【動/自】〈鐘が〉(ゆっくり規則的に繰り返して)鳴る / 【動/他】〈鐘〉を鳴らす / 〈鐘が〉…を知らせる / 【名/C】鐘を鳴らすこと / 鐘の音
toll
1. 基本情報と概要
単語: toll
品詞: 名詞 (noun), 動詞 (verb)
CEFRレベル: B2(中上級)
- B2レベル:日常会話でも聞くが、より抽象的・複雑な文脈で使われる可能性がある単語。
意味(英語・日本語)
(名詞) toll:
- 英語での意味:
a charge payable for permission to use a particular bridge or road,
orthe number of casualties or victims after a disaster
- 日本語での意味: 「通行料金」「犠牲者数・被害数」というニュアンスがあります。道路や橋などの利用に課される料金を指したり、災害の死傷者数を数える際の表現として使われます。「有料道路を使うときのお金」「自然災害の被害者数を表すとき」などに使われます。
- 英語での意味:
(動詞) toll:
- 英語での意味:
to ring slowly and repeatedly (a bell), often to mark a solemn occasion
- 日本語での意味: 「鐘をゆっくり、くり返して鳴らす」という意味があります。特に葬儀や厳かな雰囲気の場面で鐘を鳴らす場合に使われます。
- 英語での意味:
活用形
- 名詞形: tolls (複数形)
- 動詞形: toll - tolled - tolled / tolling
他の品詞形
- 形容詞として直接はあまり使われませんが、派生的に使われることは稀です(例: “tolling bell” などは現在分詞を形容詞のように用いる例)。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
toll
は接頭語や接尾語のついた形は一般的には多くありません。- 語幹: “toll” 自体が短い語幹で、これが直接名詞や動詞として使われます。
具体的な意味の変化
- 通行料・料金(名詞)
- 犠牲者数・被害数(名詞)
- 鐘を鳴らす(動詞)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- pay a toll(通行料を支払う)
- toll road(有料道路)
- death toll(死者数・被害者数)
- toll booth(料金所)
- toll-free number(フリーダイヤル番号)
- toll a bell(鐘を鳴らす)
- toll on health(健康への悪影響)
- take its toll(大きな被害・悪影響をもたらす)
- exorbitant toll(法外な通行料金)
- toll bridge(有料橋)
3. 語源とニュアンス
語源
- “toll” は古英語の “toll” にさかのぼり、「税金」「使用料」を意味する単語でした。
- ドイツ語、オランダ語などゲルマン系の言語にも同源の単語があります。
使用時の微妙なニュアンス
- 「料金がかかる」「負担がかかる」というややネガティブなニュアンスを含むことがあります。特に “take its toll” は「ダメージを与える」という表現で、深刻な影響を与えるイメージがあります。
- 名詞が示す「犠牲者数・被害数」は深刻な文脈で用いられ、ニュースや報道など公式な場面でよく登場します。
- 動詞で「鐘を鳴らす」を意味するときは、厳粛や悲しみを表すシーンが多く、文語や礼拝などフォーマル・宗教的な文脈で使うことがあります。
4. 文法的な特徴と構文
名詞
- 可算名詞 (可算扱い:toll → tolls) だが、文脈によって「被害者数」を一つの集合数値として捉えることもあります。
動詞
- 他動詞としても自動詞としても使われます。
- 他動詞: “They tolled the bell slowly.”(彼らは鐘をゆっくり鳴らした)
- 自動詞: “The bell tolled at midnight.”(鐘が真夜中に鳴った)
- 他動詞: “They tolled the bell slowly.”(彼らは鐘をゆっくり鳴らした)
- 他動詞としても自動詞としても使われます。
頻出構文
- “take a toll on 〜”の形で「〜に被害・悪影響をもたらす」という表現。
5. 実例と例文
日常会話での例文
“We have to pay a toll on this highway.”
(この高速道路では通行料を払わないといけない。)“The constant stress is taking a toll on my health.”
(たえずストレスがあるせいで、健康に悪影響が出てきている。)“Did you hear the bell toll at noon?”
(正午に鐘が鳴ったの、聞こえた?)
ビジネスシーンでの例文
“The company decided to absorb the toll fees for our delivery trucks.”
(会社は、配送トラックの通行料金を負担することに決めました。)“Rising import taxes could take a serious toll on our profits.”
(増税によって、当社の利益に深刻なダメージが及ぶかもしれません。)“We need to report the death toll of the accident to our head office.”
(その事故の犠牲者数を本社に報告する必要があります。)
学術的な文脈での例文
“Researchers are investigating how pandemics can significantly increase the global death toll.”
(研究者たちは、パンデミックがいかに世界的な死者数を大幅に増加させるかを調査している。)“The psychological toll of isolation on individuals should not be underestimated.”
(孤立が個人に与える心理的負担は過小評価すべきではない。)“Studies indicate that frequent exposure to pollution can eventually toll on ecosystems.”
(研究によれば、頻繁に汚染にさらされると生態系に最終的に悪影響をもたらす可能性がある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- fee(料金): 問題やサービスなど特定の対価としての「料金」。一般的に使われる。
- charge(料金): 提供されるサービスや商品にかかる「料金」。
- fare(運賃): バスや電車など、交通機関に対して支払う料金。
- levy(課税・課金): 政府や公的機関によって徴収される税金・課金。
- これらは「料金」という意味で共通点がありますが、toll は主に「道路や橋などの利用に対する料金」を表す点が特徴的です。また、「死者数」の意味を持つのは toll だけです。
反意語(厳密には対義語ではないが、対照的な概念)
- free(無料の): 通行料が必要ない有料道路の反対。
- benefit(恩恵): “take its toll” が「悪影響を及ぼす」に対し、「恩恵を与える」という正反対のニュアンス。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(米国英語): /toʊl/
- IPA(英国英語): /təʊl/
強勢(アクセント)の位置
- 1音節語なので、特に複雑なアクセント移動はありません。
- “tol(TOʊL)” という部分をはっきりと発音します。
よくある発音の間違い
- /u:/ と混同して “tool” として発音するケースがありますが、短く全体をまとめて /oʊ/ にするように気をつけましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “toll” を “tall” や “tool” と書き間違えるケースに注意。
- 意味の混同: “toll” の名詞としての意味(通行料・犠牲者数)と動詞としての意味(鐘を鳴らす)を区別して覚えること。
- TOEIC・英検などでの出題傾向: ニュース記事やビジネス文書で “death toll” や “take its toll on (something)” と出るケースあり。文章全体の内容把握の問題として出題されることが多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ1: “bell tolls” というフレーズを思い浮かべて、「鐘がゆっくり鳴って深刻さを伝える→被害を数えるような響き→犠牲者数」という繋がりで覚えるとよい。
- イメージ2: “toll booth” や “toll road” を想像して、有料道路にある料金所を思い浮かべると「通行料」の意味をすんなり理解できる。
- 覚え方としては、「『通行料』を払うときにベルが“トル(toll)”と鳴る」というゴロ合わせでも可。
以上が “toll” の詳細解説です。鐘の音のイメージと「料金・被害」というイメージの両方をしっかり結びつけて覚えておくと、ニュースや会話で見聞きしたときにスムーズに理解できるでしょう。
〈鐘が〉(ゆっくり規則的に繰り返して)鳴る
(ゆっくり規則的に繰り返して)〈鐘〉‘を'鳴らす
〈鐘が〉…‘を'知らせる
鐘を鳴らすこと
鐘の音