元となった辞書の項目
tap
解説
1. 基本情報と概要
単語: tap
品詞: 名詞 (countable noun)
CEFRレベル: B1(中級)
- 「tap」は英語圏では複数の意味を持つ名詞です。主にイギリス英語では「蛇口」を指し、また「軽く叩くこと・軽い叩く音」、「ビールなどを注ぐための栓や装置」を表すこともあります。
- 日本語では「蛇口」「軽い叩き」「栓」といった意味で訳されます。文脈によっていろいろなニュアンスで使われる単語です。日常会話からビジネス、さらにはバーなどでのドリンクサーバーの話題まで幅広く登場します。
活用形(名詞の数え方など):
- 単数形: tap
- 複数形: taps
他の品詞になったときの例:
- 動詞形「to tap」
- 例: to tap someone on the shoulder (誰かの肩を軽く叩く)、to tap a resource (資源を活用する)
2. 語構成と詳細な意味
「tap」は非常に短い単語で、接頭語や接尾語が明確に付いているわけではありません。語幹は「tap」です。
よく使われる意味
- 蛇口 (主にイギリス英語)
- 例: “Turn the tap off.”(蛇口を閉めて)
- 例: “Turn the tap off.”(蛇口を閉めて)
- 軽い叩き・軽く叩く音
- 例: “I heard a tap on the door.”(ドアを軽く叩く音が聞こえた)
- 例: “I heard a tap on the door.”(ドアを軽く叩く音が聞こえた)
- ビールなどを注ぐための栓・ドラフト装置
- 例: “We have several beers on tap.”(数種類の生ビールがあります)
- 例: “We have several beers on tap.”(数種類の生ビールがあります)
関連語・派生語
- taproom: ビールやアルコール飲料を蛇口(tap)から提供するバー
- tapping: 動詞の進行形(名詞として「叩く行為」を表すこともある)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- turn the tap on/off(蛇口を開ける/閉める)
- tap water(蛇口の水、水道水)
- a gentle tap(優しい・軽い叩き)
- a tap on the shoulder(肩を軽く叩くこと)
- beer on tap(生ビール)
- tap dance(タップダンス)
- water tap(水道の蛇口)
- shoulder tap(肩を叩くこと/転じて相談やリクルートするときに声をかけること)
- tap into a market(市場を開拓・活用する ※動詞表現との組み合わせ)
- tap installation(蛇口の取り付け)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「tap」は古英語の“tæppa”に由来し、もともとは「酒だるなどの栓」を指していました。歴史的には「液体を少しずつ取り出すための木製の栓」を意味していたのが拡張され、現在は「蛇口」全般や「軽い叩き音」も指すようになりました。
ニュアンスや注意点:
- 蛇口の意味はイギリス英語でよく使われますが、アメリカ英語では “faucet” が一般的です。
- 「軽く叩く」音や動作を表すため、カジュアルな場面で使われやすいですが、「ビールのサーバーの栓」といった専門的な文脈では、ややフォーマルまたは業界用語寄りになります。
- 軽い音・動作を連想させるので、会話では柔らかめの印象を与えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞(可算名詞): 複数形は「taps」です。
- 構文上の特徴:
- 「turn on the tap」はイギリス英語の日常フレーズです。
- 「give it a tap」と言うと「軽く叩いてみて」といったニュアンスになります。
- 「turn on the tap」はイギリス英語の日常フレーズです。
- 「tap」はもともと動詞としても使えるため、「tap that shoulder」のように目的語を伴うこともあります(ただし、こちらは他動詞としての使用例)。
使用シーン:
- フォーマル: ビジネス文書で「please check the tap in the kitchen」などと案内する場面。
- カジュアル: 「Give the door a tap and see if anyone’s inside.」などの軽い表現。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “Could you turn off the tap? I think it’s leaking a bit.”
- (蛇口を閉めてくれない?水が少し漏れているみたい。)
- (蛇口を閉めてくれない?水が少し漏れているみたい。)
- “I heard a tap on the window last night. It was just the wind.”
