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regardless
解説
以下では、形容詞「regardless」をできるだけ詳しく解説します。とはいえ、「regardless」は現代英語では主に副詞として使われることが多く、形容詞としての用法は比較的まれです。形容詞用法も含めて全体像をおさえたうえで学習するとよいでしょう。
1. 基本情報と概要
単語: regardless
品詞: 形容詞(※現代英語では主に副詞として使用される)
- 英語での意味(形容詞): “without regard or consideration,” “heedless,” “unmindful”
- 日本語での意味(形容詞): 「考慮しない」「気にかけない」「無頓着な」など
- 例えば、「結果などをまったく考慮しない」「周囲を顧みない」というニュアンスで使われます。とはいえ、日常的には形容詞としてよりも副詞として「~にもかかわらず」「いずれにせよ」という意味で使われることが多い単語です。
難易度(CEFR推定): B2(中上級)
- ある程度英語に慣れてきてから目にする単語。日常的に副詞「regardless of~」の形で頻出しますが、形容詞としての用法はやや文語的・稀です。
活用形
- 英語の形容詞として、数や時制による変化はありません。
- 副詞用法: regardless (例: “Regardless of the weather, we will go.”)
他の品詞差異
- 副詞: regardless → 「~にかかわらず」「とにかく」「いずれにせよ」
例)“Regardless of the outcome, we have to try.” - 名詞形: 直接の名詞形はありませんが、接尾語 -less が「~がない状態」を表すため「無~」「不~」を表す形容詞や副詞が多くあります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- “re-” + “guard” + “-less” というように見えますが、実際は “regard”(考慮・尊重) + “-less”(~がない)の組み合わせと捉えられます。
- “regard” : 「考慮、尊重」
- “-less” : 「~がない」
- “regard” : 「考慮、尊重」
形容詞としては「考慮がない」「気にかけない」というニュアンスになります。
関連語や派生語
- regard (動詞/名詞) : 「尊重する/尊敬」「考慮/配慮」「みなす」など
- regarding (前置詞) : 「~に関して」
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(主に副詞的用法)
- regardless of the cost
→ (費用)を度外視して - regardless of the consequences
→ 結果を気にせず - regardless of whether…
→ ~かどうかに関係なく - regardless of the outcome
→ 結果(成果)にかかわらず - regardless of the reason
→ 理由にかかわりなく - regardless of background
→ 背景を問わず - regardless of age
→ 年齢にかかわらず - regardless of race
→ 人種にかかわらず - regardless of nationality
→ 国籍に関係なく - regardless of your personal feelings
→ あなたの個人的な感情とは無関係に
3. 語源とニュアンス
- 「regard(配慮・尊重)」という語に、否定の意味をもつ接尾辞「-less」がついて生まれた言葉です。
- 歴史的には14世紀頃の「regard」という語に由来し、16~17世紀に “irregardless” という形も広まった時期がありますが、現在 “irregardless” は一般的に推奨されない表現とされています。
- ニュアンス:
- 形容詞用法の場合は「周囲の状況・影響を全く気にかけない」「顧みない」という強い無関心なイメージを与えることがあります。印象としてはやや堅苦しかったり、文語調に感じることがあります。
- 副詞用法では「何であれ(どんな状況でも)」、「~にもかかわらず」という意味合いでややカジュアルにも使われます。
- 形容詞用法の場合は「周囲の状況・影響を全く気にかけない」「顧みない」という強い無関心なイメージを与えることがあります。印象としてはやや堅苦しかったり、文語調に感じることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
1) 形容詞 “regardless”
- 比較的文語的・フォーマルな文脈で、名詞を修飾する場合に使われることがあります。
例)“He made a regardless decision, ignoring all warnings.”
- 周りの忠告を無視して考慮しない決断をした、という意味合い。
2) 副詞 “regardless”
- 最もよく使われる用法です。
- “Regardless of + 名詞/句” という形が主流です。
例)“Regardless of the weather, we will hold the event.” - 天気にかかわらず行う、の意味。
- “Regardless of + 名詞/句” という形が主流です。
フォーマル / カジュアルの使用シーン
- 形容詞としてはややフォーマル、文章で使われることが多い。
- 副詞としてはカジュアルな会話でも比較的よく使われる。
他動詞 / 自動詞など
- 形容詞・副詞のため、動詞の自他の区別はありません。
5. 実例と例文
「形容詞用法」はあまり一般的ではないため、以下に形容詞としての文例も示しますが、合わせて副詞用法も紹介します。
日常会話での例文
- (形容詞) “His regardless attitude sometimes annoys his friends.”
- 彼の何も気にしない態度は、時々友人を苛立たせる。
- 彼の何も気にしない態度は、時々友人を苛立たせる。
- (副詞) “Regardless of your opinion, I think we should go ahead.”
