元となった辞書の項目
audit
解説
以下では、名詞 “audit” について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語)
- “audit” : An official examination or inspection of an organization’s or individual’s accounts, records, procedures, or processes.
意味(日本語)
- 「監査、会計検査」:企業や組織の会計処理や業務プロセスを正式に調査し、正確性や適切性を確認することを指します。
企業や組織のお金の流れや手続きが正しく行われているかをチェックするときに使われる単語です。
品詞・活用形
- 品詞: 名詞 (countable noun)
- 単数形: audit
- 複数形: audits
他の品詞形
- 動詞形: “to audit”
- 例) audit(s), auditing, audited
CEFRレベル
- 目安: B2(中上級)
企業の会計や組織管理に関連する文脈で頻出するため、一般会話で出てくる単語に比べるとやや専門的です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「audit」は目立った接頭語や接尾語をもたない語形です。
- 語源はラテン語で「聴く」を意味する “audire” に由来します。(詳細は後述の語源を参照)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10例)
- annual audit(年次監査)
- financial audit(財務監査)
- internal audit(内部監査)
- external audit(外部監査)
- compliance audit(コンプライアンス監査)
- audit committee(監査委員会)
- tax audit(税務監査)
- audit report(監査報告書)
- statutory audit(法定監査)
- quality audit(品質監査)
3. 語源とニュアンス
語源
- “audit” は、ラテン語の “audire”(聴く)から派生した語です。もともとは「(会計を)読み上げたものを聞いて検証する」という意味合いが含まれています。
微妙なニュアンス
- 現在ではビジネス文脈で「会計監査」を指すことが多く、公式性や厳格なチェックのニュアンスがあります。
- また、手続きや結果に不備がないかを確認する際の「監査」という公式用語として使われます。
- 一般的にフォーマルな場面(ビジネス、オフィシャルな文書、学術分野)で使用され、カジュアルな日常会話ではあまり使われません。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞としては可算名詞なので、単数“an audit” / 複数“audits”で使われます。
- 口語よりもフォーマルな文章や会計・ビジネス文書での使用が多いです。
- 動詞 “to audit” は「監査する」「調査する」という意味で、主に他動詞 (例: “We will audit the accounts.”) として機能します。
一般的な構文やイディオム
- “conduct an audit” : 監査を行う
- “schedule an audit” : 監査を予定する
- “pass an audit” : 監査に通る
- “audit the financial statements” : 財務諸表を監査する
5. 実例と例文
ここでは使用シーンを3つの分野(日常会話・ビジネス・学術)ごとに3例ずつ示します。
A. 日常会話
- “I heard they're doing an audit at my cousin’s company.”
(いとこの会社で監査があるらしいよ。) - “My friend was worried about a tax audit this year.”
(友だちは今年の税務調査を心配していたよ。) - “He’s studying accounting because he wants to be part of an audit team.”
(彼は監査チームに入りたいから会計学を勉強しているんだ。)
B. ビジネス
- “We have an external audit scheduled for next month.”
(来月、外部監査が予定されています。) - “The audit findings indicated some discrepancies in our records.”
(監査の結果、記録にいくつか不一致があることがわかりました。) - “We need to provide all the documents for the annual audit.”
(年次監査のために必要な書類をすべて用意しなくてはなりません。)
C. 学術・専門
- “A comprehensive audit of the organization’s operations can reveal inefficiencies.”
(組織の業務を包括的に監査することで、非効率性が明らかになることがあります。) - “Audit processes are essential in maintaining stakeholders’ trust.”
(監査のプロセスは、利害関係者の信頼を維持するうえで不可欠です。) - “Researchers conducted an environmental audit on the factory’s emissions.”
(研究者たちは工場の排出物について環境監査を実施しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(synonyms)
- examination(検査)
- 一般的に詳細な調査を指す。会計に限らず広い文脈で使われる。
- 一般的に詳細な調査を指す。会計に限らず広い文脈で使われる。
- inspection(点検 / 検査)
- 目で見たり手で触れたりして確かめるニュアンスが強い。
- 目で見たり手で触れたりして確かめるニュアンスが強い。
- review(見直し / 再検討)
- 計画や既存のプロセスなどをもう一度確認するニュアンスがある。
- 計画や既存のプロセスなどをもう一度確認するニュアンスがある。
- scrutiny(精査)
- 非常に注意深く厳密に調べるイメージ。
これらは「詳細に調べる」という意味で共通点がありますが、“audit” は特に「公式な監査」の印象が強く、ビジネス会計や書類上のチェックと密接に結びついています。
反意語(antonyms)
- “neglect”(無視 / 放置)
監査をする=細かく調べることに対し、反対にまったく調べない・放置することを表します。 - “ignore”(無視する)
同様に、監査の「チェックする、気を配る」という行為をしないことを意味します。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA表記(イギリス英語): /ˈɔː.dɪt/
- “aw”のような音で始まり、dɪtと続きます。
- “aw”のような音で始まり、dɪtと続きます。
- IPA表記(アメリカ英語): /ˈɑː.dɪt/
- もう少し「アー」のように聞こえる発音で始まります。
- もう少し「アー」のように聞こえる発音で始まります。
- アクセント(強勢)は最初の “au” の部分に置かれます。
- よくある間違いとして、最初の母音を /æ/ (cat の音) で発音するミスがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “audit” は “au” で始まる点がポイントです。 “addit” や “edit” と混同しないように注意しましょう。
- “audit” は “au” で始まる点がポイントです。 “addit” や “edit” と混同しないように注意しましょう。
- 発音の混同
- 最初の母音をイギリス英語なら「オー」、アメリカ英語なら「アー」に近い音で。
- 最初の母音をイギリス英語なら「オー」、アメリカ英語なら「アー」に近い音で。
- 他動詞として使うときの目的語
- “We audit the accounts.” のように目的語が必要です。
- “We audit the accounts.” のように目的語が必要です。
- 試験対策
- TOEICやビジネス英語系の試験で頻出します。文書内で「監査報告書」「監査調査」などを問う問題に注意してください。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源である「聴く(audire)」から、「会計を読み上げ、耳で聞いて不備がないかを確認する」というイメージを持つと覚えやすいです。
- “audio” のように “aud-” は「耳で聞く」に関係することが多いので、“audit” も「じっくり耳を傾けて細かくチェックする」というストーリーでイメージすると頭に残りやすいでしょう。
以上が、名詞 “audit” の詳細な解説です。ビジネスや学術的な場面で頻出する単語なので、例文やコロケーションとともに覚えておくと役立ちます。
意味のイメージ
意味(1)
会計検査(監査)
意味(2)
決算報告[書]