mercy
1. 基本情報と概要
単語: mercy
品詞: 名詞 (noun)
意味(英語): Compassion or forgiveness shown toward someone, especially when you have the power to punish or harm them.
意味(日本語): 慈悲、寛容、許し。相手を罰する力を持っていても、憐れみや許しの心を示すことを指します。
「誰かを許したり、優しく扱ったりするときに使われる単語です。相手を罰することができるのに、その相手に対して責めず、思いやりを見せる際の慈悲の気持ちを表します。」
- 難易度目安(CEFR): B2(中上級)
- このレベルの学習者が理解できる単語ですが、宗教的・道徳的な文脈でもよく登場するため、文学的表現や会話などでよく見かけます。
活用形:
名詞なので基本的には活用形はありませんが、以下のような関連語があります:
- merciful(形容詞): 慈悲深い
- mercifully(副詞): 慈悲深く
- merciless(形容詞): 無慈悲な
「mercy」が動詞形になることはありませんが、“to have mercy on someone” のように「mercy」を含むフレーズで動詞的に使われることがあります。
2. 語構成と詳細な意味
語源・語構成:
“mercy” は古フランス語の “merci” に由来し、さらにラテン語の “merces” (報酬)にさかのぼると言われています。「報酬を与える」という意味から、相手に優しさや寛容さを与えるという意味に変化していきました。よく使われるコロケーション(10選)
- show mercy (慈悲を示す)
- beg for mercy (慈悲を請う)
- throw oneself on someone’s mercy (相手の慈悲にすがる)
- have mercy on/upon someone (誰かに慈悲をかける)
- at the mercy of ... (...のなすがままになる)
- divine mercy (神の慈悲)
- cry for mercy (慈悲を求めて叫ぶ)
- mercilessly attack (無慈悲に攻撃する) ※「mercilessly」は派生副詞
- without mercy (容赦なく)
- mercy killing (安楽死)
- show mercy (慈悲を示す)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 前述の通り、古フランス語 merci(感謝・哀れみ)やラテン語 merces(報酬)から発展してきました。
ニュアンス: 「mercy」は慈悲や寛容を表すため、宗教的文脈や道徳的文脈でしばしば用いられます。口語でも使われますが、少し改まった印象を与える単語です。「相手を冷酷に扱う立場にあるのに、あえて優しさを見せる」という状況で使うと特に強い印象を与えます。
使用時の注意:
- フォーマル寄りの背景があるため、カジュアルな会話で頻繁に出てくる単語ではありませんが、宗教や法的対応、厳しい状況からの救済といった場面でよく使われます。
- 「mercy on someone」で「〜に慈悲をかける/〜を許す」という形がよく見られます。
- フォーマル寄りの背景があるため、カジュアルな会話で頻繁に出てくる単語ではありませんが、宗教や法的対応、厳しい状況からの救済といった場面でよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算/不可算: 一般的には不可算名詞として扱われます。ただし、比喩的表現で「mercies」と複数形が用いられる場合もあります(例:the mercies of life)。
- 代表的な構文:
- “show mercy (to ~)”: 「〜に対して慈悲を示す」
- “seek mercy from ~”: 「〜からの慈悲を求める」
- “be at someone’s mercy”: 「(相手の)慈悲にすがるしかない状態である」
- “show mercy (to ~)”: 「〜に対して慈悲を示す」
- フォーマル/カジュアル: ややフォーマル・宗教的・文学的文脈で多用され、日常会話では “compassion” と同じニュアンスで使われる時もありますが、頻度は多くありません。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Please have mercy on me—I really didn’t mean to break your vase.”
- (お願いだから許して。本当に花瓶を壊すつもりはなかったんです。)
- (お願いだから許して。本当に花瓶を壊すつもりはなかったんです。)
- “If it starts raining heavily, we’ll be at the mercy of the weather.”
