元となった辞書の項目
prick
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: prick
品詞: 動詞(他動詞・自動詞両方の用法があります)
- 英語の意味: to make a small hole in something or cause someone to feel a sharp, slight pain using a pointed object.
- 日本語の意味: 「(針やとがった物で)チクリと刺す」、「突き刺す」、「(人に)軽い痛みを与える」。
- チクリと刺したり、突き刺すときに使われる動詞です。ニュアンスとしては「鋭い先端で軽く刺す」「ちょっとした痛みを与える」というイメージです。
活用形:
- 原形: prick
- 三人称単数現在形: pricks
- 現在進行形: pricking
- 過去形/過去分詞形: pricked
名詞形など他の品詞での例:
- 名詞: a prick(「チクリと刺すこと」「刺し傷」またはスラングで「嫌なやつ」「陰茎」を指す場合もあるので注意)
- 形容詞: pricking(「チクチクするような」感覚などを表す)
CEFRレベル: B2(中上級)
- 「prick」は日常会話に出てくることはそこまで多くないものの、文学やニュースなどで見かける場合があります。中上級レベル以上の学習者がある程度理解しておくとよい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 特に明確な接頭語・接尾語は含まれず、一語で完結する動詞です。
- 語幹は「prick」。
他の単語との関連性・派生語
- prickly: 形容詞「トゲトゲの」「とげのある」「ピリピリした」
- prickle: 動詞・名詞(感覚として)「チクチクする(こと)」「ヒリヒリする(こと)」
- pricking: 動名詞または形容詞「チクチク刺す(行為)」「ヒリヒリ痛む」
よく使われるコロケーションや関連フレーズ (10個)
- prick one’s finger(指をチクリと刺す)
- prick with a needle(針で刺す)
- feel a prick of guilt(ちくりとした罪悪感を覚える)
- prick up your ears(耳をそばだてる)
- prick the balloon(風船を突いて割る)
- prick someone’s conscience(良心をちくりと刺激する)
- prick holes in…(…に小さな穴を開ける)
- the sensation pricks(その感覚がチクチク刺す)
- prick something lightly(何かを軽く刺す)
- prick your skin(肌をチクリと刺す)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語の「pric-」や「prica(突起、針など)」に由来し、「チクリと刺す行為」を表していました。
- 歴史的使用: 中世には「針などでチクチクと刺す行為」全般を広く指し、そこからさらに比喩的に「刺激する」「良心を刺す(罪悪感を与える)」などの抽象的用法も発展してきました。
- ニュアンス・使用時の注意点:
- 動詞としては比較的直接的な「刺す」行為を指すので、日常会話ではシーンが限られます。
- 「prick up one’s ears(耳をそばだてる)」のイディオムは口語・文語どちらでも使われます。
- 名詞の「prick」はスラングとして相手を罵倒する表現や性的な意味にもなる場合があるため、注意が必要です(以下では主に動詞として解説します)。
- 動詞としては比較的直接的な「刺す」行為を指すので、日常会話ではシーンが限られます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞として:
to prick something
→ 「~をチクリと刺す、穴を開ける」
例: She pricked her finger with a needle. 自動詞として:
to prick
→ 「チクチク痛む」など、主語がチクリとした痛みを感じる場合に使うこともまれにあります。
例: My skin began to prick as I walked through the bushes.一般的な構文例:
- S + prick + O: “I pricked my finger.”(指を刺した)
- S + prick + O + with + 名詞: “He pricked the balloon with a pin.”(ピンで風船を突いた)
- S + prick (intransitive): “My foot pricked from standing outside in the cold.”(寒い中に立っていて足がチクチクした)
- S + prick + O: “I pricked my finger.”(指を刺した)
フォーマル/カジュアル:
- 「チクリと刺す」ことをそのまま表すだけならフラットなニュアンス。
- 「prick up one's ears」は日常表現にも使います。
- スラング用法の名詞形には注意が必要(非常にカジュアルかつ攻撃的)。
- 「チクリと刺す」ことをそのまま表すだけならフラットなニュアンス。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I accidentally pricked my finger while sewing.”
- 「裁縫中にうっかり指をチクリと刺してしまったよ。」
- 「裁縫中にうっかり指をチクリと刺してしまったよ。」
- “Ouch! I just pricked myself with a thorn.”
