元となった辞書の項目
honor
解説
1. 基本情報と概要
単語
- honor(名詞)
意味(英語)
- High respect, great esteem
意味(日本語)
- 「尊敬」「名誉」「栄誉」といったニュアンスを持ち、誰かや何かに対して深く敬意を払う対象や、その状態を表す言葉です。
「人に対して深い敬意を示す気持ち」や「授与される名誉や栄誉」などを指します。儀式や表彰などのフォーマルな場面では特に使われることが多いです。
品詞・活用形
- 品詞:名詞 (countable/uncountable)
- 可算名詞として「(授与される) 名誉」、「称号」のように扱う場合がある
- 不可算名詞として「尊厳」「尊敬」を意味するときもある
- 可算名詞として「(授与される) 名誉」、「称号」のように扱う場合がある
- 複数形:honors (例:He received many honors for his work.)
他の品詞になったときの例
- honor (動詞):to regard with great respect; to confer distinction upon
例:We want to honor her for her years of service. - honorable (形容詞):正直な、尊敬に値する
例:He is an honorable man.
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
日常会話でも聞く機会があり、かつフォーマルな文脈でもよく使う単語です。文化的・社会的な場面を学ぶ上で非常に重要な単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「honor」はラテン語で「栄誉」「尊敬」を意味する “honor”/“honos” に由来します。
- 特に接頭語や接尾語がついているわけではありませんが、
- 接尾語
-ableがついた “honorable” (形容詞) - 接尾語
-aryがついた “honorary” (形容詞)
などの派生形が存在します。
- 接尾語
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- in honor of ~(~に敬意を表して)
- do someone the honor(~に名誉を与える、好意を示す)
- guest of honor(主賓)
- honor system(信頼制度)
- for the honor of the team(チームの名誉のため)
- guard of honor(儀仗隊)
- roll of honor(功労者名簿)
- an honor to do ~(~するのは光栄である)
- honorable mention(佳作、特別賞)
- on my honor(自分の名誉にかけて、誓って)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の honos (honor) に由来し、「敬意」「名誉」を意味しました。古フランス語経由で英語に入り、現在の “honor” という形になりました。イギリス英語では “honour” と綴られます。
ニュアンス・使用時の注意
- “honor” は非常にポジティブで敬意を伴うニュアンスを含みます。
- フォーマルなスピーチや文章の場面でしばしば使われる一方、日常会話でも「It’s an honor to meet you.(お会いできて光栄です)」のように用いられることがあります。
- 礼儀正しく、尊敬を示す文脈で使用されるため、カジュアルな文脈でも真面目な響きがあります。
4. 文法的な特徴と構文
可算/不可算
- 不可算名詞として、尊厳や尊敬の概念を指すとき (例:He has no sense of honor.)
- 可算名詞として、与えられる名誉・賞などを指すとき (例:He received many honors for his work.)
- 不可算名詞として、尊厳や尊敬の概念を指すとき (例:He has no sense of honor.)
前置詞との組み合わせ
- in honor of + [名詞/人]:~を称えて、~に敬意を表して
- on one’s honor:誓って、名誉をかけて
- in honor of + [名詞/人]:~を称えて、~に敬意を表して
慣用表現・イディオム
- step down with honor:名誉を傷つけずに辞任する
- do the honors:儀式や乾杯などの役目を引き受ける
- step down with honor:名誉を傷つけずに辞任する
使用シーン
- フォーマル(スピーチ、表彰式など)
- 日常会話でも丁寧さを表す表現として利用可
- フォーマル(スピーチ、表彰式など)
5. 実例と例文
A. 日常会話(カジュアル)
- “It’s an honor to meet you. I’ve heard so much about you.”
(お会いできて光栄です。いろいろお噂はかねがね伺っています。) - “Could you do me the honor of joining us for dinner tonight?”
(今夜一緒に夕食をとっていただけますか?[光栄に思います。]) - “On my honor, I’ll return your book by Monday.”
(誓って月曜までに本を返すよ。)
B. ビジネス(フォーマル)
- “It is a great honor to be here today to address you.”
