元となった辞書の項目
steep
解説
1. 基本情報と概要
単語: steep
品詞: 動詞 (他に形容詞、名詞としての用法もあり)
英語での意味
- “to soak (something) in liquid for a period of time” (液体に浸しておく)
- “to immerse or saturate deeply in something” (何かにすっかり浸す・深く染み込ませる)
日本語での意味
- 「(液体に)浸す、つけ込む」という意味です。たとえば、お茶の茶葉をお湯に浸すときによく使います。
- また比喩的に、「(ある環境や考え方に)深く染み込ませる、どっぷり浸る」というニュアンスでも使われます。
- 例: “steep oneself in tradition” (伝統に深く浸る)
活用形
- 原形: steep
- 三人称単数形: steeps
- 現在分詞・動名詞: steeping
- 過去形・過去分詞: steeped
他の品詞になった時の例
- 形容詞: steep (急勾配の、急な)
- 例: “a steep hill” (急な坂)
- 例: “a steep hill” (急な坂)
- 名詞(古い用法/稀な用法): “steep” は「急斜面」や「浸すこと」を指す場合もありますが、現代ではほぼ形容詞・動詞が中心です。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 日常会話ではそれほど頻出ではありませんが、料理や比喩表現でよく登場する単語です。中級者以上が知っておくと便利な表現です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: なし
- 語幹: “steep”
- 接尾語: なし
もともと“steep”という形そのものが語幹です。語頭や語尾に接頭語・接尾語が付く形ではありません。
詳細な意味・用法
- 液体に浸す
- お茶やハーブなどを浸すことで成分を抽出する場面で用いられます。
- お茶やハーブなどを浸すことで成分を抽出する場面で用いられます。
- 比喩的表現: 浸る・深く染み込ませる
- 文化や知識などにどっぷりと浸かるイメージで、「深く影響を受ける」という意味で使われます。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- steep (something) in water/tea
- (~を水/お茶に浸す)
- (~を水/お茶に浸す)
- steep the tea
- (紅茶を浸す/抽出する)
- (紅茶を浸す/抽出する)
- steep oneself in a culture
- (ある文化にどっぷり浸る)
- (ある文化にどっぷり浸る)
- let (something) steep overnight
- (一晩浸けておく)
- (一晩浸けておく)
- steeped in tradition
- (伝統に深く染み込んでいる)
- (伝統に深く染み込んでいる)
- steep the herbs
- (ハーブを浸す/抽出する)
- (ハーブを浸す/抽出する)
- steep your mind in knowledge
- (知識にどっぷり浸る)
- (知識にどっぷり浸る)
- steep the clothes in soapy water
- (衣類を石けん水に浸す)
- (衣類を石けん水に浸す)
- steep the marinade
- (マリネ液に浸す)
- (マリネ液に浸す)
- steep (oneself) in history
- (歴史に深く浸る)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “stēap” と関連があり、もともと「沈める」「急勾配」という意味合いを持つ単語から派生しています。動詞として「液体に沈める、浸す」ニュアンスを経て、のちに「深く染み込ませる」という意味にも広がりました。
ニュアンス
- 文字通り“何かを液体に浸す”際の動作だけでなく、比喩として「思想・文化・伝統に深く染み込む」「没頭する」といったイメージでも使われます。
- 口語でも文章でも使うことができますが、比較的フォーマルな文脈でも問題なく使えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞 (transitive verb): “steep” は「~を...に浸す」という形で目的語をとるのが一般的。
- 例: “She steeped the tea leaves in hot water.”
- 例: “She steeped the tea leaves in hot water.”
- “steep” は「ある考え・文化にどっぷり浸る」のように比喩的に使う場合も、目的語を伴い “steep oneself/someone in something” という構文で「誰かを何かに浸す」という表現が可能です。
イディオム・一般的な構文
- be steeped in ~
- 「~に浸っている、~に染み込んでいる」
- 例: “The city is steeped in history.”
- 「~に浸っている、~に染み込んでいる」
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I always steep my tea for about five minutes.”
- (私はいつも紅茶をおよそ5分ほど浸します。)
- (私はいつも紅茶をおよそ5分ほど浸します。)
- “If you steep your laundry in cold water first, it might help remove the stain.”
- (洗濯物をまず冷水に浸しておくと、シミが落ちやすいかもしれません。)
- (洗濯物をまず冷水に浸しておくと、シミが落ちやすいかもしれません。)
- “Let the soup base steep for an hour to bring out the flavors.”
