strain
以下では、英単語 “strain” (名詞) について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英語の意味:
• “strain” (noun) = tension, stress, or pressure; a particular variety/type of something (especially living organisms); a melody or tune (の意味を持つ場合もあり)
日本語の意味:
• 「緊張」「ストレス」「負担」「品種・系統(たとえばウイルスの株、新品種など)」「(音楽の)旋律」などを指します。
「strain」という名詞は、精神的・身体的に負担をかける“緊張”のニュアンスでよく使われますが、微生物や植物などにおいて「株」「系統」といった意味でも使用されます。音楽や文学作品の一節を指すこともあり、「旋律」や「調べ」という詩的な感覚を持たせる場合もあります。
品詞: 名詞 (noun)
活用形:
・名詞形は “strain” (単数)、複数形は “strains”
(例) “There are various strains of bacteria.” など
他の品詞の例:
・動詞 “to strain” = 「引っ張る」「(筋肉などを)痛める」「(限界まで)努力する」「こす」「漉す」など(例: “Don’t strain yourself.” 「無理しないでね」)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
B2: 比較的複雑な内容を理解でき、抽象的な話題についてもやり取りができるレベル。学習者にとって、専門分野やニュースなどから出てくる「strain」はやや専門的なニュアンスを含む場合があるため、中上級レベルの表現といえます。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- “strain” は直接的な接頭語や接尾語がない単語です。
- 語幹は “strain” そのものですが、動詞形「to strain」から派生する形で “strained” (形容詞: 張りつめた、疲れ切った) や “straining” (動名詞/分詞形) などがあります。
派生語や類縁語
- “strained” (形容詞): 緊張した、ぎこちない
- “strainer” (名詞): こし器、ざる
よく使われるコロケーション(共起表現)10例
- “put a strain on ~” → ~に負担をかける
- “under strain” → 緊張状態にある
- “emotional strain” → 感情的緊張
- “financial strain” → 財政的負担
- “take the strain off ~” → ~の負担を和らげる
- “strain of bacteria” → バクテリアの株
- “mental strain” → 精神的ストレス
- “physical strain” → 肉体的負担
- “a new strain of virus” → 新型のウイルス株
- “strain one’s relationship” → 関係に負担をかける
3. 語源とニュアンス
語源
- “strain” はラテン語の “stringere” (締めつける、引き締める) に由来し、そこから古フランス語の “estreindre” を経て、英語へ入ってきたとされます。
- 元々は「引っ張る」「締めつける」という物理的イメージをもっており、そこから「緊張」や「ストレス」の意味が派生しています。
使用時の注意・ニュアンス
- 「緊張」や「精神的ストレス」といったネガティブなニュアンスを含むことが多いですが、微生物・動植物などの “strain” は比較的中立的な科学用語的ニュアンスです。
- “strain” を音楽の旋律や詩の一節として使うときは、やや文語的・文学的(フォーマル雰囲気)です。
- 会話でもビジネスでも使われますが、「関係を緊迫させる」「大きな負担をかける」といったシチュエーションでよく登場するため、相手や文脈に気をつけて使うとよいでしょう。
4. 文法的な特徴と構文
名詞としての特徴
- 可算名詞 (countable) としても不可算名詞 (uncountable) としても使われますが、多くの場合、可算名詞として「種類・系統」「緊張状態・ストレスの種類」を指します。
- “a strain of bacteria” や “strains of viruses” のように、具体的な品種や系統を示すときは可算名詞。
- 「ストレス」「負担」などを抽象的に示すときに、不可算名詞として扱われることもあります。
一般的な構文・イディオム
- “put a strain on [something/somebody]” (~に負担をかける)
- “show signs of strain” (緊張の兆候を示す)
フォーマル/カジュアル
- ビジネスシーンや学術的シーンでは、比較的フォーマルに用いられます。
- 「関係がぎくしゃくする」などを表したい場合にはカジュアルでも使われることがあります。
5. 実例と例文
以下では日常会話・ビジネス・学術的な文脈それぞれで3例ずつ示します。
日常会話 (カジュアル)
- “I’ve been feeling a lot of strain at home lately.”
