元となった辞書の項目
artery
解説
1. 基本情報と概要
英単語: artery
品詞: 名詞 (noun)
意味 (英語): A blood vessel that carries oxygen-rich blood from the heart to other parts of the body; also used metaphorically to refer to a central or main route (e.g., a main road or channel for communication).
意味 (日本語): 心臓から身体の各部に酸素を含んだ血液を送り出すための血管を指します。また、主要な道路や交通路などを比喩的に「大動脈」として呼ぶこともあります。主に医学的な文脈や比喩的な表現で「主要路線」を意味する場合に用いられます。
たとえば、医学では「冠動脈(coronary artery)」や比喩として「交通の大動脈」というように使われます。身体の中の重要な血管を指すので、少し専門的なニュアンスがありますが、「交通の大動脈」など一般的な比喩にもよく登場します。
活用形
- 単数形: artery
- 複数形: arteries
派生語
- arterial (形容詞): 「動脈の」という意味。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 一般学習者が医学や生物学、またはニュースなどで出てくる専門用語に対応するために知っておくとよい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- もともとはギリシャ語の「ἀρτηρία (artēría)」が語源とされ、ラテン語の「artēria」を経て英語に入ったと言われます。
- 接頭語・接尾語として明確には分けにくい単語ですが、「arter-」という形が「動脈」に関する語幹となり、「-ial」などが付くと形容詞化される(arterial)という形になります。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- coronary artery(冠動脈)
- carotid artery(頸動脈)
- femoral artery(大腿動脈)
- pulmonary artery(肺動脈)
- major artery(主要な動脈)
- blocked artery(動脈の閉塞)
- narrow artery(狭くなった動脈)
- arterial blood(動脈血)
- arterial disease(動脈の疾患)
- arterial wall(動脈壁)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古代ギリシャ語の「ἀρτηρία (artēría)」が本来は「気管」などを指したとされていますが、後に「血管(特に動脈)」の意味へ変化した、と言われています。医学用語として古くから使われています。
ニュアンスや使用時の注意点
- 医学的: 「動脈」という専門用語として使う場合は正式かつフォーマルな文脈で用いられます。
- 比喩的: 「主要道路」や「大事な組織の中心ルート」といった意味でカジュアルな表現でも使われます。
- 文学的・ニュース記事などでも、「交通の大動脈」「情報の大動脈」などの比喩表現を見ることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun): 「an artery」「two arteries」のように可算名詞として扱います。
- 医学・科学文献などでは形式的でフォーマルな文脈でよく登場しますが、日常会話でも「交通の大動脈」と比喩的に用いられる場合があります。
- イディオム的表現: 特定の慣用句はあまり多くありませんが、「arterial road(主要道路/幹線道路)」のような表現があります。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I heard there is a blocked artery in his heart.”
(彼の心臓の動脈が詰まっているらしいよ。) - “This highway is like the main artery of the entire region.”
(この高速道路は、この地域全体の主要な交通路みたいだね。) - “They’re building a new road to serve as an artery connecting the two cities.”
(2つの都市を結ぶ大動脈として新しい道路を作っているんだ。)
ビジネスシーンでの例文
- “Reliable data transmission lines act as the artery of modern finance.”
(信頼性の高いデータ通信用回線は、現代の金融の大動脈のような役割を果たします。) - “Disrupting the supply chain artery can have massive impacts on profits.”
(サプライチェーンの大動脈を断つと、利益に大きな影響が出ます。) - “We should identify the main artery of our distribution network and strengthen it.”
(私たちの流通ネットワークにおける主要な大動脈を特定し、強化するべきです。)
学術的・医学的な文脈での例文
- “The coronary artery supplies blood directly to the heart muscle.”
(冠動脈は心臓の筋肉に直接血液を供給します。) - “Narrowed arteries significantly increase the risk of heart attack.”
(狭くなった動脈は心臓発作のリスクを大幅に高めます。) - “Anatomical research shows variations in the branching patterns of the femoral artery.”
(解剖学の研究は、大腿動脈の分岐パターンに個人差があることを示しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- blood vessel(血管): 動脈・静脈・毛細血管をまとめて指す一般用語。
- vein(静脈): 血液を心臓へ戻す血管。動脈の対になる言葉ですが反意語というより対概念。
- main road / highway(幹線道路、主要道路): 交通路として用いる比喩的意味に近い表現。
- blood vessel(血管): 動脈・静脈・毛細血管をまとめて指す一般用語。
反意語
- 医学的に厳密な「反意語」はありませんが、「vein (静脈)」が方向性が逆という意味で対になる場合が多いです。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA)
- イギリス英語 (BrE): /ˈɑːtəri/
- アメリカ英語 (AmE): /ˈɑːrtəri/ または /ˈɑrtəri/
- イギリス英語 (BrE): /ˈɑːtəri/
- アクセント/ストレス: ar にストレスが置かれ、最初の音節が強く読まれます。
- よくある発音の間違い: 第二音節を強く読んだり、「r」を強く巻き舌にしすぎると不自然になるため、最初の音節「AR」の部分をしっかり発音するのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “artery” のつづりを “arterey” や “artary” と誤ることがあるので注意。
- 同音異義語との混同: パッと思い浮かぶ同音異義語はありませんが、見た目が似た「artistry(芸術性)」などとは全く別の意味なので混同注意。
- 試験での出題傾向: 医学系のトピックや、交通・インフラなどのニュース記事を扱う問題で登場することがあります。TOEICや英検の読解・リスニングで、比喩的に使われる文脈が出ることもあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 覚え方のヒント: “Artery” の “Ar-” が “Away from the heart” のイメージにつながると覚えやすいという人もいます。
- ストーリー: 「心臓から血液を外へ運ぶ『大事な通り道』」というイメージを思い浮かべると、「物流や交通の中心となる主要ルート」を指す比喩にも発展して覚えやすいです。
- スペリングのポイント: スペルは “artery” と「t」→「e」→「r」の順をしっかり押さえましょう。
以上が、名詞「artery」の詳細な解説です。医学的な文脈でだけでなく、主要な道路や供給路などを比喩的に表現するときにも頻出する語なので、ぜひ押さえておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
動脈
意味(2)
(道路・水路・鉄道などの)幹線,(通信の)主チャンネル