merge

以下では、英単語「merge」について、できるだけ詳細に解説します。

1. 基本情報と概要

英単語: merge

品詞: 動詞 (verb)

活用形:

• 現在形: merge / merges
  


• 過去形: merged
  


• 過去分詞: merged
  


• 現在分詞・動名詞: merging

意味（英語）:

“merge” means “to combine or cause to combine to form a single entity.”

意味（日本語）:

「合併する」「融合する」「一つにまとめる」という意味です。二つ以上のものを統合して、区別がなくなるようにまとめるときに使われます。ビジネスシーンでは会社の合併やデータの統合など、一般会話では道路が合流するときなどにも使われる単語です。

CEFRレベル目安: B2（中上級）

• B2（中上級）はある程度まとまった文章や会話の大意をつかめるようになり、日常的だけでなくビジネスや学術的内容も理解しはじめるレベルです。

2. 語構成と詳細な意味

• 語幹: “merge”
  
  接頭語・接尾語が特につかないシンプルな形です。




• 派生形:

  
  
  • merger (名詞) : 「合併」「併合」
    
    例: “The merger between the two companies was finalized.”
    
  
  
  • merged (形容詞的用法) : 「合併した」「融合した」
    
    例: “The newly merged team is working well together.”
    
  
  

よく使われるコロケーション（共起表現）10選

1. merge with ～
   
   
   
   • 「～と合併する / 統合する」
     
   
   


2. merge into ～
   
   
   
   • 「～に合流する / 溶け込む」
     
   
   


3. merge seamlessly
   
   
   
   • 「スムーズに（途切れなく）統合する」
     
   
   


4. merge two companies
   
   
   
   • 「二つの会社を合併する」
     
   
   


5. merge data
   
   
   
   • 「データを統合する」
     
   
   


6. plan to merge
   
   
   
   • 「合併（統合）を計画する」
     
   
   


7. merge lanes (in traffic)
   
   
   
   • 「車線が合流する」
     
   
   


8. gradually merge
   
   
   
   • 「徐々に合流する / 徐々に一つになる」
     
   
   


9. merge into the background
   
   
   
   • 「背景に溶け込む」
     
   
   


10. refuse to merge
    
    
    
    • 「合併を拒否する / 統合を拒む」
    
    

3. 語源とニュアンス

• 語源: ラテン語の “mergere”「浸す、沈める」が語源とされています。そこから、「一緒に沈み込ませる→合わさって一体になる」という意味へと発展しました。




• ニュアンス:

  
  
  • ものごとが「一体化する・溶け合う」イメージがあります。
    
  
  
  • ビジネスやITの文脈では比較的フォーマルに使われる一方、日常会話でも道路や組織の「合流・合併」を表す際に使われます。
    
  
  
  • 「合わさる」という行為自体は比較的中立的な表現で、ポジティブにもネガティブにも使えます。
  
  



• 使われるシーン:

  
  
  • フォーマル: ビジネスや公的な内容（企業合併、データ統合など）
    
  
  
  • カジュアル: 日常会話（道路の合流や色の混合など）
  
  

4. 文法的な特徴と構文

• 他動詞 / 自動詞の使い分け:

  
  
  • 自動詞 (intransitive): “Two roads merge ahead.”（2本の道路が先で合流する）
    
  
  
  • 他動詞 (transitive): “We will merge the two datasets.”（私たちは2つのデータセットを統合する）
    
  
  



• 一般的な構文例:

  
  
  • merge A with B:「AとBを合併・融合させる」
    
  
  
  • merge into 〜:「〜に溶け込む / 合流する」
    
  
  



• イディオム:
  
  直接的なイディオムは少ないですが、“merge in the background” が「背景に溶け込む」表現としてしばしば使われます。




• 使用シーンの特徴:

  
  
  • ビジネス文書や会議などのフォーマルな場でよく登場
    
  
  
  • 日常会話でも道路の「合流」を表すシーンなどで使用
  
  

5. 実例と例文

日常会話での例文

1. “Let’s merge our ideas and see what we come up with.”
   
