元となった辞書の項目
catalyst
解説
1. 基本情報と概要
英単語: catalyst
品詞: 名詞 (Noun)
意味(英語)
- Something that increases the rate of a chemical reaction without itself being affected or changed permanently.
- A person or thing that causes a change or event to happen more quickly.
意味(日本語)
- 化学反応を促進するが、自身は反応後も変化しない物質のこと。
- (比喩的に)ある変化や出来事を急速に引き起こすきっかけとなる人や物事。
「化学の場面では反応を速める物質、比喩的には“きっかけ”や“大きな変化を起こす推進役”のニュアンスを持つ名詞です。」
活用形
- 単数形: catalyst
- 複数形: catalysts
※「catalyst」は名詞なので動詞変化はありませんが、動詞形として「to catalyze (~を触媒する)」、形容詞形として「catalytic (触媒作用のある)」などがあります。
CEFRレベル目安
- B2(中上級): 理由として、科学やビジネスなど少し専門性の高い文脈でよく使われるため、やや高めのレベルといえます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「cata-」: ギリシャ語の “kata-” が起源で、「下へ」「完全に」「分解」などのニュアンスを含む。
- 「-lyst」: ギリシャ語の “lysis”(分解)に由来し、「分解する」「ほどく」という意味を持つ。
派生語や類縁語
- catalyze (動詞): 触媒として働く、(比喩的に)変化を促す
- catalysis (名詞): 触媒作用
- catalytic (形容詞): 触媒の、触媒作用の
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- be a catalyst for change(変化のきっかけとなる)
- serve as a catalyst(触媒として機能する、きっかけとなる)
- act as a catalyst(触媒の役割を果たす)
- political catalyst(政治的変革をもたらすきっかけ)
- economic catalyst(経済的変化の引き金・推進役)
- catalyst in a reaction(反応における触媒)
- catalyst development(触媒の開発)
- a catalyst behind the scene(舞台裏でのきっかけ)
- major catalyst(主要な変化の原動力・触媒)
- positive catalyst(良い方面への変化を促す要因)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「catalyst」は、ギリシャ語で「分解」を表す “kata” + “lysis” が組み合わさり、「分解して何かを起こす」というイメージから生まれました。
- 化学の分野では「化学反応を加速するが、最終的には自身は変化しない物質」を指し、比喩的にも「行動や考え方の変化を引き起こす存在」を表すように派生しました。
ニュアンス・使用時の注意
- 比喩的に使う場合は、フォーマルからややカジュアルなシーンまで幅広く使われますが、主にビジネスや学術、政策などで「大きな変化のきっかけ」を強調するとき用いられます。
- 「きっかけ」のニュアンスは積極的・肯定的な変化に使われることが多いものの、中立的に「何らかの変化」の引き金を意味する場合もあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として、可算名詞 (a catalyst / catalysts) です。
- フォーマルな文書からスピーチ、会話まで幅広く使われますが、科学的文脈では非常に専門的に扱われることが多いです。
- 一般的な構文
- “X is a catalyst for Y.” (XがYの引き金となる)
- “X served as a catalyst for the company’s success.” (Xがその会社の成功のきっかけとなった)
- “X is a catalyst for Y.” (XがYの引き金となる)
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I think that meeting turned out to be a catalyst for our friendship.”
(あの会合が私たちの友情のきっかけになったと思うよ。) - “Her encouraging words were a catalyst for me to change my career path.”
(彼女の励ましの言葉が、私のキャリアを変えるきっかけになった。) - “Traveling abroad can sometimes be a catalyst for personal growth.”
(海外旅行が、自分を成長させるきっかけになることがあるよね。)
ビジネスでの例文
- “The new CEO’s leadership acted as a catalyst for rapid expansion.”
(新しいCEOのリーダーシップが、急速な拡大のきっかけとなった。) - “We need a catalyst to boost our sales in the next quarter.”
(次の四半期で売上を伸ばすためのきっかけが必要だ。) - “Innovative technology can be a catalyst that disrupts the entire market.”
(革新的な技術は、市場全体を変革するきっかけになり得る。)
学術的な文脈での例文
- “Platinum is often used as a catalyst in chemical reactions.”
(白金は化学反応の触媒としてよく使われる。) - “The study found that certain enzymes act as catalysts in metabolic processes.”
(ある種の酵素が代謝過程で触媒として働くことが、その研究で分かった。) - “This historical event was a catalyst for political reform in the region.”
(この歴史的出来事が、その地域における政治改革のきっかけとなった。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- impetus(刺激、推進力)
- stimulus(刺激)
- spark(火付け役、きっかけ)
- trigger(引き金、きっかけ)
- accelerator(加速要因)
- 「impetus」はより“動機づけ”のニュアンスが強い
- 「stimulus」は生物学・経済学などで“刺激”という科学的な語感が強い
- 「spark」や「trigger」は「ほんの小さなきっかけ」が大きな変化に派生する感じを強調
- 「accelerator」は速度を上げる要因としてややテクニカル
反意語 (Antonyms)
- inhibitor(阻害要因)
- hindrance(妨げ)
- obstacle(障害)
「catalyst」が“進める”や“促進する”の意味を持つのに対して、それらは“阻害・妨げる”方向で使います。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈkætəlɪst/
- アクセント: 第1音節「cat」に強勢。
- アメリカ英語とイギリス英語: 大きな違いはありませんが、アメリカ英語はやや「カァタリスト」に近い音、イギリス英語はもう少しクリアな [æ] で「キャタリスト」と発音されることが多いです。
- よくある発音ミス: 「カタリスト」と発音するとき、[æ] の発音が [ɑ](アー)になる人が多いので注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “catalist” と「y」を抜かしてしまう誤りが多いので注意してください。
- 同音異義語との混同: 類似した語はあまりありませんが、“catalogue”などと綴りを混同しないよう意識してください。
- 試験対策: TOEICや英検などの読解で、ビジネスを大きく変える要因や化学の文脈で登場する可能性があります。“key factor”の意味で出てくる場合あり。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「キャタピラー(caterpillar)」と少し似ている音ですが、「リスト(list)」に近い “lyst” があることを意識すると、スペリングを間違えにくくなります。
- 「化学反応をスムーズにする物質」というイメージを持つと、比喩として状況をスムーズに変える要因なのだと覚えやすいでしょう。
- 「何かを起こすきっかけ」と覚えておけば、日常でも学術の場面でも使えます。
以上が名詞「catalyst」の詳細解説です。化学からビジネスまで幅広い文脈で使われる便利な単語ですので、ぜひ覚えて活用してください。
意味のイメージ
意味(1)
触媒[剤]