tabloid
以下では英単語「tabloid」について、学習者向けにできるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
単語: tabloid
品詞: 名詞 (noun)
意味(英語)
A small-format newspaper focusing on sensational or popular news stories, often with shorter articles and many images.
意味(日本語)
小さめの判型で発行される新聞で、主にスキャンダルやゴシップなどの大衆向けのセンセーショナルな記事を多く載せるもの。
「タブロイド紙」はゴシップや芸能ニュース、スキャンダル系の話題を中心に掲載する新聞です。サイズが小さく、写真や見出しが大きくレイアウトされ、エンターテイメント性が高いのが特徴です。
活用形
- 名詞のため活用形(時制による変化)はありません。
- 可算名詞として使われる場合が多く、「a tabloid」「the tabloids」のように冠詞をつけることがあります。
他の品詞になった時の例
- 「tabloid journalism」(形容詞的用法) → タブロイド形式の報道、あるいは軽薄な報道というニュアンス。
CEFRレベル目安: B2(中上級)
この単語は新聞やメディアの種類に関する語彙で、一般的にメディア関連の文章やトピックで登場するため、ある程度の語彙がある学習者向けのレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
- 「tabloid」は、もともとイギリスの医薬品会社が登録した錠剤の商標名から来ており、派生的に「コンパクトサイズ」というイメージをもつようになりました。
- 語幹や接尾語などに分解しにくい単語ですが、不変化の形で使われ、サイズや内容の「縮小」「凝縮」というニュアンスを含みます。
関連語や派生語
- tabloidesque (形容詞): タブロイド紙のような、低俗・扇情的なイメージを伴う
- tabloid journalism (名詞フレーズ): タブロイド的報道、ゴシップ主体の報道
よく使われるコロケーション(共起表現)と関連フレーズ10個
- sensational tabloid headlines
(センセーショナルなタブロイドの見出し) - tabloid press
(タブロイド紙界、タブロイド紙全般) - tabloid journalist
(タブロイドの記者) - celebrity tabloid coverage
(有名人の話題を扱うタブロイド報道) - tabloid gossip
(タブロイド紙のゴシップ) - tabloid circulation
(タブロイド紙の発行部数) - tabloids thrive on scandals
(タブロイド紙はスキャンダルで成り立つ) - sensationalized tabloid stories
(誇張したタブロイド記事) - to appear in the tabloids
(タブロイド紙に登場する) - tabloid sensationalism
(タブロイド紙の扇情主義)
3. 語源とニュアンス
語源
「tabloid」は19世紀末にイギリスの薬剤会社が“小さな錠剤”を “Tabloid”という商標名で売り出したのが始まりとされています。そこから「凝縮された」「小型の」という意味合いが派生し、小さめの新聞の判型を表す言葉として使われるようになりました。
ニュアンス
- 大衆性が強く、やや下世話なニュースやゴシップ記事が多い。
- フォーマルな品質の新聞(broadsheet)とは対比される。
- 文章で使う場合は「扇情的な」「ゴシップまみれの」といったニュアンスが含まれることがあるため注意が必要。
使用シーン
- 主にメディア・ジャーナリズム関連の文脈で使われます。
- 会話や記事など、口語体でも使われますが、ビジネス文書ではややカジュアルな印象を与えます。
- 場合によっては少し否定的な、ゴシップ的なイメージを伝える事が多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞:
a tabloid,
the tabloid,
tabloids
- 他の名詞を修飾して用いられる場合は形容詞的な働きをするが、本来は名詞です。
- 例:
tabloid journalism,
tabloid culture
- 例:
イディオムや構文
to hit the tabloids
→ 「タブロイド紙で大きく取り上げられる」tabloid mentality
→ 「タブロイド思考(大げさに扱う好み)」というようなニュアンス
使用シーンとしては、カジュアルな文脈でよく使われ、フォーマルな文書で使うときはニュースメディアをカテゴライズする際などに登場します。
5. 実例と例文
5-1. 日常会話での例文(3つ)
Did you see the story about that actor in the tabloid today?
