command
以下では、英単語の「command」(名詞)について、学習者の方向けに9つの観点で詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: command
品詞: 名詞(同形の動詞も存在しますが、ここでは名詞に焦点を当てます)
意味(英語と日本語)
- 英語: An authoritative order or directive; the power or authority to control or direct.
- 日本語: 権限ある指示や命令、もしくは指揮権。何かをコントロール・管理する立場のこと。
「command」は、「強い立場や権限を持って命令を出すこと」を表す単語です。上官が部下に命令を出す場合や、コンピュータにコマンドを実行させる場合などに使われます。相手に対して“従わせる”という強いニュアンスがあるので、厳かな印象を与える単語となります。
活用形・他の品詞
- 名詞形: command (複数形: commands)
- 動詞形: to command (commands, commanded, commanding)
(例)動詞「to command」:
- He commands the unit.(彼はその部隊を指揮している)
CEFR レベル目安: B2(中上級)
こちらの単語は日常会話でも使われる場面がありますが、主に指揮系統や権限など、ややフォーマルあるいは専門的ニュアンスが含まれるため、B2 前後のレベルと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- com-(共に、一緒に):ラテン語の接頭語 “com-” から派生し、一緒になって行うイメージを持ちます。
- mand(命令):ラテン語の “mandare” (命令する、委任する)に由来します。
関連語や派生語
- commanding (形容詞): 命令するような、威厳のある
- commander (名詞): 指揮官
- commandment (名詞): 戒律、(宗教的な)おきて
よく使われるコロケーション(10個)
- have command of …
(…に対する支配力・知識を持っている)
例: She has an excellent command of French.(彼女はフランス語を自在に操る力がある) - under someone’s command
(~の指揮下にある)
例: The soldiers fought bravely under the general’s command.(兵士たちは将軍の指揮下で勇敢に戦った) - take command
(指揮を執る、主導権を握る)
例: She took command of the project.(彼女はそのプロジェクトの指揮を執った) - chain of command
(指揮系統)
例: We should follow the proper chain of command.(適切な指揮命令系統に従うべきだ) - in command of …
(…を指揮している、制御している)
例: He was in command of the situation.(彼は状況を完全にコントロールしていた) - at one’s command
(~が命令できる状態で、(比喩的に)好きなときに使える)
例: I have several experts at my command.(私には好きに助言を求められる専門家が何人かいる) - on command
(命令があれば、指示があれば)
例: The dog sits on command.(その犬は命令があれば座る) - command center(または command post)
(司令部、指揮所)
例: Report back to the command center immediately.(直ちに司令部に報告せよ) - command authority
(指揮権)
例: Only the captain has the command authority here.(ここでは船長だけが指揮権を持っている) - a voice command
(音声コマンド)
例: The device can respond to a voice command.(その装置は音声コマンドに対応可能だ)
3. 語源とニュアンス
語源
「command」はラテン語の “commandare(com + mandare)” に由来します。 “mandare” は「任せる、命令する」を意味し、 “com-” が「共に」を加えて「共同で命じる、権限を行使する」というイメージにつながっています。
ニュアンス・使用時の注意
- 権威・強制力 を伴うイメージが強いため、同僚同士のカジュアルな場面よりも、軍事・ビジネスなどフォーマル度の高いシーンで使われやすいです。
- コンピュータに対する「コマンド実行」など、専門分野にもよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞として扱われる場合が多いですが、場合によっては抽象的に「指揮(する力)」として不可算的に使われることもあります。
- 「command of …」の形で「(言語や技術など)を自由に操る力」という意味になることがあります。
一般的な構文やイディオム
- be in command (of …): …をコントロールしている/指揮している
- take command (of …): (…の)指揮を執る
- give a command: 命令を下す
フォーマル / カジュアル
- 軍事や組織内の上下関係を示す際はフォーマルに使われることが多いです。
- 日常的な文脈では「命令する」という意味の角が立つニュアンスになるため、丁寧に言いたい場合は“ask”や“request”などを用いるほうが無難です。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアルなシーン)
- “My computer isn’t responding to any commands right now.”
(私のパソコンは今どんなコマンドにも反応しないんだ。) - “He always tries to take command of group projects—sometimes it’s annoying.”
(彼はいつもグループ課題で主導権を握ろうとするんだよね。時々うっとうしいよ。) - “I’ll give you a voice command, and you just press the button.”
