される場合がある。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「Ref-」=「再び+運ぶ」→ 何か(言葉)がどこか(対象)へ“指し戻す”イメージ

    「referent」は「言葉が実世界に“さしもどす”もの」という感覚で覚えると分かりやすいです。

  • 「reference」とスペルや意味が近いのでセットで覚えると便利。


以上が名詞「referent」に関する詳細な解説です。もし文を書いていて、「主語や代名詞の指示対象がはっきりしない」というようなトピックを論じる機会があれば、ぜひ「referent」を使ってみてください。学術的・フォーマルな文脈で活用できる重要語彙の一つです。

意味のイメージ
referent
意味(1)

指示するもの(語や記号など);指示物

復習用の問題

指示するもの(語や記号など);指示物

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矢印は、目標を指し示す指示物です。

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