元となった辞書の項目
adjacent
解説
以下では、形容詞 adjacent
を、学習者の方にもわかりやすいよう、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英単語: adjacent
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語):
• “next to or very near something/someone”
• “sharing a boundary or edge with something”
意味(日本語):
• 「隣接している、すぐ隣の」
• 「すぐ近くにある」
こういう場面で使われる単語です。たとえば建物や部屋が物理的に隣り合っている場合や、場所や時間などが連続しているイメージを伝えたいときに使われます。
活用形
- 原形: adjacent (形容詞)
- 副詞形: adjacently (「隣接して」)
- 名詞形: adjacency (「隣接状態」)
※ほかの品詞へ変化する例としては、名詞形「adjacency」や副詞形「adjacently」が挙げられます。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
「adjacent」は日常会話でも時々登場しますが、主に少しフォーマルな文書やビジネス、アカデミックな場面で使用されるため、中上級レベル程度に相当すると考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: ad- (ラテン語由来,~へ、近くへ)
- 語幹: -jac- (ラテン語 jacere 「横たわる」「置く」から派生)
- 接尾語: -ent (形容詞を作る語尾)
この語構成から、「何かの近くに横たわる、置かれている」というニュアンスが伺えます。
派生語・類縁語
- adjacency (名詞): 隣接、近接
- adjacently (副詞): 隣接して、隣に
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- adjacent buildings (隣接する建物)
- adjacent rooms (隣り合った部屋)
- adjacent area (隣接地域)
- adjacent property (隣の土地・物件)
- adjacent seats (隣同士の席)
- adjacent counties (接する郡)
- adjacent sides (隣接辺、隣り合う辺)
- adjacent squares (隣接する区画/マス)
- adjacent cells (隣接するセル、表のマス)
- adjacent vertices (隣接頂点)
3. 語源とニュアンス
語源
- Latin: ad + jacere(~へ + 横たわる) ⇒ adiacere ⇒ adjacent
もともと「そばに横たわる」というイメージが根本にあります。
使用時の微妙なニュアンス
- 主に物理的に「隣接」している概念を表すフォーマル寄りの形容詞です。口語でも使えますが、少し専門的・堅めの印象を与えることもあります。
- 「near」との大きな違いは、「境界が共有されている」ようなより具体的で直接的な「隣り合い」を暗示する点です。
使用シーン
- カジュアル: 日常会話でも「隣の部屋」などを言うときに使われることもあるが、“next to” と言うほうが自然な場合もあります。
- フォーマル / ビジネス / アカデミック: 書面や説明文などで建物・地域・項目が「隣接」していると伝える際によく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として名詞を修飾する:
“an adjacent room” / “the house adjacent to ours” - 比喩的表現として使われることもあるが、主に物理的な距離を示すのが特徴です。
- 「隣接している」の対象を示す際には “to” と組み合わせることが多い:
“The conference room adjacent to the lobby.”
可算・不可算の区別
- 形容詞なので、名詞の可算・不可算の区別はありません。ただし修飾する対象の名詞は文脈に合わせて選ぶ必要があります。
フォーマル / カジュアル
- “adjacent” はややフォーマル寄りです。カジュアルな会話では “next to” と言う場合が多いかもしれません。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Is there a bathroom adjacent to this bedroom?”
(この寝室に隣接したバスルームはありますか?) - “We live in adjacent apartments.”
(私たちは隣り合ったアパートに住んでいます。) - “Where’s the park adjacent to the supermarket?”
(スーパーに隣接している公園はどこにありますか?)
ビジネスでの例文
- “Our new office is adjacent to the main railway station, which is convenient for clients.”
(新しいオフィスは中央駅に隣接しているので、顧客にとって便利です。) - “The storage room adjacent to the conference hall can be used for extra supplies.”
(会議ホールに隣接した倉庫は追加の備品保管に利用できます。) - “Could you check the adjacent property’s zoning regulations?”
(隣接している物件の用途規制を確認してもらえますか?)
学術的な文脈での例文
- “In this study, we observed the effects on populations in adjacent habitats.”
(本研究では、隣接する生息環境における生物群集への影響を観察しました。) - “When two cells are adjacent, they may share certain membrane structures.”
(2つの細胞が隣接している場合、特定の膜構造を共有している可能性があります。) - “The phenomenon occurs at the boundary of adjacent ecosystems.”
(その現象は隣接する生態系の境界付近で起こります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- next to(~の隣に)
• カジュアルで日常的。「adjacent」と同じ意味だが、より口語的。 - close to(~に近い)
• 距離が近いというイメージで、「隣接」に限らず「少し離れていても近い」という場合にも使える。 - nearby(近くの)
• “adjacent” よりも多少離れていても使える。 - adjoining(隣接した)
• “adjacent” とニアリーイコールで使えるが、「(ドアや壁を)共有するように隣り合っている」ニュアンスがより強い。
反意語
- distant(遠い)
- remote(遠く離れた)
“adjacent” が「すぐ隣接している」ニュアンスを持つのに対して、これらは空間的・心理的、あるいは両方で「遠い」ことを表します。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(英語): /əˈdʒeɪ.sənt/
- アクセントは「-dja-」の部分に置かれます。
- アメリカ英語 / イギリス英語の違い: どちらもほぼ同じ発音ですが、イギリス英語では弱化母音の音(/tə/や/ə/)が微妙に変化する場合があります。
- よくある間違い: “adj” の部分を “ad” のように短く発音せず、“da-” にしっかりと “ジャ” (dʒeɪ) の音を意識することが大切です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “adjasent”、“adjecent” などと書いてしまうミス。
- 同音異義語との混同: 直接同音異義語は少ないが、“adjacent” とは関係のない “adject” (実際には一般的ではない) 等との混乱に注意。
- TOEIC・英検などの出題傾向: ビジネス文書の読解で「隣接」という意味がポイントになる場合があります。文章中で “adjacent to ~” という表現が見られたら「隣接」「隣同士」を表すことを思い出しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- ストーリー・イメージ: 「ad」は「~へ」というニュアンスを持つ接頭語で、「jacere」は「横たわる」という意味の語源です。「ある対象のところへ横たわっている」と覚えると、「隣に位置している」イメージがつかみやすいです。
- 勉強テクニック: “ad-JA-cent” の “JA” を強調して言うイメージで発音を身につけると忘れにくいですね。
- スペリングを覚える際は、「ad + ja + cent」で3つに区切るとわかりやすいです。
これで「adjacent」の詳細な解説は以上です。ぜひ単語の成り立ちやニュアンスを理解して、ビジネスや学術的な場面など、さまざまなコミュニケーションで活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
《文》近接の,隣接している;(…に)すぐ近くの《+to+名》