- (豪雨になったら、もう天候に左右されるよね。)
- (豪雨になったら、もう天候に左右されるよね。)
- “He begged for mercy when he realized he made a huge mistake.”
- (彼は大きな間違いに気づいて懇願したよ。許してほしいって。)
ビジネスシーンでの例文
- “In negotiations, showing mercy can sometimes build long-term trust.”
- (交渉では、慈悲や寛容を示すことが長期的な信頼につながることがあります。)
- (交渉では、慈悲や寛容を示すことが長期的な信頼につながることがあります。)
- “They were at the mercy of the fluctuating market prices.”
- (彼らは変動する市場価格の影響をまともに受ける(支配されている)状態でした。)
- (彼らは変動する市場価格の影響をまともに受ける(支配されている)状態でした。)
- “We should share our findings mercifully with the team, acknowledging everyone’s efforts.”
- (チームのみんなの努力を認めながら、私たちの成果を優しく共有するべきです。)
学術・フォーマルな文脈での例文
- “Historical records indicate no mercy was shown to the rebels.”
- (歴史的記録によると、反乱者たちに慈悲は一切示されなかったようです。)
- (歴史的記録によると、反乱者たちに慈悲は一切示されなかったようです。)
- “The concept of divine mercy is central to many religious doctrines.”
- (神の慈悲という概念は、多くの宗教的教義の中心をなすものです。)
- (神の慈悲という概念は、多くの宗教的教義の中心をなすものです。)
- “Philosophers debate whether mercy is an inherent human trait or a social construct.”
- (哲学者たちは、慈悲が人間固有の本質か、社会的に構築されたものかを議論しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語:
- compassion (思いやり)
- clemency (寛大さ、特に刑罰・処罰を軽くする際に使われる)
- leniency (寛大、処罰の軽減など)
- pity (同情、あわれみ)
- これらは「相手を理解し、共感し、許す」という点で近いですが、文脈やニュアンスが少し異なります。
- “mercy” は特に、処罰を与えられる立場にある側が与える慈悲に焦点が当たります。
- “compassion” はより広い意味での同情です。
- “clemency” は特に法的・公式な文脈での慈悲を指すことが多いです。
- “leniency” は処罰や評価基準をゆるめることに焦点を置きます。
- “pity” は上から目線の同情という印象を与えることがあります。
- compassion (思いやり)
反意語:
- cruelty (残酷さ)
- harshness (厳しさ)
- severity (厳格さ)
- cruelty (残酷さ)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA):
- アメリカ英語: /ˈmɝː.si/
- イギリス英語: /ˈmɜː.si/
- アメリカ英語: /ˈmɝː.si/
強勢(アクセント): mercý のように、最初の音節 “mer” に強勢が置かれます(/ˈmɜːr/)。
よくある発音の間違い:
- “merc-” の部分を「マーシー」とか「メルシー」と混同しがちです。 “mer” は「マー」に近い音となり、「マーシー」のように伸ばして発音するのが自然です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “mercy” を “mrecy” などと入れ替えてしまうミスに注意。
- 同音・類似スペルの混同: “merci” はフランス語で「ありがとう」の意。英語ではスペルが異なるので注意が必要です。
- 試験での出題傾向: TOEICや英検などでも、読解問題や文脈問題で選択肢に出ることがあります。特に「be at the mercy of ~」などの熟語表現が問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「報酬“merces”が語源」というストーリーをイメージすると、「相手に優しさ(慈悲)を与える」という流れが頭に残りやすいです。
- スペリングは “mer”+“cy” と2つに区切って覚えると混乱しにくいでしょう。
- 何かお願いするときに「Have mercy on me!」とほかのドラマや映画で聞いた場面を思い出すと定着しやすいです。
以上が名詞 “mercy” の詳しい解説です。人を許す気持ちや優しさを表す大切な言葉なので、実際の文脈で見かけたら意識してみてください。
〈U〉慈悲,寛大,あわれみ
〈C〉《a~》ありがたいこと,感謝すべきこと