(今日のタブロイド紙であの俳優の記事を見た?)I don’t usually trust what I read in the tabloids, they exaggerate everything.
(タブロイド紙に載っていることはあまり信用していないんだ。何でも誇張するからね。)She only reads tabloids for celebrity gossip and photos.
(彼女は有名人のゴシップや写真目当てでタブロイド紙を読むよ。)
5-2. ビジネスシーンでの例文(3つ)
Our PR team is concerned about potential tabloid coverage of this scandal.
(わが社の広報チームは、このスキャンダルがタブロイド紙に取り上げられる可能性を心配しています。)When launching our new product, we must avoid any misleading headlines from the tabloids.
(新製品を発売する際、タブロイド紙の誤解を招くような見出しには気をつけないといけません。)Tabloid rumors can damage a company’s reputation if not addressed quickly.
(タブロイドの噂は、素早く対処しないと企業の評判を損なう恐れがあります。)
5-3. 学術的・フォーマル文脈での例文(3つ)
Scholars often distinguish between tabloid newspapers and broadsheets based on editorial style.
(研究者たちは編集方針に基づいて、タブロイド紙とブロードシート紙を区別することが多い。)Tabloid headlines have been analyzed for their linguistic features and impact on public perception.
(タブロイド紙の見出しは、その言語的特徴や世間の認知に与える影響の観点から分析されてきた。)The rise of tabloid journalism in the early 20th century reflects cultural shifts toward more sensational content.
(20世紀初頭にタブロイド報道が台頭したことは、よりセンセーショナルな内容を好む文化的変化を示している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
sensational newspaper (センセーショナルな新聞)
- 「読み物としては同じように扇情的な記事を扱う」という点で似ていますが、「新聞の判型」を強調する際は“tabloid”のほうが的確です。
gutter press (低俗紙)
- 特に品がない報道をする新聞への蔑称。より否定的で口語的表現です。
yellow press (イエロー・プレス)
- 扇情主義の新聞を指すやや古い表現。スキャンダルや偏った報道が多い場合に使われます。
反意語
- broadsheet (ブロードシート紙)
- 大判で、よりフォーマルかつ質の高い報道を担う新聞。深刻なニュース分析や長めの記事が多いのが特徴。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- (米) /ˈtæblɔɪd/
- (英) /ˈtæblɔɪd/
発音はアメリカ英語とイギリス英語で大きな違いはありません。
「タブロイド」の「タ」にアクセントがあり、「loid」は「ロイド」と発音します。
よくある発音の間違い
- 「テブロイド」と誤って短い「e」の音で始めること。
- 「タボイド」と「l」の音を抜かしてしまうこと。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリング: 「tabloid」は最後に「-oid」がつくことを忘れがちです。
- 国内の英語学習ではあまり頻出しない単語ですが、TOEICや英検の上位レベル、またはジャーナリズムやメディアの文脈で出題される可能性があります。
- 「tablet」などの単語と混同しないように注意。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
tab-
+-loid
→ 「小さな錠剤 (tablet) に由来している」イメージを思い出すと、コンパクトサイズの新聞を連想しやすいです。- 「小さい新聞といえばゴシップ記事」という結びつきで覚えると、内容面の特徴も思い出しやすいです。
- タブレット(tablet)との混同は、文字数の違い (“loid” で終わる) を意識して区別すると良いでしょう。
以上が、名詞「tabloid」の詳細解説です。小さな判型の新聞でセンセーショナルなニュースを取り扱うメディアという点で、おもしろい言葉の由来と印象的な用法の多い単語です。学習の際はゴシップ紙・大衆紙としてのイメージをしっかり覚えておきましょう。
タブロイド判新聞(普通の新聞紙の半分の大きさ)