元となった辞書の項目
grave
解説
以下では、形容詞としての「grave」を、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英単語: grave
品詞: 形容詞 (adjective)
基本的な意味(英語): serious, solemn, critical, or needing earnest consideration.
基本的な意味(日本語): 「深刻な」「重大な」「厳粛な」「重々しい」など。
「grave」は「深刻で重大な状況」を示したり、「厳粛な雰囲気」を表したりするときに使われる形容詞です。たとえば、「大きな問題を抱えている」「深刻な誤りを犯した」など、深刻さ・重大さ・切迫感をニュアンスとして含むときに使われます。
CEFRレベルの目安:
- B2(中上級)
日常的な会話においてはよく使われる単語「serious」に近いイメージですが、少しフォーマルで固い印象がありますので、中上級レベル以上の語彙に位置づけられます。
活用形
- 原形: grave
- 比較級: graver
- 最上級: gravest
- 副詞形: gravely (例: He spoke gravely about the issue.)
他の品詞形
- 「gravity」(名詞) : 重力、または「重々しさ・重大さ・真面目さ」を示す
- 「gravitas」(名詞) : (ラテン語由来)「威厳・重厚さ」
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- 「grave」の語幹はラテン語の“gravis”に由来し、「重い」「深刻な」を意味します。
- 接頭語や接尾語は直接ついていませんが、語源を共有する派生語として「gravity」「gravitas」などがあります。
よく使われるコロケーション(共起表現)・関連フレーズ(例とその日本語訳)
- grave concern (深刻な懸念)
- grave situation (重大な状況)
- grave consequences (重大な結果)
- grave error (重大な誤り)
- grave doubt (深刻な疑い)
- grave tone (厳粛な口調)
- grave danger (重大な危機)
- gravely ill (重病の、重い病状の)
- grave expression (深刻そうな表情)
- grave matter (重大事、重要なこと)
3. 語源とニュアンス
「grave」はラテン語の“gravis” (重い) に由来し、古フランス語経由で英語に入ってきました。もともと「重さ」を表していた語根から、「重々しく深刻な」という意味合いに派生してきました。
- ニュアンス・使用時の注意点:
- ややフォーマル寄りで、「深刻な」「重大な」問題・状況・表情などを強調します。
- 口語よりも、書き言葉や堅い場面・公式なスピーチなどで用いられることが多いです。
- ややフォーマル寄りで、「深刻な」「重大な」問題・状況・表情などを強調します。
4. 文法的な特徴と構文
形容詞の用法
- 限定用法 (attributive): 「He made a grave mistake.」(彼は重大な誤りを犯した)
- 叙述用法 (predicative): 「The situation is grave.」(状況は深刻だ)
- 限定用法 (attributive): 「He made a grave mistake.」(彼は重大な誤りを犯した)
カジュアル/フォーマル
- 「grave」は「serious」よりもフォーマルで厳粛な響きがあります。
- 日常会話では「It’s a serious problem.」の方が多用されるかもしれませんが、文書やスピーチでは「grave problem」と言うことで、より厳粛で深刻なトーンを出せます。
- 「grave」は「serious」よりもフォーマルで厳粛な響きがあります。
他動詞/自動詞の区別
- 「grave」は形容詞なので、動詞としての使い分けはありませんが、同じスペルの「grave」(墓)という名詞、動詞の「engrave」(彫り込む)とは異なるため、文脈で判断する必要があります。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I have grave concerns about moving to that neighborhood.”
(あの地域に引っ越すのは深刻な不安があるよ。) - “Don’t joke about it; it’s a grave matter.”
(冗談にしないで。それは重大なことなんだ。) - “Her father’s voice was grave when he spoke about her future.”
(彼女の将来について話すとき、彼女の父親の声は深刻そうだった。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “The board expressed grave concern regarding the sudden drop in sales.”
(取締役会は売り上げの急落に関して重大な懸念を示しました。) - “It’s a grave error to ignore the customer feedback we’ve received.”
(受け取った顧客からのフィードバックを無視するのは重大な誤りです。) - “We must address these grave issues before proceeding with the merger.”
(合併を進める前に、これらの重大な問題に対処しなければなりません。)
(3) 学術的・フォーマルな文脈での例文
- “Failure to replicate these findings could have grave implications for future research.”
(これらの研究結果が再現できないことは、今後の研究に重大な影響を及ぼす可能性があります。) - “The human rights report highlighted grave concerns about the prison conditions.”
(その人権報告書は刑務所の環境について重大な懸念を取り上げた。) - “A grave oversight in the data collection process may invalidate the entire study.”
(データ収集過程での重大な見落としが、研究全体を無効にする恐れがあります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- serious(深刻な・本気の)
- 「grave」より一般的で、口語でも書き言葉でも広く使われる。
- 「grave」より一般的で、口語でも書き言葉でも広く使われる。
- solemn(厳粛な・荘厳な)
- 「grave」の中でも、宗教的儀式や葬儀など、厳かな雰囲気を強調するときに使われやすい。
- 「grave」の中でも、宗教的儀式や葬儀など、厳かな雰囲気を強調するときに使われやすい。
- severe(深刻な・厳しい)
- 状況の厳しさや激しさを強調。
- 状況の厳しさや激しさを強調。
- somber(陰鬱な・重苦しい)
- 「grave」と近いが、より感情面での暗さを強調。
- 「grave」と近いが、より感情面での暗さを強調。
反意語 (Antonyms)
- trivial(ささいな・取るに足らない)
- lighthearted(気軽な・陽気な)
- unimportant(重要でない)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ɡreɪv/
- アクセント: 単音節(grave)なので強勢は常に “gra-ve” の最初の音 “gr-” にかかるイメージです。
- アメリカ英語とイギリス英語で、ほとんど同じ発音です(ɡreɪv)。
- よくある間違い: 名詞の「grave(墓)」と同じスペル・発音ですが、意味は全く異なります。文脈に応じて注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「grav」「grve」というスペルミスが起こり得るので注意。
- 同音異義語との混同: 名詞の「grave(墓)」や「engrave(彫る)」など。「grave」の意味を会話の流れからしっかり判断する必要あり。
- TOEICや英検などの試験対策:
- ビジネスメールや報告の文脈で「grave concerns」や「grave mistake」が出題される可能性があります。
- 堅めの文章で「深刻」を表す単語として、同義語の使い分けの問題などに注意しましょう。
- ビジネスメールや報告の文脈で「grave concerns」や「grave mistake」が出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「grave」は「gravity(重力)」と同じ語源。
“heavy”というイメージを持つと、物事が「重い → 深刻・重大」という連想がしやすくなります。 - 「深刻な(serious)」よりも一段重く、フォーマルな響きと覚えると使い分けに役立ちます。
- 単音節なので口に出しやすく、スペリングも簡単。
「grav-e(重みがeまで続く)」と意識すると覚えやすいかもしれません。
以上が、形容詞「grave」の詳細な解説です。少しフォーマルで重々しいニュアンスを出したい場合に、ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