- (昨夜窓をトントン叩く音が聞こえたんだ。風のせいだったけど。)
- (昨夜窓をトントン叩く音が聞こえたんだ。風のせいだったけど。)
- “He gave the dog’s head a gentle tap when it behaved.”
- (犬がいい子にしていたので、軽く頭を撫でるように叩いた。)
ビジネスでの例文
- “We installed a new tap in the office kitchen for filtered water.”
- (オフィスのキッチンに新しく浄水用の蛇口を取り付けました。)
- (オフィスのキッチンに新しく浄水用の蛇口を取り付けました。)
- “Our bar offers three different beers on tap.”
- (当店のバーでは3種類の生ビールを提供しています。)
- (当店のバーでは3種類の生ビールを提供しています。)
- “He gave me a tap on the shoulder before starting the presentation.”
- (プレゼンを始める前に、彼は私の肩を軽く叩いて声をかけてくれました。)
学術的・専門的な文脈での例文
- “The study examined the efficiency of water taps in reducing waste.”
- (その研究は、水道の蛇口がどの程度水の無駄を削減できるか調査した。)
- (その研究は、水道の蛇口がどの程度水の無駄を削減できるか調査した。)
- “Certain taps are designed to regulate flow to conserve water.”
- (一部の蛇口は、水を節約するために流量を調整できる設計になっている。)
- (一部の蛇口は、水を節約するために流量を調整できる設計になっている。)
- “In microbiology labs, specialized taps are used to maintain sterile conditions.”
- (微生物学の研究室では、無菌状態を保つために特殊な蛇口が使用される。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- faucet (米) – 蛇口(アメリカ英語で主に使われる)
- spigot – (主に米)栓、屋外で使う水道の取付口など
- rap – 軽くコツンと叩く音(特にドアやテーブルなどをノックするイメージ)
- knock – ドアをノックする、またはやや強めの叩き
※「tap」はより軽い・さりげない叩き音、「knock」はしっかりドアをノックするイメージなど、微妙な違いがあります。
反意語
- 直接的な反意語はありませんが、「turn off the tap」の反対は「turn on the tap」などで、動作として正反対の意味を持ちます。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /tæp/
- イギリス英語: /tæp/
どちらも基本的には同じ発音です。「t」は日本語の「タ」に近い子音で、「æ」は口を大きく開けて「ァ」と「エ」の中間の音です。
アクセント
- 短い単語のため、特に強勢が分かれませんが、頭からしっかり「タッ」と発音することが大切です。
よくある発音ミス
- “tup” や “top” などと混同しがちなので、母音 /æ/(catの音) を意識しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- 「tap」を「tapp」や「tape」としてしまう。
- 「tap」を「tapp」や「tape」としてしまう。
- イギリス英語とアメリカ英語の混同
- アメリカで「tap = 蛇口」と言っても問題はありませんが、一般的には「faucet」で通じることが多いので意識。
- アメリカで「tap = 蛇口」と言っても問題はありませんが、一般的には「faucet」で通じることが多いので意識。
- 発音の混同
- 母音 /æ/ を「ア」または「オ」に近い音で発音しがち。
- 母音 /æ/ を「ア」または「オ」に近い音で発音しがち。
- 試験対策
- TOEICなどのリスニングで、“turn off the tap” と “turn off the top” が紛らわしく聞こえる問題がでることがあるかもしれません。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「tap」というと軽い「トントン」の音を連想すると覚えやすいです。
- 蛇口を「トントン」と叩くイメージから「水道のタップ=水を注ぐところ」だと関連づけるのもひとつ。
- スペリングは短いので音と一緒に覚えるとよいです。「タップ」と伸ばさず、母音をしっかり「æ」でイメージしましょう。
「tap」は「軽やか」「少しずつ流す」「軽く叩く」といったイメージが核になる単語です。イギリス英語の「蛇口」を含め、日常からビジネスシーンまで地味に活躍する基本単語なので、ぜひ使いこなせるように練習してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
《複数形で》(米軍隊の)消灯ラッパ