元となった辞書の項目
cheek
解説
以下では、名詞「cheek」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: cheek
品詞: 名詞 (countable noun: 可算名詞)
英語での意味
- The side of the face below the eye – 顔のほおの部分
- (Informal) Disrespectful or rude behavior – 失礼または生意気な態度
日本語での意味
- 顔の「ほお」のことです。眼の下から唇の両脇にかけての部分を指します。ときどき「おしりの片側」を指す俗っぽい表現として使われることもありますが、基本的に「ほお」を意味します。
「ほおをつねる」「ほおにキスをする」「赤らんだほお」のようなシチュエーションで使われ、日常的な場面で頻繁に出てきます。 - 「生意気な態度」「失礼な発言」といった意味合いでも使われます。たとえば「He had the cheek to say that!(あんなことを言うなんて彼は図々しい!)」のように、相手の厚かましさを表すニュアンスです。
英語学習者にとっては、主に「ほお」としての意味で最初に覚え、次いで「失礼な態度」という比喩的用法も押さえておくとよいでしょう。
- 難易度 (CEFR): B1(中級レベル)
B1レベルは「自分の周りの身近な話題や身近な環境で起きる事柄を理解し、簡単な意見を言えるレベル」です。
「cheek」は会話の中でもよく使われる単語なので、日常表現の習得に役立ちます。
活用形と関連品詞
- 名詞形: cheek (可算名詞。単数 “a cheek” / 複数 “cheeks”)
- 関連する形容詞: cheeky (生意気な、厚かましい)
- 動詞化は一般的ではないのですが、「to cheek someone」という口語的表現がごく稀に使われる場合があり、「相手に生意気な口をきく」という意味合いです。あまり一般的ではないので、ほぼ使いません。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- cheek は単一の語源から成る短い語で、明示的な接頭語・接尾語はありません。
派生語・類縁語
- cheeky (形容詞): 生意気な、図々しい
- cheekily (副詞): 生意気に
- cheekiness (名詞): 生意気さ
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- pinch one’s cheek (人のほおをつねる)
- rosy cheeks (顔が赤らんだほお)
- cheek to cheek (ほおとほおがくっついた状態)
- a kiss on the cheek (ほおへのキス)
- turn the other cheek (仕返しせずに耐える)
- hollow cheeks (こけたほお)
- full cheeks (ふっくらとしたほお)
- slap someone across the cheek (誰かのほおを叩く)
- cheek by jowl (とても密集して、一緒に)
- blow out one’s cheeks (ほおを膨らませる)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “ċēce (cece)” に遡り、ゲルマン祖語から派生したと考えられています。古くから「顔の側面」を指す意味で使われてきました。
微妙なニュアンス・使用上の注意
- 「ほお」の意味: 日常的・カジュアルな会話で広く使われます。
- 「失礼な態度」の意味: やや口語的かつ強いニュアンスです。「What a cheek!(図々しい!)」など、驚き・不快感を表します。
- フォーマルな文章よりも、口語や日常会話、中程度のカジュアルな文脈でよく使われる単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun): “a cheek” / “two cheeks” / “the cheeks” のように扱われます。
- 意味によっては慣用的に複数形を使うことが多いです(例: “rosy cheeks” = 赤いほお)。
- 「失礼な態度」という抽象的意味では可算名詞として “He had the cheek to…” のように文で使われます。
よく使われる構文やイディオム
- turn the other cheek
「相手の攻撃や失礼を受け流し、やり返さない・仕返しをしない」 - What a cheek! / You’ve got a cheek!
「厚かましいね!」「図々しい!」
カジュアルな文章・会話でよく使われ、フォーマルな書面ではあまり用いられません。
5. 実例と例文
(1) 日常会話の例文
- “Your cheeks are so red! Are you okay?”
「ほおが真っ赤だよ! 大丈夫?」 - “I love pinching my baby’s chubby cheeks. They’re so cute!”
「赤ちゃんのふっくらしたほおをつねるのが大好き。すごくかわいいの!」 - “Don’t pinch his cheek unless you know him well. It might be considered rude.”
「よく知らない人のほおをつねるのは失礼になるかもしれないよ。」
(2) ビジネスシーンの例文
- “He had the cheek to ask for a day off right before the big presentation.”
「あの大事なプレゼンの直前に休みをくれなんて、彼は図々しいにもほどがあるよ。」 - “I appreciate respectful dialogue. Cheeky remarks have no place in this meeting.”
「敬意のある対話を望みます。生意気な発言はこの会議にはふさわしくありません。」 - “Let’s avoid any cheek when dealing with clients.”
「顧客対応のときには失礼な態度は厳禁です。」
(3) 学術的な文脈の例文
- “In anatomy class, we studied the facial muscles that shape the cheeks.”
「解剖学の授業で、ほおの形をつくる顔の筋肉を学びました。」 - “The anthropological study showed variations in cheek structure among different populations.”
「人類学の研究は、不同の集団間でほおの構造に違いがあることを示しました。」 - “His paper on nonverbal cues analyzed how blushing affects the cheeks in social interactions.”
「彼のノンバーバルサインに関する論文は、社会的やり取りの場で赤面がどのようにほおに影響するかを分析しました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語(「ほお」の意味)
- face(顔)
全体を指すのに対して、「cheek」は顔の側部を明確に指す。 - jowl(あごの周り、特に下の部分)
ほおよりも下の方の肉を指すことが多い。
類義語(「失礼な態度」の意味)
- impudence(厚かましさ)
ややフォーマルな表現で、品詞は名詞。 - rudeness(失礼)
より一般的・広義な「失礼」。 - sass(生意気な言葉)
口語的でやや軽い響き。子どもが親に対して使うようなニュアンスが強い。
反意語
- politeness(礼儀正しさ)
- courtesy(丁重さ)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /tʃiːk/
- 強勢(アクセント)は “chiik” の “cheek” のみで1音節です。
- アメリカ英語とイギリス英語 ともに音の違いはほとんどありません。
- よくある間違いは “check /tʃek/” と混同すること。スペルが似ているため注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “check” と綴りを混同しがちです。“ee” で「長い /iː/ の音」を出すことを意識しましょう。
- 同音異義語との混同: “cheek” と “chic”(おしゃれな)、響きは似ていますが発音とスペルが異なります。
- TOEICや英検など試験対策: 日常英単語として出題の可能性があり、口語表現として「生意気」という比喩的な意味を問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “cheek” は “see(k)” と同じように「ee」が重なる点に注意するとスペルミスを防ぎやすいです。
- 顔の「ほお」に意識して手を当て「cheek!」と言ってみるとイメージと紐づけやすく記憶できます。
- 「生意気な態度」として使うときは「チーク(ほお)から言葉が出る→相手にほおを向けて挑発する」イメージなど、映像で覚えると思い出しやすいでしょう。
以上が名詞「cheek」の詳しい解説です。ほおという身体的な意味と生意気な態度を表すニュアンスの両方があるので、文脈から判断して使い分けてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉ほお
意味(2)
〈U〉《話》生意気な言葉;生意気,厚かましさ
意味(3)
〈C〉《俗》尻(しり)