through
《運動や状態の変化を表す動詞とともに》(一方の端から他方へ) …を貫いて,通って / 《場所》…の中を, ...じゅうに / 《期間》…じゅうずっと / 《手段・原因》 ...によって / 《完了・終了》…を終わって / 《貫通・通過》…を貫いて,通って
1. 基本情報と概要
単語: through
品詞: 主に前置詞 (preposition)、場合によっては副詞 (adverb)、形容詞 (adjective)
CEFRレベル: A2(初級)~B1(中級)の学習者向け
主な意味(英語・日本語)
- 「through」(英語): passing from one side to another; from start to finish; by means of something
- 「スルー」(日本語): 「~を通り抜けて」「~を経て」「~の間ずっと」「~によって」のようなニュアンスを持つ表現です。たとえば、「トンネルを抜けるとき」や「経験を経るとき」に「through」が用いられます。
簡単な説明
「through」は「何かを通過する」「ある期間を通してずっと」「手段として利用している」イメージを表すときに使う言葉です。日本語では「~を通って」「~を通じて」などの訳になり、道や時間、過程を通り抜けるイメージがあります。
活用形
- 前置詞: through
- 副詞: 例) “He walked through” (彼は歩いて通り過ぎた)
- 形容詞: 例) “I’m through with this task.” (私はこの仕事を終えました)
- ここでは「終わった」「用が済んだ」という意味をもつ形容詞的な用法
他の品詞形
- throughly は存在しませんが、類似した形で「thorough(形容詞:徹底的な)」があります。スペルが似ているので間違えやすいですが、意味が異なります。
2. 語構成と詳細な意味
もともと「through」は、接頭語・接尾語の付く形が少ない単語です。
- 語幹: “through”(古英語の「thurh」由来)
- 接尾語や接頭語で変化することはほとんどありません。
他の単語との関連性(派生語など)
- thorough(形容詞: 徹底的な): スペルは非常に似ていますが、「through」とは別単語。
- throughout(前置詞・副詞: ~の至る所に/~の間ずっと): “through” + “out” で「隅々まで」「全体にわたって」の意味。
よく使われるコロケーション(10個)
- go through …(~を経験する・~を詳しく調べる)
- look through …(~にざっと目を通す)
- get through …(~を終える/~を乗り越える)
- through time(時間を通して)
- see through …(~を見抜く・透けて見える)
- come through …(成果を出す/抜けてくる)
- through the tunnel(トンネルを通り抜けて)
- put someone through to …(人を~につなぐ; 電話などで)
- through a friend(友人を通じて)
- make it through …(~を乗り越える、切り抜ける)
3. 語源とニュアンス
「through」は古英語の “thurh” に由来し、「~を通り抜けて」「貫く」というイメージがあります。中世英語を経て現代の形に落ち着きました。上記のように「なにかを突き抜ける・乗り越える」感覚をもつため、「通過」や「媒介」というニュアンスが強いです。
使用時の注意点
- 口語でも書き言葉でもよく使われる一般的な単語です。
- 文章で使う場合はフォーマルにもカジュアルにも対応できますが、ビジネス文書では「via」を使う場合もあります。
- 「through with …」で「(仕事・関係などが)終わった」という表現をするときは、ややカジュアルな響きがあります。
4. 文法的な特徴と構文
前置詞 (preposition):
- “We walked through the park.” (公園を通って歩いた)
- 目的語として名詞が続きます。
- “We walked through the park.” (公園を通って歩いた)
副詞 (adverb):
- “We walked through.” (私たちは通り抜けた)
- 目的語を伴わない形です。
- “We walked through.” (私たちは通り抜けた)
形容詞 (adjective):
- “I am through (with something).” (私は(~を)終えました)
- 「終わった」「終わりにしている」の状態を表します。
- “I am through (with something).” (私は(~を)終えました)
可算・不可算など
前置詞・副詞として使われる場合には可算・不可算の区別はありません。
5. 実例と例文
日常会話(3例)
- “I walked through the mall to get here.”
