元となった辞書の項目
account
解説
以下では、名詞 “account” について、学習者の皆さんにわかりやすいように詳細に解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語 / 日本語)
- 英語: “account” (noun)
- 日本語: 「口座」「報告」「説明」「アカウント」「得意先」など、文脈によってさまざまな意味を持ちます。一般的には、お金の出入りを管理する“口座”という意味や、出来事や物事に対する“説明”や“報告”の意味がよく使われます。
こういった意味合いをもつので、金融の場面では“bank account (銀行口座)”、お話を伝える場面では“an account of the event (出来事の報告)”などというように使われます。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
- 名詞なので、複数形は “accounts” となります。例えば “two bank accounts” (2つの銀行口座) というように使われます。
他の品詞の例
- 動詞 “to account (for)”:「〜を説明する」「(割合などを)占める」
例: “You need to account for your expenses.” (出費を説明しなければなりません) - 形容詞形は直接 “account” からは派生しませんが、“accounting” (会計の) という形で形容詞や名詞 (「会計」自体) として使われる例があります。
例: “accounting software” (会計ソフト)
CEFRレベルの目安
- B2 (中上級)
「account」は金融や報告など、学習や仕事で広く使われる語彙で、B2 レベルあたりの学習で理解が深まる単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語 “ac-” は古フランス語やラテン語の “ad-” (〜の方へ) に由来する形が多いです。
- 語幹 “count” は「数える」という意味を持ちます。
- もともとは「数に入れる・記録する」というイメージから、「計上する」「説明する」などの広い意味に発展していったと考えられます。
派生語や類縁語
- “accountant” (名詞) : 会計士
- “accounting” (名詞 / 形容詞) : 会計、会計の
- “accountable” (形容詞) : 説明責任のある
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- bank account(銀行口座)
- user account(ユーザーアカウント)
- account balance(口座残高)
- account statement(口座明細)
- account holder(口座名義人)
- account management(アカウント管理 / 口座管理)
- credit account(クレジット口座)
- open an account(口座を開設する / アカウントを作る)
- account number(口座番号)
- close an account(口座を解約する / アカウントを削除する)
3. 語源とニュアンス
語源
- “account” はラテン語の “ad computare”(数える方へ)に遡り、古フランス語の “aconter” を経由して現在の形になりました。
- 数える(count)ことに対した「請求」「会計」から、転じて「説明する」や「報告する」の意味を持つようになりました。
ニュアンス・使用上の注意
- 金融・会計関連でフォーマルに使われるほか、日常会話では「報告」「物語」(an account of what happened) のような意味でも使われます。
- ビジネス文書・会計書類など、少し固めの文脈でも頻繁に登場しますが、同時にオンラインでは “social media account” (ソーシャルメディアのアカウント) のようにカジュアルな文脈でも使われます。
- フォーマル〜カジュアルのどちらにも対応できます。
4. 文法的な特徴と構文
可算・不可算
- 名詞 “account” は文脈によって可算名詞として扱われます。
- “I have three different bank accounts.” → 可算 (数えられる)
- “He gave an account of the meeting.” → このように「報告・説明」の意味でも可算名詞として扱われます。
- “I have three different bank accounts.” → 可算 (数えられる)
一般的な構文・イディオム
- take (something) into account: 「〜を考慮に入れる」
例: “You should take your budget constraints into account.” - on account of…: 「…が理由で」
例: “The meeting was postponed on account of the bad weather.” - by all accounts: 「皆の話によれば」
例: “By all accounts, she is an excellent leader.”
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I just opened a new bank account to save money for my vacation.”
(休暇用の貯金をするために新しい銀行口座を開設したんだ。) - “Could you give me an account of what happened at the party last night?”
(昨夜のパーティーで何があったのか教えてくれない?) - “Do you remember the login details for our streaming service account?”
(私たちが使っているストリーミングサービスのアカウント情報を覚えている?)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Please check the client’s account statement to confirm the payment.”
(支払いを確認するために顧客の口座明細書をチェックしてください。) - “We need to take all factors into account before finalizing the budget.”
(予算を最終決定する前に、すべての要因を考慮に入れる必要があります。) - “His account of the project’s progress was very thorough.”
(彼のプロジェクト進捗に関する説明はとても詳細でした。)
学術的・専門的な文脈での例文(3つ)
- “A detailed account of historical events is crucial for researchers.”
(歴史的出来事の詳細な報告は研究者にとって重要です。) - “The accounting department will handle all account discrepancies.”
(会計部門がすべての口座の不一致を処理します。) - “Her account of the experiment sheds new light on the phenomenon.”
(彼女の実験報告は、その現象に新たな光を当てます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- report(報告)
- 「報告書」や「報じること」を指す。より正式な書類の意味合いが強い場合に用いられる。
- 「報告書」や「報じること」を指す。より正式な書類の意味合いが強い場合に用いられる。
- description(説明 / 描写)
- 状況や物事を詳細に「描写・記述」するイメージが強い。
- 状況や物事を詳細に「描写・記述」するイメージが強い。
- narrative(物語 / 話)
- 物語風に語るニュアンスが強い。
- 物語風に語るニュアンスが強い。
- statement(声明 / 陳述 / 明細)
- よりフォーマルで、公的・公式な感じ。
“account” は「説明・報告」の意味でこれらと似ていますが、金銭管理(口座)の意味も持つ点が特徴です。
反意語
- 特に明確な反意語はありませんが、「account」の報告・説明の意味に対して、情報不足のままの状態を表す “ignorance” (無知) や “silence” (沈黙) が逆方向の概念として考えられるでしょう。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /əˈkaʊnt/
- アクセント: “a-COUNT” の第2音節 “count” に強勢があります。
- アメリカ英語: [アカウント] のように「ア」に近い母音で始まり、末尾の “t” がはっきり発音されることが多い。
- イギリス英語: おおむね同じ発音ですが、地域によっては末尾の “t” が弱まりやすい傾向もあります。
- よくある間違い: アクセントを第一音節にしてしまうと不自然になるので注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “account” と “count” の区別: “count”(数える)とつづりが似ていますが、接頭語 “ac-” があるのでスペリングミスに注意しましょう。
- “account of something” で「〜の説明」 (“report of something”) という意味になる点を見落としがちです。
- 同音異義語: “account” と似た発音の単語はあまりありませんが、動詞 “to account for” の構文を知らずに混同する場合があります。
- 試験対策: TOEICやビジネス英語検定などでは、ビジネスメールや会計の文脈で“account”が登場する頻度が高いので、口座・報告・説明の意味をおさえておくと得点につながります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “account” の “-count” は「数える(count)」が元々のイメージ。それに “ac-” がついて「しっかり数える → 記録する → まとめて報告/説明する → 口座」へ派生したとイメージすると覚えやすいです。
- 「アカウント(アプリの登録など)」も同じ単語であると理解すると、様々な場面でつながっていることを意識しやすくなります。
- 「勘定 → 会計 → 報告 → 記録」をひとつのストーリーとしてイメージすると、単語の多義的な意味が頭に入りやすいでしょう。
以上が名詞 “account” の詳細な解説です。ビジネスや日常会話、学術分野など、幅広いシーンで使われる重要な単語なので、しっかり覚えて使いこなしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉計算書,勘定書;簿記
意味(2)
〈C〉(商売の)取引;(銀行の)口座
意味(3)
《文》〈U〉価値(value),重要性(importance)
意味(4)
〈C〉説明,報告;記事
意味(5)
〈U〉根拠;理由
意味(6)
〈C〉計算,勘定