元となった辞書の項目
obsession
解説
1. 基本情報と概要
英単語: obsession
品詞: 名詞 (noun)
日本語の意味: 「執着」「取りつかれたような考え」「頭から離れない状態」
- 例えば「ある事柄に対して過度にとらわれ、常にそのことが気になってしまう様子」を指す名詞です。
- 「何かに夢中で頭から離れない」というニュアンスがあります。
活用形:
- 名詞なので、直接的な活用(三人称単数形、過去形など)はありませんが、可算名詞として扱われることが多いです。
- 例) an obsession, my obsessions
- 例) an obsession, my obsessions
- 同じ語幹のほかの品詞としては以下のようなものがあります:
- obsess (動詞): 「(頭の中で)何かにとりつかれる / 〜に執着する」
- obsessed (形容詞): 「何かに取りつかれている、頭がいっぱいの」
- obsessive (形容詞): 「強迫的な、執着の強い」
- obsessively (副詞): 「執拗に、強迫的に」
- obsess (動詞): 「(頭の中で)何かにとりつかれる / 〜に執着する」
CEFRレベル: B2(中上級)
- 抽象的な話題にも使われるため、語学学習者にとってはやや難しめの語彙ですが、社会や心理的な文脈でよく登場します。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: ob-(ラテン語に由来し、「〜に対して」「〜に向かって」のニュアンス)
- 語幹: sess(ラテン語の
sedere
= 「座る」 が語源) - 接尾語: -ion(名詞を作る際によく用いられる形)
元々は「取り囲む」「取りつく」というイメージを持ち、そこから「頭から離れない」「考えなどが取りつく」という意味合いを形成した語です。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- have an obsession with ~(~に執着を持つ)
- develop an obsession with ~(~に対して執着を抱くようになる)
- become an obsession(執着心が生まれる/〜が頭から離れなくなる)
- suffer from an obsession(執着に悩まされる)
- feed one’s obsession(執着心をさらに強める/助長する)
- a lifelong obsession(生涯にわたる執着)
- an unhealthy obsession(度を超した/不健全な執着)
- turn into an obsession(執着心に変わる)
- an obsession with perfection(完璧さへの執着)
- borderline obsession(執着と呼べるほど危うい状態)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “obsessio” が由来で、ob-(〜に対して)+ sedere(座る、取り囲む)という組み合わせから、「包囲する」「とりつく」という意味だったと考えられています。
- そこから派生して、中世ラテン語では「取りつかれた状態」「悪魔に憑かれたように取りつかれること」を示すようになり、現代英語まで「しつこいまでに考えが離れない状態」を意味するようになりました。
使用時の注意点・ニュアンス
- 感情的にも強い響きがあり、「少し行き過ぎた執着」を表現する際に使われます。
- あまり軽い気持ちで乱用すると「深刻な印象」を与える場合があります。
- 口語でも文書でも広く使われますが、ニュアンスとしてはややネガティブにとられることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun) として扱われることが多い:
- 例) “He has an obsession about cleanliness.”
- ただし文脈によっては「obsession という状態」として抽象的に不可算のように使われることもあります。
- 例) “He has an obsession about cleanliness.”
- 一般的な構文としては “have + an obsession (with 〜)” や “(something) becomes an obsession” の形がよく使われます。
イディオムや構文例
- be obsessed with 〜(〜に取りつかれている)
- can’t get 〜 out of one’s head(頭から〜が離れない)※「obsession」という単語そのものではありませんが、関連表現として覚えると便利です。
5. 実例と例文
以下、日常会話・ビジネス・学術的な文脈での例文をそれぞれ挙げます。
日常会話での例文
- “I think my sister has an obsession with collecting shoes.”
- 「妹は靴を集めることにとりつかれているみたい。」
- 「妹は靴を集めることにとりつかれているみたい。」
- “He talks about his favorite band so often—it’s almost an obsession.”
- 「彼はお気に入りのバンドの話ばかりするんだ。ほとんど取りつかれているみたい。」
- 「彼はお気に入りのバンドの話ばかりするんだ。ほとんど取りつかれているみたい。」
- “Cooking has become my new obsession lately.”
