元となった辞書の項目
balance
解説
1. 基本情報と概要
単語: balance
品詞: 動詞 (他に名詞用法もあり)
意味(英語): to keep something in a steady or equal position; to make things equal in weight or importance.
意味(日本語): 「バランスを取る」「釣り合いを保つ」という意味です。何かの重さや重要度を等しくしたり、両立させたりするときに使われます。「仕事とプライベートのバランスを取る」のような文脈で使われます。
- 「balance」は、物理的な重さの釣り合いを取るときにも、抽象的に「対立する要素をうまく両立させる」というニュアンスでも、幅広く使える単語です。
活用形:
- 現在形: balance / balances
- 過去形: balanced
- 過去分詞形: balanced
- 現在分詞形: balancing
- 現在形: balance / balances
他の品詞:
- 名詞: a balance「釣り合い、均衡」、bank balance「銀行残高」など
- 形容詞: balanced「バランスの取れた」
- 形容詞: balancing (形容詞的に使うこともある: balancing act「バランスを取る行為」)
- 名詞: a balance「釣り合い、均衡」、bank balance「銀行残高」など
CEFRレベル目安: B1(中級)
- A1(超初心者)~A2(初級)ではまだ抽象的に「バランスを取る」という概念が難しいかもしれませんが、B1では身近な話題として理解できるようになります。
2. 語構成と詳細な意味
構成:
- 語源はラテン語系ですが、英語では接頭語や接尾語が付くわけではなく、語幹として “balanc(e)” がそのまま使われます。
- 動詞として「balance」を使うときは「~を釣り合わせる」「両立させる」という意味です。
派生語・関連語:
- balance (名詞)
- balanced (形容詞)
- imbalance (名詞)「不均衡」
- counterbalance (動詞/名詞)「(~を)相殺する、均衡をとる / 均衡を保つもの」
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- balance work and family - 仕事と家庭のバランスを取る
- balance the budget - 予算のバランスを取る / 均衡予算にする
- balance on a tightrope - 綱渡りでバランスを保つ
- balance accounts - 勘定を釣り合わせる
- keep one’s balance - 倒れないようにバランスを保つ
- find a balance - バランスを見つける / 両立させる方法を見つける
- strike a balance - うまく折り合いをつける / 釣り合いをとる
- balance out - (お互いに) 相殺する / 最終的に均衡がとれる
- balance the pros and cons - 良し悪し(長所と短所)を比較考量する
- balance your time - 時間配分のバランスを取る
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「balance」は、ラテン語の「bis(2つ)」+「lanx(皿)」に由来していて、「天秤」のイメージが元になっています。そこから「重さの釣り合い」や「両立させる」という意味に広がりました。
ニュアンス・使用上の注意:
- 「balance」は、どちらが重いかに関わらず、「均等にする」「公平に保つ」といったポジティブなイメージを持ちます。
- 抽象的にも「人生のバランス」「考え方のバランス」など幅広く使えるため、カジュアルからフォーマルまでさまざまな場面で登場します。
- フォーマルシーンでは「balance the budget」や「balance sheet」などビジネスや会計用語としてもよく出てきます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞として使う場合: “He balanced the books.” (彼は帳簿の釣り合いをとった) のように目的語を取ります。
- 自動詞としても使われる: “The seesaw balanced on the midpoint for a moment.” (シーソーが一瞬真ん中で釣り合った) のような表現があります。
- イディオム的に使う表現:
- “strike a balance” (うまくバランスをとる/妥協点を見つける)
- “hang in the balance” (結果が不確定で危うい状況にある)
- “strike a balance” (うまくバランスをとる/妥協点を見つける)
フォーマル / カジュアルでの違い:
- ビジネス書類や公的文書では「balance the accounts」「balance the budget」のようにフォーマルに登場しやすいです。
- 日常会話でも「I need to balance my schedule.」などカジュアルに使います。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I’m struggling to balance my work and personal life lately.”
