〈人・地位・場所など〉を見捨てる,を放棄する / 〈軍務・持ち場など〉から逃げる / (勇気・自信・希望などが)〈人〉から抜け去る / 〈軍人などが〉《…から》脱走する《from ...》/ 《…に》投降する《to ...》
desert
〈人・地位・場所など〉を見捨てる,を放棄する / 〈軍務・持ち場など〉から逃げる / (勇気・自信・希望などが)〈人〉から抜け去る / 〈軍人などが〉《…から》脱走する《from ...》/ 《…に》投降する《to ...》
1. 基本情報と概要
単語: desert(動詞)
意味(英語): to abandon someone or something, usually leaving them completely and suddenly.
意味(日本語): (人や場所などを)見捨てる、(組織や仲間を)脱退・脱走する、突如として離れてしまう。
「desert」は「見捨てる」「捨て去る」というニュアンスを持つ単語で、相手や場所などを置き去りにする、あるいは義務や責任を放棄して逃げるような場面で使われる語です。
品詞: 動詞(他動詞)
- 「He deserted his family.(彼は家族を見捨てた)」のように、目的語(family)を伴って使われることが多いです。
活用形:
- 原形:desert
- 三人称単数現在:deserts
- 現在分詞:deserting
- 過去形:deserted
- 過去分詞:deserted
他の品詞形:
- 「deserter」(名詞): 脱走兵、逃亡者
- 「desertion」(名詞): 見捨てること、脱走
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2:「より幅広いテーマの長めの文章を理解し、自分の意見を整理して説明できるレベル」です。
- 「desert」という動詞は日常会話ではそこまで頻繁には出てこないかもしれませんが、映画や小説、時事ニュースでも見聞きすることがあるため、中上級レベルの学習者にとって有意義な単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: なし
- 語幹: “desert” (「見捨てる」や「何もない荒地」といった意味を連想しやすい)
- 接尾語: なし
※「dessert(デザート:食後の甘い菓子)」とスペリングが類似しているため、混同しないように注意が必要です。
詳細な意味
- 見捨てる/放棄する: 責任や仲間を放り出す・途中で投げ出す。
- (軍隊などから)脱走する: 軍務や務めから逃げる。
関連語・派生語
- deserter(名詞): 脱走兵、逃亡者
- desertion(名詞): 放棄、脱走、見捨てられること
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- desert one’s post(任務を放棄する)
- desert one’s family(家族を見捨てる)
- desert one’s obligations(義務を放棄する)
- desert a friend(友人を見捨てる)
- desert the battlefield(戦場から逃げる)
- desert in the face of danger(危険を前に逃げる)
- desert a sinking ship(沈む船から逃げる)
- desert one’s country(国を捨てる、または脱走する)
- feel deserted(見捨てられたと感じる)
- desert for personal safety(自分の身を守るために脱走する)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語の “dēserere”(= to abandon, leave off)に由来します。「離れる」「手放す」という意味がもともとありました。
歴史的な使われ方:
- 古くは軍隊で仲間の兵士を「見捨てる」行為を指す用語として定着。のちに一般的な場面でも「捨て去る」「離れる」の意味へと広がっていきました。
ニュアンス・使用時の注意点:
- 「義務や責任があるにもかかわらず、無責任に離れる」という否定的な響きがあります。
- カジュアルな会話や口語でも使えますが、シリアスなシチュエーションで用いることが多い印象です。
- 「軍隊での脱走」や「家族を捨てる」といった重い内容の場合もあります。軽々しく使うと誤解を招くおそれがあるので、文脈をしっかり考慮しましょう。
4. 文法的な特徴と構文
基本の文型: S + desert + O
- 例: He deserted his post.(彼は持ち場を放棄した)
- 例: He deserted his post.(彼は持ち場を放棄した)
可算・不可算: 動詞なので可算・不可算の区別はありません。
他動詞・自動詞: 主に他動詞として使われ、後ろに捨てる対象が来ます。まれに「His courage deserted him.(彼の勇気が消え失せた)」のように、自動詞的に「去ってしまう」ニュアンスで用いられることもあります。
イディオム例:
- “desert one’s station” = 持ち場(駅や部署)を離れる/見捨てる
- “courage deserts someone” = 勇気が失われる
- “desert one’s station” = 持ち場(駅や部署)を離れる/見捨てる
フォーマル/カジュアル:
- 広く使われるが、特に人を見捨てるという強い言い回しになる場合は、ややフォーマル寄りまたはシリアスな状況で使われることが多いです。カジュアルシーンでも使いますが、ニュアンスに重みがあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I can’t believe he deserted us when we needed him the most.”
(一番助けが必要なときに、彼が私たちを見捨てるなんて信じられない。) - “Don’t desert your friends just because it’s inconvenient.”