- あなたの意見がどうあれ、私は進めるべきだと思うよ。
- あなたの意見がどうあれ、私は進めるべきだと思うよ。
- (副詞) “I’ll help you regardless of how busy I am.”
- どれだけ忙しくても、私はあなたを手伝います。
ビジネスシーンでの例文
- (形容詞) “He showed a regardless approach to the client’s concerns.”
- 彼はクライアントの懸念をまったく考慮しないやり方を見せた。
- 彼はクライアントの懸念をまったく考慮しないやり方を見せた。
- (副詞) “Regardless of the deadline, we need to ensure quality.”
- 締め切りがどうであれ、品質を確保しなければなりません。
- 締め切りがどうであれ、品質を確保しなければなりません。
- (副詞) “We will proceed with the project regardless of the budget constraints.”
- 予算の制約があっても、私たちはプロジェクトを進めます。
学術的・フォーマルな文脈での例文
- (形容詞) “His regardless stance on environmental issues led to considerable debate.”
- 環境問題に対する彼の考慮のない態度は、大きな論争を引き起こした。
- 環境問題に対する彼の考慮のない態度は、大きな論争を引き起こした。
- (副詞) “Regardless of external factors, the experiment yielded consistent results.”
- 外部要因にかかわらず、その実験は一貫した結果をもたらした。
- 外部要因にかかわらず、その実験は一貫した結果をもたらした。
- (副詞) “Regardless of prior assumptions, the study’s findings were transformative.”
- 事前の仮定にかかわらず、その研究結果は画期的なものだった。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- heedless (日本語: 不注意な、無頓着な)
- ほぼ同義で、「注意を払わない」というニュアンスを持つ。
- ほぼ同義で、「注意を払わない」というニュアンスを持つ。
- unmindful (日本語: 無頓着な、意に介さない)
- “mind”を払わないイメージが強い。
- “mind”を払わないイメージが強い。
- inconsiderate (日本語: 配慮のない、思いやりのない)
- 「思いやりがない」というニュアンスで、人間関係に焦点がある。
- 「思いやりがない」というニュアンスで、人間関係に焦点がある。
反意語
- considerate (日本語: 思いやりのある、配慮のある)
- “regardless”の形容詞的ニュアンスの反対で、「周囲への配慮がある」という意味。
- “regardless”の形容詞的ニュアンスの反対で、「周囲への配慮がある」という意味。
- attentive (日本語: 注意深い、気を配る)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /rɪˈɡɑːrd.ləs/ (アメリカ英語), /rɪˈɡɑːd.ləs/ (イギリス英語)
- アクセントは第2音節の「-gard-」に置かれます。(re-GARD-less)
- アメリカ英語では “r” がより強く発音される傾向があるため、/rɪˈɡɑːrd.ləs/ となります。
- よくある間違いとして、語尾を /-less/ と明確に発音せず、/-less/ があいまいに発音される場合があります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「irregardless」と混同しないこと
- “irregardless” という表現は存在しますが、一般的には誤用とされ、フォーマルにはおすすめされません。
- “irregardless” という表現は存在しますが、一般的には誤用とされ、フォーマルにはおすすめされません。
- スペルミス: “reguardless” と書いてしまうなど
- “regard” + “-less” なので、「u」を誤って追加しないように注意。
- “regard” + “-less” なので、「u」を誤って追加しないように注意。
- 副詞と形容詞の区別
- 現代英語ではほぼ副詞として使われます。形容詞用法は文脈に注意して使いましょう。
- 現代英語ではほぼ副詞として使われます。形容詞用法は文脈に注意して使いましょう。
- TOEICや英検などの試験では、「Regardless of~」が定型句として出題されることが多いです。空所補充や熟語問題で見かけるケースがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「regard(考慮)+less(ない)」→「考慮しない」「気にかけない」というイメージをもつ。
- 「re + gard + less」なのか「re + guard + less」なのかで混乱することがありますが、スペリングは“regard”という単語がベースだと覚えておくとよいです。
- 「Regardless of~」は一つのまとまり(熟語)として覚えるのがおすすめ。日常会話や試験でも多用されます。
まとめ
「regardless」は本来「考慮しない」という意味を持つ形容詞ですが、日常的には「~にもかかわらず」「いずれにせよ」を意味する副詞として圧倒的に多く使われます。形容詞として使う場合はより文語的で、強い「顧みない」「無頓着な」ニュアンスを与えます。接尾語「-less」によって「~がない」という意味合いを表す単語なので、そのスペリング・発音に注意しながら学習するとよいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
無頓着な,不注意な;(…に)無頓着な《+of+名》