hyperbole
名詞 “hyperbole” の詳細解説
1. 基本情報と概要
単語: hyperbole
品詞: 名詞 (不可算名詞として扱われることが多い)
意味 (英語): Extreme exaggeration for effect or emphasis.
意味 (日本語): 極端な誇張表現。日常会話や文章で、わざと大げさに表現する際に使われる言葉です。
「ほんの冗談で大げさに言っている」「強調したい気持ちを誇張を使って伝える」といった状況でよく用いられます。
CEFRレベル目安: B2 (中上級)
比較的高度な語彙なので、上級者向けテクストやスピーチでよく見られます。
活用形や他品詞形
- 名詞: hyperbole (誇張表現)
- 形容詞: hyperbolic (誇張的な)
- 副詞: hyperbolically (誇張的に)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- hyper-(接頭辞): 「超える」「過度に」
- bole: ギリシャ語の “ballein” (投げる) が変化したものとされ、「投げる」「投げ込む」を含意
「hyper-」(超える) + 「bole」(投げる)から、「超えて投げる=過度に表現する」というニュアンスになっています。
派生語や類縁語
- hyperbolic: 「誇張的な」という形容詞
- hyperbolically: 「誇張的に」という副詞
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10例)
- use hyperbole (誇張を使う)
- a piece of hyperbole (ある誇張表現)
- extreme hyperbole (極端な誇張)
- rhetorical hyperbole (修辞的誇張)
- speak in hyperbole (誇張した言い方をする)
- mere hyperbole (ただの誇張)
- without hyperbole (誇張なしで)
- descending into hyperbole (誇張に陥る)
- political hyperbole (政治的な誇張表現)
- astonishing hyperbole (驚くほどの誇張)
3. 語源とニュアンス
語源
- ギリシャ語の “hyperbolē” が由来で、さらに遡ると “hyper-” (超えて) + “ballein” (投げる) に行き着きます。
ニュアンス・使用時の注意点
- 大げさな表現であり、しばしばユーモアや強調を狙う目的で使われます。
- 純粋な事実から離れた言い回しなので、ビジネスやフォーマルな文章では使い方に気をつける必要があります。
- 口語でも文章でも見られますが、学術的論文などでは厳密さを欠く印象を与える可能性もあるため注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
名詞 (不可算)
- 通常「a hyperbole」というよりは「hyperbole」のままで使われ、可算名詞にする場合は少ないです。
- 例: “That’s pure hyperbole.” (それは全くの誇張表現だ)
- 通常「a hyperbole」というよりは「hyperbole」のままで使われ、可算名詞にする場合は少ないです。
関連イディオム・構文
- “to use hyperbole” (誇張を用いる)
- “it’s no hyperbole to say…” (…と言っても誇張ではない)
- “to use hyperbole” (誇張を用いる)
フォーマル/カジュアル
- フォーマル度: やや高め。しかし、論説や修辞的効果をねらいたい文章で用いられることが多い。
- カジュアルな場面でも「That’s just hyperbole. (そんなのただの誇張だよ)」といった言い回しで耳にすることはある。
- フォーマル度: やや高め。しかし、論説や修辞的効果をねらいたい文章で用いられることが多い。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
“I’m so hungry I could eat a horse—obviously, that’s just hyperbole.”
(お腹がすいて馬でも食べられそうだよ ― もちろん、ただの誇張だけどね。)“When he said he’d been waiting forever, it was clear hyperbole.”
(彼が「ずっと待ってた」と言ったのは明らかに誇張だったよ。)“Saying it rained cats and dogs might be hyperbole, but it really was pouring!”
(猫や犬が降ってきたみたいに言うのは誇張だけど、本当に土砂降りだったんだよ!)
ビジネス (ややフォーマル)
“The marketing campaign’s slogan used slight hyperbole to attract attention.”
(このマーケティングキャンペーンのスローガンは、注目を集めるために少し誇張を用いていました。)“We need accurate data rather than hyperbole if we want to make a strong case.”
(正確なデータが必要であって、誇張は必要ありません。説得力のある主張をしたいなら尚更です。)“Avoid hyperbole in the report; investors expect precise information.”
(レポートには誇張表現を避けてください。投資家は正確な情報を求めています。)
学術的 (フォーマル)
“Hyperbole can be found in ancient Greek rhetoric as a tool for persuasive speech.”
(誇張は、説得力のあるスピーチを行うための手段として古代ギリシャの修辞学にも見られます。)“The author’s use of hyperbole serves to emphasize certain emotional aspects of the text.”
(著者が誇張表現を用いているのは、テキストの特定の感情的側面を強調するためです。)“While hyperbole is effectual in literature, it must be applied carefully in academic discourse.”
(文学では誇張は効果的ですが、学術的な議論では慎重に使う必要があります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- exaggeration (誇張): より一般的な語。口語的にも書き言葉でも頻度が高い。
- overstatement (誇大表現): 「実際より大きく言う」ニュアンスを強調。特に数値や事実を誇張する場合によく使われる。
反意語 (Antonyms)
- understatement (控えめに言うこと): 実際よりも軽く・小さく言う場合。
- litotes (緩叙法): 否定表現を使って遠回しに肯定する修辞法。「悪くないね」というように、下げる形で肯定する手法。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /haɪˈpɝːbəli/
- イギリス英語: /haɪˈpɜːbəli/
- アメリカ英語: /haɪˈpɝːbəli/
アクセント:
最初の “hai” (ハイ) の部分にアクセントがあります。
「ハイ・パー・ボー・リー」というリズムで、第二音節 “pər” または “pɜː” の「パー」の部分が弱くなります。よくある発音ミス:
“hyper-bowl” (ハイパーボウル) と発音してしまうケースが頻出。語尾は “bəli” (ボリ / バリ) とするように注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「hyperbol」や「hyperbowl」と書いてしまうミスが多いので注意。
- 同音異義語との混同: 特に “hyperbola” (双曲線という数学用語) とはスペルも似ていますが意味は全く異なります。
- 試験対策上の注意: TOEICなどのビジネス英語試験ではあまり頻出しませんが、英検1級や上級の読解問題などでは登場する可能性があります。エッセイや論説文に出てくる修辞手法として覚えておくと有利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ハイパーにボールを投げる → 遠くへ投げる → 大げさに言う」 とイメージすると覚えやすいでしょう。
- 語源の “hyper” (超える) + “bole” (投げる) を思い浮かべれば、「度を超えて発言する = 誇張する」と連想できます。
- スペル注意: 末尾が “-bole” で終わる点がポイント。すぐに「-bowl」と書き間違えやすいので要注意。
以上が、名詞 “hyperbole” の詳細解説です。誇張表現としてのニュアンスと、正確性を求められる場面での使い方の区別を意識して使ってみてください。
誇張法;〈C〉誇張表現(語句)(I'm starving!「おなかがぺこぺこだ」など)