元となった辞書の項目
back up
【名/U】予備 / 支援,応援 / 渋滞【形】予備の / 支援の / 非常用の【句動】後退する;を後退させる / を支援する,を後援する / 裏付ける, の裏付けをする/〜を渋滞させる
解説
1. 基本情報と概要
単語(句動詞): back up
品詞: 動詞(句動詞としての「back up」)、または名詞・形容詞(「backup」表記の場合)
意味(英語・日本語)
- (動詞) “To support or help someone or something” / 「(人や物事を)支持する、助ける」
「友達を助けるときや、議論で味方をするときなどに使われる表現です。」 - (動詞) “To make a copy of data or files” / 「データやファイルのバックアップを取る」
「パソコンやスマホのデータを守るために、コピーを作っておくニュアンスです。」 - (動詞) “To move backwards” / 「後退する」
「車を下がらせたいときや、後ろへ下がるときなどに使います。」 - (名詞・形容詞: “backup”) 「後援、援助、予備、代替」
「緊急時の代替要員や、ファイルのコピーのことを指すときにも使われます。」
活用形
- 動詞形:
- 原形: back up
- 3単現: backs up
- 現在進行形: backing up
- 過去形/過去分詞形: backed up
- 原形: back up
「backup」が名詞や形容詞として使われる場合もあります(例: “We need to have a backup plan.”)。
CEFRレベルの目安
- B1(中級): 「back up」は複数の意味を持つ句動詞で、日常会話でも業務でもよく使われます。使いこなせるようになるとコミュニケーションがスムーズになります。
2. 語構成と詳細な意味
back + up の句動詞
- back: 「後ろ」「戻る」という意味をもつ単語
- up: 上向きや上昇を示す前置詞/副詞
この2つが組み合わさり、
- 過去に戻って「支える」(転じて「助ける、補強する」)
- 衝突を避けるために「後ろに下がる」行為
などを表すようになりました。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- back up your data(データをバックアップする)
- back up your claims(主張を裏付ける)
- back up a friend(友人を助ける/支持する)
- back up files regularly(定期的にファイルをバックアップする)
- back up slowly(ゆっくりバックする)
- provide backup(支援を提供する)
- call for backup(応援/援護を呼ぶ)
- traffic is backed up(交通が渋滞している)
- have a backup plan(代替案を用意する)
- back up an argument(議論を補強する)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 「back」は古英語 “bæc” に由来し、「身体の背中」や「後ろ」を表しました。「up」はゲルマン語系の語から来ており、「上へ」「上方へ」を意味する基本的な語でした。これらが組み合わさり、“to move backward or to provide support” のイメージへと広がっています。
- ニュアンス/使用時の注意点:
- 「支援する」「助ける」の意味では、よりカジュアルなニュアンスが強く、友人や同僚の間でよく使います。
- 「データのコピーを取る」の意味では、ITやビジネスの現場などフォーマルな場面でもよく登場します。
- 「後退する」の意味では、運転時や身体を動かすシーンで使われる、どちらかというと日常での口頭表現が中心です。
- 「支援する」「助ける」の意味では、よりカジュアルなニュアンスが強く、友人や同僚の間でよく使います。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞としての用法
- 目的語が必要: “back up something/someone” / “back something/someone up”
- 例: “I need to back up my computer files.”
- 目的語が必要: “back up something/someone” / “back something/someone up”
自動詞的に使われるパターン
- 目的語が省略される場合: “The car backed up slowly.”
- 動作だけを表すため、目的語を伴いません。
- 目的語が省略される場合: “The car backed up slowly.”
名詞/形容詞としての “backup”
- 例: “We have a backup (noun) in case the system fails.”
- 例: “We need a backup plan (adjective + noun).”
- 例: “We have a backup (noun) in case the system fails.”
フォーマル/カジュアル
- 「support」の意味合いで書類やビジネスメールに使っても問題ありません。
- 「後退する」は主に会話や日常表現で使われます。
- 「support」の意味合いで書類やビジネスメールに使っても問題ありません。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Could you back up a little? I need some space to open the door.”
(ちょっと下がってくれますか? ドアを開けるスペースが必要なんです。) - “Don’t worry, I’ll back you up if Mom gets angry.”
(心配しないで。もしお母さんが怒っても、僕が助け舟を出すよ。) - “Remember to back up your phone photos regularly.”
(スマホの写真は定期的にバックアップを取るのを忘れないでね。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “Please back up all the project files before we update the system.”
(システムをアップデートする前に、プロジェクトのファイルすべてをバックアップしてください。) - “If you have evidence to back up your proposal, please share it with the team.”
