元となった辞書の項目
progress
解説
1. 基本情報と概要
単語: progress
品詞: 名詞 (同じスペルで動詞形も存在します)
意味(英語): The process of improving or developing something over a period of time.
意味(日本語): 物事が前に進んで発展・向上していくことを指します。「進歩」「前進」というようなニュアンスで、状況が好転していたり、計画がうまく進んだりしていることを表します。
「progress」は、上達や進行具合などを指し、学習や仕事などさまざまな場面で使われます。誰かや何かが「より良くなる」「着実に前へ進む」というイメージがある単語です。
- 活用形(名詞): 不可算名詞として扱われるのが一般的です。
例) much progress / a lot of progress(多くの進展) - 他の品詞:
- 動詞: to progress(進む、進化する、進展する)
例) The project is progressing well.
- 動詞: to progress(進む、進化する、進展する)
CEFRレベル: B1(中級)
日常会話やビジネスの場面など、幅広く使われます。基本的な学習の中で頻繁に登場するため、中級レベルでも比較的早い段階で習得されることが多い単語です。
2. 語構成と詳細な意味
「progress」は、ラテン語「progredi」(前へ進む)からきています。
- 接頭語: pro-(前へ、先へ)
- 語幹: -gress(「歩く」「進む」を意味するラテン語 -gredi/-gressus から)
他の単語との関連(派生語・類縁語)
- process(工程、過程): 「進む」「通過する」イメージが共通
- aggression(攻撃性): ag-(宛てて)+ gress(進む)で「相手に向かって進む」イメージ
- digress(脱線する): di-(離れて)+ gress(進む)で「本題からそれる」イメージ
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- make progress — (進捗を出す)
- in progress — (進行中で)
- show progress — (進歩を示す)
- slow progress — (ゆっくりとした進歩)
- steady progress — (着実な進歩)
- significant progress — (著しい進歩)
- progress report — (経過報告)
- monitor progress — (進捗を監視する)
- hinder progress — (進歩を妨げる)
- progress update — (進捗のアップデート/報告)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語「progredi」(pro-「前へ」 + gradi「歩く」) → 中世フランス語 → 英語の「progress」
- 歴史的には「前進する」「前へ歩む」という物理的イメージから、「発展・進歩」という抽象的な意味へと広がりました。
ニュアンス
- ポジティブで前向き: 「progress」には「より良くなる」「前方に向かっている」というポジティブな響きがあります。
- 使う場面:
- 口語・文章ともによく使われます。
- ビジネスシーンから日常会話まで幅広い場面で利用可能。
- 口語・文章ともによく使われます。
- フォーマル/カジュアル: どちらでも使えますが、公的文章・レポートなどでも多用されるため、ややフォーマル寄りでも問題なく使えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞としての「progress」は基本的に不可算名詞として扱います。
例) We made a lot of progress. (×We made many progresses.) - 動詞としての「progress」は自動詞扱いになります。
例) The negotiations are progressing well. - in progress という構文は「〜が進行中である」を意味し、文章でも会話でもよく登場します。
例) The project is still in progress. (プロジェクトはまだ進行中です)
よくあるイディオム
- make progress: 進歩/進展を作り出す → 「進歩する」「進展させる」
- in progress: 進行中 → 「行われている最中」
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I’m making steady progress with my guitar practice.”
(ギターの練習、着実に進歩しているよ。) - “His cooking skills have shown a lot of progress lately.”
(彼の料理の腕は最近、大いに上達しているよ。) - “How’s your exam preparation going? Any progress?”
(試験勉強はどう? 進捗はある?)
ビジネスでの例文
- “We need to report our progress to the manager by Friday.”
(私たちは金曜日までに上司へ進捗を報告する必要があります。) - “I’m satisfied with the team’s progress on the new product launch.”
(新製品発売に向けたチームの進捗には満足しています。) - “Let’s schedule a meeting to discuss the project’s progress.”
(プロジェクトの進捗状況を話し合うためにミーティングを設定しましょう。)
学術的な文脈での例文
- “The research has made significant progress in the last decade.”
(その研究は過去10年で大幅な進歩を遂げました。) - “Our understanding of quantum mechanics is still in progress.”
(量子力学に対する私たちの理解はまだ進行中です。) - “The study’s progress depends on consistent data collection.”
(その研究の進展は一貫したデータ収集にかかっています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- advancement (進歩、前進)
- 「progress」よりもフォーマルな響きの時に使われることが多い。
- 「progress」よりもフォーマルな響きの時に使われることが多い。
- development (発展、開発)
- 「新しいものを作り出す」ニュアンスが強い。
- 「新しいものを作り出す」ニュアンスが強い。
- improvement (改善、向上)
- 「現在の状態をより良くする」というイメージが強い。
- 「現在の状態をより良くする」というイメージが強い。
反意語
- regression (後退)
- 「progress」は前進・進歩を示すのに対し、「regression」は逆に後戻りを示す。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈprɑːɡrɛs/ (アメリカ英語), /ˈprəʊɡrɛs/ (イギリス英語)
- 強勢(アクセント): 最初の “pro” の部分にアクセントが置かれます (PRO-gress)。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- よくある間違い: アクセントを後ろに置いて “pro-GRESS” と読んでしまう誤りが多いので注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “progress” を “progess” のように「r」を抜かしてしまうこと。
- 同音異義語との混同: とくに「process (プロセス)」とは似たスペルですが、意味は異なります。
- 不可算名詞であることへの注意: “progresses”という形は通常取りません。TOEICや英検などでも、名詞の可算・不可算を問う問題が出題されることがあります。
- 動詞形との混乱: “progress” (名詞) と “to progress” (動詞) を混同しないように、周辺の文脈と形をしっかりチェックしましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「PRO + GRESS」= 「前へ+進む」 というラテン語の語源を知ることで、意味をイメージしやすくなります。
- 「一歩、一歩、前へ進む」イメージを頭に描いて覚えると、単語のニュアンスを引き出しやすいでしょう。
- スペリングは「pro」+「g」+「r」+「e」+「s」+「s」。2つの “s” を落とさないように注意しましょう。
- 「プロジェクトが進行中 → project in progress → p&p」で連想してみるなど、簡単なイメージフレーズを作ると覚えやすくなります。
以上が名詞「progress」についての詳細な解説です。ぜひ参考にして、さまざまな場面で使いこなしてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…に向かう)前進《+toward+名》
意味(2)
(目標・完成・解決へ向かう)進歩,進展《+toward+名》;(…における)進歩《+in(with)+名(do*ing*)》