turbulence
以下では英単語 turbulence
(名詞) について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英語・日本語での意味
- 英語: “turbulence”
- 日本語: 「乱気流」「動揺」「混乱状態」など
飛行機の中での揺れをイメージする方が多いかもしれませんが、空気や水の流れが乱れたり、社会的・精神的な混乱を指すときにも使われる単語です。やや専門的な印象がありますが、日常でも「混乱状態」を表す言葉として使われることがあります。
品詞
- 名詞 (不可算名詞)
活用形
- 名詞なので活用の変化はありませんが、形容詞形など派生語があります。
- 形容詞: turbulent (例: turbulent flow「乱流の流れ」)
- 副詞: turbulently (例: The plane shook turbulently. 「飛行機が乱流で激しく揺れた。」)
CEFRレベル
- B2 (中上級) 以上と考えられます
- (理由) 一般的な会話でも使われることはありますが、いわゆる学術的・専門的な文脈(気象、物理、社会学など)でも登場するため、中〜上級者向けと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “turbulence” は、ラテン語の “turba”(混乱、かき乱す)に由来すると言われます。
- 接尾語 “-ence” は「状態・性質」を表す英語の典型的な形で、「乱れ・動揺している状態」を意味します。
詳細な意味
- 気象・物理学的意味:
- 空気や水などの流体の流れが乱れている状態
- 飛行機に乗ったときに遭遇する「乱気流」が代表例
- 空気や水などの流体の流れが乱れている状態
- 比喩的意味:
- 社会的・心理的に混乱している状態
- 「激動の時代」「社会の動揺」といった場面で使われる
- 社会的・心理的に混乱している状態
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- “air turbulence” – (空気の乱れ)
- “turbulent flow” – (乱流)
- “in turbulence” – (混乱状態で)
- “political turbulence” – (政治的混乱)
- “economic turbulence” – (経済的混乱)
- “experience turbulence” – (乱気流や混乱を経験する)
- “face turbulence” – (混乱や動揺に直面する)
- “ride out the turbulence” – (乱気流・混乱を乗り切る)
- “zones of turbulence” – (乱流域、混乱する領域)
- “period of turbulence” – (動乱の時期、混乱期)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “turba” (混乱) → “turbulentus” (乱れた、荒れた) → 後期ラテン語 “turbulentia” → 中期フランス語 “turbulence” を経て英語に取り入れられました。
ニュアンスや使用時の注意点
- 「乱気流」に代表されるように物理的な乱れを指すことが多いのですが、「社会や感情の混乱」を比喩的に表す場合にも用いられます。
- フォーマルな文章や学術論文などでは頻繁に登場しますが、カジュアルな場面でも「大きな揺れ・混乱」のようなニュアンスを表すときに使われることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
文法上のポイント
- 名詞 (不可算): “turbulence” は不可算名詞として扱われるので、通常
a turbulence
とは言いません。 - しばしば “turbulence in 〜” の形で、その場や領域での混乱を表す文脈で用いられます。
使用例
- フォーマル: Academic writing (科学論文や経済レポートなど)
- カジュアル: 会話で「社会的混乱」「心の動揺」を少し強調して言いたいとき
5. 実例と例文
ここでは、日常会話・ビジネス・学術の3つの場面に分けて、自然な例文をそれぞれ3つずつ紹介します。
日常会話 (カジュアル)
“We hit some turbulence on the flight, and it was really scary.”
(飛行機で乱気流に遭って、とても怖かったよ。)“I feel like our relationship has been in turbulence lately.”
(最近、私たちの関係は何だか混乱している気がする。)“There’s always some turbulence when you start a new job, right?”
(新しい仕事を始めるときはいつも何かと戸惑うことが多いよね。)
ビジネス (少しフォーマル)
“Our company has experienced economic turbulence due to global market fluctuations.”
(世界的な市場変動の影響で、当社は経済的な混乱を経験してきました。)“Despite the turbulence, we managed to maintain stable sales figures.”
(混乱にもかかわらず、私たちは安定した売上を維持することができました。)“We need a solid strategy to navigate the turbulence in the current market.”
(現在の市場の混乱を乗り切るためには堅実な戦略が必要です。)
学術的・アカデミック
“Turbulence plays a significant role in fluid dynamics and energy transfer.”
(乱流は流体力学とエネルギー伝達において重要な役割を果たす。)“Studies on atmospheric turbulence help improve airplane safety.”
(大気の乱流に関する研究は飛行機の安全性向上に役立つ。)“Social turbulence during the period led to major political reforms.”
(その時期の社会的混乱が大きな政治改革につながった。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- “unrest” (社会的・政治的な不安・動揺): “political unrest”など
- turbulence よりもややフォーマルな印象
- turbulence よりもややフォーマルな印象
- “disorder” (秩序の乱れ、無秩序): 個人や社会全体の秩序が崩れている様子
- turbulence が主に動き・乱れを強調するのに対して、disorder は秩序や体系が崩れた状態を強調
- turbulence が主に動き・乱れを強調するのに対して、disorder は秩序や体系が崩れた状態を強調
- “turmoil” (混乱、騒ぎ): 感情的・社会的に混乱している状態
- turbulence と同様に「大きな混乱」を示すが、より感情的な「騒動」感が強い
反意語 (Antonyms)
- “stability” (安定)
- “calm” (静寂、穏やかさ)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈtɜː(r)bjələns/
- アメリカ英語: tɝ́bjələns
- イギリス英語: tɜ́ːbjələns
よくある発音の間違い
- “tur” の部分を “タ” と短く発音してしまう、あるいは /tɚ/ (アメリカ英語) を曖昧に発音してしまう。
- アクセントを後ろの “-bulence” に置いてしまうことがあるが、正しくは第一音節 “TUR - bu - lence”。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “turbulance” として “e” を抜かす誤りが多い。
- 不可算名詞なので “a turbulence” や “turbulences” とは通常言わない。文脈によっては比喩表現で複数扱いされる可能性はゼロではありませんが、基本的には単数・不可算として扱います。
- 飛行機や物理など、専門用語としてテストに出ることがあります (TOEIC 等でも文章中に出現する場合あり)。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “turbu-” の部分を「飛行機で揺れる“ターブ”」とイメージすると覚えやすいかもしれません。
- 「乱気流」を思い浮かべて、「ゆれ」を表す単語だとインプットすることで、社会的混乱や感情的揺れもイメージしやすくなります。
- 勉強テクニックとしては、ニュースや新聞で “market turbulence” (市場の混乱)、「乱気流」の報道を見かけたときに、意識して単語とリンクさせると定着しやすいです。
以上が、名詞 “turbulence” の詳細な解説です。空や社会の動き・状態について話すときにとても便利な英単語ですので、ぜひ覚えてみてください。
荒れ狂うこと,激動,混乱;動乱,騒動
乱気流