   （アイデアを一つにまとめて、どんな案ができるか考えよう。）




2. “The streams merge into one river just behind that hill.”
   
   （あの丘のすぐ裏で、小川が一つの川に合流するんだよ。）




3. “The traffic lanes merge here, so be careful.”
   
   （ここで車線が合流するから、気をつけてね。）

ビジネスシーンでの例文

1. “Our company decided to merge with a major competitor.”
   
   （私たちの会社は大手競合と合併することを決めました。）




2. “The two departments will merge next month to cut costs.”
   
   （コスト削減のため、2つの部署は来月、統合されます。）




3. “We need to merge these two data sets before analyzing them.”
   
   （分析を始める前に、この2つのデータセットを統合する必要があります。）

学術的な（アカデミック）文脈での例文

1. “Different theories can merge to form a comprehensive framework.”
   
   （異なる理論が合流して包括的な枠組みを形成することがある。）




2. “When tectonic plates merge, mountain ranges may form.”
   
   （プレートが合わさると、山脈が形成される場合があります。）




3. “In linguistics, certain dialects may gradually merge over time.”
   
   （言語学においては、特定の方言が時間の経過とともに徐々に融合することがあります。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. combine（結合する）
   
   
   
   • より一般的に「二つ以上のものを組み合わせる」ときに使われます。
     
   
   


2. unite（団結する、結合する）
   
   
   
   • 「人や組織が一体になる」というニュアンスが強いです。
     
   
   


3. amalgamate（合併する）
   
   
   
   • 主に企業合併などフォーマルなシーンで使われることが多い。
     
   
   


4. fuse（溶融する、融合する）
   
   
   
   • 化学反応や物質が溶け合うイメージにもよく使われる。
     
   
   


5. blend（混ぜ合わせる）
   
   
   
   • 食べ物や色などの混ざり合いに使われることが多い。
   
   

反意語

1. split（分割する）
   


2. separate（分ける、区別する）
   


3. divide（分割する、分ける）

これらは「分割する・切り離す」という意味で、 “merge” と反対の動作になります。

7. 発音とアクセントの特徴

• 米国英語（IPA）: /mɝːdʒ/
  


• 英国英語（IPA）: /mɜːdʒ/
  


• 強勢: 単音節なので、特に強勢が意識される位置はありませんが、/mɜː/ 部分をはっきりと発音します。

よくある発音の間違い

• 「マー(ジ)」のように /mɑːdʒ/ と発音してしまうことがあるので注意しましょう。
  


• 米英問わず「マァジ」に近い音ですが、/r/ をしっかり意識して “murr-j” のように発音すると良いです。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

• スペルミス: 「merg」として “e” を落としたり、「marge」と書いてしまうなどの間違いがあるので注意してください。
  


• 同音・類似語との混同: “emerge” (出現する)、“immerge” (沈む・浸す) とは意味が異なります。文字が似ていて混同しやすいので注意しましょう。
  


• TOEICや資格試験での出題傾向: ビジネス関連の文章で “merge” は頻繁に出題される可能性があります（会社の合併、組織変更など）。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 語源イメージ: ラテン語 “mergere” は「沈める、浸す」の意味。水の中に何かを沈めると他の水と溶け合って区別がつかなくなるイメージ→ “merge” も「区別できないくらい混ざってしまう」という発想で覚えましょう。
  


• 勉強テクニック: “submerge”（沈める、潜水する）を知っていると “merge” も関連づけて覚えやすいでしょう。
  


• 音的な覚え方: “me + r + ge” → “マージ” と覚え、IT用語でよくある “merge request”（Gitなどでのブランチの統合）を思い浮かべるとイメージしやすいです。

以上が、動詞「merge」の解説です。会社の合併やデータの統合など、ビジネスやITの文脈で特によく使われる単語なので、意味と使い方をしっかり覚えておきましょう。