最終更新日:2025/12/06

〈限度・権限・規則など〉‘から'はみだす,‘を'逸脱する

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元となった辞書の項目

overstep

動詞

〈限度・権限・規則など〉‘から'はみだす,‘を'逸脱する

このボタンはなに?

彼は権限を越える傾向があります。

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解説

1. 基本情報と概要

単語: overstep

品詞: 動詞 (verb)

活用形:


  • 現在形: overstep (三人称単数: oversteps)

  • 過去形: overstepped

  • 過去分詞: overstepped

  • 現在分詞・動名詞: overstepping

意味(英語)

To go beyond what is considered acceptable, appropriate, or safe.

意味(日本語)

許容範囲や適切な範囲を超えてしまう、という意味です。例えば、誰かの権限を超えた行為をしたり、他人のプライバシーを侵害するような行動を指すときに使うことがあります。「行き過ぎる」「度を越す」といったニュアンスを持っています。

CEFRレベルの目安: B2(中上級)

「overstep」は日常会話でも出てくることがありますが、ややフォーマルに「度を越す」と非難するときに使われる表現です。

他の品詞例


  • 名詞化した形は特別には一般的ではありませんが、派生的に “overstepping” を動名詞として使うことがあります (“overstepping of boundaries” など)。


2. 語構成と詳細な意味


  • 接頭語 “over-”: 「超えて」「過度に」という意味を加える接頭語。

  • 語幹 “step”: 「歩く」「歩み」を意味する語。

これらが合わさって、「自分の立場を超える」「度を越して足を踏み出す」というニュアンスになります。

関連語や派生語


  • overstepping (動名詞・形容詞的用法): 「度を越している(こと)」。

  • overreach: 「やりすぎる」「出しゃばる」。意味や用法に類似点があります。

よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)


  1. overstep one’s boundary/boundaries → 自分の境界(権限)を超える

  2. overstep the mark → 度を越す / 一線を越える

  3. overstep one’s authority → 権限を超える

  4. overstep one’s limits → 自分の限度を超える

  5. inadvertently overstep → うっかりやりすぎる

  6. deliberately overstep → 故意に度を越す

  7. overstep a rule → ルールを破る / ルールを越える

  8. overstep social norms → 社会的な規範を越える

  9. feel that someone has overstepped → 誰かが行きすぎだと感じる

  10. politely point out the overstep → 過剰な行為を丁寧に指摘する


3. 語源とニュアンス


  • 語源:

    「over-」(超えて) + 「step」(歩く) という組み合わせで、中英語や古英語の要素にさかのぼります。要するに境界を「踏み越える」というイメージです。


  • 歴史的用法:

    古くから「境界線を超える」「本来の立場を踏み外す」というニュアンスで使われてきました。徐々に比喩的表現として、友人関係や上下関係など、人間関係の距離感を示すときにも使われています。


  • 使用時の注意点/ニュアンス:


    • ややフォーマル寄りの言い方ですが、日常会話でも使われます。

    • 相手のプライバシーやルールを破る際など、批判めいたニュアンスがあります。

    • 文章・口頭どちらでも使用可能ですが、公共の場や書き言葉では特に「礼儀や節度を守っていない」というニュアンスを強調する表現として使われます。



4. 文法的な特徴と構文


  • 他動詞としての用法: 多くの場合は目的語が明示的・暗示的に存在し、何かの「枠・境界・権限」を踏み越すことを表します。

  • 構文例:


    • “overstep + one’s boundaries”

    • “overstep + the mark”


  • フォーマル/カジュアルの違い:


    • フォーマル: “He has overstepped his authority.” (権限を越えている)

    • カジュアル: “You really overstepped that time.” (あれはちょっとやりすぎだよ)



5. 実例と例文

日常会話での例文(3つ)


  1. “I’m sorry if I overstepped by asking too many personal questions.”

    (個人的な質問をしすぎていたら申し訳ないです。)


  2. “She overstepped her boundaries when she started reading my text messages.”