- 「最近は料理に新しくハマっていて、すっかりとりつかれてしまったよ。」
ビジネスシーンでの例文
- “Her obsession with perfection sometimes slows the entire project down.”
- 「彼女の完璧さへの執着が、時々プロジェクト全体を遅らせています。」
- 「彼女の完璧さへの執着が、時々プロジェクト全体を遅らせています。」
- “We need to maintain a healthy balance and not let our cost-cutting become an obsession.”
- 「コスト削減に執着しすぎず、健全なバランスを保つ必要があります。」
- 「コスト削減に執着しすぎず、健全なバランスを保つ必要があります。」
- “KPI metrics are important, but we shouldn’t develop an unhealthy obsession with them.”
- 「KPI指標は重要ですが、それに不健全なまでに執着するのは避けるべきです。」
学術的な文脈での例文
- “In psychology, an obsession is often linked to compulsion in obsessive-compulsive disorder (OCD).”
- 「心理学では、obsession(執着)はしばしば強迫性障害(OCD)の強迫行為と関連付けられます。」
- 「心理学では、obsession(執着)はしばしば強迫性障害(OCD)の強迫行為と関連付けられます。」
- “Cultural studies examine how certain consumer behaviors can become a national obsession.”
- 「文化研究では、ある種の消費者行動がどのように国民的執着(現象)となるのかを調べます。」
- 「文化研究では、ある種の消費者行動がどのように国民的執着(現象)となるのかを調べます。」
- “Researchers often explore the negative impacts of social media obsession on mental health.”
- 「研究者たちは、SNSへの執着が精神衛生に与える悪影響をしばしば調査しています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- fixation(フィクセーション): 「精神分析用語で過度な執着」を指す
- preoccupation(プリオキュペイション): 「常に考えを占めるもの、頭から離れないこと」
- compulsion(コンパルジョン): 「(衝動的に)せずにはいられない強い欲求」
これらはすべて「頭がそのことでいっぱいで、ほかのことを考えにくい状態」を指す点で似ています。ただし “obsession” はより感情的・強迫的で、ネガティブな響きを伴うことが多いのが特徴です。
反意語 (Antonyms)
- indifference(インディファレンス): 「無関心」
- apathy(アパシー): 「無感情、無気力」
- nonchalance(ノンシャランス): 「無頓着、気にしていない様子」
いずれも、「関心や執着がない」という点で “obsession” の対極を表す言葉です。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記: /əbˈsɛʃ(ə)n/
- アメリカ英語: əb-sé-shən
- イギリス英語: [əb-sé-shən] ほぼ同じですが、母音の音がやや異なる場合があります。
- アクセント(強勢)は “sɛsh” の部分にあります (“-sés-” のところ)。
- よくあるミスとしては、語頭を「オブセッション」と強く /o/ で発音しがちな点です。正しくは /ə/(曖昧母音)を意識します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングのミス: 「obsesion」と “s” を一つ抜かしたり、「obcession」と余計な “c” を入れたりしやすいので注意。
- 同音異義語との混同はあまりありませんが、「session(セッション)」とのつづり違いに気をつけましょう。
- 資格試験(TOEIC・英検など)でも、心理的な文章や社会問題を扱う部分で “obsession” が登場することがあります。「〜への執着」の意味を正しく理解しておくと文脈を読み解きやすくなります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “ob-” は「対して、向かって」、 “-sess” は座る(sedere)→ “まるで頭の中に居座るイメージ”
- 「何かに座り込んで離れない」→ 行き過ぎた執着、という発想で覚えるとイメージしやすいです。
- スペリングを覚える際は「ob + sess + ion」の三要素に分解すると「s」が二つあることに注意しやすくなります。
以上で “obsession” の詳細解説となります。日常会話から心理学の文脈に至るまで幅広く使われる便利な単語ですので、ぜひ使い方とニュアンスを押さえてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉(…についての)妄想,強迫観念《+about+名》
意味(2)
〈U〉(悪魔・妄想などが)つきまとうこと;(悪魔・妄想などに)つきまとわれること