《...に》(距離・時間・関係が)近い,接近している《to ...》 / 《名詞の前にのみ用いて》親密な,親しい / ぎっしり詰まった,密集した / きめの細かい / 綿密な,厳重な(strict) / 息がつまる,重苦しい(stuffy) / 厳重に隠された,秘密の / ほとんど同等の,匹敵する / 《補語にのみ用いて》(金銭が)乏しい;《…に》けちな(stingy)《with ...》 / (音声が)閉鎖音の
close
1. 基本情報と概要
単語: close
品詞: 形容詞 (他に動詞や副詞、名詞としても使われる場合がありますが、ここでは形容詞としての意味を中心に解説します)
意味 (英語): near in space or time; very tight or compact; intimate or affectionate
意味 (日本語): 近い、密接した、親密な、ギュッとしたイメージを表す言葉です。物理的に距離が近いときや、関係が親しい(心理的に近い)ときに使われる形容詞です。「すぐそばにある」「注意深い」など、文脈によって具体的なニュアンスが変わります。
「close」は身近な場面からビジネスや日常会話まで頻繁に使われる表現で、「近さ」「親密さ」「細かな注意」などを強調したいときに用いられます。
活用形: 形容詞の「close」自体は比較級・最上級を取ることができます。
- 比較級: closer (より近い、より親密な)
- 最上級: closest (最も近い、最も親密な)
他の品詞の例:
- 動詞 “to close” (閉じる)
- 副詞 “closely” (注意深く、密接に)
- 名詞 “closeness” (近さ、親密さ)
CEFRレベル: B1 (中級)
・基本的な単語ですが、多義的で使い分けが大切になるため、中級レベルとして考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「close」は接頭語や接尾語がついてできた複雑な構成ではありません。同語源として “clos-” (ラテン語系で「閉じる」を意味する語源) がもととなっています。
派生語や類縁語
- close (v.) : 閉じる
- closely (adv.) : 密接に、注意深く
- closeness (n.) : (物理的・心理的な) 近さ
- closure (n.) : 閉鎖、終結
コロケーション(10個)
- close friend → 親友
- close relationship → 親密な関係
- close call → 危機一髪、ギリギリのところ
- close proximity → (物理的に)非常に近い距離
- close inspection → 詳細な調査
- close attention → 注意深さ
- close match → 僅差の試合
- close-knit community → 結束の固いコミュニティ
- close tie → 密接なつながり
- close bond → 強い絆
3. 語源とニュアンス
語源
- 「close」はラテン語の “claudere”(閉じる)に由来し、「何かをしっかりまとめる」「距離を詰める」というイメージを持っています。中世フランス語を経て英語に入った言葉です。
ニュアンス・使用時の注意
- 距離的な「近さ」を表すだけでなく、人間関係・感情の「親密さ」を示すときにも使われます。
- 「厳密な」「徹底した」というようなニュアンスで、「close study(綿密な研究)」のように使うこともあります。
- 口語・日常会話でも頻繁に使われ、ビジネスやフォーマルな文脈でも問題なく利用できます。使い方は比較的幅広いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞としての用法: 「Something is close to something (else).」の形で使うときが多いです。
例: The restaurant is close to the station. (そのレストランは駅に近い) - 可算・不可算: 形容詞なので、可算・不可算の概念は直接関係ありません。(同形の名詞 “a close” は別の意味で、主にイギリス英語で“私道”や“袋小路”を指す場合もありますが、一般的ではないので注意)
- フォーマル/カジュアル: 「near」とほぼ同義の場面もありますが、会話では「close」を使う方が感覚的な「近さ」や「親密さ」を表現しやすいです。フォーマル・カジュアルどちらでも違和感なく使えます。
よく使われる構文・イディオム
- be close to 〜 → 〜に近い
- come close to 〜 → 〜に近づく、あと少しで〜する
- keep a close eye/watch on 〜 → 〜を細心の注意を払って見る、監視する
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
“I need to keep my phone close in case my mom calls.”
(お母さんから電話があるかもしれないから、手元に携帯を置いておきたい。)“We’re very close. We’ve been friends since elementary school.”
(私たちはとても仲が良いんだ。小学校からの友だちなんだ。)“The store is close to my house, so I can walk there.”
(そのお店は家から近いから歩いて行けるよ。)
ビジネスでの例文 (3つ)
“Our offices are close, so collaborating on projects is easy.”