- (スープのベースを1時間浸けておいて、味を引き出してください。)
(2) ビジネスでの例文
- “We need to steep ourselves in the new market trends before launching the product.”
- (製品を発売する前に、新しい市場トレンドにどっぷり浸る必要があります。)
- (製品を発売する前に、新しい市場トレンドにどっぷり浸る必要があります。)
- “The advertising team steeped the campaign in customer feedback.”
- (広告チームは顧客のフィードバックを徹底的に取り入れてキャンペーンを作りました。)
- (広告チームは顧客のフィードバックを徹底的に取り入れてキャンペーンを作りました。)
- “Before the negotiation, she steeped herself in the company’s financial reports.”
- (交渉の前に、彼女は会社の財務報告を入念に読み込んで知識を深めました。)
(3) 学術的・フォーマルな文脈での例文
- “The researchers steeped the samples in a chemical solution to isolate the proteins.”
- (研究者たちはタンパク質を分離するために試料を化学溶液に浸しました。)
- (研究者たちはタンパク質を分離するために試料を化学溶液に浸しました。)
- “The professor encouraged students to steep themselves in historical documents.”
- (教授は学生たちに歴史的文書を徹底的に読み込むよう勧めました。)
- (教授は学生たちに歴史的文書を徹底的に読み込むよう勧めました。)
- “These ancient scrolls appear to be steeped in mythological symbolism.”
- (これらの古代の巻物は神話的な象徴に深く染み込んでいるように見えます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- soak (浸す)
- 物を液体に浸す点は共通しますが、“soak” の方がより単純に「水や液体に長時間浸す」イメージ。
- 物を液体に浸す点は共通しますが、“soak” の方がより単純に「水や液体に長時間浸す」イメージ。
- immerse (浸す、没頭させる)
- 意味は似ていますが、“immerse” は「完全に覆う」というニュアンスが強いです。
- 意味は似ていますが、“immerse” は「完全に覆う」というニュアンスが強いです。
- submerge (沈める、水中に入れる)
- こちらは「沈める」「水没させる」というニュアンスが強く、比喩的に使う場合は少なめ。
- こちらは「沈める」「水没させる」というニュアンスが強く、比喩的に使う場合は少なめ。
- marinate (マリネする)
- 調味液に浸す場合にのみ使われる料理用語です。
- 調味液に浸す場合にのみ使われる料理用語です。
- saturate (すっかり満たす、飽和させる)
- 液体だけでなく、情報や感覚的に「飽和状態にする」ニュアンスまで含みます。
反意語 (Antonyms)
- dry (乾かす)
- drain (水気を切る、排出する)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /stiːp/
- アクセント: 1音節の単語なので、全体を強めに発音します (“スティープ”)。
- アメリカ英語・イギリス英語: 大きな違いはありませんが、イギリス英語はやや/iː/の部分が長く伸びる傾向があります。
- よくある間違い:
- “steep” と “step” の混同(つづりと発音の違いに注意: /stiːp/ vs /stɛp/)。
- “steep” と “step” の混同(つづりと発音の違いに注意: /stiːp/ vs /stɛp/)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “steep” は e が2つ続く点に注意。
- 同音異義語との混同: 同音異義語はありませんが、形が似ている “step” と混同しやすい。
- 品詞の混乱: 動詞として「浸す」、形容詞として「急勾配の」の用法を区別する。
- 試験での出題傾向:
- リーディング中に “steeped in tradition” や “steep in knowledge” などの比喩表現が出る可能性あり。
- 英検・TOEIC などでは文脈から意味を推測する問題に出る場合がある。
- リーディング中に “steeped in tradition” や “steep in knowledge” などの比喩表現が出る可能性あり。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「お茶を抽出する」イメージを持つと覚えやすい:tea と同じく “t” と “e” が入っているので、「TEAをSTE(E)Pに浸す」と関連付けると面白いかもしれません。
- 「深く浸かる」というニュアンスは、水の中へ沈んでいくようなイメージを思い浮かべると理解しやすいです。
- 料理やハーブティーを作る時を思い出してみると、“steep” が自然と頭に入るでしょう。
以上が動詞 “steep” の詳細な解説です。ぜひ、お茶を入れたり、何かを浸けたりするときの場面をイメージして覚えてみてください。さらに、周辺知識として「深く浸る」という比喩的な表現にも活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(液体に)…‘を'浸す,つける《+名+in+名》
意味(2)
(悪などに)‘を'染まらせる《+名+in+名》
意味(3)
(液体に)浸っている《+in+名》