元となった辞書の項目
divide
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: divide
品詞: 名詞 (※一般的には動詞で使われることが多いですが、ここでは名詞としての用法を解説します)
- 英語の意味: a separation or boundary between two things; a significant difference or gap
- 日本語の意味: 2つのものを隔てる境界・分断、または大きな隔たり・格差のこと
「たとえば、人々の間の社会的・文化的な溝や、地理的・物理的な境界を指すときに使う名詞です。『大きな格差』と言いたいときに“divide”と言うことがあります。」
活用形
名詞としての “divide” 自体には複雑な活用形はありません。複数形は “divides” となります。ただし、元々は動詞として使われることが多いため、以下のような動詞形の活用も参考までに記載します。
- 動詞形: to divide (原形)
- 三人称単数現在形: divides
- 現在分詞/動名詞: dividing
- 過去形/過去分詞: divided
他の品詞例
- 動詞 (to divide): 「分割する」「分ける」という意味
- 形容詞 (divided): 「分割された」「意見が分かれた」という意味
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 社会問題や抽象的な話題など、少し複雑な内容を扱う文章で頻出するため、B2レベル程度で扱われる語です。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語: なし(古いラテン語の接頭語 “di-” が分離を示す場合もありますが、現在は一語として認識されます)
- 語幹: “vid” (ラテン語の “videre”「見る」が起源とされますが、現在の英語では直接的には意識されません)
- 接尾語: なし
関連語や派生語
- division (名詞): 分割、部門
- divisive (形容詞): 分断を引き起こす、意見を分かつ
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ10選
- digital divide(デジタル格差)
- cultural divide(文化的な隔たり)
- social divide(社会的な格差)
- political divide(政治的な分断)
- the great divide(大きな分断・境界)
- deepening divide(深まる溝)
- bridge the divide(分断を埋める・橋渡しをする)
- sharp divide(はっきりした境界/溝)
- widening divide(広がる溝)
- a divide between X and Y(XとYの間の分断)
3. 語源とニュアンス
語源: ラテン語の “dīvidere(分ける)” に由来し、“di-” は「分離」、“-videre” は「分ける」という意味を持ちます。もともとは「分ける/分離する」ことを表す動詞が主ですが、そこから転じて「分断」や「境界線」を示す名詞としても使われるようになりました。
ニュアンス:
- 物理的な境界よりも、社会的・文化的な「隔たり」を表すことが多い
- フォーマルな文脈でもカジュアルな文脈でも使われますが、ニュースや社会問題の話題などで比較的よく目にします
- 「divide」という単語自体が「隔たり」感を強調するので、ネガティブな文脈(意見の衝突、格差)で用いられることが多いです
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞としての可算性: 可算名詞
- 例: “There is a great divide between the two groups.” (1つの大きな隔たり)
- 例: “We have many divides to overcome in society.” (複数の隔たり)
- 例: “There is a great divide between the two groups.” (1つの大きな隔たり)
- 一般的な構文・イディオム:
- “to bridge a/the divide” → 「隔たりを埋める」
- “a deep divide between A and B” → 「AとBの間の深い溝」
- “to bridge a/the divide” → 「隔たりを埋める」
名詞 “divide” は、社会問題や格差を論じるときに使うため、ややフォーマル寄りの文章やスピーチなどでも使われます。ただし、日常会話でも「大きな意見の相違」という文脈で時々用いられます。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “There’s a noticeable divide between how my parents think and how I think.”
(両親の考え方と自分の考え方の間にははっきりした溝があるよ。) - “We need to talk about this divide in our friend group before it gets worse.”
(友人グループ内のこの溝が深まる前に話し合う必要があるね。) - “The new policy has created a divide among neighbors.”
(新しいルールによって近所の人々の間に溝ができちゃったよ。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Our main goal this year is to bridge the digital divide for our remote employees.”
(今年の主な目標はリモート勤務の従業員に対するデジタル格差を埋めることです。) - “We should address the growing divide between management and staff.”
(経営陣とスタッフの間で広がる格差に取り組まなければなりません。) - “There’s a clear divide in how different departments approach the project.”
(異なる部署がそのプロジェクトに取り組む方法にははっきりした隔たりがあります。)
(3) 学術的・専門的な文脈での例文
- “The study examines the socioeconomic divide in urban and rural communities.”
(この研究は都市部と農村部の間の社会経済的格差を調査しています。) - “A significant technological divide was observed among students from different backgrounds.”
(異なる背景を持つ学生間で大きな技術格差が見られました。) - “Researchers are exploring methods to reduce the knowledge divide in global education.”
(研究者たちは世界規模の教育における知識格差を縮める方法を探っています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- gap(ギャップ/隔たり)
- “gap” はよりカジュアルに「空白・差」を表す場合に使われます。
- “gap” はよりカジュアルに「空白・差」を表す場合に使われます。
- rift(裂け目/断絶)
- より深刻、かつ人間関係など感情的な裂け目を強調。
- より深刻、かつ人間関係など感情的な裂け目を強調。
- schism(分裂/分派)
- 宗教・政治組織など大きな組織での意見の分裂を強調。
- 宗教・政治組織など大きな組織での意見の分裂を強調。
- split(割れ目/分裂)
- 物理的にも比喩的にも使われる一般的な「分裂」。
- 物理的にも比喩的にも使われる一般的な「分裂」。
- separation(分離/隔たり)
- より中立的に「分離」という状態を表現。
反意語 (Antonyms)
- union(結合/統合)
- unity(結束/一体感)
- connection(つながり)
これらは「隔たり・分断」の反対にあたる「結びつき・一体化」を示し、 “divide” と対比して使われます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /dɪˈvaɪd/
- アクセント: 後ろの “-vide” に強勢があります(di-VIDE)。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: どちらも同じ発音が一般的で、大きな違いはありません。
- よくある発音間違い:
- “devid” と誤って発音してしまうことがありますが、正しくは「ディ・ヴァイド」です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 綴り間違い: “devide” と書いてしまうミスが多いので注意してください。
- 動詞との混同: “divide” は動詞が基本ですが、名詞としても使われることをしっかり認識しましょう。
- 口語 vs. 文語: 日常会話で使う場合は「gap」を好む人も多いです。“divide” はややフォーマル寄り。
- 試験対策: TOEIC や英検・IELTS などのライティングやリーディングで、社会問題に関する文章が出題される際、“digital divide” や “social divide” といった用例が頻出します。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “divide” = ものを分けたときにできる「線」や「境目」をイメージすると覚えやすいです。
- 「Digital Divide(デジタル格差)」という言葉はニュースなどでよく聞くため、そのフレーズから派生させて覚えておくと便利です。
- スペリングは “di-” + “vide” と区切ってイメージすると間違いが減ります。たとえば “di + video(ビデオ)” をイメージして、音の違いに注意するなどの工夫も良い方法です。
以上が名詞 “divide” の詳細解説です。「隔たり」や「溝」の意味で、自分たちの考え方の違いや社会的な格差を表す際によく使われます。動詞としての “divide” と区別しながら、うまく活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
分割, 分裂
意味(2)
見解の相違
意味(3)
〈C〉分水嶺
意味(4)
《比喩(ひゆ)的に》《the divide》生死の境