- 「痛っ!トゲでチクリと刺してしまった。」
- 「痛っ!トゲでチクリと刺してしまった。」
- “My skin started to prick when I touched the nettles.”
- 「イラクサに触れたら肌がチクチクし始めたよ。」
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Be careful when handling the samples as the needles may prick you.”
- 「針が指に刺さるかもしれないので、サンプルを扱うときは注意してください。」
- 「針が指に刺さるかもしれないので、サンプルを扱うときは注意してください。」
- “If the package is pricked or damaged, please report it immediately.”
- 「もし梱包に穴が開いたり破損した場合は、すぐに報告してください。」
- 「もし梱包に穴が開いたり破損した場合は、すぐに報告してください。」
- “We need to prick small holes for ventilation in these containers.”
- 「これらの容器に換気用の小さな穴を開ける必要があります。」
(3) 学術的/専門的な文脈
- “The nurse pricked the patient’s finger to check blood sugar levels.”
- 「看護師が血糖値を測るために患者の指をチクリと刺した。」
- 「看護師が血糖値を測るために患者の指をチクリと刺した。」
- “Researchers pricked the membrane to observe changes in pressure.”
- 「研究者たちは圧力の変化を観察するため、その膜に小さな穴を開けた。」
- 「研究者たちは圧力の変化を観察するため、その膜に小さな穴を開けた。」
- “The subject reported a pricking sensation, indicating nerve response.”
- 「被験者はチクチクする感覚を報告し、神経反応が見られた。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- poke(突く)
- 「先端でつつく」ことを意味し、軽めの行為を表す。
- 「先端でつつく」ことを意味し、軽めの行為を表す。
- jab(グサッと突く)
- 「素早く強く突き刺す」ニュアンスがあり、痛みが強いイメージ。
- 「素早く強く突き刺す」ニュアンスがあり、痛みが強いイメージ。
- pierce(貫通する)
- 「通し抜けるほど強く突き刺す」イメージで、より深く刺す意味。
- 「通し抜けるほど強く突き刺す」イメージで、より深く刺す意味。
- sting(チクリと痛む)
- 直接「刺す」アクションよりも、「刺されたときの痛み」に焦点がある。
反意語 (Antonyms)
- stroke(なでる)
- チクッと刺す行為とは反対に、柔らかくさする行為。
上記の類義語は使うシーン・強度やニュアンスが異なりますので、コンテクストによって使い分けます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /prɪk/
- アクセント: 単音節語のため、特別な強勢位置はありません。
- アメリカ英語とイギリス英語: 両方ともほぼ同じ /prɪk/ ですが、アメリカ英語では “r” の発音がやや強くなる場合があります。
- よくある発音の間違い:
- /piːk/ (peak) や /prɪk/ (prick)を混同しないように注意。
- 母音発音を日本語の「プリック」のように伸ばしてしまわないよう、短い /ɪ/ で発音します。
- /piːk/ (peak) や /prɪk/ (prick)を混同しないように注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “prick” を “pick” と書いてしまう間違いが多い。
- 同音異義語との混同: “brick” とは /brɪk/ で子音が異なるが、早口だと混同しやすい。
- スラング用法の誤用: 名詞 “prick” はスラングで相手を侮辱する言葉として強い表現になるので、使用には十分注意が必要です。
- 試験対策: TOEICや英検などでの頻出度は高くありませんが、長文読解などで出てきた場合に正しく読み取れるようにしておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「プリッと短い音とイメージする」と、「チクリ」と小さく刺す動作を連想しやすくなります。
- 「棘(とげ)や針でチクリと刺す!プッリック!」という擬音的な感覚で覚えるのも一つの手です。
- “prick up your ears” という面白いイディオムを一緒に覚えておくと、単語としてのインパクトが増し定着しやすくなります。
以上が、動詞「prick」の詳細な解説です。
意味のイメージ
意味(1)
(…で)…‘を'ちくりと刺す,突く《+名+with+名》
意味(2)
〈人,人の心身〉‘を'ちくちく痛ませる,ちくちく苦しめる
意味(3)
ちくりと刺すこと
意味(4)
刺してできた傷,突き傷;刺し穴
意味(5)
とげ,針
意味(6)
刺すような痛み;(心の)うずき,痛み《+of+名》