1. 基本情報と概要

単語: overdue

品詞: 形容詞 (adjective)

意味（英語）: not arriving, paid, or completed at the scheduled or expected time

意味（日本語）: “期日を過ぎた”、“期限切れになっている”、“大幅に遅れている”

「overdue」は、本来支払いや提出などが予定されていた日を過ぎてしまった状態を示すときに用いる形容詞です。書類の提出、支払い、返却物（図書館の本やレンタル品など）が期限以内に行われず、遅れているときに「This payment is overdue.（支払いが遅れています）」のように言います。「やるべきことがもうずっと先延ばしになっていて、そろそろやらなきゃ」というニュアンスでも使われます。

• 基本的な活用形

  
  
  • 形容詞のため、比較級や最上級は原則ありません（ただし「more overdue」「most overdue」と口語的に強調するときも稀にあります）。
  
  



• 他の品詞形

  
  
  • 「overdue」は形容詞としてしか使われませんが、「due」（形容詞/名詞）から派生している表現は多数あります（例: due date, be due to do ... など）。
  
  



• CEFRレベルの目安: B2（中上級）
  
  「期日を守る」「支払いを滞納しない」といった少し複雑な概念を含むため、中上級レベルの単語といえます。

2. 語構成と詳細な意味

• 語構成
  
  
  
  • over（「超えて」、「上に」、「過度に」などの意味を持つ接頭語）
    
  
  
  • due（「期限の」、「支払われるべき」、「当然支払うべきもの」といった意味）
  
  

それらが合わさって「支払いや期限を超えてしまっている」という意味になります。

• 関連語や派生語

  
  
  • due (形容詞/名詞): 期限である、支払うべきもの
    
  
  
  • past due: 期日が過ぎた（overdueとほぼ同義）
    
  
  
  • long overdue: 大幅に遅れている（“やっと実現した”感を表すときにも使われる）
  
  



• よく使われるコロケーションやフレーズ（10個）

  
  
  1. overdue payment（支払い遅延）
     
  
  
  2. overdue bill（支払い期限を過ぎた請求書）
     
  
  
  3. overdue library book（返却期限を過ぎた図書館の本）
     
  
  
  4. overdue subscription fee（購読料の支払い遅れ）
     
  
  
  5. overdue rent（家賃滞納）
     
  
  
  6. long overdue apology（ずっと遅れていた謝罪）
     
  
  
  7. overdue tasks（期限を超過したタスク）
     
  
  
  8. overdue notice（返却/支払い期限超過の通知）
     
  
  
  9. overdue project（進捗が大幅に遅れているプロジェクト）
     
  
  
  10. overdue invoice（支払い期限を過ぎた請求書）
  
  

3. 語源とニュアンス

• 語源
  
  「due」はラテン語の「debitus」（→ “借りがある”、“支払うべき”）に由来し、そこに古英語の「over」（“超えて”、“過度に”）がついた形です。「overdue」は「（支払いや期日を）超えてしまった」という状態を指します。
  


• ニュアンス
  
  
  
  • 「期日が過ぎている」という事実を淡々と表すことが多いですが、強調したい場合は「long overdue」のように表現します。
    
  
  
  • ビジネスシーンから日常会話まで幅広く使われますが、フォーマルめな場面でもよく見かけます。
    
  
  
  • 感情面では、支払い遅延や仕事の先延ばしに対する怒りや焦りのニュアンスが伴うこともあります。
  
  

4. 文法的な特徴と構文

• 形容詞としての位置

  
  
  • 述語的に使う: “My library book is overdue.”
    
  
  
  • 名詞を修飾する: “I have an overdue library book.”
    
  
  



• 代表的な構文

  
  
  1. “be overdue (for + 名詞/動名詞)”
     
     
     
     • 例: “He is overdue for a haircut.”（彼は髪を切る時期がとっくに過ぎている）
       
     
     
  
  
  2. “long overdue + 名詞”
     
     
     
     • 例: “This meeting is long overdue.”（この会議はずっと遅れていた/やっと実現した）
       
     
     
  
  



• 使用シーン

  
  
  • フォーマル/カジュアルどちらでも使用可。「期限切れ」を表すため、ビジネス文書、契約書、請求書で特にフォーマルに用いられます。
    
  
  
  • 口語的にも「Your payment is overdue.」など、ややきつめの響きで使用されます（督促っぽいニュアンス）。
  
  

5. 実例と例文

以下の例文では、日常会話・ビジネス・学術的文脈の３つの場面に分けて示します。

日常会話での例文

1. “My library books are overdue. I should return them today.”
   
