considering
接続詞「considering」の詳細解説
1. 基本情報と概要
単語: considering
品詞:
- 接続詞 (conjunction)
- 前置詞 (preposition) としても使われることがあります。
意味(英語):
- “Taking into account” / “Given that” / “Taking everything into consideration”
意味(日本語):
- 「…を考慮すると」「…ということを思えば」
「considering」は、「(その事実や状況を)考慮に入れると・考えると」というニュアンスで用いられます。条件や背景を踏まえて何かを評価したり、判断したりする文脈で使われることが多いです。たとえば「Considering the weather(天気を考慮すると)」などのように使われます。
活用形
- 「considering」は、もともと動詞 “consider” の現在分詞形ですが、接続詞・前置詞として固定化した形です。よって、単純な時制変化や三人称単数形になるような活用はありません。
- 元となる動詞 “consider” は以下のように活用します:
- 原形: consider
- 三人称単数現在形: considers
- 現在分詞: considering
- 過去形: considered
- 過去分詞: considered
- 原形: consider
他の品詞になったときの例
- 動詞: “to consider” (例: I will consider your proposal.)
- 名詞: “consideration” (例: We should give careful consideration to this issue.)
- 形容詞: “considerate” (例: He was very considerate towards his guests.)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2(中上級)では、複雑な文構造や接続詞を駆使して意見をまとめたり、背景や理由を詳しく説明したりできるレベルです。
- 「considering」は文の背景や根拠に触れる際に便利な単語なので、中上級で使用頻度が高まるでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “consider”
- 語尾(-ing): 現在分詞や動名詞を示す語尾
元々「consider(よく考える)」という動詞から派生し、現在分詞形“considering”として接続詞/前置詞化したものです。
派生語・類縁語
- consider (動詞: 考慮する)
- consideration (名詞: 考慮、慎重)
- considerate (形容詞: 思いやりのある)
- reconsider (動詞: 再考する)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- considering the circumstances → 状況を考慮すると
- considering the evidence → 証拠を考慮すると
- considering the weather → 天候を考慮すれば
- considering his/her background → 彼/彼女の背景を考慮すると
- considering the time constraints → 時間の制約を考慮すると
- considering all possibilities → あらゆる可能性を考慮に入れて
- considering the budget → 予算を考慮に入れると
- considering the risks → リスクを考慮すると
- considering the complexity → 複雑さを考慮すると
- considering we have limited resources → 資源が限られていることを考えると
3. 語源とニュアンス
語源
- “consider” はラテン語の「con(共に)」+「siderare(星をじっくり見る/観察する)」に由来し、もともとは「星を共に観察して判断を下す」というイメージです。
- そこから「しっかりと吟味する」「熟考する」という意味が生まれました。
- “considering” はその進行形(現在分詞)から派生して、他の事柄を考慮する接続詞・前置詞として使われるようになりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 口語でも文章でも比較的広く使われます。
- 「事実や状況を踏まえれば当然こうなる」という含みを持つため、理由付けをする文脈で便利です。
- フォーマルな文・カジュアルな文どちらでも登場しますが、ビジネスや学術文でも違和感なく使える汎用性の高い表現です。
4. 文法的な特徴と構文
1) 接続詞としての用法
- “Considering (that) + S + V” → 「…ということを考えると」
- that は省略されることが多いです。
例: Considering (that) you are new here, you did a great job.
2) 前置詞としての用法
- “Considering + 名詞/代名詞” → 「…を考慮すると」
例: Considering the circumstances, we made a wise decision.
3) フォーマル/カジュアル
- “considering” は堅苦しすぎないのでカジュアルな口語でもOK。
- ビジネス文書や学術文書でも無理なく使える便利な接続詞/前置詞です。
4) 可算・不可算など
- “considering” は前置詞または接続詞なので、可算・不可算の問題は生じません。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
“Considering the traffic, we should leave earlier.”
- (交通状況を考えると、もっと早めに出たほうがいいね。)
- (交通状況を考えると、もっと早めに出たほうがいいね。)
“You look great, considering you just got off a long flight!”
- (長いフライトから降りたばかりだと考えれば、すごく元気そうだね!)
- (長いフライトから降りたばかりだと考えれば、すごく元気そうだね!)
“It’s pretty cheap, considering how good the quality is.”
- (品質がどれだけいいかを考えると、これはかなり安いね。)
- (品質がどれだけいいかを考えると、これはかなり安いね。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
“Considering the current market trends, we should revise our strategy.”