(最近、家でストレスがたまっているんだ。) - “Don’t put too much strain on your back when lifting heavy boxes.”
(重い箱を持ち上げるとき、腰に大きな負担をかけないようにね。) - “Their argument caused a strain in their friendship.”
(彼らの口論は友情にひずみをもたらした。)
ビジネスシーン (よりフォーマル)
- “The new project deadlines have placed considerable strain on our team.”
(新しいプロジェクトの締め切りが私たちのチームにかなりの負担をかけています。) - “Efficient resource allocation can help reduce any financial strain.”
(効率的なリソースの割り当ては、財政的な負担を軽減するのに役立ちます。) - “Continual overtime work is beginning to show strain on employee morale.”
(継続的な残業によって従業員の士気に緊張の兆候が見え始めています。)
学術・専門的
- “Scientists have identified a new strain of the influenza virus.”
(科学者は新しいインフルエンザウイルス株を確認しました。) - “This bacterial strain is resistant to common antibiotics.”
(このバクテリア株は一般的な抗生物質に耐性があります。) - “Muscle strain can result from repetitive physical activity without proper rest.”
(適切な休息なしで反復的な身体活動を続けると、筋肉の損傷を伴う負担が生じることがあります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- “stress” (ストレス) - 物理的・精神的ストレスを広く指す一般的表現
- “pressure” (プレッシャー) - 外的要因による圧力、精神的負荷にも
- “tension” (緊張) - 緊張状態、関係のこじれなどにも使われる
- “breed” (品種) - 動植物の品種を指す際には “strain” と近いが、主に家畜や作物に使う
- “variety” (種類) - 何かの多様性を示すのに使われる
→ これらは文脈に合わせて選ばれることが多いです。
反意語 (Antonyms)
- 直接的な反意語はありませんが、あえて逆のイメージを示すとすれば “relief” (安心、解放感) や “ease” (楽、容易さ) といった、「ストレスから解放された状態」の単語が対置されることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA): /streɪn/
- アメリカ英語: [streɪn]
- イギリス英語: [streɪn]
どちらも大きな違いはなく、単母音 /eɪ/ をしっかりと発音します。
アクセント:
- “strain” の1音節目に強勢がきます (1音節語なので、基本的には単語全体にストレスを置くイメージ)。
- “str” の部分が /str/ と濁らず、クリアに始まるのがポイントです。
よくある発音の誤り:
- /eɪ/ の部分を /æ/(アの音)や /ɛ/(エの音)とあいまいに発音しないように注意。
- “train” (列車) の /treɪn/ と混同しないように気をつけましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルが “strian” や “starin” などと入れ替わってしまう間違いが起こりやすいです。
- 同音異義語として “strain” (名詞/動詞) と “strayne” (非常に稀な固有名・人名など) はまず混同しませんが、発音が似ている “train” と混同しやすいので注意。
- TOEICや英検などの試験では、文章の中で「負担」「ストレス」という文脈、または「ウイルスの株」「系統」という理系分野の文脈で出題されることがあるため、文脈からうまく意味をくみ取れるようにしましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “strain” の中心には “train” と同じ “-train” のつづりがあります。 ただし、意味は「引っ張る、張る」というイメージがベースです。
- “string” と関連付けて、「弦(string)をぴんと張るイメージ ⇒ それがストレスなどの“張りつめ”につながる」と考えると覚えやすいかもしれません。
- ウイルスなどの「株」を表すときは、「種(genus)から広がったいくつかの“筋”」という感覚でイメージするとわかりやすいです。
まとめ
“strain” は「張りつめる」「緊張・負担」「系統」など多様な意味がありますが、その根底には「引っ張る」「締めつける」というイメージがあります。物理的負荷や精神的ストレスから、ウイルス・バクテリアの「株」まで幅広く使われる単語なので、文脈をしっかりと捉えて意味を判断することが大切です。
〈C〉〈U〉張りつめること,張る力
〈C〉筋違い,ねんざ,くじき
〈U〉(精神的に,極度に)緊張,重荷,過労
〈C〉骨のおれる仕事,激務