   （図書館の本が期限を過ぎちゃった。今日返却しないと。）
   


2. “I’m two weeks overdue on my gym payment. I need to settle that.”
   
   （ジムの支払いが2週間遅れてしまっている。支払わないと。）
   


3. “This haircut is long overdue—I haven’t been to the barber in months.”
   
   （もう何カ月も床屋に行ってないから、髪を切るのがかなり遅くなってるよ。）

ビジネスシーンでの例文

1. “Your invoice is overdue. Please make the payment at your earliest convenience.”
   
   （請求書のお支払いが期限を過ぎています。なるべく早くお支払いをお願いいたします。）
   


2. “The project is overdue, and we need to submit the final report by Friday.”
   
   （プロジェクトが遅延しており、金曜までに最終報告書を提出する必要があります。）
   


3. “Our rent payments are overdue, which might affect our credit rating.”
   
   （家賃の支払いが滞納状態なので、信用情報に影響するかもしれません。）

学術的/専門的な文脈での例文

1. “His research paper is long overdue, as the deadline was last month.”
   
   （彼の研究論文は先月が締切だったので、すでに大幅に遅れています。）
   


2. “The conference submission is overdue, and we must request an extension.”
   
   （学会の投稿期限が過ぎてしまったので、延長を依頼しなければなりません。）
   


3. “Many argue that systematic reforms in this field are long overdue.”
   
   （この分野では、体系的な改革が大幅に遅れていると多くの人が主張しています。）

6. 類義語・反意語と比較

• 類義語 (Synonyms)
  
  
  
  1. late（遅れている）
     
  
  
  2. behind schedule（スケジュールから遅れている）
     
  
  
  3. delayed（遅延している）
     
  
  
  4. past due（支払期限が過ぎている）
     
  
  
  5. tardy（主に人が遅刻してくる場合に使う）
  
  

これらはいずれも「遅れ」を表しますが、overdueは“期限が定められていたが過ぎてしまっている”というニュアンスが最も強いです。

• 反意語 (Antonyms)
  
  
  
  1. on time（時間通りに）
     
  
  
  2. timely（適切な時期に）
     
  
  
  3. punctual（時間厳守の）
  
  

7. 発音とアクセントの特徴

• アメリカ英語 (IPA): /ˌoʊvərˈduː/
  


• イギリス英語 (IPA): /ˌəʊvəˈdjuː/
  

アクセントは後半の “due” におかれますが、米英では /duː/、英英では /djuː/ と発音する傾向があります。

よくある間違いとして、最初の “o” を強く読みすぎたり、語尾を “doo” や “dew” と短く発音しすぎたりすることが挙げられます。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペリングのミス
   
   
   
   • “overdo” と綴ってしまう（“やりすぎる”という全く別の動詞）
     
   
   


2. “overdue” と “past due” の混同
   
   
   
   • 両方とも「期限を過ぎている」という意味ですが、 “overdue” は形容詞として幅広く使われます。 “past due” は特に支払いや返却日などの明確な期限を強調するときに多い表現です。
     
   
   


3. 試験での出題傾向
   
   
   
   • TOEICやビジネス英語のテストで、請求書や納期に関する文脈でよく見かける単語です。
     
   
   
   • 英検でも上位級で「期限遅れ」「遅延」に関する読解問題で出てくることがあります。
   
   

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• “over + due” で「“期限”を“越えて”しまっている」とイメージすると覚えやすいです。
  


• 実際の生活で、支払い期限や提出期限が過ぎている状況を想像してみるとピンと来るはずです。
  


• 「図書館の本の返却日を過ぎた！」という経験を思い出すと、すぐに単語と結びつけられるでしょう。

以上、「overdue」は、支払い、提出、返却など“期限”という視点で多用される形容詞です。期限切れや延滞に関する文脈でよく使われるので、ぜひ押さえておきましょう。