(オフィスが近いため、プロジェクトでの協力がしやすいです。)“We’ve maintained a close relationship with our key clients.”
(主要顧客とは親密な関係を維持しています。)“Please keep a close watch on the market trends this quarter.”
(今四半期は市場動向を注意深く見守ってください。)
学術的な文脈での例文 (3つ)
“A close analysis of the data reveals a significant trend.”
(データを綿密に分析すると、有意なトレンドが見えてきます。)“Close examination of the fossil leads to new insights.”
(その化石を精密に調査すると、新しい見解が得られます。)“Many disciplines require close reading of classical texts.”
(多くの学問分野では古典文献を精読することが求められます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- near (近い)
- 意味は似ていますが、「close」の方が物理的・心理的距離どちらにも柔軟に使いやすい印象があります。「near」はやや客観的です。
- 意味は似ていますが、「close」の方が物理的・心理的距離どちらにも柔軟に使いやすい印象があります。「near」はやや客観的です。
- tight (ぎっしりした、きつい)
- 主に「物理的な隙間のなさ」を強調しますが、「close」は心理的な親密さも表現できます。
- 主に「物理的な隙間のなさ」を強調しますが、「close」は心理的な親密さも表現できます。
- intimate (親密な)
- 人間関係に特化した「親密さ」を強調します。「close」はそれより幅広い文脈で使えます。
- 人間関係に特化した「親密さ」を強調します。「close」はそれより幅広い文脈で使えます。
反意語
- distant (遠い)
- far (遠い)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /kloʊs/ (アメリカ英語), /kləʊs/ (イギリス英語)
- アクセント: 単音節語なので目立つアクセントはありませんが、“o”の部分にやや焦点を置くイメージです。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: アメリカ英語の「o」の発音はやや「オウ (kloʊs)」、イギリス英語は「オウ」より「オー (kləʊs)」に近い感覚です。
- よくある間違い:
- 動詞の /kloʊz/ (「閉じる」三人称単数など) と混同しないように。動詞 “he closes the door” の “closes” は /ˈkloʊzɪz/ に近い音です。
- また動詞の原形 “to close” (/kloʊz/) と形容詞 “close” (/kloʊs/) は後半の音が異なります。
- 動詞の /kloʊz/ (「閉じる」三人称単数など) と混同しないように。動詞 “he closes the door” の “closes” は /ˈkloʊzɪz/ に近い音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “cloes” や “cols” のように書き間違える場合などがあります。
- 同音異義語との混同: 形容詞・副詞の “close (/s/)” と、動詞の最後が /z/ になる発音の違いに注意が必要です。
- 試験対策: TOEICや英検などでも、前置詞とセットで “close to 〜” が出題されたり、「どちらがより近いか」という比較級問題が出たりします。「close friend はどんな意味か」という語彙問題でもよく問われます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ラテン語由来の ‘claudere’ = 閉じる」という発想から、「ぎゅっと閉じている → 距離が狭い→ 近い」というイメージを持つと覚えやすいでしょう。
- “close” は「クローズドア」のように「閉じる」という動詞がすぐに思い浮かぶので、「近さ」と「閉じる」のイメージを関連づけるとスペル・意味を結びつけやすいです。
- 自分の生活の中で「親しい友人」「近くの店」などに “close” を使ってイメージする練習をすると、覚えが早くなります。
以上が、形容詞「close」の詳細解説です。物理的な距離から精神的な距離まで幅広く「近さ」を表現する便利な言葉なので、日常会話やビジネスシーンなどさまざまな場面で役立ててみてください。
《名詞の前にのみ用いて》親密な,親しい
綿密な,厳重な(strict) ・息がつまる,重苦しい(stuffy)
ぎっしり詰まった,密集した;目のつんだ,きめの細かい
厳重に隠された,秘密の
ほとんど同等の,匹敵する
《補語にのみ用いて》(金銭が)乏しい;(…に)けちな(stingy)《+with+名》
(音声が)閉鎖音の(舌を口蓋(こうがい)に近づけて発音する)
きっちりと;ぎっしりと
《...に》(距離・時間・関係が)近い,接近している《to ...》
(…に)近接して,(…の)すぐそば(近く)に;(…に)ぴったりくっついて《+to(behind, by)+名》