(本日、皆さまにお話しできることを大変光栄に思います。) - “He has been recognized with several honors for his innovative work.”
(彼は革新的な業績に対していくつもの表彰を受けています。) - “We are hosting a banquet in honor of our retiring CEO.”
(引退するCEOを称えて祝賀会を開きます。)
C. 学術的な文脈
- “The scholar received an honorary degree in recognition of her contributions.”
(その学者は貢献を讃えられて名誉学位を授与されました。) - “The university’s roll of honor lists those who have excelled in their fields.”
(その大学の功労者名簿には、その分野で優れた業績を挙げた人々が掲載されています。) - “Honor as a moral concept has been studied across various cultures and eras.”
(道徳的な概念としての「名誉」は、さまざまな文化や時代を通じて研究されてきました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- dignity(尊厳):より個人の内面的尊厳にフォーカス
- respect(尊敬):相手に対する敬意を表す一般的な語
- esteem(尊重):尊敬と評価が混じったイメージ
- prestige(名声):社会的地位や評価による名声
- glory(栄光):大きな達成や威光が伴った名誉
これらの単語は “honor” と近しい意味を持ちますが、“honor” はより伝統的・道徳的側面が強く、礼儀や義務感なども含むニュアンスがあります。
反意語 (Antonyms)
- dishonor(不名誉):名誉を失わせること
- disgrace(恥辱):恥ずべき行為や状態
これらはいずれも“honor”の対極にある言葉で、「恥をかかせる」「評判を落とす」という意味合いがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語 (AmE): /ˈɑː.nɚ/
- イギリス英語 (BrE): /ˈɒn.ər/
アクセント(強勢)
- 第一音節 “hon-” に強勢があります。
アメリカ英語とイギリス英語での違い
- アメリカ英語では “honor” と綴り、/ˈɑː.nɚ/(「アナー」に近い音)。
- イギリス英語では “honour” とも綴り、/ˈɒn.ər/(「オナー」に近い音)。
よくある発音ミス
- h を発音しないわけではないので、語頭の “h” を弱くても意識して発音しましょう。
- アメリカ英語だと “r” をしっかり巻き舌で発音する点にも注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
スペルの違い
- イギリス英語:honour
- アメリカ英語:honor
よくテストでもどちらか一方に統一する必要があります。TOEICなどではアメリカ英語表記が基本的に多いでしょう。
- イギリス英語:honour
同音異義語との混同
- “honor” に明確な同音異義語はありませんが、 “owner” と聞き間違いや書き間違いになる学習者が稀にいるので要注意。
使い分け
- “respect” との違い: “honor” はよりフォーマルで、道徳的・社会的文脈での高い敬意を表すことが多い。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- ストーリーで覚える: “On my honor” と言うシーンは、多くの映画や物語で見られます。騎士やヒーローが「誇りにかけて約束する」といった場面をイメージすると記憶に残りやすいです。
- スペルのポイント: “honor” の “h” は発音するときに弱い息音ですが、忘れずに書きましょう(特にイギリス英語では “u” が入る “honour”)。
- 音のイメージ: /ˈɑː.nɚ/(アーナー)と軽く巻き舌する発音を意識すると覚えやすいです。
以上が、名詞 “honor” の詳細解説です。フォーマルなスピーチや儀式から、日常の丁寧な挨拶まで幅広く使われる、とても重要な語彙です。しっかり習得しておくと英語表現の幅がさらに広がります。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉(人から受ける)尊敬,信用
意味(2)
〈U〉(広く世間から受ける)名誉,栄光,名声
意味(3)
《H-》閣下(判事・市長などに対する敬称)
意味(4)
〈C〉《複数形で》儀礼
意味(5)
〈C〉《複数形で》(学校などの)優等
意味(6)
〈U〉(自分の信念・行為に対する)道義心,誠実,高潔
意味(7)
〈C〉《単数形で》名誉になる物(事,人),誉れ
意味(8)
〈C〉《複数形で》褒章,名誉賞
意味(9)
〈C〉《複数形で》(カードゲームの)最高の役礼