元となった辞書の項目
worn-out
解説
以下では、形容詞 “worn-out” をできるだけ詳細に解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: worn-out
- 日本語: (物が)使い古された、(人が)疲れ果てた
「worn-out」は「使い古されてボロボロになったもの」や「疲れ切ってしまった状態」を表す形容詞です。たとえば、古くなった靴や服、または働きすぎてヘトヘトになった人の状態を表すときに使います。
品詞
- 形容詞 (Adjective)
活用形
- “worn-out” は形容詞として、不変化です。名詞を修飾したり、補語として使われる際も同じ形を使います。
他の品詞になったときの例
- 元の動詞 “wear out”: 「使い古す」「疲れさせる」(句動詞)
- 例: “I wore out my shoes.”(靴を履き古した)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
- ある程度英語に慣れてきた学習者が、ニュアンスまで理解して使いこなせる単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “worn”: 動詞 “wear” の過去分詞形(“wear-wore-worn”)
- “out”: 副詞 “out” が付いて、「すり減る」「外に出す」といったイメージ
したがって “worn-out” は、「すり切れた状態/使い果たした状態」というニュアンスを強調する形容詞です。
派生語や類縁語
- “wear out” (句動詞): 使い古す、疲れ果てさせる
- “wearable” (形容詞): 着用可能な
- “outwear” (動詞): 長持ちする、~より長く着る(あまり使われない)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- “worn-out shoes” → 使い古された靴
- “worn-out tires” → すり減ったタイヤ
- “worn-out clothing” → ボロボロの衣類
- “worn-out carpet” → 擦り切れたカーペット
- “feel worn-out” → 疲れ切ったと感じる
- “look worn-out” → 疲れ果てた様子に見える
- “completely worn-out” → 完全に使い古されている / 疲れ切っている
- “physically worn-out” → 肉体的に疲れ果てた
- “emotionally worn-out” → 精神的に疲れ果てた
- “worn-out excuses” → 使い古された言い訳(あまり新鮮味のない言い訳)
3. 語源とニュアンス
語源
- “wear” は古英語 “werian” に由来し、「身につける」「すり減らす」という意味がありました。
- “worn” はその過去分詞形、そこに “out” が加わり、「(長く使われたり、ストレスがかかったりして)消耗した・疲れ切った」という状態を表すようになりました。
ニュアンス
- “worn-out” は「ボロボロ」や「ヘトヘト」という、かなり疲弊しきった状態や消耗しきった状態を表します。口語・文章どちらでも使われますが、少しカジュアルなニュアンスがあり、日常的な会話でよく聞かれます。
- 物を形容するときは「もう使えなくなりそうなほど使い古された」感じを、人物を形容するときは「完全に疲れきった」というニュアンスを与えます。
4. 文法的な特徴と構文
名詞を修飾する場合
- “He threw away his worn-out sneakers.”
- (形容詞として名詞 “sneakers” を修飾)
- “He threw away his worn-out sneakers.”
補語として使う場合 (be動詞 + worn-out)
- “I am worn-out today.”
- (主語の状態を表す)
- “I am worn-out today.”
フォーマル / カジュアル
- 一般的にカジュアルまたはややインフォーマルな場面で使われやすいです。ビジネス文書などでは “exhausted” や “very tired” などの表現を使うことが多いです。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “I can’t go out tonight; I’m completely worn-out from work.”
(今夜は出かけられないよ。仕事で完全にくたくただ。) - “Those jeans look really worn-out, but they’re still my favorite.”
(そのジーンズかなりボロボロに見えるけど、まだお気に入りなんだ。) - “After moving all day, I feel worn-out.”
(一日中引っ越ししていて、ヘトヘトだよ。)
ビジネスシーン
- “The machinery in the factory is worn-out and needs replacing.”
(工場の機械はすでに使い古されており、交換が必要だ。) - “I’m worn-out after handling back-to-back meetings.”
