元となった文法の項目
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B1.1
関係代名詞 非制限用法
先行詞を補足的に説明する非制限方法
説明
関係代名詞の制限用法と非制限用法
英語の関係代名詞(who, which, that など)や関係副詞(when, where, why など)には、大きく分けて「制限用法(Restrictive)」と「非制限用法(Nonrestrictive)」の2種類があります。ここでは、特に「非制限用法」に焦点を当てつつ、両者の違いと使い方について詳しく解説します。
1. 制限用法(Restrictive)の目的と特徴
目的
先行詞(関係代名詞が修飾する語)が「どの~なのか」を明確にするため、その情報がないと文の意味がはっきりしない場面で使われます。特徴
- 先行詞を特定する情報として欠かせないため、文からその節を取り除くと意味が変わってしまいます。
- 「,(カンマ)」を使わず、関係詞節が先行詞に直接続きます。
- who や which だけでなく、that を用いることも多いです。
- 先行詞を特定する情報として欠かせないため、文からその節を取り除くと意味が変わってしまいます。
例文
- I know a girl who lives nearby.
- 「近所に住む女の子を知っている」
- この文では「近所に住む」という情報がないと、どの女の子か不明瞭になってしまいます。関係代名詞節が先行詞を“制限”しているため、これを「制限用法」と呼びます。
- I know a girl who lives nearby.
2. 非制限用法(Nonrestrictive)の目的と特徴
目的
先行詞はすでに話題に上っているか、文脈的に特定されている状態が多いです。関係詞節は後から付け足す「補足情報」を提供する役割を担います。特徴
- 先行詞がすでに特定されているため、その情報がなくても文全体の意味は成り立ちます。
- 先行詞の直後に「,(カンマ)」を入れ、そのあとに関係詞節を置きます。関係詞節は挿入句のように扱われ、文から取り去っても主文の意味は保たれます。
- 非制限用法で関係代名詞として that を使うことはほとんどできません。主に who, which が用いられます。
- 先行詞がすでに特定されているため、その情報がなくても文全体の意味は成り立ちます。
例文
- The girl, who lives nearby, will be a teacher next month.
- 「その女の子は、近所に住んでいるんだけど、来月先生になります。」
- ここでは「その女の子」はすでに特定されており、“who lives nearby” は補足説明です。“who lives nearby” を省いても “The girl will be a teacher next month.” で文としては成立します。
- The girl, who lives nearby, will be a teacher next month.
3. 制限用法と非制限用法の使い分け
先行詞が未知か既知か
- 話し手が「どの人(もの)か」を説明したい → 制限用法
- 話し手・聞き手の間で先行詞が既にわかっている → 非制限用法
- 話し手が「どの人(もの)か」を説明したい → 制限用法
コンマの有無
- 制限用法 → カンマなし (The girl who lives nearby…)
- 非制限用法 → カンマあり (The girl, who lives nearby, …)
- 制限用法 → カンマなし (The girl who lives nearby…)
that の使用可否
- 制限用法 → who, which, that すべて使用可能
- 非制限用法 → 通常は who, which が使われ、that は使わない
- 制限用法 → who, which, that すべて使用可能
4. まとめ
制限用法 (Restrictive)
- 先行詞を限定し、文の意味に不可欠な情報を与える。
- カンマは使わない。
- 例: I know a girl who lives nearby.
- 先行詞を限定し、文の意味に不可欠な情報を与える。
非制限用法 (Nonrestrictive)
- 先行詞はすでにわかっている・特定されている。
- 付け足しの情報として関係詞節を用いるため、カンマで区切る。
- 例: The girl, who lives nearby, will be a teacher next month.
- 先行詞はすでにわかっている・特定されている。
カンマの有無や文脈によって意味が変わる大切な文法事項です。英語らしい表現を身に付けるためにも、使い分けを意識して練習してみてください。