形式主語it + that節
真主語はthat節
以下では「形式主語 it + that節」の基本構造と意味を、例文を交えながらなるべく詳しく解説します。
1. 「形式主語 it + that節」とは?
英語では、本来 “that節” が文の主語になる場合、主語として使うには長すぎたり複雑だったりすることがあります。そこで、文頭に「it」を置き、文末側に「that節」というかたちで内容を持ってくる仕組みを使うことがよくあります。これを「形式主語 it + that節」と呼びます。
例文
- (1) It is important that we make an effort.
「私たちが努力をすることは重要である。」
上の例では、本来「That we make an effort is important.」と言うこともできますが、やや不自然に聞こえるため、英語では「it」を先に置いて「それ(=本当は that節) が重要だ」と言い、(that以下の内容が)重要なのだと示します。
2. 形式主語 it の役割
「形式主語」とは、それ自体には大きな意味を持たない、文を構造的に成立させるためだけの主語です。本当の主語は、その後ろの “that節” です。上の例で言うと、
- It (形式主語)
- is important (述語)
- that we make an effort (真の主語)
の構造になっています。
3. 基本パターン
「形式主語 it + be動詞 + 形容詞 + that節」の形が最もよく使われます。たとえば以下の形容詞がよく使われます。
- important(重要だ)
- necessary(必要だ)
- essential(不可欠だ)
- obvious(明らかだ)
- strange(不思議だ)
- natural(当然だ)
- possible(可能だ)
- likely(ありそうだ)
- unfortunate(不運だ / 残念だ)
- など...
例文
- (2) It is necessary that he attend the meeting.
「彼がその会議に出席することは必要だ。」 - (3) It is obvious that something is wrong.
「何かがおかしいのは明らかだ。」
4. that節の中の動詞形
「It is important(必要 / 重要)that …」などの文では、フォーマルな文体では that節の中の動詞が “should + 動詞の原形” になったり、あるいは直接動詞の原形になる(仮定法現在)ことがあります。日常会話では “should” を省いてそのまま動詞の原形を使うことが多いです。
例文
- (4) It is important that he (should) be there on time.
- (5) It is essential that every student (should) hand in the assignment.
両方とも “should” を入れても入れなくても文法的には問題ありませんが、ややフォーマルな雰囲気になるかどうかの違いがあります。
5. この構文を使う理由
読みやすさ・わかりやすさ
長い主語(=“that節”)をいきなり文頭に置いてしまうと、英文が読みにくくなることがあります。そこで「it + that節」を使うことで、「何が重要なのか」「何が必要なのか」をわかりやすく示すことができます。強調
「It is … that …」の構造は「…なのは~だ」と訳せることもあり、後ろの“We make an effort”などが、何が重要なのかについて強調される効果もあります。
6. まとめ
- 「形式主語 it + that節」は、本当の主語が that節であるときに、英語の文をすっきり表現するために用いられます。
- 代表的な形は “It is + 形容詞 + that節” です。
- that節の内容こそが文の主語的役割を果たしている点に注意しましょう。
- フォーマルな文脈では、that節の中の動詞に “should + 原形” を使うことがあります。
このように、「形式主語 it + that節」は英語で主語をスマートに表現したり、文を読みやすくする大変重要な構文です。ぜひ例文を通じて使い方に慣れてみてください。