元となった辞書の項目
momentary
解説
以下では、英単語 momentary
(形容詞)について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “momentary”
- 日本語: 「一瞬の」「ごく短い」「瞬間的な」
「momentary」は、非常に短い時間だけ続く様子を表す形容詞です。「ほんの一瞬だけ起こる」というニュアンスを持ち、何かが長く続かずにすぐ終わる場面でよく使われます。
品詞
- 形容詞 (adjective)
主な活用形
形容詞なので、名詞のように複数形にはなりません。比較級・最上級を作ることはほとんどなく、通常は「more momentary」や「most momentary」とは言いません。
他の品詞への派生
- 副詞形:
momentarily
(一瞬だけ、まもなく)
例: “The meeting will start momentarily.”(会議はまもなく始まります。)
※momentary
と同じ語幹「moment」を含むが意味が異なる単語として、momentous
(重大な)などもありますが、これはニュアンスが全然異なります。
CEFR レベルの目安
- B2(中上級)
ある程度語彙力のついた学習者向けの単語です。日常会話や文章でも見かける可能性がありますが、非常に初歩の段階にはあまり登場しません。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹:
moment
(瞬間) - 接尾辞:
-ary
(形容詞の語尾:〜の性質をもつ/〜に関する)
派生語や類縁語
moment
(名詞): 瞬間、短い時間momentarily
(副詞): すぐに、一瞬のうちにmomentous
(形容詞): 重大な、重要な(“momentary”とは意味が異なる)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- momentary lapse of attention(注意の一瞬の途切れ)
- momentary hesitation(一瞬のためらい)
- momentary pause(一瞬の休止)
- momentary relief(一瞬の安堵)
- momentary confusion(一瞬の混乱)
- momentary glimpse(一瞬のちらりと見ること)
- momentary distraction(一瞬の気が散ること)
- momentary doubt(一瞬の疑い)
- momentary surge of energy(一瞬のエネルギーの高まり)
- momentary flash of anger(一瞬の怒りの閃き)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「moment」はラテン語の「momentum」が由来で、「動き」「短い時間の単位」を意味します。「-ary」は形容詞を作る接尾辞で、「〜に関する」「〜の性質をもつ」という機能をもちます。
ニュアンス
- 「時間的にとても短い」という意味を強調する単語です。軽やかで、一瞬で消えてしまうイメージです。
- 書き言葉でも話し言葉でも使えますが、日常会話では「brief」「short-lived」「fleeting」などに置き換えられることも多いです。
口語・文章での使用
- 口語:カジュアルに「ほんの一瞬」というイメージを伝えたいときに使用します。
- 文章:エッセイや小説、ビジネスのレポートなどで「ごく短い時間」を強調するときに使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として名詞を修飾する
- 例: “a momentary pause” / “the momentary confusion”
- 使用シーン
- 日常会話でも使われますが、やや文語的・書き言葉寄りの響きがあります。
- 日常会話でも使われますが、やや文語的・書き言葉寄りの響きがあります。
- 可算・不可算の区別
- 形容詞なので名詞の可算・不可算は気にせず、あらゆる名詞を修飾可能です。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I felt a momentary chill when the door suddenly opened.”
(ドアが急に開いたとき、一瞬ゾッとしました。) - “There was a momentary pause in the conversation.”
(会話が一瞬止まりました。) - “She had a momentary thought about calling her friend, but decided against it.”
(彼女は友達に電話しようと一瞬思ったけれど、やめました。)
ビジネスでの例文
- “I experienced a momentary loss of focus during the meeting.”
(会議中に一瞬集中力が途切れました。) - “The system had a momentary glitch but resumed normal operation.”
(システムは一瞬不調を起こしましたが、すぐに通常通りに戻りました。) - “We apologize for the momentary inconvenience caused by the network downtime.”
(ネットワーク停止によって生じた一時的不便をお詫びいたします。)
学術的な文脈での例文
- “The chemical reaction exhibits a momentary surge in temperature before stabilizing.”
(化学反応は安定する前に一瞬温度が急上昇します。) - “During the experiment, we observed a momentary fluctuation in the electrical current.”
(実験中、電流に一瞬の変動が見られました。) - “The subject showed a momentary increase in heart rate when exposed to the stimulus.”
(被験者は刺激にさらされたとき、一瞬心拍数が上昇しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- fleeting(儚い)
- 「短時間で過ぎ去る」という点で似ているが、感情や状況がすぐ消えるイメージが強め。
- 「短時間で過ぎ去る」という点で似ているが、感情や状況がすぐ消えるイメージが強め。
- brief(短い)
- 「momentary」よりは少し長い場合にも使え、「簡潔な」というニュアンスもあり。
- 「momentary」よりは少し長い場合にも使え、「簡潔な」というニュアンスもあり。
- transient(一時的な)
- 「一時的である」ニュアンスが強く、科学/学術文脈でも頻出。
- 「一時的である」ニュアンスが強く、科学/学術文脈でも頻出。
- short-lived(短命の)
- 生命的・比喩的に「長く続かない」感じを表す。
反意語
- lasting(長続きする)
- permanent(永久的な)
- enduring(耐久性のある)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語 (General American): /ˈmoʊ.mən.ter.i/
- イギリス英語 (RP): /ˈməʊ.mən.tər.i/
強勢(アクセント)の位置
- “mo” の部分に強勢が来て “MO-men-tary” のように発音されます。
よくある発音ミス
- 「moment(モーメント)」と混同して「モメンタリー」になってしまうことが多いので注意が必要です。
- アメリカ英語では「モウ」、イギリス英語では「モウ(少し口をすぼめる)」といった微妙な違いがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペル: “momentary” の “a” と “e” の位置を間違えて “momantary” と書いてしまうなどのミスがある。
- 同音異義語の混同: “momentarily” は「すぐに」の意味であり、「一瞬のうちに」という副詞になる。「momentary」と意味や役割が少し違うので混同しないよう注意。
- 試験での出題: TOEICや英検では、文脈判断で「短時間の」と訳す必要がある問題が出ることがあります。また、類義語区別問題として出る場合も。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “moment” → 「今」や「短い時間」のイメージ + “-ary” → 形容詞にするイメージ。
- 「モーメント」に「-ary」がついて、「一瞬の」という意味を示す、と覚えると良いでしょう。
- ほかの
-ary
形容詞(temporary, necessary など)とセットで覚えると、形容詞化するパターンを理解しやすいです。
以上が「momentary」の詳細な解説です。「momentary」は、何かが非常に短い時間だけ続くイメージを表す便利な形容詞なので、ぜひ使い方を理解して覚えていきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
瞬時の,はかない,つかの間の
意味(2)
《ややまれ》刻々の