(ここに来るためにショッピングモールを通り抜けてきたんだ。) - “Are you through with the newspaper? I’d like to read it.”
(新聞、読み終わった? 私も読みたいんだけど。) - “Let’s drive through the countryside this weekend.”
(今週末は田舎道をドライブしようよ。)
ビジネス(3例)
- “We need to go through the contract carefully before signing.”
(署名する前に契約書を注意深く確認する必要があります。) - “I’ll put you through to the HR department.”
(あなたを人事部門につなぎますね。) - “We got through the negotiations successfully.”
(私たちは交渉をうまく乗り越えました。)
学術的な文脈(3例)
- “We analyzed the data through various statistical methods.”
(私たちはさまざまな統計手法を用いてデータを分析しました。) - “The light passes through the transparent medium without scattering.”
(光は散乱せず、この透明な媒体を通り抜けます。) - “Researchers went through all the archival records to verify the findings.”
(研究者たちは調査結果を検証するために全アーカイブ記録を調べました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- via(~経由で)
- 「物理的に場所を通過する」だけでなく、「手段」としての意味合いが強い。
- 「物理的に場所を通過する」だけでなく、「手段」としての意味合いが強い。
- across(横切って)
- “across” は「面を横切る」イメージが強い。
- “across” は「面を横切る」イメージが強い。
- by means of(~を用いて)
- よりフォーマルで抽象的に「手段」を表す。
反意語
- out of(~の外へ/外に)
- 「through」が「内部を通る」感覚に対し、「out of」は「外へ出る」または「離れる」を意味。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /θruː/
- アクセント: 語頭の “th” の発音に注意
- 舌を歯の間に軽く当てて「ス」と「フ」の中間のような音を出す
- 舌を歯の間に軽く当てて「ス」と「フ」の中間のような音を出す
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 発音自体はほぼ同じですが、アメリカ英語のほうが [r] をやや強く発音する傾向があります。
- よくある間違い: “threw(投げた)” /θruː/ や “through” /θruː/、 “thorough” /ˈθʌr.ə/ を混同すること。スペルと発音をしっかり区別しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “through” を “thru” と略すのはカジュアルな表記(特にSNSなど)ですが、正式文章では避けましょう。
- 同音異義語との混同: threw(動詞throwの過去形)や thorough(形容詞)とスペルも意味も異なるので注意。
- 資格試験での出題傾向: TOEICや英検では「前置詞の使い分け」に関する問題でよく問われます。試験で「via」や「across」との違いを問われることもあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 視覚的イメージ: 長いトンネルを抜けるイメージで「through」を思い浮かべると覚えやすい。
- スペルのポイント: “through” → 「th + r + ou + gh」。th→r→ou→gh の4つのパーツに分けて覚える。
- 勉強テクニック: 実際に道を通る・期間を経る・手段として使うイメージを頭に置きながら、それぞれの文脈で例文を作って確認すると記憶に残りやすいです。
以上が前置詞「through」の詳細解説です。ぜひ会話や文章で使いながら覚えてみてください。
《運動や状態の変化を表す動詞とともに》(一方の端から他方へ) …を貫いて,通って
《場所》…の中を,じゅうに
《期間》…じゅうずっと , ...の始めから終りまで
《米》《しばしば from+名とともに》…までずっと
《手段・媒介・原因・源泉》…によって,のために,から
《完了・終了》…を終わって
《貫通・通過》…を貫いて,通って
復習用の問題
《運動や状態の変化を表す動詞とともに》(一方の端から他方へ) …を貫いて,通って / 《場所》…の中を, ...じゅうに / 《期間》…じゅうずっと / 《手段・原因》 ...によって / 《完了・終了》…を終わって / 《貫通・通過》…を貫いて,通って
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