- (現在の市場トレンドを考慮すると、我々は戦略を見直すべきです。)
- (現在の市場トレンドを考慮すると、我々は戦略を見直すべきです。)
“The project went smoothly, considering we had limited resources.”
- (資源が限られていたことを考えると、プロジェクトは問題なく進みました。)
- (資源が限られていたことを考えると、プロジェクトは問題なく進みました。)
“He performed extremely well, considering he had only joined the firm last month.”
- (先月入社したばかりだということを考えると、彼は非常に優れたパフォーマンスを発揮しました。)
- (先月入社したばかりだということを考えると、彼は非常に優れたパフォーマンスを発揮しました。)
学術的な文脈での例文(3つ)
“Considering the small sample size, further research is necessary to confirm the findings.”
- (サンプル数が少ないことを考慮すると、この調査結果を確かめるにはさらなる研究が必要です。)
- (サンプル数が少ないことを考慮すると、この調査結果を確かめるにはさらなる研究が必要です。)
“Considering the complexity of this theory, multiple approaches must be employed.”
- (この理論の複雑性を考えると、複数のアプローチが求められるでしょう。)
- (この理論の複雑性を考えると、複数のアプローチが求められるでしょう。)
“Researchers adjusted their methodology, considering the limitations of the existing data.”
- (既存のデータの限界を考慮して、研究者たちは方法論を修正しました。)
- (既存のデータの限界を考慮して、研究者たちは方法論を修正しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- since: 「…なので」
- 理由を述べる際に使われますが、必ずしも「考慮する」のニュアンスは薄いです。
- 理由を述べる際に使われますが、必ずしも「考慮する」のニュアンスは薄いです。
- because: 「なぜなら…」
- はっきりとした因果関係を示し、理由を強調するときに用います。
- はっきりとした因果関係を示し、理由を強調するときに用います。
- in view of: 「…を考慮して」
- よりフォーマルで慣用的な言い方です。
- よりフォーマルで慣用的な言い方です。
- given that: 「…を考えると、…を前提にすると」
- 条件や前提を示すときに使われます。非常に近い意味です。
- 条件や前提を示すときに使われます。非常に近い意味です。
反意語
- 文脈的な反意表現としては “disregarding” や “ignoring” が該当します。
- disregarding: 「…を無視すると」
- ignoring: 「…を無視すれば」
- disregarding: 「…を無視すると」
これらは「…を考慮に入れない」という文脈で、用法は似ていますが、逆方向の意味になります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /kənˈsɪdərɪŋ/
- アメリカ英語・イギリス英語: ともに大きな差はなく [kən-SID-uh-ring] もしくは [kən-SID-er-ing] のように発音されることが多いです。
- 強勢は “si” の部分に置かれます: con-SI-der-ing (第2音節が強勢)。
- よくある間違いとして、語尾を -din で終わらせたり、/r/ を曖昧に発音するなどがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “considering” は “consider” + “ing” ですが、ダブル r にしない、など綴りに要注意です。
- “consider” と “considering” の使い方の違い:
- “I am considering buying a new car.”(私は新しい車を買おうか考えている)
- “Considering (that) I need a new car, I should save money.”(新しい車が必要だと考えると、お金を貯めるべきだ)
- “I am considering buying a new car.”(私は新しい車を買おうか考えている)
- 前置詞と接続詞の混同:
- 前置詞としては後ろに名詞(または名詞相当語句)が来る。
- 接続詞としては “Considering (that) S + V” の形になること。
- 前置詞としては後ろに名詞(または名詞相当語句)が来る。
- 試験対策: TOEICや英検でも、理由や条件を示す接続詞として “considering” が出題されることがあります。文法問題や穴埋め問題などで見かけるケースがありますので、前置詞か接続詞かを見分ける練習が有効です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「consider(考慮する)」に “-ing” がついて「何かを考慮している最中」というイメージで覚えるとわかりやすいです。
- 「空を見る(con)」「星を見て考える(sider)」→「熟考する」というストーリーを思い出すと、スペリングもスムーズに身につきます。
- 英文を読んでいて ”Considering the fact that…” や ”Considering + 名詞…” を見かけたら、「…を考えると」という風に脳内で直訳してみるクセをつけると定着しやすいでしょう。
以上が「considering」の詳細な解説です。文法的にも意味的にも便利な単語なので、条件や状況を踏まえて論理的に説明したいときにぜひ使ってみてください。
《considering+that節》…であることを思えば,考えれば