(提案を裏付ける証拠があるなら、チームに共有してください。) - “The delivery trucks need to back up to the loading dock carefully.”
(配送のトラックは、慎重に荷台にバックしてください。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “The researcher used statistical data to back up her hypothesis.”
(研究者は仮説を裏付けるために統計データを使用しました。) - “Please back up your experimental results with reliable sources.”
(実験結果を信頼できる情報源で裏付けてください。) - “All raw data must be backed up according to the laboratory’s protocol.”
(すべての生データは研究室の規定に従ってバックアップを取らなければなりません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- support(サポートする): 「支える」「幇助する」という意味で近い。よりフォーマル。
- assist(助ける): 「手伝う」という意味合いが強い。
- bolster(強化する): 主に意見や考えを「補強する」ニュアンス。
- reinforce(強化する): 主張や建築物などを「補強する」、「強くする」イメージ。
反意語 (Antonyms)
- undermine(弱体化させる): 「足を引っ張る」「台無しにする」など、支えとは反対。
- oppose(反対する): 「援助する」の反対の行為。
類似表現でも「back up」は「コピーを取る/保存する」という意味合いがあるため、IT分野では “save,” “store” などとも関連しますが、ニュアンスは少し異なります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- 動詞句動詞 “back up”: /bæk ʌp/ (米・英ほぼ同じ)
- 名詞/形容詞 “backup”: /ˈbækʌp/ (アクセントは “bæk” の部分)
- 動詞句動詞 “back up”: /bæk ʌp/ (米・英ほぼ同じ)
強勢(アクセント)の位置
- 動詞としての「back up」は2語に分かれるため、特定の「アクセント」は “back” に置かれがちですが、状況によって [up] を強く言う場合もあります。
- 名詞または形容詞の「backup」は1語なので、最初の “back” に強勢が置かれます。
- 動詞としての「back up」は2語に分かれるため、特定の「アクセント」は “back” に置かれがちですが、状況によって [up] を強く言う場合もあります。
アメリカ英語とイギリス英語
- 大きな差はありませんが、イギリス英語のほうが [æ](バッ)の音がやや明確に聞こえる場合があります。
- 大きな差はありませんが、イギリス英語のほうが [æ](バッ)の音がやや明確に聞こえる場合があります。
よくある発音の間違い
- [bɛk] や [bɑːk] と発音してしまうことがありますが、正しくは短い “æ” の音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- 名詞/形容詞で使うときの “backup” を “back-up” とハイフンで書く場合もあるが、頻度は低め。
- 動詞句動詞は必ず2語に分けて “back up” と書くのが基本です。
- 名詞/形容詞で使うときの “backup” を “back-up” とハイフンで書く場合もあるが、頻度は低め。
- 同音異義語
- “back-up” とハイフンで書かれる場合も意味はほとんど同じですが、文法上の働き方が変わるので注意。
- “back-up” とハイフンで書かれる場合も意味はほとんど同じですが、文法上の働き方が変わるので注意。
- TOEIC・英検などの試験での出題傾向
- 「データをバックアップする」「誰かをサポートする」の文脈で問われることが多いです。
- 句動詞としての意味で「後ろに下がる」も出題される場合があります。
- 「データをバックアップする」「誰かをサポートする」の文脈で問われることが多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 覚え方: “back” の「後ろ」+ “up” の「上(向き)」という2つの動きや方向をイメージし、「もとあった位置(あるいはさらに後ろ)へ動かす」 →「サポートする」「ファイルを保持する」と展開させると理解しやすいです。
- 勉強テクニック:
- 実際にパソコンでファイルのバックアップを取るとき、必ず「I’m backing up my data.」と声に出してみる。
- 友達に「もし何かあったらback me up」と言う練習をすると、自然と使い方が身につきます。
- 実際にパソコンでファイルのバックアップを取るとき、必ず「I’m backing up my data.」と声に出してみる。
「back up」は、日常生活からビジネス、学術的な場面まで幅広く使われる便利な句動詞です。動詞と名詞(または形容詞)でスペル表記が異なる点や、多様な意味をもつ点に注意しつつ、有効に使い分けてください。
意味のイメージ

意味(1)
【名
意味(2)
U】予備
意味(3)
支援,応援
意味(4)
渋滞【形】予備の
意味(5)
支援の
意味(6)
非常用の【句動】後退する;を後退させる
意味(7)
を支援する,を後援する
意味(8)
裏付ける, の裏付けをする
意味(9)
〜を渋滞させる