元となった辞書の項目
thread
解説
1. 基本情報と概要
単語: thread
品詞: 名詞 (動詞としても使われる)
意味 (英語)
- thread (noun): a long, thin strand of cotton, nylon, or other fibers used for sewing or weaving.
- thread (noun): a continuous series of messages or posts on an online forum or email chain.
意味 (日本語)
- 「縫い物などに使う糸」のことです。また、インターネット上の掲示板やメールでの「やり取りが続く一連の投稿やメッセージの流れ」を指すこともあります。
- 「物理的な糸」を表すときは、実際の縫い糸や繊維を意味します。「スレッド」とカタカナで呼ぶ場合は、オンラインの掲示板などでの会話の流れを指す場合が多いです。
- 日常生活では「糸を通す」、「スレッドを読む」といったように使われます。柔らかいニュアンスからビジネスメールまで幅広いシチュエーションで登場します。
活用形
- 単数形: thread
- 複数形: threads
- 動詞形: thread (threaded, threading) — 「糸を通す」「(道筋などを)通り抜ける」といった意味
他の品詞形
- thread (動詞): to pass a thread through the eye of a needle, to move carefully or skillfully in and out of obstacles
- 例: She threaded the needle. (彼女は針に糸を通した)
- 例: He threaded his way through the crowd. (彼は群衆の中を巧みに抜けていった)
- 例: She threaded the needle. (彼女は針に糸を通した)
CEFRレベルの目安: B1 (中級)
- 「thread」という単語自体は初級〜中級でも出会う機会がありますが、オンラインでの文脈や比喩的な意味で使われることも多く、総合的にB1レベルに相当すると考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: thread
- 特に明確な接頭語や接尾語はないが、動詞形で -ed を伴い「threaded」、-ing を伴い「threading」となる。
- 特に明確な接頭語や接尾語はないが、動詞形で -ed を伴い「threaded」、-ing を伴い「threading」となる。
- 派生語・類縁語:
- threadbare (形容詞): 擦り切れた
- unthread (動詞): 糸を抜く、ほどく(あまり使われない形)
- threadbare (形容詞): 擦り切れた
よく使われるコロケーション (共起表現) 10選
- sew with thread → 糸を使って縫う
- thread a needle → 針に糸を通す
- lose the thread → 要点を見失う・話の筋を見失う
- pick up the thread → 中断していた話や作業を再開する
- a thread of hope → わずかな望み
- follow the thread → 論点(話の流れ)を追う
- thread the conversation → (オンラインフォーラムなどで)会話を続ける
- discussion thread → 議論のスレッド、ディスカッションの流れ
- hang by a thread → 命や状況が危機的な状態にある
- thread count → (シーツなどの)織り密度
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語の「thrǣd」という語に起源を持ち、本来は「糸」や「撚(よ)り糸」の意味がありました。
- 歴史的用法: 主に縫い物の領域で使われてきましたが、インターネットの普及に伴い「スレッド型掲示板」など「書き込みの流れ」を意味する用法が一般化しました。
- 微妙なニュアンス・注意点:
- 「糸」から派生し、「連続してつながるもの」「投稿のやりとりの流れ」という比喩的表現としても使われます。
- 文章・フォーマルな文脈でも「the thread of an argument (議論の筋)」のように使用されます。日常会話では「スレ」「スレッド」とカジュアルに呼ぶこともあります。
- 「糸」から派生し、「連続してつながるもの」「投稿のやりとりの流れ」という比喩的表現としても使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞: 可算名詞 (1本の糸 → a thread、複数の糸 → threads)
- 動詞: 他動詞 (例: thread a needle) と自動詞 (例: He threaded through the crowd) 的な使い方があるが、多くは他動詞として使われます。
よく使われるイディオム・表現:
- hang by a thread: 危うい状況にある
- pick up the thread(s): 中断していたものを再開する
- lose the thread: 話の内容を見失う
- hang by a thread: 危うい状況にある
使用シーン:
- フォーマル: ビジネスメールの「メールスレッド(thread)」で文書化された流れを指す
- カジュアル: 友人同士のSNSや掲示板で「そのスレ(thread)見た?」と表現する
- フォーマル: ビジネスメールの「メールスレッド(thread)」で文書化された流れを指す
5. 実例と例文
ここでは日常会話・ビジネス・学術的な文脈の3つに分けて、それぞれ3つずつ例文を示します。
日常会話
- “Could you pass me the thread? I need to fix this button.”
