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captive
解説
名詞「captive」を徹底解説
1. 基本情報と概要
英語: captive
日本語: 捕虜、囚人、束縛されている人
意味の解説
「captive」は「捕虜」や「囚人」、「強制的にどこかに閉じ込められている人」という意味です。一般的には、戦争や犯罪の文脈で「捕虜」「人質」として使われるほか、比喩的に「自由を奪われた(束縛された)状態」にある人のことも表します。たとえば、「選択肢がなく、状況から抜け出せない人」に対しても使われることがあります。
「捕まっちゃって、自由がない状態」を指すニュアンスなので、会話や文章で「拘束された人」や「自由がきかない状態の人」を強調するときに使われる単語です。
品詞
- 名詞 (noun): captive
- 形容詞 (adjective): captive (例: a captive audience)
活用形
- 名詞自体は数えられる名詞 (可算名詞) です。
- 単数形: a captive
- 複数形: captives
- 単数形: a captive
- 形容詞として用いられる場合は活用しません (captive のまま)。
他の品詞になったときの例
- capture (動詞): 捕まえる、捕獲する
- capture (名詞): 捕獲、逮捕、記録
CEFRレベルの目安
- B2 (中上級): 文章で見かける機会も多く、会話でもたまに使われる単語。中上級レベルの単語として位置づけられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: capt- (ラテン語「capere(つかまえる)」に由来)
- 接尾語: -ive (形容詞化/名詞化して「〜する性質の」「〜された状態」を表す)
派生語・類縁語
- capture (動詞/名詞): 捕まえる、捕獲
- captor (名詞): 捕らえる人、逮捕者
- captivity (名詞): 捕らえられている状態、監禁状態
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- be taken captive(捕虜になる)
- hold someone captive(誰かを捕らえておく)
- remain a captive(捕虜のままでいる)
- release a captive(捕虜を解放する)
- captive audience(身動きが取れない聴衆)
- captive market(他に選択肢がない市場)
- keep captives under guard(捕虜を監視下に置く)
- exchange of captives(捕虜の交換)
- emotional captive(感情的に縛られた状態)
- political captive(政治的理由で拘束された人)
3. 語源とニュアンス
語源
「captive」はラテン語で「つかむ」「捕まえる」を意味する “capere” に由来します。そこに形容詞・名詞化する “-ive” がついた形です。古代の戦争や征服の文脈で「捕囚された人」を指すところから始まり、現在まで戦争や犯罪、さらには比喩表現としても広く用いられています。
使用時の注意点・ニュアンス
- 捕虜・監禁状態: 直接的に自由を奪われた人を指すため、やや強いニュアンスがある。
- 比喩的使用: 物理的な拘束だけでなく、心情的に「何かにとらわれている」場合にも使われる(例: “I was held captive by the beauty of the painting.”)。
- フォーマル/カジュアル: 比喩的に使う場合は日常会話でも使われるが、戦争や犯罪の文脈で正式に「捕虜」と言う場合はややフォーマル寄り。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun): a captive, captives
- 形容詞 (adjective): a captive audience, captive animals
一般的な構文
- “(Subject) + take + (O) + captive”
例: “They took the enemy soldiers captive.”(敵兵を捕らえた) - “(Subject) + remain + a captive”
例: “He remained a captive for months.”(彼は数ヶ月間捕虜のままだった) - “turn/hold/keep someone captive”
例: “They kept him captive in the basement.”(彼を地下室に監禁していた)
イディオム
- be a captive of one’s own making: 自分の行動・選択によって自分を追い詰めてしまうこと(やや文学的)。
使用シーン
- フォーマル: 戦争報道、法廷、ニュース記事など
- カジュアル: 日常的な比喩表現、会話での例え話など
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I felt like a captive to my own habits. I just couldn’t quit smoking.”
(自分の習慣に囚われている気がして、どうしてもタバコをやめられなかったんだ。) - “He’s practically a captive of his job; he can never take time off.”
(彼は仕事に縛られていて、全然休みが取れないみたい。) - “Whenever I visit my grandma, I become a captive audience to her stories.”
(祖母の家に行くと、彼女の昔話を延々と聞かされて、逃げられない。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “We have a captive market because our customers have no alternatives.”
(顧客に選択肢がないので、我々には確実な市場がある。) - “The competitor’s new policy made us feel like captives to pricing pressures.”
(競合他社の新方針によって、わたしたちは価格競争に縛られているように感じた。) - “The manager kept the entire department captive in a two-hour meeting.”
(マネージャーは2時間の会議で部署全体を拘束したんだ。)
(3) 学術的な文脈での例文
- “Historically, prisoners of war were often held captive for extended periods.”
(歴史的に、捕虜は長期にわたって拘束されることが多かった。) - “The researcher argued that modern consumers can become psychological captives of advertising.”
(研究者は、現代の消費者は広告に心理的にとらわれることがあると主張した。) - “In captivity, certain animals exhibit behaviors they wouldn’t show in the wild.”
(飼育下では、一部の動物は野生では見せない行動を示す。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- prisoner (囚人・捕虜)
- 「prisoner」は裁判や法律の結果としての「囚人」を指すことが多いが、「捕虜」としても使われる場合がある。
- 「prisoner」は裁判や法律の結果としての「囚人」を指すことが多いが、「捕虜」としても使われる場合がある。
- hostage (人質)
- 「hostage」は「身代金や交換条件などを要求するために拘束された人質」の意味が強い。
- 「hostage」は「身代金や交換条件などを要求するために拘束された人質」の意味が強い。
- detainee (被拘留者)
- 「違法行為などの疑いにより拘留された人」というニュアンス。フォーマルな文章で使われやすい。
反意語
- free (自由な)
- released (解放された)
- liberated (解放された、自由を得た)
これらは「捕虜状態から解放された」ことを示す表現です。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈkæp.tɪv/
- アメリカ英語 (AE): 「キャプティヴ」
- イギリス英語 (BE): 同じく /ˈkæp.tɪv/ だが、母音の響きがやや柔らかくなる場合がある。
- アメリカ英語 (AE): 「キャプティヴ」
- アクセント (強勢): 最初の「cap-」の部分にアクセントがあります。
- よくある間違い: 「cap*ti*ve」の「t」の音を弱く発音しすぎたり、子音の発音があいまいになること。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 綴りの間違い: “capture” (動詞/名詞) と混同したり、-tive の部分を -t*i*ve とスペルミスしがち。
- 同音異義語との混同: 特にはないが、“captive” と “captivate” はつづりが似ているが意味が異なる(captivate は「魅了する」)。
- 試験対策:
- TOEICや英検などでは「捕虜」や「束縛状態」に関連する文脈で語彙問題として出るかもしれません。
- 動詞“capture”と区別できるかがポイント。
- TOEICや英検などでは「捕虜」や「束縛状態」に関連する文脈で語彙問題として出るかもしれません。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「cap-」には「つかむ」のニュアンスが含まれます。
- 「capture(捕まえる)」とセットで覚えるとイメージしやすいでしょう。
- 「-ive」は名詞化や形容詞化に用いられる接尾語で、「その状態にあるもの」を示します。
- 「捕まえられている人」と覚えれば記憶に残りやすいです。
以上が名詞「captive」の詳細解説です。戦争や犯罪以外にも、日常の比喩やビジネスの文脈でも意外とよく使われる単語ですので、ぜひ覚えて活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
捕虜
意味(2)
(…の)とりこになった人《+of+名》