(私が音声指示を出すから、あなたはボタンを押してね。)
ビジネス(フォーマルや組織的なシーン)
- “The manager has complete command of the new marketing strategy.”
(マネージャーは新しいマーケティング戦略を完全に把握している。) - “Please follow the chain of command when addressing this issue.”
(この問題に対処する際は指揮系統を順守してください。) - “He took command of the negotiations and led the deal to success.”
(彼が交渉を取り仕切って、その取引を成功に導いた。)
学術的・専門的(軍事・研究など)
- “Under his command, the troops managed to secure the region effectively.”
(彼の指揮の下で、部隊はその地域を効果的に確保した。) - “The command structure in this organization is highly centralized.”
(この組織の指揮体制は非常に中央集権的である。) - “Voice command technology has significantly advanced over the last decade.”
(音声コマンド技術はこの10年で著しく進歩した。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- order(命令)
- 「具体的な命令」という点では同じだが、「command」はより権威性・公式性が強い印象。
- 「具体的な命令」という点では同じだが、「command」はより権威性・公式性が強い印象。
- instruction(指示)
- 「教えるための具体的な指示」のニュアンス。ややソフトな響き。
- 「教えるための具体的な指示」のニュアンス。ややソフトな響き。
- directive(指示、命令)
- 公的機関や上位組織から下される公式な指示として使われる。
- 公的機関や上位組織から下される公式な指示として使われる。
- charge(責任、管理)
- 「責任を持っている」「任されている」ニュアンスが強い。
反意語 (Antonyms)
- obedience(服従)
- 「命令する」反対の立場として「命令に従う」ニュアンス。
- 「命令する」反対の立場として「命令に従う」ニュアンス。
- submission(服従、屈服)
- より強い「降伏・屈服」の意味合い。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- イギリス英語 (BrE): /kəˈmɑːnd/
- アメリカ英語 (AmE): /kəˈmænd/ or /kəˈmɑːnd/
強勢(アクセント)の位置
- 「-mand」の部分に強勢があります: co-MAND
よくある発音ミス
- 「command」の最初の「co-」を /koʊ/ と発音しすぎたり、「a」の音を曖昧にしすぎたりしてしまう点に注意が必要です。
- 英米で「a」の音が異なるため、アメリカ英語では /æ/、イギリス英語では /ɑː/ の違いがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 名詞と動詞の使い分け
- 名詞として「command」は「命令」「指揮権」を意味しますが、動詞として使う場合は「to command〜」で「〜に命令する」「〜を指揮する」となります。
- 名詞として「command」は「命令」「指揮権」を意味しますが、動詞として使う場合は「to command〜」で「〜に命令する」「〜を指揮する」となります。
- スペリングの間違い
- 「command」の綴りを「commannd」や「comand」としてしまうミスなど。
- 「command」の綴りを「commannd」や「comand」としてしまうミスなど。
- 類似語との混同
- 「order」「instruction」など似たニュアンスの語と混合しがちです。文脈上のフォーマル度や命令に込められた強制力の度合いで使い分けましょう。
- 「order」「instruction」など似たニュアンスの語と混合しがちです。文脈上のフォーマル度や命令に込められた強制力の度合いで使い分けましょう。
- TOEIC・英検などの試験対策
- ビジネスや軍事などフォーマルな文脈で使われることが多いため、読解問題やビジネス文脈に慣れておくと有利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「com + mand = 一緒に駆り立てる」イメージ
接頭語「com-(共に)」と「mand(命令する)」で「一緒に行動させる」という発想をイメージして覚えると定着しやすいです。 - 「Commander」という単語をセットで覚える
「commandする人=commander(司令官)」と覚えると理解が深まります。 - “コマンド”としてカタカナで馴染みがある
日本語でも「コマンド(命令)」として使われているので、コンピュータの“コマンド入力”から連想すると覚えやすいです。
以上が、名詞としての「command」の詳細です。フォーマルな場面や軍事上下関係、ビジネスの指示・指揮など、多彩なシーンで登場する単語なので、意味や使用シーンをしっかりイメージして使いこなしましょう。
〈C〉命令,号令
〈U〉(…の)指揮,指揮権,支配権;(…の)支配下《+of+名》
〈U〉(感情などの)抑制,(…を)抑制する力《+of+名》
〈U〉《時にa~》(言語などを)自由に駆使する力,(金銭を)自由に使えること《+of+名》
〈U〉(…の)見晴らし,展望《+of+名》
〈C〉管轄下の部隊,管轄区域,司令部