(都合が悪いからといって、友達を見捨てちゃだめだよ。) - “Her confidence suddenly deserted her during the interview.”
(面接の最中に、彼女の自信は突然消えてしまったんだ。)
ビジネスシーンでの例文
- “He decided to desert the project halfway, leaving the team in trouble.”
(彼はプロジェクトを途中で放棄し、チームを困らせた。) - “A good leader never deserts their responsibilities.”
(優れたリーダーは決して責任を放り出さない。) - “When times get tough, we must not desert our clients.”
(状況が厳しくなっても、私たちは顧客を見捨ててはいけない。)
学術・フォーマルな文脈での例文
- “Numerous soldiers were court-martialed for deserting the army.”
(多数の兵士が軍隊を脱走した罪で軍法会議にかけられた。) - “Those who desert their posts in a crisis will face severe consequences.”
(危機の際に持ち場を放棄する者は厳しい処罰を受けることになる。) - “The research highlights the psychological factors that lead individuals to desert their commitments.”
(その研究は、個人が自らの責任・約束を放棄するに至る心理的要因を明らかにしている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- abandon(見捨てる)
- 意味・ニュアンスはよく似ていますが、「abandon」の方が「完全に放棄する」ニュアンスが強く、場面もやや広い(もの・計画・人など何でも放置する)。
- 意味・ニュアンスはよく似ていますが、「abandon」の方が「完全に放棄する」ニュアンスが強く、場面もやや広い(もの・計画・人など何でも放置する)。
- leave(去る、置き去りにする)
- 一般的ですが「desert」ほど「見捨てる」ニュアンスは強くありません。また単純に「出発する、去る」という意味も含みます。
- 一般的ですが「desert」ほど「見捨てる」ニュアンスは強くありません。また単純に「出発する、去る」という意味も含みます。
- forsake(見捨てる)
- やや文語的、宗教的・文学的に用いられることが多いです。
- やや文語的、宗教的・文学的に用いられることが多いです。
- quit(やめる)
- よりカジュアルで、仕事や習慣をやめる意味で使うのが主流。「desert」ほどの「見捨てる」や「責任を捨てる」感じは強くありません。
- よりカジュアルで、仕事や習慣をやめる意味で使うのが主流。「desert」ほどの「見捨てる」や「責任を捨てる」感じは強くありません。
反意語
- remain(とどまる)
- stay(居続ける)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA): /dɪˈzɜːrt/ (米: /dɪˈzɝːt/, 英: /dɪˈzɜːt/)
- 動詞の「desert」は第2音節にアクセントがあります。「də-ZURT(ダ・ズァート)」のように発音します。
- 同じスペルで名詞の「desert(荒野)」の場合は /ˈdez.ərt/ と発音し、最初の音節にアクセントがきます。
- スペルが似ている「dessert(デザート)」は /dɪˈzɝːt/ で、動詞の「desert」とほぼ同じ音ですが、意味が全く違うので注意が必要です。
アクセントの位置:
- 動詞: di-ZERT(後ろ)
- 名詞(荒野): DEZ-ert(前)
よくある発音間違い:
- 動詞のつもりが、名詞の「荒野」のアクセントで発音してしまうこと。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: dessert(デザート)とdesert(動詞/荒野)を間違える。
- 発音: 動詞として使うか名詞として使うかでアクセント位置が違う。
- 意味の混同: 「放棄する」意味を知らずに、名詞の「砂漠」だけの意味と思ってしまう。
- TOEICや英検での出題傾向: 語彙問題・文法問題で「この文脈では正しい意味の単語はどれか」といった形で登場しやすいです。「選択肢にdessertがある」などのひっかけが多いので注意してください。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「砂漠(desert)」には何もない=誰もいない → 見捨てるイメージ: 「desert(動詞)」は人を置き去りにする、捨てて何もなくなるというイメージと関連付けると覚えやすいです。
- アクセントで意味が変わる: “DEZ-ert”は「砂漠」、“di-ZERT”は「見捨てる」。声に出して何度も発音練習すると覚えやすくなります。
- スペル「dessert(デザート)の方が
s
が2つで “甘いものは2倍おいしい” → “dessert” と覚える。残りは “desert” → “見捨てる” と区別するとよいでしょう。
以上が、動詞「desert」の詳細な解説になります。義務を捨てる、仲間や責任を放棄するといった重い意味合いを持つので、文脈を考えて使い方をマスターしてください。
(勇気・自信・希望などが)〈人〉‘から'抜け去る,なくなる
〈軍人などが〉(…から)脱走する《+from+名(do*ing)》;(…に)投降する《+to+名(doing*)》
〈人・地位・場所など〉‘を'見捨てる,放棄する
(軍人・船員が)〈軍務・持ち場など〉‘から'逃げる,脱走する