    (彼女は私のメッセージを読み始めたとき、境界を越えてしまった。)


  3. “Don’t overstep by making decisions for others without asking.”

    (相手に相談もせず勝手に決めるのは、やりすぎじゃないかな。)


ビジネスシーンでの例文(3つ)


  1. “He overstepped his authority by approving the budget without consulting the board.”

    (彼は取締役会に諮らずに予算を承認し、権限を超えた行為をしました。)


  2. “We should be careful not to overstep the client’s expectations.”

    (顧客の期待や領分を超えすぎないように注意しなければなりません。)


  3. “Overstepping the chain of command can cause confusion in the workplace.”

    (指揮系統を無視して度を越すことは、職場に混乱をもたらす可能性があります。)


学術的な文脈での例文(3つ)


  1. “The researcher risks overstepping ethical guidelines by conducting unauthorized experiments.”

    (その研究者は、許可なき実験を行うことで倫理的ガイドラインを逸脱する危険がある。)


  2. “Overstepping methodological boundaries often leads to invalid results.”

    (方法論的な範囲を超えすぎると、結果が妥当でなくなることが多い。)


  3. “Scholars must ensure they do not overstep into other domains without proper expertise.”

    (学者は、適切な専門知識がない分野へ無闇に踏み込まないように注意しなければならない。)



6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. exceed (超える)


    • 「数値や限度などを超える」場合に特に多用される。

    • 例: “You exceeded the speed limit.” (速度制限を超えた)


  2. surpass (凌駕する)


    • 「優れている」というポジティブな意味合いが強い。

    • 例: “His performance surpassed everyone’s expectations.” (彼の演技はみんなの期待を超えた)


  3. overreach (出しゃばる)


    • 自分の実力範囲や権限を緊張感なく「やりすぎる・背伸びをしすぎる」といった婉曲的なニュアンス。

    • 例: “He overreached by trying to manage too many projects at once.” (一度にプロジェクトを抱えすぎて手に負えなくなった)


  4. go beyond (範囲を超える)


    • 広く「~を超えていく」という表現。

    • 例: “Her kindness goes beyond words.” (彼女の優しさは言葉で表せないほどだ)


反意語


  • obey (従う)

  • comply (従う・順守する)

  • stay within (範囲内にとどまる)


7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号(IPA):


    • アメリカ英語: /ˌoʊvərˈstɛp/

    • イギリス英語: /ˌəʊvəˈstɛp/


  • アクセント:


    • “o-VER-step” で “step” の前の音節“VER”に強勢がきます。

    • “o” は弱く発音し、“-ver-”を強く、“step”をやや弱めに続けます。


  • よくある発音ミス:


    • 先頭の “o” を強く長く伸ばしすぎる。

    • “step” の “e” を曖昧母音にしすぎる。



8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペルミス: 「over*s*tep」と書く際に、overstrepovrstep など。

  • 同音異義語との混同: 特には目立ちませんが、“overtake” (追い越す) などの “over-” 系と混同しないように注意。

  • 試験対策・出題傾向: TOEICや英検などで「度を越した行為」「権限超過」の文脈で出る場合がある。派生語 “overstepping boundaries” のフレーズなどを見かけることも。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「over(超える) + step(一歩踏み出す)」→ 足を踏み出して越えてはいけない線を踏み越えるイメージ。

  • 「踏み切りを越えて入ってしまう」、または「他人の敷地に無断で足を踏み入れる」シーンをイメージすると、覚えやすいでしょう。

  • スペリングは “over” + “step” の組み合わせを意識すると混乱しにくいです。

以上が “overstep” の詳細解説です。日常でも、権限やプライベートの領域に気をつける場面で使いやすい単語ですね。ぜひ覚えてみてください。

意味のイメージ
overstep
意味(1)

〈限度・権限・規則など〉‘から'はみだす,‘を'逸脱する

和英選択問題 / 準上級英単語(CEFR-J B2)

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