元となった辞書の項目
liquidation
解説
以下では、名詞 “liquidation” について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: liquidation
品詞: 名詞 (noun)
意味
- 英語: The process of closing down a business or organization and using its assets (such as property, inventory, or cash) to pay its debts.
- 日本語: 企業や組織などを清算し、資産(不動産、在庫、現金など)を売却して債務を支払うプロセス。または大規模な在庫処分・売却を指す場合もあります。
「liquidation」は主にビジネス・金融において使われる言葉で、会社が倒産したり、経営を終了したりする際に資産を売却する手続きのことを指します。在庫を一括で処分販売するような文脈でも使います。
CEFRレベル
C1(上級)
ビジネスや金融に関わる、やや専門的な用語です。日常会話というよりは会計・財務・経営管理などで頻出するため、上級レベルに位置づけられます。
活用形
- 名詞形: liquidation (単数形), liquidations (複数形)
- 動詞形: liquidate (清算する、処分する)
- 形容詞形(関連語): なし(ただし “liquid” は「液体の」「流動資産の」を意味します。)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: liquidate(動詞)
- 接尾語: -ion(名詞を作る接尾語)
- “liquidate” + “-ion” → “liquidation”
- “liquidate” + “-ion” → “liquidation”
“liquidate” は “liquid”(液体の、流動的な)から派生しており、資産を「流動化する」「売却して現金化する」というイメージが背景にあります。
その他の関連語
- liquidate (v.): 「清算する」「資産を現金化する」
- liquidity (n.): 「流動性(現金化のしやすさ)」
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- liquidation of assets → 資産の清算
- forced liquidation → 強制清算
- voluntary liquidation → 任意清算
- liquidation proceedings → 清算手続き
- company liquidation → 企業の清算
- court-ordered liquidation → 裁判所命令による清算
- liquidation sale → 在庫一斉処分セール
- distribution upon liquidation → 清算時の分配
- liquidation phase → 清算段階
- complete liquidation → 完全清算
3. 語源とニュアンス
語源
- 語源: ラテン語の “liquidus” (澄んだ、流動的な)が起源。そこから「流動化する」「整理して透明にする(不透明な部分をなくす)」という意味へと派生し、ビジネス文脈では「会社資産を流動化(現金化)する」という意味をもつようになりました。
ニュアンスや注意点
- 主にビジネス・金融・法律の文脈で使われる専門用語です。
- 会社破産だけでなく、大量の在庫や店舗を “liquidation sale” という形で処分販売する場合にも使われることがあります。
- カジュアルな会話ではあまり登場しませんが、ニュースやビジネス記事では頻繁に見かけます。
- フォーマルな場面(会計報告、裁判所関係、法的書類など)から、ややカジュアルに「在庫セール」という意味でも使われますが、後者の場合は「liquidation sale」とセットで用いられることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞/不可算名詞:
「liquidation」は可算名詞として扱われることが多いですが、文脈によっては概念的に「不可算」として扱う場合もあります。通常、「a liquidation of assets」のように特定の清算を指す場合は可算扱いです。 - 使用される構文:
- “go into liquidation” → 会社が清算手続きに入る
- “order the liquidation of ~ ” → 〜の清算を命じる
- “undergo liquidation proceedings” → 清算手続きを受ける
- “go into liquidation” → 会社が清算手続きに入る
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: 契約書、法的文章、ビジネスレポートで頻出
- カジュアル: “liquidation sale” のように広告で使われる場合はあるが、一般会話では稀
5. 実例と例文
日常会話での例文(ややレアケース)
- “I heard there’s a big liquidation sale at the mall.”
(ショッピングモールで大規模な在庫処分セールをやってるらしいよ。) - “They’re closing that store and everything is on liquidation.”
(あのお店、閉店するから在庫処分セールしてるんだって。) - “My uncle’s business went into liquidation, so he’s looking for new opportunities.”
(おじの会社が清算手続きに入ったから、新しい仕事を探してるんだ。)
ビジネスシーンでの例文
- “The board decided on voluntary liquidation due to continuing financial losses.”
(財務上の損失が続いているため、取締役会は任意清算を決定した。) - “We have to file for liquidation if we can’t meet our debt obligations.”
(債務を返済できない場合、清算手続きを申請する必要がある。) - “Investors are concerned about the imminent liquidation of the firm.”
(投資家たちはその企業の差し迫った清算を懸念している。)
学術的・専門的な文脈での例文
- “The bankruptcy law stipulates the procedures for corporate liquidation.”
(破産法は企業清算の手続きを定めている。) - “In economics, liquidation is often contrasted with restructuring as different outcomes for failing firms.”
(経済学では、清算は不振企業に対する別の選択肢であるリストラクチャリングとしばしば対比される。) - “Liquidation analyses are essential for understanding how creditors will recover their claims.”
(清算分析は、債権者がどのように債権を回収できるかを把握するうえで不可欠である。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
“bankruptcy” (破産)
- ニュアンス: 個人や会社が経済的に破綻し、法的に破産宣告を受けること。
- 清算は破産手続きの一部になることがあるが、破産そのものの意味合いと必ずしもイコールではない。
- ニュアンス: 個人や会社が経済的に破綻し、法的に破産宣告を受けること。
“dissolution” (解散)
- ニュアンス: 会社や団体を解散すること。必ずしも資産売却のニュアンスは含まない。
- ニュアンス: 会社や団体を解散すること。必ずしも資産売却のニュアンスは含まない。
“wind-up” (会社の精算・解体)
- ニュアンス: イギリス英語でよく使われる表現で、会社をたたむ行為。 発音は「ワインド アップ」。
- ニュアンス: イギリス英語でよく使われる表現で、会社をたたむ行為。 発音は「ワインド アップ」。
反意語
- “establishment” (設立)
- 企業を設立すること。清算の正反対の行為にあたる。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˌlɪkwɪˈdeɪʃən/
- カタカナで表記すると「リクウィデイション」に近い音
- アクセント: “-da-” のところが強調されるイメージ(li-qui-DA-tion)。
- アメリカ英語 / イギリス英語: 両者で大きな違いはないが、アメリカ英語ではやや “リクィデイション” のように発音される傾向がある。
- よくある発音ミス: “liquid” と “-ation” のつなぎ目で “d” の音が曖昧になりやすい。意識してハッキリと発音する。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “liquidation” の “quid” の部分や “-tion” の付け忘れに注意。
- 同音異義語: 似た発音の単語は少ないが、“liquidate” と混乱しやすい。
- 試験対策:
- TOEICやビジネス英語関連で、企業の倒産・買収などの設問に絡んで出題されることがある。
- 英検などではやや専門的な文脈の長文問題に登場する可能性がある。
- TOEICやビジネス英語関連で、企業の倒産・買収などの設問に絡んで出題されることがある。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “liquidation” は “liquid” が入っている → 資産が「液体のように流動化される」イメージを思い浮かべると覚えやすいです。
- “-ation” は「〜すること・状態」を表す接尾語なので、日本語の「清算」「処分」という意味合いの「〜tion」と覚えておくとよいでしょう。
- ビジネスニュースや映画の倒産シーンなどでよく出てくるため、その場面映像をイメージすると記憶に定着しやすいです。
以上が、名詞 “liquidation” の詳細解説です。ビジネスと法的な文脈でよく使われるため、財務関連の英語を学習する際には重要な語彙となります。ぜひ参考にしてください。
意味のイメージ
意味(1)
(負債)の弁済
意味(2)
(会社の)整理