(連続ミーティングをこなしてすっかり疲れ果てました。) - “We should avoid using worn-out equipment for safety reasons.”
(安全上の理由から、古くなった設備は使わないようにすべきです。)
学術的 / フォーマル
- “His research depended on worn-out methodologies, leading to unreliable data.”
(彼の研究は陳腐化した研究手法に頼っていたため、信頼性の低いデータとなった。) - “The professor appeared worn-out after the international conference.”
(教授は国際会議の後で、とても疲れ切った様子だった。) - “We must replace worn-out theories with updated perspectives in this field.”
(この分野の古くなった理論を、新しい見解に置き換える必要がある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- “exhausted” → (肉体的・精神的に)非常に疲れた
- “I’m completely exhausted after the trip.”
- “tired out” → 疲れきった
- “He’s really tired out from all the running around.”
- “beat” (口語的) → くたくた
- “I’m beat. Let’s head home.”
- “spent” → 力を使い切った、疲れ果てた
- “I’m totally spent after that workout.”
- “threadbare” →(特に布や衣類が)すり切れた
- “His jacket was threadbare at the sleeves.”
これらはいずれも「疲れ果てた」や「使い古されてボロボロ」のニュアンスがありますが、
- “exhausted” は「ヘトヘト」や「消耗が激しい」感じ、よりフォーマルに使いやすいです。
- “spent” は「エネルギーを使い果たした」感が強いです。
- “threadbare” は特に布や衣類がすり減っていることを強調するときに使います。
反意語 (Antonyms)
- “fresh” → 新鮮な / 疲れていない
- “energetic” → 元気いっぱいの / 活力がある
- “new” → 新しい
物について言う場合は “new” が良い対比になります。人の状態を指す場合には “energetic” や “fresh” が反意語として使えます。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA(国際音声記号): /ˌwɔːrn ˈaʊt/ (アメリカ英語), /ˌwɔːn ˈaʊt/ (イギリス英語)
- “worn” の母音は /ɔː/ (イギリス英語ではやや長め; アメリカ英語では /ɔːr/ に近い音)
- “out” の母音は /aʊ/
- “worn” の母音は /ɔː/ (イギリス英語ではやや長め; アメリカ英語では /ɔːr/ に近い音)
アクセント: “out” にアクセントがきやすい
よくある間違い: “worn” と “warn”(警告する)を混同しないように注意。発音は前者が /wɔːrn/、後者が /wɔːrn/ (地域差あり) ですが、スペルで区別が大事です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “wear out” (句動詞) と “worn-out” (形容詞) の区別
- “wear out” は動作や過程を表す(「すり減らす」「疲れ果てさせる」)。
- “worn-out” は最終的な状態を表す(「すり減った」「疲れ果てた」)。
- “wear out” は動作や過程を表す(「すり減らす」「疲れ果てさせる」)。
- スペルの間違い
- ハイフン付き “worn-out” と書くのが基本。特に書き言葉でハイフンを忘れやすい。
- ハイフン付き “worn-out” と書くのが基本。特に書き言葉でハイフンを忘れやすい。
- 同音・類似表現
- “warned out” と誤って書かないように注意。意味が全く異なる。
試験対策
- TOEICや英検などでも、語彙問題や読解問題で “worn-out” が出てきて「疲れ果てた」や「使い古された」という意味を選択肢から選ばせる問題が見られることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “wear” は「着る、すり減らす」、過去分詞 “worn” で「着古された・使い古された」を思い出しましょう。そこに “out” が付くことで「外に出しきった → 使い切った、疲れ切った」のイメージを付加すると覚えやすいです。
- “worn-out”は「(物が)ボロボロ」「(人が)クタクタ」とイメージすると瞬時に理解しやすいでしょう。
以上が、形容詞 “worn-out” の詳細解説です。物や人の「ボロボロ・クタクタ」の状態を表現したいときに、ぜひ使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(物が)使い古した,すり切れた
意味(2)
《補語にのみ用いて》(人が)疲れきった,やつれた