(糸を取ってくれる?このボタンを直さなきゃいけないんだ。) - “I lost the thread of the movie halfway through—what happened?”
(途中で映画の筋がわからなくなっちゃった。何が起こったの?) - “This is a great discussion thread on how to cook pasta!”
(これはパスタの作り方についての素晴らしいスレッドだね!)
ビジネス
- “Please keep the same email thread when you reply, so we can track the conversation.”
(返信するときは同じメールスレッドを使ってください。やりとりを追いやすくなるので。) - “Our safety relies on a tiny thread of supply from our distributor.”
(我々の安全は、わずかな供給ラインにかかっている。) - “We need to pick up the thread of this project from where we left off last quarter.”
(前四半期で中断したこのプロジェクトを再開する必要があります。)
学術的な文脈
- “The researcher traced a thread of historical influence throughout the literature.”
(その研究者は文学全体に貫かれる歴史的影響の流れを探った。) - “There is a common theoretical thread linking these scientific studies.”
(これらの科学研究には共通の理論的筋がある。) - “By analyzing discussion threads on academic forums, we can see emerging trends.”
(学術フォーラムのディスカッションスレッドを分析することで、新しい動向がわかります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- string (ストリング)
- 意味: 糸や紐全般を指す幅広い意味
- 違い: 「string」は単に細長いものを指すことが多い。「thread」は主に縫い糸や投稿の流れなど、もう少し限定的。
- 意味: 糸や紐全般を指す幅広い意味
- filament (フィラメント)
- 意味: (電球のフィラメントなど)細い繊維や導体
- 違い: 科学的、技術的な文脈で使われることが多い。日常会話ではあまり使わない。
- 意味: (電球のフィラメントなど)細い繊維や導体
- strand (ストランド)
- 意味: (髪の毛などの)一本の縒(よ)り糸や繊維
- 違い: 「thread」と似たニュアンスがあるが、strandは一本のものに注目しやすい。
- 意味: (髪の毛などの)一本の縒(よ)り糸や繊維
反意語 (Antonyms)
明確に「反意語」というものはありませんが、あえて挙げるとすれば「tangle(もつれた状態)」が対照的な状況です。
- tangle (名詞/動詞): もつれ、絡まる / もつれさせる
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /θrɛd/ (米国・英国共通)
- アクセント位置: 1音節なので特に強勢部分の移動はありません。「th」の発音に注意が必要です。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな差はありませんが、アメリカ英語では「ɛ」をややはっきりと発音し、イギリス英語では若干「e」に近い音になります。
- よくある発音の間違い: 「th」の部分を単なる「t」や「s」のように発音してしまうことが多いので注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “thred” や “tread” などと書いてしまうミス。特に “tread” (踏む) と間違えやすい。
- 同音異義語との混同: “tread” (/trɛd/) とは発音が異なるが、つづりが似ているため注意が必要。
- 使い分け: “string” と “thread” の使い分けに注意。縫い糸としては “thread” が自然。
- TOEIC・英検などの試験対策: メールのやりとりや文章問題で「email thread」「discussion thread」といった形で出題されることがあるので要注意。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「針に糸(thread)を通す」とイメージして覚えると、物理的な「糸」を思い出しやすいです。
- 「掲示板のスレッド(thread)」といえば、話が何本もの糸のようにつながっている様子を想像できます。
- スペリングのポイントは “th” + “r” + “ead”。特に最初の「th」とそのあとの「r」を区別しにくいので口をしっかり形にして練習するとよいでしょう。
以上が名詞「thread」の詳細な解説です。糸のように一本の言葉をイメージして、縫い物やオンラインのやりとりで自在に使えるようになると便利ですね。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉〈C〉(縫ったり,織ったりするための)糸
意味(2)
〈C〉(…の)糸状の物,細長い物《+of+名》
意味(3)
〈C〉(話などの)筋道,脈絡《+of+名》
意味(4)
ねじ筋,ねじ山