元となった辞書の項目
appetite
解説
1. 基本情報と概要
単語: appetite
品詞: 名詞(n.)
意味(英語): A desire or need for food, or a strong desire or liking for something.
意味(日本語): 「食欲」や「~したいという強い欲求」を表します。普通は「食べたいという欲」、「何かを求める欲求」のことを言います。「食欲」以外にも、「知識欲」「冒険欲」のような抽象的な欲求を指すときにも使います。
「appetite」は、人がどれくらい食べ物を求めているか、「~したい気持ち」をどれくらい持っているかを表す単語です。日常会話やビジネスの場面、さらには学術的な文脈でも「欲求」の意味で広く使われます。
- 活用形: この単語は名詞なので形態的変化(動詞のように時制で変わるなど)はありません。
- 他の品詞形:
- appetizing (形容詞) 「食欲をそそる」
- appetizer (名詞) 「前菜」「食欲をそそるための軽食」
- appetizing (形容詞) 「食欲をそそる」
CEFRレベルの目安: B1(中級レベル)
英語にある程度慣れ、簡単な文章を理解できるようになった学習者が学ぶとよい語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭辞 ap- はラテン語の ad-(「~へ向かって」)に由来するともいわれますが、直接的に分解して使うことはあまりありません。
- 語幹 pet は「求める、追い求める」という意味のラテン語 petere からきています。
- 接尾辞 -ite は物や状態を表すこともありますが、こちらも直接的に使う機会は少ないです。
派生語や類縁語
- appetizing: 「食欲をそそる」
- appetizer: 「前菜」
- appetite for adventure: 「冒険心、冒険への強い欲求」
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- have a big appetite – 大きな食欲がある
- lose one’s appetite – 食欲を失う
- whet one’s appetite – (さらに)興味・食欲を刺激する
- spoil one’s appetite – 食欲を損ねる
- healthy appetite – 健康的な(十分な)食欲
- stimulate the appetite – 食欲を刺激する
- lack of appetite – 食欲の欠如
- appetite for knowledge – 知識欲
- curb one’s appetite – 食欲を抑える
- satisfy one’s appetite – 食欲/欲求を満たす
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語の appetitus(「欲求」「願望」)から来ており、「~へ向かう(ad-)+求める(petere)」というイメージがあります。
- 歴史的使用: もともとは「欲求」全般を指す言葉でしたが、特に「食欲」を表す際に頻繁に用いられ、そこから他の欲望(知的探究心など)にも拡張されました。
- ニュアンスと使用上の注意:
- 「~したいという欲求」はカジュアルからフォーマルまで幅広く使えます。
- 口語では「I lost my appetite.(食欲がなくなった)」のように気軽に使われます。
- 文章表現では「an appetite for innovation(革新に対する意欲)」のように、食べ物以外の“意欲・欲求”を示す際にもよく登場します。
- 「~したいという欲求」はカジュアルからフォーマルまで幅広く使えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算/不可算: 通常は可算名詞として扱われ、「an/one’s appetite」のように冠詞を伴ったり所有格とともに用います。
- 一般的な構文・イディオム:
- have an appetite for 〜
- 「〜に対する欲求(食欲・意欲)がある」
- 「〜に対する欲求(食欲・意欲)がある」
- lose one’s appetite
- 「食欲を失う」
- 「食欲を失う」
- whet one’s appetite
- 「~の欲求を刺激する」
- 「~の欲求を刺激する」
- have an appetite for 〜
- 使用シーン: ビジネスメールでも「the market’s appetite for 〜(市場が〜を求める欲求)」といった表現が用いられるため、フォーマルな場面からカジュアルな場面まで幅広いです。
5. 実例と例文
① 日常会話での例文
- “I don’t have much of an appetite this morning. Maybe I’ll skip breakfast.”
(今朝はあまり食欲がないから、朝食は抜こうかな。) - “That soup really whetted my appetite for the main course.”
(あのスープでメインディッシュがますます楽しみになったよ。) - “You must have a healthy appetite after that workout!”
(あんなに運動したら、さぞ食欲があるでしょう!)
② ビジネスシーンでの例文
- “We need to gauge the market’s appetite for this new product line.”
(この新製品ラインに対する市場の需要を把握する必要があります。) - “Investors have shown a growing appetite for green energy projects.”
(投資家は再生可能エネルギー事業への関心を高めています。) - “Our clients’ appetite for innovation encourages us to develop cutting-edge solutions.”
(顧客の革新意欲が、最先端のソリューション開発を後押ししています。)
③ 学術的な文脈での例文
- “Researchers study how certain hormones regulate human appetite.”
(研究者たちは、あるホルモンがどのように人間の食欲を調整するのかを研究しています。) - “A renewed appetite for studying ancient civilizations has led to increased funding in archaeology.”
(古代文明研究への新たな関心が、考古学への資金増加につながりました。) - “The appetite for scientific knowledge drove many explorers during the Age of Discovery.”
(大航海時代には、科学的知識への欲求が多くの探検者を突き動かしました。)
6. 類義語・反意語と比較
- 類義語
- hunger(飢え、空腹)
- 主に「お腹が空いている」「生理的な空腹」を強調する。
- 主に「お腹が空いている」「生理的な空腹」を強調する。
- craving(強い渇望)
- 「無性に~が欲しい」「たまらなく~したい」といったニュアンス。
- 「無性に~が欲しい」「たまらなく~したい」といったニュアンス。
- desire(願望、欲望)
- より広い文脈で「~したい、欲しい」と感じる強い気持ちを表す。
- より広い文脈で「~したい、欲しい」と感じる強い気持ちを表す。
- hunger(飢え、空腹)
- 反意語
- aversion(嫌悪、反感)
- 「好きではない」「欲求がない」状態を示す。
- aversion(嫌悪、反感)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈæp.ə.taɪt/
- アクセント: 最初の「ap」の部分に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語: 大きく変わりませんが、イギリス英語では [ˈæpɪtaɪt] と /ɪ/ の音が明確に発音される傾向があります。
- よくある間違い:
- 最後の “-tite” を「タイト」ではなく「タイトゥ」のように発音してしまう、あるいは「アペティット」と伸ばしてしまうことです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “appetite” の “e” の位置を間違えて “appitite” や “apetite” と書いてしまう。
- “appetizer” との混同: 「前菜」を意味する “appetizer” とごちゃにならないように注意しましょう。
- TOEICや英検の出題傾向: ビジネス文書や読解問題などで「市場の需要」や「投資家心理」を指す文脈で “appetite” の語が登場することがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「apple(リンゴ)」に似たスペルなので、りんごを見て「食欲」を思い出す、という語呂合わせがよく使われます。
- “pet” の部分に「好み(好きなもの)」を求めるイメージを持つのも一つの手です。
- 書き取りの際には “appet + ite” とブロックに分けて覚えると、スペルミスを減らせます。
意味のイメージ
意味(1)
食欲
意味(2)
(…に対する)欲求,切望(desire)《+for+名》