句動詞: 動詞+目的語+パーティクル
群れて動詞のカタマリを作る
以下では「句動詞(phrasal verb)」の仕組みや特徴を、より詳しくわかりやすく解説します。
句動詞とは?
句動詞(phrasal verb) とは、主に 「動詞 + パーティクル(副詞や前置詞)」 の組み合わせで作られる表現のことです。元の動詞だけでは表せない特別な意味をもつようになるのが、大きな特徴です。
たとえば、次のような例があります。
- pick up(拾い上げる/車で迎えに行く)
- turn off(消す)
- put on(身につける)
- look into(調査する)
これらは「pick」「turn」「put」「look」という動詞だけではなく、後ろにつく 「up」「off」「on」「into」 などのパーティクルが加わることで、新たな意味を生み出しています。
動詞 + 目的語 + パーティクル の形
句動詞には、大きく 「目的語を挟めるパターン」 と 「目的語を挟めない(分割できない)パターン」 があります。ここでは、目的語を間に置ける句動詞を中心に解説します。
1. 目的語を挟める場合(分離可能な句動詞)
句動詞によっては、動詞とパーティクルの間に目的語を置く ことができます。たとえば、以下の例を見てみましょう。
- pick up(~を拾い上げる/迎えに行く)
- I picked up the book.(私はその本を拾い上げた)
- I picked the book up.(同じ意味)
- I picked up the book.(私はその本を拾い上げた)
このように、目的語が 「名詞」 であれば、動詞の後ろに置いても、パーティクルとの間に挟んでもOKです。ただし、目的語が 「代名詞(it, them など)」 の場合は原則として、動詞とパーティクルの間 に入れる必要があります。
- I picked it up.(○)
- I picked up it.(×)
2. 目的語を挟めない場合(分離不可能な句動詞)
一方、目的語を動詞とパーティクルの間に入れられない句動詞も存在します。この場合は 「動詞 + パーティクル + 目的語」 の語順で使います。
- look into(~を調べる)
- I looked into the matter.(私はその件を調べた)
- I looked the matter into.(×)
- I looked into the matter.(私はその件を調べた)
こうした句動詞は一続きの表現として覚えるしかない場合が多く、意味や用法をそのまま丸ごと暗記するのが一般的です。
パーティクルとは?
句動詞におけるパーティクルは、副詞や前置詞 が動詞と組み合わさって特別な意味を生み出す働きをする単語です。たとえ同じ「up」「off」「on」「into」などでも、動詞ごとにまったく違う意味になる場合があります。
たとえば「break up」と「break down」は、どちらも「break(壊れる)」という動詞に「up」や「down」を組み合わせますが、
- break up(別れる/解体する)
- break down(故障する/感情が抑えられなくなる)
というように、意味が大きく変わります。
まとめ
- 句動詞(phrasal verb) は 「動詞 + パーティクル」 の組み合わせで、元の動詞の意味を広げたり、まったく異なる意味を生み出す。
- 一部の句動詞は、動詞とパーティクルの間に目的語を挟むことができる(分離可能)。目的語が代名詞の場合は動詞とパーティクルの間に置く。
- 他の句動詞は動詞とパーティクルを分けられず、間に目的語を挟めない(分離不可能)。
- パーティクルには「up」「off」「on」「into」などが多く使われるが、動詞との組み合わせによって意味が大きく変わるため、それぞれの表現を覚えることが大切。
句動詞は日常会話からビジネス英語まで頻繁に登場するため、とにかく例文をたくさん見ること、自分でも使ってみること が上達の近道です。ぜひ、少しずつ積み重ねていきましょう。