(最近、仕事とプライベートのバランスがうまくいかなくて大変だよ。) - “Could you balance the tray so the drinks don’t spill?”
(お盆のバランスを取って、飲み物がこぼれないようにしてくれる?) - “He tried to balance on one foot for as long as possible.”
(彼はできるだけ長く片足でバランスを取ろうとした。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “We need to balance the budget before finalizing next year’s plan.”
(来年度の計画を最終決定する前に、予算のバランスを取る必要があります。) - “The accounting department is working to balance the quarterly accounts.”
(経理部は四半期の勘定を釣り合わせる作業をしています。) - “Our company aims to balance innovation with practical implementation.”
(当社は革新性と実用性の両立を目指しています。)
学術的な文脈(3つ)
- “Scientists are examining how ecosystems balance themselves after a disturbance.”
(科学者たちは、一度乱れた生態系がいかにしてバランスを取り戻すのかを調査しています。) - “The study focuses on techniques to balance energy consumption and production.”
(その研究は、エネルギー消費と生産のバランスを取る技術に焦点を当てています。) - “It is crucial to balance empirical data with theoretical models in this field.”
(この分野では、実証データと理論モデルのバランスを取ることが重要です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- adjust (調整する)
- 「状況に合わせて微調整する」ニュアンスで、やや幅広い。
- 「状況に合わせて微調整する」ニュアンスで、やや幅広い。
- stabilize (安定させる)
- バランスを取るというよりは「ぐらつきを抑えて安定させる」イメージ。
- バランスを取るというよりは「ぐらつきを抑えて安定させる」イメージ。
- juggle (同時にうまくこなす)
- 「仕事やタスクなどを複数同時にうまく捌く」のニュアンス。
- 「仕事やタスクなどを複数同時にうまく捌く」のニュアンス。
- even out (均一にする)
- 物理的・数値的にムラをなくす感じ。
- 物理的・数値的にムラをなくす感じ。
反意語 (Antonyms)
- imbalance (不均衡)
- tip (バランスが崩れる)
- “The scales tipped in her favor.”(天秤が彼女に有利な方に傾いた)というように使われる。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号: /ˈbæl.əns/
- アメリカ英語(AmE)とイギリス英語(BrE)で大きく変わりませんが、アメリカ英語は「バランス」にやや近いイメージ、イギリス英語は「バランス」の「ア」の音が少し短めになる傾向があります。
- アクセント: “bálance”の第一音節 “bal-” にアクセントがきます。
- よくある間違い: “balance” の「a」と「e」の綴りを混同して “balence” と書いてしまうミスが起こりやすいです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “balance” の最後は “-ance” であり、“-ence” ではないので注意。
- 発音の混同: “balance” と “balanced” の “d” が抜けたりしがちです。
- 同音異義語: 特に “balance” の同音異義語はそこまで一般的ではないですが、語源の近い名詞・動詞を混同しないようにしましょう。
- 試験対策: TOEICや英検などのリスニングで「budget balance」や「balance the books」などビジネスシーンでの表現として出されやすいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “balance” は「バラ(花)んす」といったイメージで「天秤の両方に花がある状態」のように想像すると覚えやすいかもしれません。
- スペリングの最後が “-ance” になる単語として、「importance」「allowance」などと関連付けて覚える方法もあります。
- 一度「天秤」(scale) のイメージを頭に浮かべて、右と左が釣り合っている様子を思い出すと「balance」の概念を理解しやすいでしょう。
以上が、動詞「balance」の詳細な解説です。バランスを「取る」場面は生活や仕事のあらゆるところで登場するので、ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
…'を'つり合わせる,‘の'平衡を保つ
意味(2)
〈重さ・重要性〉'を'比較評価する,比べて考える
意味(3)
…'を'差引き勘定する
意味(4)
…‘と'つり合う,調和する
意味(5)
均衡(平衡)を保っている,つり合っている
意味(6)
決算する,収支が合う
意味(7)
(どちらを取ろうかと)迷う,ちゅうちょする